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VVT-iエンジンとは?仕組み/構造は?故障時の症状から修理費用まで解説!

自動車のエンジンの性能や効率アップの技術がありましたが、その中で「VVT-iエンジン」をご存知でしょうか。

今回はそんなVVT-iエンジンについてご説明していきます。

VVT-iエンジンとは

VVT-iエンジン

VVT-iは「Variable Valve Timing-intelligent system」の略で、可変バルブタイミング機構のことを指します。

可変バルブ機構は、エンジンの吸気と排気の導入を行うバルブのコントロールを行うシステムのことで、エンジンの性能を走行中に変化させることができるものです。

可変バルブシステムは自動車メーカー各社がさまざまな特徴的な構造を開発しており、トヨタが開発したのがVVTシリーズです。

VVT(Variable Valve Timing)という基本構造をベースとして改良が続けられており、その一つが今回ご紹介するVVT-iになります。

ではVVT-iの仕組みとそのバリエーションをご紹介していきましょう。

VVT-iの概要

VVT-iはバルブの開閉タイミングを調整するシステムで、可変バルブシステムとしては比較的簡単な構造を持つものです。

可変バルブシステムとは

バルブはエンジンのシリンダー上部にある吸気と排気のポートをふさぐフタの役割をしており、エンジンの吸気および排気行程ではバルブが開いて吸気の導入と排気の排出を行います。

バルブはカムシャフトによってその開閉タイミングと開く量(リフト量)を設定してあり、普通のエンジンではある一定のタイミングとリフト量で固定されます。

ですがエンジンは低回転域から高回転域まで走行条件によってさまざまな状態で動かさなければならないのですが、バルブのセッティングが固定だと全域で効率の良い運転はできません。

そこで可変バルブシステムが登場するのですが、このシステムによってバルブタイミングやバルブのリフト量を変更することで、運転中にエンジン性能を変更することが出来ます。

そのためエンジンの出力向上やトルク向上、燃費向上などを目的として1990年頃から採用が一気に広がった技術です。

VVTおよびVVT-iの構造

VVTはバルブのタイミングを可変するシステムで、DOHCエンジンだけですが、吸気側のカムシャフトの位相をずらすことでバルブタイミングを変化させるシステムです。

カムシャフトの位相とはエンジンの回転とバルブのタイミングの差のことですが、この位相をずらすことでバルブのタイミングを変えることが出来ます。

位相をずらすにはカムシャフトを初期位置から回転させることで可能となるため、VVTはカムシャフトとタイミングベルトの接続部に回転構造を設け、そこを制御することでカムシャフトの位相を変化させています。

最初期のVVTは回転機構に機械的なシステムを使っており、油圧システムによってカムの位相を30°ずらすことでバルブタイミングを早めたり遅くしたりすることを可能としました。

VVTは1991年のカローラシリーズに搭載され、スポーツモデルではVVT機構の搭載によってトヨタ車で初めてリッターあたり100馬力の出力を達成しました。

その後1996年にVVTの回転機構を完全な機械式から電子制御式油圧装置にしたのがVVT-iであり、機械式の場合には2段階の調整しか出来なかったところを連続的に変化させることが可能となりました。

このことにより更にエンジンの状態に合わせて最適なバルブタイミングをに調整できるようになり、性能と燃費の両立が高次元で達成できるようになりました。

なおVVTの基本的な動作についてはぜひ動画でもご覧頂きたく、VVT作動時にカムシャフトが回転してカムの位相(角度)が変化していることが解ると思います。なおこの動画は後述する最新式VVTであるVVT-iWの構造となっています。


VVT-iは可変バルブシステムとしては比較的簡便なシステムなので量産車への採用がしやすく採用が一気に進み、現在ではほとんどのトヨタ車に採用される標準的な技術となっています。

