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ディーゼルエンジンとは?仕組み/構造を簡単にわかりやすく解説!

エンジンとは機械動力を発生させる機械の総称ですが、一口にエンジンといっても種類によってその構造や特徴は大きく違います。

その一つに自動車用エンジンのディーゼルエンジンがあり、今回はディーゼルエンジンについて詳しくご説明していきます。

ディーゼルエンジンとは?

エンジン

ディーゼルエンジンという名称は、このエンジンの開発者であるドイツ人 ルドルフ・ディーゼル(Rudolf Christian Karl Diesel)の名前から取られており、1892年に発明されました。

MEMO

19世紀の後半はさまざまな種類のエンジンが開発された時代で、自動車用エンジンの主流であるガソリンエンジンもこの頃開発されたエンジンです。

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ディーゼルエンジンはガソリンエンジンよりも後に開発されたエンジンで、ガソリンエンジンより20年も後になって登場しました。

ディーゼルエンジンはガソリンエンジンと同じレシプロエンジンの一種類であり、ピストンとシリンダーの直線運動をクランクシャフトで回転運動に変換するエンジンです。

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またどちらもピストンで空気や燃料を圧縮する内燃機関であり、基本的な構造はかなり似ています。

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ですがエンジンの特性は大きく違っており、ディーゼルエンジンのほうが大トルクを出すのに長けています。

そのためディーゼルエンジンは初期には工場の機械動力や、船舶用のエンジンなど大型のエンジンに採用されており、自動車用として採用されたのは1930年頃で、しかもトラックなどの商用車が最初です。

乗用車にディーゼルエンジンが採用されたのは1933年にフランスのシトロエンが制作しており、ガソリンエンジンが最初から乗用車用として開発されたことに比べるとかなり後のこととなります。

その後ディーゼルエンジンは

  • 工場機械
  • 船舶
  • 商用車
  • 軍用車
  • 列車
  • 航空機

など幅広く活用されるエンジンとなり、その汎用性はガソリンエンジン以上になっています。

なおディーゼルエンジンとガソリンエンジンの違いについては、以下の記事でさらに詳しく解説しています。詳細まで知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。

車のエンジンガソリンエンジンとディーゼルエンジンの違い3つ!比較すると熱効率や寿命が全然違う?!

ディーゼルエンジンの仕組み・構造

さてここからはディーゼルエンジンの構造や動作原理などについて詳しくご説明していきます。

ディーゼルエンジンの燃焼方法

まずディーゼルエンジンの最大の特徴と言える燃焼方法をご説明します。

MEMO

ディーゼルエンジンの燃焼方法は「圧縮着火」という方式で、これは燃料の自己着火という現象を利用した燃焼方法です。

自己着火は石油化学系の燃料の持つ特性の一つで、燃料の温度がある一定以上に達すると火種が何もなくても自然に発火する現象です。

燃料の成分によって発火温度はさまざまですが、温度が高ければ一瞬で燃焼が始まるわけです。

ディーゼルエンジンは燃料の自己着火を利用して燃焼するエンジンなので、とにかくエンジンのシリンダー内部の温度を上げる必要があります。

そのためディーゼルエンジンはピストンでシリンダー内を圧縮する割合が高いエンジンであり、このことを圧縮比といいますが、圧縮を高めることでシリンダー内部の気体を高温にすることができます。

そのためディーゼルエンジンはまずシリンダー内に空気だけを取り込んで圧縮し、高温になった状態の空気中に燃料を直接噴射することで爆発的な燃焼を起こすのです。

空気が圧縮されたシリンダー内は燃料が自己着火を起こすには十分な温度となっているので、シリンダー内に霧状に細かく燃料が噴射され、気化して空気と混合した箇所から自己着火が起こって燃焼が起こります。

これは燃焼室内のあちらこちらで同時多発的に起こりますので、全体的には爆発的な燃焼となり、これがピストンを押し下げてエンジンの回転運動を生み出す力となります。

MEMO

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ディーゼルエンジンの構造

ディーゼルエンジンは前述の圧縮着火を起こすために専用の構造を持っており、その中心は圧縮比の高いシリンダーとピストンのセッティングです。

ディーゼルエンジンの圧縮比

圧縮比はピストンでシリンダー内の容積をどれだけ圧縮するかの比を表しますが、ディーゼルエンジンは圧縮比が高いエンジンの構造となっており、圧縮比14〜22ぐらいがディーゼルエンジンの一般的な圧縮比です。

