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NAエンジン(自然吸気エンジン)とは?メリット5つ!音が最強の魅力?!

自動車用のエンジンには大きく分けて2つのタイプがあり、自然吸気エンジン(NAエンジン)と過給エンジンに分かれています。

どちらもよく聞く言葉ではありますが、今回はその自然吸気エンジンについて詳しくご説明していこうと思います。

NAエンジンとは

レクサス エンジン

自然吸気エンジンはNAエンジンとも呼ばれますが、NAとは「Natural Aspiration」の略、または「Normal Aspiration」の略で、前者は自然に吸引という意味、後者は無過給という意味で使います。

どちらにせよ過給器を使わないエンジンの総称ですが、そもそもこの言葉自体下級エンジンが登場したことによって生まれた言葉です。

過給器の技術が開発される前はすべてのエンジンが自然吸気だったわけで、その頃は特別な呼び方などなかったのです。

ではまずはそんな自然吸気エンジンの特徴をご説明しましょう。

自然吸気エンジンの特徴

自然吸気エンジンはレシプロエンジンの内燃機関の呼び名であり、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンが主なものですが、自然吸気という特徴は変わりません。

レシプロエンジンやガソリン、ディーゼルエンジンの特徴については別の専用記事でご説明していますので、ここでは自然吸気エンジンの特徴のみご説明します。

自然吸気という言葉通りエンジンのシリンダーに過給で圧力をかけることなく吸気を吸い込むのですが、全く何の力もかかっていないわけではありません。

レシプロエンジンはピストンがシリンダー内で上下しますが、吸気行程でピストンが下降する際にシリンダー内の圧力が低くなるので、気圧差で外部から空気が吸い込まれるのです。

吸い込まれる空気量は基本的にはエンジン設計でほぼ決まっており、ピストンストロークが大きいエンジンのほうが吸入空気量が増えます。

そのためエンジンの排気量である程度最大出力や最大トルクが決まる傾向にあり、排気量の大小がなによりのスペックの違いとなります。

過給エンジンでは排気量以上に空気に圧力をかけてシリンダーに送り込めるので、同排気量の自然吸気エンジン以上のパワーが出せるわけです。

自然吸気エンジンのメリットやデメリットは後ほどご説明しますが、基本的には過給エンジンと裏表の関係にあります。

自然吸気エンジンの出力の出し方

自然吸気エンジンは排気量である程度出力が決まるものですが、もう一つエンジンの出力を決める要素に最高回転数があります。

過給エンジンでは回転数に加えて過給圧やインタークーラーの有無などさまざまな要素が出力に関係しますが、自然吸気エンジンの場合にはエンジン回転数の高さが出力に直結します。

回転数が高ければそれだけ単位時間あたりに発生する出力が高くなりますので、エンジンの馬力が高くなるほか、車の最高速度も上がります。

エンジンの設計上の限界で最高回転数は決まっており、バルブの構造や冷却性能、ピストンやクランクシャフトなどの耐久性などで左右されます。

高性能なエンジンほど耐久性の高い設計がなされており、高回転型の特性とともに高出力が出せるのです。

自然吸気エンジンでは排気量と最高回転数がエンジンスペックを決定する主要因です。

NAエンジンの音

NAエンジンは過給エンジンとはエンジンサウンドが大きく違っており、音の違いによっても好みが分かれる点です。

まずは自然吸気エンジンを搭載した車たちのサウンドを集めた動画をご覧ください。


動画では国産車の自然吸気エンジン搭載社がいくつも出てきますが、多くは排気量の大きいスポーツカーでありエンジン音の特徴がはっきりわかります。

自然吸気エンジンのサウンドはエンジン型式や気筒数によっても変わってきますが、総じて澄んだ甲高い音が特長となります。

とくに気筒数の多いエンジンでその本領が発揮され、聞いていて気持ちの良い吹け上がりを見せます。

その特徴はレーシングカーにおいては更に顕著に発揮されており、次にご紹介するF1エンジンでターボエンジンと比較することでよくわかります。


2013年と2014年のF1選手権の走行シーンですが、この年はエンジンのレギュレーションが大きく変わり自然吸気エンジンからターボエンジンに変更されました。

動画の冒頭は2014年のターボエンジンで、そのサウンドは雑音の多いドロドロとしたものが特徴でしたが、2013年の自然吸気エンジンはそれと大きく違って甲高いサウンドが特徴です。