国内車だけではなくトヨタの世界標準技術となり、VVT-i自体が一般的なものとなっています。

またVVT-iはその後いろいろな改良を加えられて、いくつかのバリエーションが生まれています。

VVT-iのバリエーション

VVT-iは電子制御化されたVVTの総称ともなっていますが、基本的なVVT-iは電子制御で油圧をコントロールするシステムです。

これを発展させてさらなる改良を施したシステムがいくつか開発、実用化されていますので、ここでご紹介します。

DUAL VVT-i

DUAL VVT-iは吸気側の可変機構に加えて排気側のカムシャフトにも可変機構を組み込んだもので、より範囲の広い可変バルブタイミング機構となっています。

VVT-iは吸気系のカムシャフトのみ可変させており、排気系は固定ですが相対的には吸気と排気のタイミングを調整することができます。

ですが排気側にも同様の機構を組み入れればより幅広く可変できるのは当然で、1998年にトヨタの上級車種を中心に採用が始まり、その後採用は拡大しています。現在では中型車にも採用が進み、主に高性能モデル用のVVT-iとなっています。

VVTL-i

VVTL-i(Variable Valve Timing and Lift intelligent system)はそれまでのVVT-iとは構造が大きく違うシステムで、VVTのような可変バルブタイミング機構ではなく、可変バルブタイミング&リフト量まで変化させる機構となっています。

これは可変バルブシステムとしては更に高度なもので、バルブタイミングだけではなくバルブの動く量も可変できるようになっており、バルブ開度によって導入できる吸気の量や排気の量までコントロールできるようになります。

構造的には一本のカムシャフトに低回転域用と高回転域用の2種類のカムがあり、それをカムシャフトとバルブの間にあるロッカーアームを切り替えることで変化させています。

この構造は他社の可変バルブ機構であるホンダのVTECや、三菱自動車のMIVECと同様の構造であり、それらと同じく切り替え時に大きく性能が変わるのが特徴です。

VVTL-iはエンジン回転数が6,000rpmでカムが切り替わり、さらに高回転域までエンジンが回転できるようになります。

このことによりエンジンは低回転域での効率や低トルクと、高回転域での最高出力を両立することが出来、可変バルブタイミングだけのときよりも更に高性能なエンジンとなります。

MEMO

VVTL-iは1999年にスポーツカーのセリカに初搭載され、その後スポーツモデルの高性能エンジンを中心に採用が進みました。

また当時提携していたイギリスのスポーツカーメーカーであるロータスに供給され、「ロータス エリーゼ」や「ロータス エキシージ」などにも搭載されたエンジンとなりました。

トヨタのエンジンとしては高性能の部類にはいりますが、コストなどの問題もあって採用は限定的にとどまり、2010年には生産中止となっています。

VVT-iE

VVT-iE(Variable Valve Timing-intelligent system by Electric motor)はVVT-iの電子制御油圧コントロール式を完全な電子制御としたもので、油圧ではなく電気モーターによる作動にしたものです。

VVT-iの油圧システムでも油圧を電子制御でコントロールすることで精密な制御を可能としていましたが、一方で油圧のデメリットとしてエンジン回転数の低い領域や冷間始動時には油圧が十分に上がらず、制御が難しい領域も存在していました。

ですがそれを電気モーターによる作動としたことでその領域でも制御が可能となり、より低回転域での効率を向上させています。

VVT-iEは2006年にトヨタの高級車ブランドであるレクサス LS460に初搭載され、その後高級車を中心に採用が進みました。

その後2014年にはトヨタのコンパクトカーであるヴィッツに搭載されたことで一気に採用が中小型車に拡大し、VVT-iの進化版としての立ち位置が明確化しました。

これらの中、小型車種ではおもに低燃費性能が重要となっており、燃費重視のバルブタイミングへの可変セッティングとなっています。

VVT-iEは採用は拡大していますが、現在はそれよりコストメリットがあるVVT-iと併用する形でトヨタのラインナップに広がっています。

VVT-iW

VVT-iW(Variable Valve Timing-intelligent Wide)は、VVT-iEのような電気モーター式ではなく従来どおりの電子制御油圧制御式のVVTですが、VVTの作動時に中間で固定できる中間ロック機構が追加され、中間位置でミラーサイクルを積極的に導入できるようになったシステムです。

ミラーサイクルの効果は後ほどご説明しますが、高い燃費改善効果を発揮するミラーサイクル位置でVVTを一時固定することによって、始動時や低回転時で油圧が弱い時にもVVTを積極的に活用することができるようになっています。