それに対してガソリンエンジンは8〜14ぐらいの圧縮比で、ディーゼルエンジンがどれだけ高いかが分かるでしょう。

内燃機関のエンジンは圧縮比を高くするほどエンジンの効率が高くなるため、一般的にガソリンエンジンよりディーゼルエンジンのほうが高効率です。

この圧縮比を実現するためにディーゼルエンジンはピストンストロークの大きなロングストロークエンジンとなっており、燃焼効率の高さも相まって低速トルクが高くなります。

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ディーゼルエンジンの燃料噴射系

ディーゼルエンジンはシリンダー内に燃料を噴射するため、専用の構造が必要です。

MEMO

ディーゼルエンジンの燃焼タイミングを決めているのは燃料噴射のタイミングで、エンジンの高い回転数にマッチするために細かな制御が必要です。

シリンダー内への燃料噴射機構は昔のディーゼルエンジンは機械式のポンプと噴射機で構成されており、ポンプで加圧した燃料を噴霧器で細かい霧にしてシリンダー内へ噴射していました。

この構造でもエンジンは稼動するのですが、近年はもっと細かな制御を行うために電子制御式のシステムが一般的です。

「コモンレールシステム」という電子制御システムは、高圧燃料を各シリンダーに分配するコモンレールとシリンダーごとに一本ずつ装着される燃料インジェクターで構成されます。

高圧燃料は専用の高圧燃料ポンプで加圧され、20気圧という非常に高い圧力まで高められます。その高圧燃料をインジェクターの細かい噴霧穴から噴射するので、燃料が非常に細かい霧状になり燃焼効率が上がります。

燃料インジェクターは電子制御化されており、エンジン制御コンピューター(ECU)の制御によって最適なタイミングで噴射できるようになっています。

また一回だけでなく複数回に分けて噴射することもでき、エンジンの作動状態にあわせて適切な燃料噴射を実現できています。

エンジン本体系の耐久性

ディーゼルエンジンは圧縮比の高さと圧縮着火という構造から燃焼エネルギーが高く、エンジンの効率も高いのですが、その燃焼エネルギーに耐える構造がエンジン本体系には求められます。

燃料の燃焼エネルギーはエンジンの

  • シリンダー
  • ピストン
  • コンロッド
  • クランクシャフト

などさまざまな部分に衝撃を与えますが、これらの部品の耐久性が弱かった場合には破損等の問題が起こります。

そのためディーゼルエンジンの本体系はガソリンエンジンより頑丈にしなければならず、一般的には部品を大型化させて耐久性を確保します。そのためディーゼルエンジンの本体系はどうしても重量が増加します。

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またピストンやクランクシャフトなどの運動系部品が重たくなるため、エンジン回転数が高くなって慣性質量が増大するような条件は苦手としており、ディーゼルエンジンの構造上から来るデメリットとなっています。

ディーゼルエンジンの燃料

ガソリン

ディーゼルエンジンは圧縮着火で燃焼するという特性上さまざまな燃料が使用でき、他の内燃機関のエンジンにはない特徴です。

自動車用のディーゼルエンジンはおもに軽油を燃料にして稼働しますが、軽油の自己着火温度である250℃近辺で自己着火する燃料であればだいたいのものがディーゼルエンジン用燃料として機能します。

産業用や船舶用など用途によって使用される燃料は違いますが、主に次のような燃料が使われています。

ディーゼルエンジンの燃料使用用途
軽油自動車、トラック
重油船舶、産業機械
バイオディーゼル自動車
ジェット燃料(ケロシン)航空機、軍用飛行機、ヘリコプター

これらの燃料はすべて同じ構造のディーゼルエンジンで使用可能な燃料ではありますが、燃料噴射系や燃料フィルターなど燃料に関する部品についてはそれぞれ専用のものが必要です。

なおガソリンは軽油よりも自己着火温度が高くディーゼルエンジンには使えません。

ディーゼルエンジンで特徴的なのはもっとも粘度の高い燃料である重油が使用できる点で、ほかのエンジンでは使用できずに余ってしまう重油なので値段も安くなります。

船舶用ディーゼルエンジンの燃料はほとんどが重油で、経済性が重要な産業機械などでも使われています。

なおディーゼルエンジンの燃料については以下の記事でさらに詳しく解説しています。詳細まで知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。

ガソリン(クリーン)ディーゼルの燃料は軽油?灯油やガソリンを給油しても走れる?