市販車ではここまでの違いが出ないように抑えてあるのですが、2種類のエンジンの特徴はこの動画がよくわかります。

NAエンジンのメリット・デメリット

メリット、デメリット

NAエンジンは過給エンジンと比較した場合にメリットとデメリットがはっきり別れており、両者の違いが車の性格を決めています。

NAエンジンのメリット

NAエンジンのメリットはそのままガソリンエンジンのメリットとなります。

ディーゼルエンジンについては燃焼方法の違いからすべて当てはまるわけではありません。

高回転型エンジンに向いている

NAエンジンは前述の通り最高回転数を高めて出力を上げるエンジンですが、それは過給エンジンが苦手としていることです。

過給エンジンでメインのターボエンジンは排気ガスのエネルギーで過給を行うのですが、排気ガスをタービンで受けていることもあり排気ガスの流れに対して抵抗となります。

高回転域では排気ガスの流れがスムーズでないとエンジン効率が落ちるのですが、ターボはまさにその妨げとなるので高回転域が苦手です。

しかしNAエンジンはターボがない分排気ガスの流れがスムーズで、高回転域まで排気効率の高いエンジンを実現できます。

高回転型にするためには他にもバルブ系の設計や、高い耐久性を確保する等が必要ですが、エンジンの基本的な構造として高回転型に向いているエンジンと言えます。

燃費に優れる

過給エンジンと同排気量のNAエンジンでは出力は下がるものの、その分燃費に優れる点がメリットとなります。

過給エンジンは小排気量で高出力を発揮できるエンジンですが、それは空気量を増加させたことで燃料を多く燃やせることになったためであり、基本的には燃費は悪くなる傾向があります。

ターボエンジンが大人気となった1980年代から1990年代では高出力こそ車の魅力だったのですが、その後環境意識の高まりと景気の悪化から燃費に注目が行くと途端にNAエンジンが普及しました。

NAエンジンの燃費はターボエンジンより2、3割は良く、回転数を抑えめのセッティングにするとかなりの効率を発揮します。

現在燃費に最も優れる車はトヨタのプリウスやアクアなどのハイブリッドカーですが、組み合わされるエンジンは燃費性能を重視したNAエンジンです。

その分過給エンジンより最高出力や最大トルクの面で劣りますが、低速域に関してはハイブリッドのモーターが補助することで補ったりもしています。

燃費を重視した車にするならばNAエンジンが基本となっていますが、ただ近年はダウンサイジングターボエンジンという新技術によりターボエンジンの燃費もかなり向上しています。

効率に優れる

NAエンジンは過給エンジンに比べてエンジンの圧縮比を高く設定することが出来、エンジン本体としては高い熱効率を持っています。

エンジンの出力や燃費性能は熱効率の高さがほぼ全て担っていると言ってもよく、熱効率を高めるもっとも基本的な構造は圧縮比を高めることです。

圧縮比はピストンでシリンダー内の混合気を圧縮する割合のことで、ターボエンジンでは7程度が基本のところNAエンジンは9程度まで可能となります。

その差の分NAエンジンの熱効率は高くなり、エンジン効率も上がります。

この圧縮比の違いはエンジンのノッキング性の違いであり、ターボエンジンは空気を多く取り込む分燃料が異常燃焼するノッキングが起こりやすいのです。

それを抑えるには圧縮を下げて混合気の温度を下げる必要があり、そのためにエンジン効率は低下します。

NAエンジンはこの点で条件が良いので圧縮比は高めにできるわけです。

MEMO

ただこれはエンジンの基本的な構造によるものであり、現在は直噴エンジンやEGR、可変バルブなどによって圧縮比はどんどん高くできるようになってきています。

ですが基本的にNAエンジンのほうが高くできるのは変わりなく、NAで14、ターボエンジンで11ぐらいまでの圧縮比が実現できています。

加速がリニアでレスポンスに優れる

NAエンジンは一般的に過給エンジンより滑らかな加速が特徴的で、アクセルを踏んだ後にすぐ加速が始まるレスポンスにも優れます。

過給エンジンの主流であるターボエンジンは、ピークの加速はNAエンジンよりも強力なのですが、アクセルを踏んでから実施兄加速が始まるまでの間にターボラグという時間差が発生します。