VVT系のシステムとしては最も最新であり、2014年にレクサス NXに初搭載されました。その後レクサスの数車種と、トヨタブランドではクラウンとハリアーに搭載されています。

採用範囲はまだ少ないですが、今後のVVTシステムの主流の一つとなるでしょう。

VVT-iエンジンの音

VVT-iエンジンは運転中にバルブタイミングを可変させていますのでエンジンサウンドにも変化があるはずですが、今回はそんなVVT-i付きのエンジンサウンドをいくつかご紹介しましょう。

まずはVVT-i付きエンジンのエンジンサウンドです。


この車はVVT-i付きのトヨタマークⅡ 1JZ-GTEエンジンですが、そのエンジンサウンドを低回転から高回転まで聞くことができます。

低回転から高回転まで連続したエンジンサウンドが聞こえるかと思いますが、VVT-iは連続的にバルブタイミングを調節するのでエンジンサウンドの変化も連続的で、特徴的なサウンドは聞こえないのです。

ですがカム切替式のVVTL-iでは独特の切り替え音を聞くことができますので、次の動画をご覧ください。


トヨタセリカに搭載されたVVTL-i付きのエンジンは6,000rpmぐらいでカムが切り替わるようになっていますが、走行中にエンジンサウンドが大きく変わったポイントがまさにそれです。

動画の0:46ぐらいで特徴的なサウンドが聞こえてきます。

VVT機構の種類ではVVTL-iが唯一サウンドの違いを体感できるエンジンです。

VVT-iエンジンのメリット・デメリット

メリット、デメリット

VVT-iエンジンには可変バルブタイミング機構を活用したいくつものメリットがあります。

デメリットもいくつかありますが、トヨタのようなスケールメリットのあるメーカーではあまり問題にならないでしょう。

VVT-iエンジンのメリット

VVT-iエンジンのメリットは可変バルブタイミング機構、およびその構造にあり、量産エンジンに採用のしやすい面があります。

低中回転域と高回転域の切り替え

可変バルブタイミング機構のメリットは、低中回転域と高回転域それぞれで求められるバルブタイミングを任意に調節できる点にあります。

VVT-iによって吸気だけ、もしくは吸気と排気それぞれのバルブタイミングを変化させることが出来、バルブが開くタイミングを遅くしたり早くしたり出来ます。

一般的にエンジンのバルブタイミングはエンジンの回転数が低回転~中回転~高回転と変化していく中でそれぞれに適したタイミングがあり、またエンジンにかかる負荷条件によっても細かい調整が必要となります。

可変バルブタイミングがなければそれら全てのバランスを取りながら性能を犠牲にしてセッティングしなければなりませんが、VVT-iのように連続的にコントロールが可能であればその時の運転状態にあわせた最適なバルブタイミングを選択できます。

そのコントロールは車のコンピューターであるECU(Engine Control Unit)が制御して、エンジン回転と負荷に合わせて自動的に制御しています。

ECUの制御プログラムは、トヨタ内での車の開発を行う中で最適なバルブタイミングのセッティングを出し、それをベースとして自動制御としているのです。

また車種によっては走り方によって最適なバルブタイミングのセッティングは変わってくるのですが、VVT-iのような機構があれば全く同じエンジンでもプログラムの変更だけでいろいろなセッティングを実現できるのも大きなメリットとなります。

遅閉じミラーサイクルの実現

可変バルブタイミング機構は当初低中回転域と高回転域の両立のために採用された技術ですが、現在では燃費向上に高い効果のある「ミラーサイクル(アトキンソンサイクル)」を擬似的に実現する手段としても重要な技術になっています。

ミラーサイクルはエンジンの効率向上のために考案されたエンジンのサイクルのことで、エンジンの圧縮比より膨張比を大きく取ることによって高効率化と燃費の改善を果たすものです。

普通のエンジンではピストンで圧縮する時と膨張する時には同じストロークなので圧縮比=膨張比なのですが、エンジンの高効率化のために圧縮比をあげると様々な問題があり、膨張比だけを大きく出来ないかということからミラーサイクルが生まれました。