ディーゼルエンジンの問題点と対策

ディーゼルエンジンは圧縮着火という構造から燃焼エネルギーが高く、エンジンのパワーが比較的高いエンジンです。

また燃料にも汎用性がありメリットの多いエンジンなのですが、一つ大きな問題点として排気ガス内の有害物質があります。

ディーゼルエンジンから生まれる有害物質

軽油もガソリンも炭化水素系の燃料なので、不純物がない状態で完全燃焼させるとCO2(二酸化炭素)と水(H2O)が排出されます。

ですがエンジンの内部という特殊な条件で燃焼させた場合さまざまな有害物質が生まれます。

ディーゼルエンジンの燃焼時にはCO2とH2Oももちろん生成されますが、その他にHC(炭化水素)、CO(一酸化炭素)なども生成されます。

注意

またディーゼルエンジンの高い燃焼エネルギーにより、空気中の窒素と酸素が結合したことで生まれるNOx(窒素酸化物)が生成されます。

これらの有害物質は大気中に排出されると光化学スモッグの原因となったり、人体に重大な影響を及ぼすことが知られています。

また他にもPM(粒状黒鉛)と呼ばれる非常に細かなカーボンの粒子も生成されており、これは燃料が不完全燃焼した際に燃料の一部が炭となったものです。

このPMはそのまま排出されると排気ガスを黒くするほどの量があり、昔のディーゼルエンジンの排気ガスは軒並み真っ黒でした。PMも人体に有害な物質で、こちらは肺がんの原因物質となります。

ディーゼルエンジンの発生させる有害物質は大気汚染の大きな原因の一つであり、現在非常に厳しい規制の課せられるものとなっています。

なおディーゼルエンジンのPM(煤)については以下の記事でも詳しく解説しています。詳細まで知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。

320d エンジン(クリーン)ディーゼルの煤問題とは?除去・洗浄や対策方法まで全て解説!

ディーゼルエンジンの排気ガス対策

排気ガス

ディーゼルエンジン、とくに自動車用のエンジンには前述した有害物質を浄化する排気ガス浄化装置の装着が不可欠で、その必要性は規制が年々厳しくなる中においてより重要となっています。

有害物質は大気中に放出する前に無害化する必要があり、そのためには触媒による化学変化を起こして排気ガス中の有害物質を変換する必要があります。

ガソリンエンジンなどは一種類の触媒で浄化することができるのですが、ディーゼルエンジンの場合にはそれぞれの有害物質に適応した触媒がそれぞれ必要となります。

ディーゼルエンジンの触媒には次のようなものがあり、これらを装着して排気ガス浄化能力が高まったディーゼルエンジンを現在では「クリーンディーゼルエンジン」と呼んでいます。

パジェロ エンジンクリーンディーゼルエンジンとは?メリット2つとデメリット3つ!仕組み/構造の特徴まで解説!
触媒種類処理する有害物質発生時
DPF(Diesel particulate filter)PM(粒状黒鉛):黒煙の原因エンジン低負荷時
酸化触媒HC(炭化水素)、CO(一酸化炭素)エンジン低負荷時
・NOxトラップ触媒
・尿素SCR触媒
NOx(窒素酸化物)エンジン高負荷時

これらの触媒は貴金属を多用するためコストが高く、排気ガス規制のゆるい昔は使われていませんでした。

ですが深刻な大気汚染を解決するために規制の強化は待ったなしの状態であり、現在自動車用のディーゼルエンジンにはこれら3種類の触媒がほぼ欠かせない状況となっています。

船舶や産業用機械などのディーゼルエンジンでは規制が違うため状況は変わりますが、排気ガス浄化技術の導入自体は必要となってきており年々厳しくなっています。

なおディーゼルエンジンの将来性については以下の記事で詳しく解説しているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。

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ディーゼルエンジンとほかのエンジンの違い

次にディーゼルエンジンと他のエンジンとの違いを簡単にご説明していきます。

ディーゼルエンジンとガソリンエンジンの違い

ディーゼルエンジンとガソリンエンジンはどちらも自動車用のエンジンの主流ですが、その特性は大きく違います。

前述でも触れたとおり、ディーゼルエンジンとガソリンエンジンはどちらもレシプロエンジン、および内燃機関の一種類で、

  • シリンダー
  • ピストン
  • クランクシャフト

などの本体系の構造はほぼ変わりません。

ですがこの2つのエンジンの構造には一つ大きな違いがあり、それは燃料への点火機構です。

MEMO

ディーゼルエンジンは燃料の自己着火による圧縮着火機構ですが、ガソリンエンジンはガソリンに火種で点火する火花点火方式です。

ガソリンという燃料は自己着火には向きませんが火種によって非常に点火しやすい燃料で、また常温で気化するので空気との混合もしやすい燃料です。

ガソリンエンジンの点火にはスパークプラグという電気火花を飛ばす部品を使用し、あらかじめ空気とガソリンを混合したガスにエンジンの回転タイミングに合わせて点火を行います。