ターボラグの仕組みについては別記事で解説していますが、この特性があるためターボエンジンの加速は急激に高まるような特性を持ち、またアクセルを踏んでから時間をおいて加速が始まるというレスポンスの悪さもあります。

ですがNAエンジンにはターボラグがないのでこれらのデメリットがなく、素直な特性を示します。

このことは車の運転感覚にも大きな違いを与えており、ストレスの少ないリニアな加速が好きなユーザーはNAエンジンこそ魅力的なエンジンとなります。

構造がシンプルで軽量低コスト

NAエンジンは過給エンジンよりも部品点数が少なく、構造もシンプルなのは大きなメリットです。

過給エンジンはターボチャージャーやスーパーチャージャー、インタークーラーなどの大型部品や、それを補助する冷却システムなど、NAエンジンに対してかなり部品が増加します。

また過給することによってシリンダーやピストンなどにも大きな負荷がかかるので、エンジン本体も頑丈にする必要があります。

ですがそれらの影響は部品点数の多さと、エンジンの重量増加というデメリットをもたらします。

NAエンジンはそれらのデメリットがないので比較的シンプル、軽量コンパクトにまとめられます。

また重量が軽いことで車の走行性能や燃費にも良い影響を与えており、NAエンジンの大きなメリットです。

また部品点数が少ないことはコスト面にもメリットがあり、低価格の車には向いています。

NAエンジンのデメリット

NAエンジンは過給エンジンと比べてメリットは多いのですが、デメリットもいくつかあります。

最高出力、トルクの面で劣る

NAエンジンが過給エンジンにどうしても劣るのは、やはり最高出力とトルクの面で、エンジン性能という点ではNAエンジンは低いのです。

過給エンジンはその特性から少ない排気量で高い出力とトルクを発揮することができ、それより吸入空気量が少ないNAエンジンではどうしても太刀打ちできません。

一般的に過給エンジンは1.5倍の排気量を持つNAエンジンと同じぐらいの性能を持つとされており、同じ排気量では過給エンジンのほうが高い性能となります。

この特徴こそ過給エンジンがNAエンジンに対する最大のメリットで、また少ない排気量で高い出力が出せるということで、税金面でのメリットも持っています。

また近年ではダウンサイジングターボエンジンというコンセプトが主流の一つとなっており、小型過給エンジンによってワンランク上のNAエンジンと同性能にすることで、軽量化や燃費の面でメリットをもたせることもできています。

加速が過給エンジンより弱い

前述の加速のリニアさとアクセルレスポンスについてはNAエンジンが優れていますが、その一方で加速の鋭さについてはやはり過給エンジンのほうが優れます。

過給エンジンはターボラグで加速が遅れるのですが、その分加速の始まったあとは強烈な加速を得ることが出来ます。

NAエンジンはそれに比べるとピークの加速が穏やかで弱く感じられます。過給エンジンの加速はターボ車の魅力の一つでもあり、NAエンジンでは絶対に感じられないものです。

NAエンジンとターボエンジンの走行感覚の差は車の魅力に直結するのですが、ターボエンジンのほうが魅力的に感じる人も決して少なくありません。

高出力エンジンは排気量が大きい

NAエンジンで高出力エンジンを実現しようとすればどうしても排気量を大きくしなくてはならず、それはエンジンの重量増加や燃費の悪化などのデメリットを招きます。

NAエンジンは排気量が少なければ効率がよく燃費もよいのですが、高出力化を狙うエンジン設計にするとどうしてもデメリットが大きくなっていきます。

過給エンジンは高い出力でもエンジン排気量は低く抑えられるので、その分重量削減などにも貢献します。

特にエンジン出力を追求するスポーツカーやスーパーカーなどのエンジンには小型高出力の過給エンジンが合っていることが多く、特にスーパーカーではNAエンジンは少ないのです。