ミラーサイクルでは吸気バルブを通常より遅く閉じることで、圧縮が開始したときにも吸気ポートを開いて混合器の一部を吸気ポートに吹き替えすことで、圧縮比のみを下げる効果を持ちます。

ミラーサイクルは効率がよく燃費の改善効果が高い一方、エンジンの出力やトルクといった性能面ではデメリットも多く、特に高回転域では顕著です。

そのためミラーサイクルエンジンには吸気のバルブを通常より遅く閉じる機構を持っており、ミラーサイクルと通常のオットーサイクルを切り替えられるようになっています。

ですがVVT-iのような可変バルブタイミング機構でも同様の使い方ができ、低負荷時のみバルブタイミングを遅閉じにして擬似的なミラーサイクルエンジンにすることができるのです。

この効果で可変バルブタイミング機構は低燃費技術としても大きな注目を受け、トヨタのみならず世界中のメーカーが採用することとなったのです。

構造の簡便さと搭載のしやすさ

可変バルブタイミングはミラーサイクルの実現など大きな効果を持ちますが、実際のエンジンへの搭載性がよいことも普及が一気に広がった理由です。

とくにVVT-iは搭載によるエンジンの改造範囲が狭く、カムシャフトやロッカーアーム、バルブなどの同弁系部品に大きな変更は必要ありません。

カムシャフトの位相を変化させるための油圧機構と電子制御機構が必要ですが、これはカムシャフトの一端に取り付けることが容易なので、それまでのエンジンラインナップを小改造する形でVVT-i化が可能です。

一方VVTL-iやホンダのVTEC、三菱のMIVECなどだと専用のカムシャフトやロッカーアームに加え、油圧制御システムも必要となりますので、エンジンの改造範囲も広く様々な部品を新規に開発する必要が出てきます。

構造が複雑な分コントロールできる範囲は広いですが、普及という点については大きなデメリットでもあります。

トヨタのエンジンVVTの登場以降急速にVVT-iの採用が進んでいますが、その背景には採用をしやすい構造が大きな効果を生んでいるのです。

VVT-iエンジンのデメリット

VVT-iの機構はほかの可変バルブシステムに比べれば簡便で採用のしやすい機構ではありますが、それまでのエンジンに対して部品が追加されていることは確かなのでコスト上昇が起こります。

VVT-iの油圧制御部品はそれなりに複雑で部品点数は多く、決してコストの安いものではありません。

採用を初めた当初はまだ部品コストも高く、エンジン価格の上昇はそのまま車の価格上昇へと繋がります。

ですがトヨタは世界でも有数の生産台数を誇るメーカーであり、VVT-iの採用拡大によってそのコスト上昇分はスケールメリットによる量産効果でカバーでき、かなりのコスト削減にはなっているでしょう。

日本では50%以上のシェアを抱え、世界1、2を争うトヨタだからこそその効果は非常に高いものがあります。

VVT-iエンジンの故障

VVT-iを搭載したエンジンは性能面でも燃費の面でも高い効果を発揮するものでしたが、一方でVVTの採用以降この構造に故障が多く発生しているのも事実です。

その多くは走行中にエンジンの警告灯がついて調べてみると、VVT-iの内部の動作不良が起こっていたり、内部部品の破損が原因だったりすることが多いようです。

部品交換によって修理できる場合もあれば、エンジン自体を交換しなければならない事態に陥ることまでその症状は様々です。

修理にはVVT-iの部品だけでも数万円、もしエンジン交換となれば数十万円の費用が必要です。

ですがこの故障は部品の設計や機構が問題なことは少なく、実はユーザーのメンテナンス不足が原因のことも多いのです。

MEMO

VVT-iは内部の動作にエンジンオイルによる油圧装置を使っていますが、エンジンオイルが劣化して粘度が増したり、エンジンオイル内に汚れであるスラッジが増加したりすると、それがVVT-iの機構の動作を阻害することで故障するのです。