ただガソリンエンジンには「ノッキング」というデメリットが昔からあり、エンジンの圧縮比を高くすると混合気中のガソリンが圧縮中に自己着火してしまう現象です。

ディーゼルエンジンの発火原理と同じですが、ガソリンエンジンの場合には不規則なタイミングで起こる異常燃焼であり、避けるためにどうしてもエンジンの圧縮比を下げざるを得ません。

このことからディーゼルエンジンのような高い燃焼エネルギーが得られず、低速トルクの不足や燃費の悪化などが起こります。

ただしディーゼルエンジンのように本体系部品の耐久性を高める必要がないため、ピストンやクランクシャフト、コンロッドなどの運動系部品が比較的軽量で、高回転域までスムーズに吹け上がる特徴を持ちます。

そのためディーゼルエンジンが不得意な高回転域での出力や、最高速度を出すことが得意で、ディーゼルエンジンとは正反対の特性を持っていると言えるでしょう。

そのため自動車用エンジン、とくに中、小型車のような車にはガソリンエンジンが向いているといえ、ディーゼルエンジンよりも普及が進んでいます。

なおディーゼルエンジンとガソリンエンジンの違いについては、以下の記事でさらに詳しく解説しています。詳細まで知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。

エンジン「クリーンディーゼル」vs「ガソリンエンジン」の違い8つ!燃費や維持費まで比較!

ディーゼルエンジンとハイブリッドの違い

近年国内でとくに発展しているエンジンの一つにハイブリッドエンジンがあり、その違いをご説明します。

MEMO

ハイブリッドエンジンとは2種類の動力源を兼ね備えた車の総称であり、そのエンジンの種類は定義されていません。

ですが現在自動車用のハイブリッドエンジンとして開発されているのは、ガソリンエンジン+電気モーターの組み合わせがほとんどです。

電気モーターは低速トルクを出すのが得意で、またガソリンエンジンで走行する際に出る無駄なエネルギーを電気として回収し、それを発進時などに使うことで燃費の改善にも寄与します。

ハイブリッドエンジンはこの燃費の改善に焦点を当てたエンジンで、電気モーターを積極的に活用することを目指しています。

ディーゼルエンジンは低速トルクの太さによる発進加速の良さが売りですが、ハイブリッドエンジンもモーターの効果によってガソリンエンジンの苦手な低速域をカバーすることができます。

またディーゼルエンジンはガソリンエンジンより燃費が良いのですが、ハイブリッドエンジンもガソリンエンジンに不足している燃費性能を補うことができます。

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つまりディーゼルエンジンとハイブリッドエンジンには似たような特性があり、どちらも環境対応エンジンとして位置づけられています。

この2つのエンジンの違いとしてはCO2排出量の差にあり、エンジンの使用頻度の少ないハイブリッドエンジンのほうが有利となります。

ただし車やエンジンの製造時に発生するCO2に関してはハイブリッドエンジンのほうが多いと言われていることもあり、トータルで見るとディーゼルエンジンのほうが有利となる場合があります。

また両者ともガソリンエンジンに比べるとコスト面では不利となりますので、メリットばかりではありません。

なおハイブリッドとディーゼルエンジンは以下の記事でさらに詳しく比較しています。詳細まで知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。

ハイブリッドエンジン「ハイブリッド」vs「クリーンディーゼル」の違い8つ!燃費や維持費まで比較!
MEMO

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ディーゼルエンジンに関するよくある疑問

疑問

では最後にディーゼルエンジンに関する疑問について、Q&A形式でお答えします。

ディーゼルエンジンは丈夫なのか?

ディーゼルエンジンはガソリンエンジンより過酷な条件で使われることが多いのですが、実はディーゼルエンジンはかなり頑丈にできています。

前述でもご説明したとおり、ディーゼルエンジンは燃焼エネルギーが高いという特徴があり、そのエネルギーに耐えるためにエンジン本体系の部品は耐久性の高い部品となっています。

またエンジンの中心であるシリンダーブロックやシリンダーヘッドなどもガソリンエンジンよりも剛性が高く、激しい使用にも耐えうる耐久性がディーゼルエンジンにはあるのです。

またディーゼルエンジンはエンジンで発生させた高トルクにも耐えなければならないため、エンジン内の運動系部品や、その先につながるシャフトやトランスミッションなども頑丈に設計されており、ディーゼルエンジン車は全体的に頑丈です。

なおディーゼルエンジンの耐久性については以下の記事でさらに詳しく解説しています。詳細まで知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。

エンジンディーゼルエンジンの寿命/耐久性は走行距離や年数だとどれくらい?