NAエンジンの評価・口コミ

NAエンジンの評価はTwitterにもさまざまなものがありますが、概ね高い評価が見受けられます。

今回はそんな中からいくつかご紹介しましょう。

NAエンジンはレスポンスが素晴らしい

NAエンジンの鋭いレスポンスは高回転型エンジンで顕著に見られるもので、また加減速が多いような走行シーンではその特徴が最大限発揮されます。

ターボでは加減速が多いとターボラグが目立ってしまうのですが、常にリニアな加速の得られるNAエンジンはストレスも少なく思ったとおりの走りができるのが素晴らしい点です。

NAエンジンのサウンドは最高

車の魅力は出力やトルクにあるのは確かなのですが、そのほかにエンジンサウンドの違いにも現れます。

NAエンジンの吹け上がりは気持ちの良いエンジンサウンドが特徴で、それは前述でお聞きいただいたとおりです。

ホンダには後ほどご紹介するVTECというエンジンがあるのですが、このエンジンは高回転になるとエンジンサウンドが変化し、運転していて非常に気持ちの良いエンジンのひとつです。

NAエンジンとターボエンジンの差は少なくなっている

NAエンジンの特徴は過給エンジンと正反対なものを持つのが多かったのですが、近年はターボエンジンのデメリットを技術で大きく改善させ、NAエンジンに近い走行フィールを持つものも増えてきています。

そういった点では過給エンジンの魅力が上がってきたと言えるのですが、一方でエンジンサウンドの点では未だに大きな差があることも確かです。

NAエンジンの名機

NAエンジンは各自動車メーカーを代表する技術力の塊であり、名機と呼ばれるエンジンも何機種も生まれました。

今回はそんな中から何機種かご紹介しましょう。

トヨタ(レクサス):2UR-GSE

レクサス 2UR-GSE

トヨタは昔から自然吸気エンジンの名機を何機種も生み出しているメーカーであり、近年はハイブリッドを代表するエコカーのイメージが強いのですが、大排気量のNAエンジンも得意としています。

そんなトヨタがレクサスブランドで展開している車種に搭載されているのが、自然吸気V8エンジンの「2UR-GSE」エンジンです。

このエンジンはレクサスのスポーツモデルに多く搭載されており、「レクサス LC」「レクサス IS-F」などに使われます。

URエンジンと呼ばれるシリーズで何機種かありますが、その中の5リッターエンジンが2UR-GSEです。

スペック2UR-GSE(LC500)
エンジン4.968L V型8気筒 DOHC 32バルブ デュアルVVT-iE
最高出力351kW (477PS)/7,100rpm
最大トルク540N・m (55.1kgf・m)/4,800rpm

このエンジンはトヨタがスポーツカー向けにこだわって仕上げたエンジンで、何より自然吸気エンジンのフィーリングとレスポンスの良さ、加速の伸びを追求するためにターボ化は行わないというコンセプトで設計されました。

このエンジンには2つ特徴があり、1つ目は直噴エンジンとポート噴射エンジンのインジェクターを併せ持つ「D4-S」というシステム点です。

直噴エンジンはNAエンジンのレスポンスをさらに向上させる技術なのですが、環境性能がいまいちなことがあり、それを改善するためにポート噴射を一緒に組み合わせるという独自の技術が盛り込まれています。

もう一つはVVT-iEという可変バルブ機構で、低回転域と高回転域でバルブタイミングを切り替えることで、低回転のトルクと高回転の出力を両立しています。

これまでは油圧で制御されていたシステムを電子制御化し、更に細かいコントロールを可能としています。

これらの技術はすべて自然吸気エンジンの性能を引き出すための技術であり、トヨタの技術の粋を集めた名機といえます。

ホンダ:B16エンジン(VTEC)


