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スーパーチャージャーとは?仕組み/構造は?音が最高のメリット?!

自動車のパワーアップの手段はいくつかありますが、直接的に出力を上げる方法として過給機があります。

過給器にはいくつか種類がありその一つにスーパーチャージャーがあります。

今回はそんなスーパーチャージャーについてご説明します。

スーパーチャージャーとは

チャレンジャー エンジン

スーパーチャージャーはエンジンの過給機で、その役割はエンジンに空気を大量に送り込むことでエンジンの出力をアップさせることです。

過給機は空気を圧縮するためのコンプレッサーを備えており、コンプレッサーで空気の密度を高めてエンジンに送られる空気の量を増やします。

コンプレッサーは何らかの動力で回転させることで駆動するもので、スーパーチャージャーはエンジンの回転動力をベルトで伝達して駆動する過給機です。

過給機にはほかにターボチャージャーがありますが、こちらは排気ガスのエネルギーを使ってタービンを回す形式であり、同じ過給器でも動力が違うのです。

そんなスーパーチャージャーですが基本的な稼動原理は同じでもいくつかの種類があります。

まずは簡単にスーパーチャージャーの歴史と、その種類をご説明しましょう。

スーパーチャージャーの歴史

ゼロ戦

スーパーチャージャーは過給器としてはターボチャージャーより歴史が古く、自動車に初搭載されたのは1921年までさかのぼります。

当時から空気の密度を上げれば出力を向上させることはわかっていたので、ウォーターポンプの技術を応用することで空気の圧縮機として生まれたのがスーパーチャージャーです。

のちほどご説明する「ルーツ式」というのがそれで、長らく自動車用スーパーチャージャーといえばルーツ式でした。

当初は自動車用として登場したスーパーチャージャーですが、じつはその後最も活用されたのは航空機の分野で、特に馬力が必要で高い硬度で飛行する戦闘機や爆撃機などの軍用分野で広く使われました。

高度の高いところは気圧が低いので空気の密度が低く、レシプロエンジンで高性能を出すにはスーパーチャージャーによる過給が必要不可欠でした。

MEMO

日本でも特に有名なゼロ戦に使われた「栄エンジン」もスーパーチャージャー付のエンジンでしたし、世界中の軍用機でもスーパーチャージャーは大活躍したのです。

ですが第二次大戦時にターボチャージャーが開発されると軍用機の過給機はターボが優勢となり、特に高高度での性能がスーパーチャージャーより優れていたため、アメリカやイギリスなど技術力の高い国ではターボエンジンが増えました。

日本は実用的なターボエンジンがうまく開発できず、飛行機の性能でアメリカやイギリスに負けるようになってしまいました。

スーパーチャージャーとターボチャージャーにはそれぞれメリットとデメリットがあるのですが、ターボチャージャーのほうが最高性能に優れていることもあって、世界中で戦後の自動車に採用される過給器はターボチャージャーが圧倒的になりました。

一方でターボチャージャーをいち早く実用化したアメリカでは、自動車用としてはスーパーチャージャー独特のメリットからターボチャージャーより人気が高く、世界的なトレンドとは逆にスーパーチャージャーのほうが優勢だったりするので面白いところです。

スーパーチャージャーの種類

スーパーチャージャーの基本構造はエンジンの動力でコンプレッサーを回転することですが、そのコンプレッサーにはさまざまな構造や形状があり、効率のよいスーパーチャージャーが追求されてきました。

自動車用として最初に採用されたルーツ式スーパーチャージャーも元は送風機として設計されたものであり、それをダイムラー・ベンツで有名なゴットリープ・ダイムラーが自動車用として転用したのが最初です。

それ以降さまざまな形状や性能を持つスーパーチャージャーが登場し、次にまとめたような数多くの種類があります。

構造
ルーツ式一対のローターによる送風機
遠心式羽根車と外周のハウジングによって圧縮を行う。ターボチャージャーと同構造
リショルム式らせん状の一対のローターによる圧縮機
スクロール式うずまき型のローターによる円運動での圧縮機
スライディングベーン式スライドするベーンとハウジングの間で圧縮する圧縮機
レシプロ式ピストンで圧縮する圧縮機