バイクにディーゼルエンジンがないのはなぜか?

 

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現在バイクの世界ではガソリンエンジンが主流となっていてディーゼルエンジン搭載のものは見かけません。ですがバイクの歴史の中ではディーゼルエンジンバイクも実はありました。

MEMO

イギリスのロイヤルエンフィールドという2輪車メーカーが発売していた「エンフィールド=ロビン D-R400D」というバイクにディーゼルエンジンが搭載されていました。

このバイクには412cc 空冷4ストロークOHV単気筒ディーゼルエンジンが搭載されており、日本の区分で言えば400ccを越えているので大型バイクに相当します。

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一時期日本のバイク販売店であるレッドバロングループが輸入しており、日本でも販売されたことがあります。

ですがこのバイクは最高出力10馬力、最大トルク2.0kgfとスペックがあまり高くなく、スペック上で見ると競合車に比べて大きく下回っていました。

しかし実際乗ってみるとディーゼルエンジン特有の発進加速の良さや、低速トルクの高さから来る街乗りのしやすさなどのメリットもありました。

ポイント

また燃費はディーゼルエンジン特有の低燃費であり、イギリス本国で71.18km/Lという400ccクラスのバイクとは思えないほどの低燃費性能を持っていました。

しかしディーゼルエンジンのバイクという車種は、どうしてもカタログスペックの低さが問題となってしまい、その普及は限定的です。

バイクはエンジン回転数の高さで出力を出すエンジンが多く、ディーゼルエンジンはそれと全く正反対の性能ですので、今後も普及はしづらいでしょう。

F1のエンジンがディーゼルでないのはなぜか?

アウディ ル・マン

もうひとつディーゼルエンジンが登場しないカテゴリーとして、世界最高峰のモータースポーツであるF1があります。

F1は1950年から現在まで続く歴史の長いモータースポーツですが、その歴史の中でディーゼルエンジンが採用されたことは一度もありません。

MEMO

F1は世界最速を決めるレースであり、F1マシンには最高出力と最高速度の高さが求められます。

しかし前述したようにディーゼルエンジンは最高出力や最高速度といった面はガソリンエンジンに劣っており、ディーゼルエンジンでは競争力に欠けるというのが大きな理由でしょう。

F1にはレギュレーションと呼ばれるルールのようなものがあり、エンジンの排気量や馬力などが規定されているのですが、そこにはディーゼルエンジンを禁止するような項目はありません。

ですがディーゼルエンジンで高い出力を出すためにはどうしてもガソリンエンジンより排気量を大きくせざるを得ず、そうなるとエンジン重量の増大からレースに大きく不利となります。

一方でディーゼルエンジンの持つトルクの高さや燃費といった面はスピードレースであるF1では有効な場面が少なく、ディーゼルエンジンにメリットがないのです。

ですがF1以外のレースであれば採用例はあり、近年も「ル・マン24時間耐久レース」でディーゼルエンジン車が登場しています。

このレースではドイツのアウディがディーゼルエンジン車に積極的であり、実はル・マンではアウディのディーゼルエンジン車は何度も優勝するほどの実力を持ちます。

ル・マンでも最高出力や最高速度は重要ですが、それよりも24時間という長時間を走りきれる耐久性と、なにより燃費の良さがレースを左右します。

燃費が良ければそれだけ給油のためにピットインする回数が少なくなるので、その分レースを有利に進めることができるのです。

F1というレースの内容ではディーゼルエンジンは不利になる一方ですが、耐久レースという世界では十分な戦闘力をもたせることができるエンジンです。

ディーゼルハイブリッドがつくられないのはなぜか?

現在ハイブリッドカーはほぼ全てがガソリンエンジンのハイブリッドであり、ディーゼルハイブリッドはごく少数です。

これまでディーゼルハイブリッドの車種もなかったわけではありませんが、欧州メーカーの何社から数台発売された程度であり、普及するほどではありませんでした。

ポイント

燃費の良いディーゼルエンジンとハイブリッドの組み合わせは一見良いようにも見えるのですが、ディーゼルエンジンもハイブリッドもどちらもコストがかかる技術であるため、ディーゼルハイブリッドはガソリンハイブリッドより高コストになりがちです。

ガソリンエンジンのハイブリッドでもコスト高が問題となっている状況にあっては、いくら燃費が良くてもディーゼルハイブリッドは厳しいものがあります。

そんな中、日本のマツダが将来のエコカー技術の一つとしてディーゼルハイブリッドの開発を公表していますので、今後の動向には期待です。

なおディーゼルハイブリッドについては以下の記事でさらに詳しく解説しています。詳細まで知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。

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