トヨタと同じく自然吸気エンジンにこだわっている国産メーカーがホンダで、VTECエンジンはその代表格です。

そのVTECエンジンの名機と言われているのが、シビック等に搭載されたB16エンジンです。

スペックB16B(シビック Type-R EK9)
エンジンB16B型:1.6L 直4 DOHC VTEC
最高出力185PS/8,200rpm
最大トルク16.3kgf·m/7,500rpm

VTECは前述した可変バルブ機構のひとつで、トヨタより先に登場したのがVTECです。

VTECは吸気側、排気側バルブ両方を可変するシステムで、一本のカムシャフトに低回転側、高回転側のカムが両方ついているのが特徴です。

そのカムを油圧で切り替えて低回転から高回転まで幅広いパワーバンドを持つエンジンに仕上がるという、ホンダを代表するエンジンの中核技術です。

この頃のバルブはカムで直動する方式のエンジンが多かったのですが、VTECではあえてスイングアームで押す方式にしてあり、そのスイングアームの切り替えでコントロールしています。

B16BはこのVTECエンジンの初期に登場したエンジンですが、NAエンジンながらリッターあたり100馬力を発生させるという意欲的な設計のエンジンをVTECによって実現させました。

このことによりホンダの高出力NAエンジンは素晴らしい出力と、8,000rpmあたりまで伸びる高回転型ユニットとして、日本のみならず世界中で話題となりました。

前述のツイートにもありましたが、このカムの切り替えによってエンジンサウンドも大きく変化し、非常に気持ちの良い走行感覚を得られるエンジンです。

クライスラー:HEMIエンジン

 

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もう一つ歴史の長いNAエンジンをご紹介します。アメリカ最大の自動車メーカーGM(ゼネラルモータース)のブランドであるクライスラーに「HEMI」と呼ばれる大排気量V8 NAエンジンのシリーズがあり、アメリカを代表するエンジンの一つです。

アメリカは大パワーの車を好むのですが、エンジンは過給エンジンではなく自然吸気エンジンのほうが圧倒的に人気が高いです。

それはアメリカという広大な大地を走る場合、レスポンスがよくストレスの少ないエンジンが最適だからです。

アメリカにはビッグ3と呼ばれる自動車メーカーがありますが、各社とも代表的な車種は大排気量のNAエンジンとなります。

クライスラーは中型セダンから大型SUVを手がける高級メーカーで、HEMIエンジンは同社の顔の一つです。

1950年から続くHEMIエンジンは半円球型の燃焼室とOHCという特徴的な構造を持っており、低回転域から高いトルクを発揮するエンジンとなっています。

OHCなので高回転型エンジンには不向きですが、その分耐久性と信頼性の高さがあります。

また排気量は4L~7Lと非常に大きく、低い回転数でもしっかりしたパワーを発揮します。

また2001年ごろから新世代のHEMIエンジンも登場し、OHCと半球状の燃焼室こそ無くなったものの、2プラグ化によるレスポンスの向上、可変シリンダーシステムと呼ばれる気筒休止システムも備え、出力と燃費の両立を図っています。

スペックHEMI(クライスラー 300C)
エンジン5,654cc V型8気筒OHV
最高出力360ps(265kW)/5,100rpm
最大トルク53.8kg・m(528N・m)/4,300rpm

300Cは大型の高級車ですが、5.7Lの大排気量NAエンジンが発生する強烈なトルクにより、その車重を感じさせないほどの走りを見せます。

こういった特徴がアメリカ車の真髄であり、日本とは大きく違う自動車文化のためのエンジンといえるでしょう。

NAエンジン搭載車

NAエンジンを搭載した車はそれこそ星の数ほどありますが、その中からもいくつかご紹介しておきましょう。

マツダ デミオ

マツダ デミオ

デミオはマツダの主力コンパクトカーで、車としてはオーソドックスな車種なのですが、4代目から搭載されたSKYACTI-Gエンジンが素晴らしい車です。

SKYACTIVはマツダの次世代自動車技術の総称で、そのうちガソリンエンジンをSKYACTIV-Gと呼びます。

2010年に発表された後にマツダの全車種のガソリンエンジンはこれに置き換わりました。

スペックマツダ デミオ SKYACTIV-G搭載
エンジンP3-VP S型 1,298cc 水冷直列4気筒DOHC16バルブ
最高出力68kW(92PS)/6,000rpm
最大トルク121N・m(12.3kgf·m)/4,000rpm