その原因はなんと行ってもエンジンオイルの交換が適切に行われていないことにあり、エンジンオイル交換をしっかり行っていれば故障の原因は少なくなります。

日本車はその信頼性の高さから故障は少ないですが、そのせいでユーザーがエンジンオイル交換などを怠る場合も少なくありません。

トヨタ車は日本でも圧倒的な台数がありVVT-iの採用数も多いので、そういったメンテナンス不足による故障件数は増加しやすいと言えるでしょう。

VVT-iエンジンの評価・口コミ

VVT-iは現在ではトヨタのエンジンの標準的な機構となっていますが、Twitterにはいろいろな意見があります。

今回はその中からいくつかご紹介します。

VVT-iは素晴らしい

この方は初期のVVT-i搭載車種に乗ったことがあるようですが、その性能の高さを称賛されています。

とくに低速トルクが太くなるのはVVT-iを搭載した効果でもあり、実感できるのは嬉しいものです。

今ではその効果が当たり前のこととなってしまいましたが、VVT-iの登場当時は衝撃的だったのです。

トヨタエンジンは頑丈

VVT-iが故障しやすいといった話も聞かれますが、基本的には前述したメンテナンスをしっかり行っていればトヨタのエンジンは高い信頼性を維持できます。

トヨタは世界的にも信頼性の高さが数字で表されており、世界標準採用としているVVT-iについても同様のことが言えます。

ですがエンジンオイルのメンテナンスが不足すればどんなエンジンでも故障は増えますので、ユーザーの管理が重要です。

VVT-iエンジン搭載車

VVT-iはトヨタの標準技術となって久しいので、搭載車種を挙げるとしてもトヨタ車のほぼ全てということになります。

そこで今回はVVTやVVT-iが登場した当時の車種で、非搭載車種との差を見ていきましょう。

トヨタ カローラレビン AE101

 

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カローラレビンは1980年代から1990年代にかけてトヨタを代表する2ドアクーペであり、コンパクトなボディと高回転エンジンが特徴的な車でした。

とくに有名なAE86型レビンから搭載された4A-GE型エンジンは最高回転数が高く、価格に比べて非常に高性能なエンジンで名を博しました。

そのレビンが1991年モデルとしてフルモデルチェンジしたのがAE101型で、このモデルから4A-GEエンジンに最初期のVVTが初搭載されています。

スペックAE101 GT-APEXAE92 GT-APEX
エンジン形式4A-GE4A-GE
エンジンスペック1,587cc 直列4気筒 DOHC 20バルブ VVT1,587cc 直列4気筒 DOHC 16バルブ
最高出力160ps(118kW)/7,400rpm140ps(103kW)/7,200rpm
最大トルク16.5kgf・m(161.8N・m)/5,200rpm15.0kgf・m(147.1N・m)/6,000rpm
カタログ燃費12.6 km/L10.8km/L

AE101の前型車がAE92型レビンですが、搭載されるエンジンは両者とも排気量が同じ4A-GEエンジンです。

両者ともこの上級スペックにスーパーチャージャー付きの過給エンジンもありますが、今回は両者とも自然吸気エンジンでの比較です。

ポイント

AE101の4A-GEエンジンはAE92に対してVVTの採用と、1シリンダーあたり5バルブ化にすることでスペックが向上しており、トヨタ車では初めて排気量1Lあたり100馬力を達成しました。

4A-GEはもともと高回転型エンジンで7,000rpm以上回るエンジンですが、VVT化によって200rpmの向上を果たしており、最高出力が伸びています。また低回転域のトルクも増強されており、約1割近い改善を果たしています。

また燃費はAE101で2km/L近い改善を見せており、これもVVTの寄与が大きい点です。低回転トルクが強化されたため、加速時のエンジン回転数を低く抑えることが可能となり、燃費の向上とともにトルクフルな乗り味も強化されています。

AE101からトヨタのエンジンはパワフルさと燃費を両立できるエンジンとなり、VVTはトヨタの代名詞となりました。

トヨタ クラウン S15型(10代目)

 

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VVTの進化系であるVVT-iは1995年発売のクラウンに搭載された2JZ-GEエンジンから初搭載され、それ以降トヨタ車への急速な普及が始まりました。

クラウンは言わずとしれたトヨタのフラッグシップモデルであり、VVT-iがクラウンで初搭載されたことは象徴的なことと言えます。

3.0L 直6エンジンである2JZ-GEエンジンは前型のS14型にも搭載されていましたが、VVT-iの搭載により改良がなされています。

スペックS15型クラウン ロイヤルサルーンS14 型クラウン ロイヤルサルーン
エンジン形式2JZ-GE2JZ-GE
エンジンスペック2,997cc 直列6気筒 DOHC 24バルブ VVT-i2,997cc 直列6気筒 DOHC 24バルブ
最高出力220ps(162kW)/5,600rpm230ps(169kW)/6,000rpm
最大トルク30.0kgf・m(294.2N・m)/4,000rpm29.0kgf・m(284.4N・m)/4,800rpm
カタログ燃費9.4 km/L8.0km/L

S14型からS15型でエンジンの排気量は変わらずバルブの数も同じで、変更点は主にVVT-iの採用にあります。

スペック的には最高出力が10馬力低下していますが、一方で最大トルクは1kgf増加しており、なにより最大トルクの発生回転数が4,000rpmまで大きく下がっています。

このことによりパワーは減ったものの普段使いのトルクフルな走りが改善され、クラウンのような車種では特に重要な一般道での走行感覚が大きく魅力的になったと言えます。

また燃費は1.4km/Lもの大幅な改善を見せており、これもVVT-iの採用による低速トルクの強化が加速時の回転数低下を起こしたことで、燃料消費量の現象が起こったためです。

トヨタ ヴィッツ 3代目

 

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VVT-iは電気モーター式のVVT-iEに変更され様々な車種に搭載されましたが、この機構を使ってミラーサイクルエンジンとした1NR-FKEエンジンを搭載したのが、トヨタのコンパクトカーである3代目ヴィッツの2014年マイナーチェンジモデルです。

それまでのトヨタ車にもプリウスなどハイブリッド専用車向けにミラーサイクルエンジンがありましたが、ガソリンエンジン車向けに採用されたのはヴィッツがトヨタ初となります。

スペックヴィッツ F(2014マイナーチェンジ)ヴィッツ F
エンジン形式1NR-FKE1NR-FE
エンジンスペック1,329cc 直列4気筒 DOHC 16バルブ VVT-iE1,329cc 直列4気筒 DOHC 16バルブ DUAL VVT-i
最高出力99ps(73kW)/6,000rpm95ps(70kW)/6,000rpm
最大トルク12.3kgf・m(121N・m)/4,400rpm12.3kgf・m(121N・m)/4,000rpm
カタログ燃費25.0 km/L20.6km/L

ヴィッツの前期型は吸気と排気両方にVVT-i機構を持つDUAL VVT-i機構のエンジンですが、出力やトルクはこのクラスのコンパクトカーでは標準的なスペックとなっています。

ポイント

ですが後期型でDUAL VVT-iはVVT-iEとなり、一部にミラーサイクルの導入で燃費が5km/Lもの向上を見せています。

また後期型はスペック面では最大トルクは変わりませんが、出力は少し増加しており高速性能は向上しています。

ヴィッツはトヨタのコンパクトカーの中ではエントリーモデルの位置づけの重要車種であり、ハイブリッドモデルもあるものの、価格面でメリットのあるガソリン車の燃費は重要です。

ミラーサイクル化によってエンジンの構造を大きく変えることなく低燃費化を果たしており、それにはVVT-iEが大きな役割を果たしました。

VVT-iエンジンの今後

VVT-iの可変バルブタイミング技術は、エンジンの効率化と性能向上には不可欠な存在となっており、トヨタ車のみならず世界標準的な技術となってきました。

可変バルブタイミング機構の搭載はもはや当たり前のことで、今後エンジンの大変革が無い限りは採用され続けていくでしょう。

また現在トヨタには「バルブマチック」と呼ばれる可変バルブリフト機構があり、VVTL-iの後継として採用が増えてきています。

この機構は基本的にVVT-iと組み合わせて採用されますので、VVT-iの重要性はますます増しています。