スペック的には突出したところはありませんが、このエンジン最大の特徴はガソリンエンジンで圧縮比を世界最高の14にまで高めることに成功したことです。

ノッキングの問題をさまざまな細かい改善の積み重ねで解消し、燃費、トルクともそれまでより15%も改善する高い効率を誇ります。

マツダはハイブリッド等の電動化に力を入れるよりもエンジンの高効率化を重視しており、それを体現するのがSKYACTIV-Gです。

マツダのNAエンジンは世界トップクラスの効率を誇り、その技術力の高さが認められています。

デミオのような燃費重視のコンパクトカーには低コスト高効率のNAエンジンは最良の組み合わせです。

なおマツダでは2019年にさらに効率を追求した新型エンジン「SKYACTIV-X」の登場を発表しており、これにはHCCIという夢の技術が実現されました。

NAエンジンの技術はまだまだ進化できる余地が多分にあり、その先鋒を務めるのはマツダです。

ランボルギーニ ウラカン

ランボルギーニ ウラカン

スーパーカーの世界においては高出力と加速を重視するために過給エンジンが多いのですが、その中にあって自然吸気エンジンにこだわり続けているメーカーがあります。

それはイタリアの有名メーカーランボルギーニで、同社は昔から今に至るまで大排気量の自然吸気エンジンを一貫して採用しているのです。

フェラーリやポルシェなど名だたるスーパーカーメーカーがターボエンジンを投入する中にあっても、ランボルギーニは自然吸気エンジンの持つリニアな加速とレスポンスの良さこそがスーパーカーの官能的な走りにつながるとしており、ランボルギーニ ミウラから続くスーパーカーの系譜には一度も過給エンジンはありません。

例外的に最新型のSUV ウルスにはターボエンジンが搭載されましたが、SUVというランボルギーニとは少し異質な車種であるためです。今回はその中からランボルギーニ ウラカンのエンジンをご紹介します。

スペックランボルギーニ ウラカン
エンジン5.2L V10 DOHC
最高出力610ps(449kW)/8,250rpm
最大トルク57.1kgf・m(560N・m)/6,500rpm

ウラカンのエンジンはアウディR8などと同じくフォルクスワーゲングループとして使われているエンジンですが、車ごとに専用のチューニングが施されて最高出力は自然吸気エンジンながら610馬力という非常に高いものを発揮します。

最大トルクも57kgfという高トルクで、このエンジンをミッドシップに搭載してフルタイム4WDにしたウラカンは、非常に鋭い加速を発揮します。

このV10エンジンにはデュアルインジェクターシステムが搭載されており、前述したトヨタのD4-Sと同じ用に直噴用インジェクターとポート噴射用インジェクターの2種類を備えます。

これにより直噴エンジンの高いレスポンスと高出力に加えて、燃費や環境性能にも配慮したエンジンとなっています。

またそのエンジンサウンドは官能的の一言で、加速時にはF1カーのような気持ちの良いサウンドを響かせるのも、ランボルギーニに大きな魅力を与えています。

ランボルギーニは今後も自然吸気エンジンをメインに採用していくようですが、ハイブリッドなどの電動化は行うようで、今後の車は低速トルクや加速はさらにすごいことになりそうです。

NAエンジンの今後

NAエンジンは自動車用エンジンの基礎中の基礎といえるエンジンであり、自動車にエンジンが搭載されるうちは必ず登場してきます。

環境性能や燃費性能は今後更に重要となっていますのでエンジンの高効率化は必須であり、それはそのまま自然吸気エンジンの改良が続けられるということでもあります。

しかし近年はダウンサイジングターボエンジンという小型高出力の過給エンジンの割合が増えて自然吸気エンジンが多少減ってきていますが、今後電動化エンジンが増えてくればまた自然吸気エンジンが増えていくでしょう。