これらの各方式を簡単にご説明していきますが、スーパーチャージャーの動きは動画で見るのが一番良くわかるので、説明にある動画も参考にしながらご覧ください。

ルーツ式

ルーツ式はスーパーチャージャーの基本ともなるもので、一対のローターが回転しながら組み合わさって空気を送ります。

ポイント

ルーツ式は2葉と呼ばれるローターに2つの突起がついたものが基本構造ですが、それを増やした3葉や4葉も存在しています。

2葉では空気を吐出する間隔が長くて急激な出力変化を与えてしまうためで、吐出間隔を短くして騒音や振動を低減しています。

ですがルーツ式はどうしても吐出間隔という脈動が起こるのがデメリットで、そのために他の形式が生み出されました。

またルーツ式では内部で圧縮が起こらないため、高圧縮には不向きという点もあります。


遠心式

遠心式のスーパーチャージャーはまさにポンプと呼ぶべきもので、ウォーターポンプと同じ構造で円周方向に圧縮するものでした。

ポイント

これはターボチャージャーのコンプレッサーと全く同じもので、現在わかりやすく説明するならターボチャージャーをベルトで回転させていると考えればよいでしょう。

遠心式では内部で回転するインペラとディフューザーと呼ばれるハウジングで成り立ちます。

この2つで空気に速度と圧力を与えることができ、高めの圧縮まで対応できるのがメリットです。

この方式は航空機に最も多く採用されたもので、自動車にも採用はされましたが例は少ないです。


リショルム式

リショルム式は一対の歯車のようなローター構造のスーパーチャージャーで、ねじれた歯車が噛み合うことで空気を圧縮し、吐出させる構造を持ちます。(歯車のように歯が接触したりはしませんが)

ポイント

ルーツ式に似た構造ですがリショルム式ではローター内部での空気圧縮があり、ルーツ式よりも高い効率を誇ります。

作動時の振動が少なく、また連続的に吐出が可能なので脈動の問題もなく、高性能自動車用スーパーチャージャーとしてはよく見かけるタイプです。

ですがルーツ式に比べてコストが高いので、量産車ではルーツ式の採用が多いです。

1991年にマツダが自動車用として初採用して以来、メルセデス・ベンツなどの欧州車やアフターマーケットのチューニングパーツとして広く使われるようになりました。


スクロール式

スクロール式は一対のうずまき型のローターが回転しながら圧縮していくスーパーチャージャーで、構造を見ただけではなかなかその動きは理解できません。

ですのでまず動画を見ていただけると良いのですが、このスーパーチャージャーは外周から渦巻きの中心に向けて空気が流れており、外周から少しずつ容積の小さくなる内周に行くに従って圧縮が進むのです。

スクロール式はフォルクスワーゲンがかつて採用していたスーパーチャージャーで、スーパーチャージャーとしては結構珍しいタイプです。

ですがポンプや圧縮機の世界では割と一般的ですね。


スライディングベーン式

この形式もポンプや圧縮機で一般的な構造ですが、スーパーチャージャーとして使われたのは1930年代と結構古いです。

遠心式と似たところもあるのですが、スライディングベーンでは回転するローターに羽根にあたるベーンがついており、そのベーンは円周方向にスライドします。

ベーンはバネで常にハウジングの内周に接するようになっており、回転しながらベーンとハウジングの間で圧縮が起こるようローターが偏心しています。

圧縮比が高く性能は良いのですが、可動式のベーンという構造上の弱点もあってあまり自動車用としては普及しませんでした。


レシプロ式

レシプロ式はレシプロエンジンと全く同じで、ピストンがシリンダーの中で上下することで空気の圧縮を行います。

要は自動車用としてはシリンダーをもう一本増やしているようなもので、シリンダーが2本あると片方は爆発で出力を生み出し、それとクランクシャフトで繋がったもう一つは空気の圧縮のみを行って、爆発が起こるシリンダーに過給を行うわけです。

1910年代に誕生したこの方式は2ストロークエンジンに主に使われ、2ストロークエンジンが苦手とする排気ガスの掃気を効率的に行う効果もありました。

ですが出力を上げるためならスーパーチャージャーの分のシリンダーでも爆発させたほうが良いわけで、その後自動車用としての採用はほとんど見られません。

スーパーチャージャーの音

過給機付のエンジンはその動作音などから独特なエンジン音となることが多く、ターボチャージャーの場合はターボサウンドなどと呼ばれます。

一方でスーパーチャージャーはあまりそういう言われ方をしないのですが、それでも独特のエンジン音になります。

実はスーパーチャージャーは近年採用例が非常に少なく、国産車では1990年代から数えても数車種あるかないかというところです。

ですがチューニングメーカーなどからは非常に豊富なパーツが出ており、まずご紹介するのはトヨタ マークXにスーパーチャージャーを取り付けた車の動画になります。


この車はトヨタ直系のチューニングメーカーであるモデリスタが手がけた車なので、改造車ではなく完成車として販売された数少ないスーパーチャージャー搭載車です。

そのエンジン音はアイドリング時にはあまり目立ちませんが、回転を上げていくとキュイーンという機械音が目立ち始め、回転数とともに音も高くなっていきます。

この音こそがスーパーチャージャーエンジンの独特なサウンドで、低い唸りや雑音のあるターボチャージャーエンジンとは全く違う音です。(ターボサウンドについては別の記事でもまとめていますので、ぜひ聴き比べてみてください。)

また次の動画ではおもにチューニングカーを紹介しており、スーパーチャージャーのサウンドはより強烈なものになっています。


スーパーチャージャーは後述するようにカスタムに向いており、特に米国ではスーパーチャージャーのカスタムカーは昔から人気です。

昔のアメ車でボンネットの上に大きなダクトがついた車がありますが、実はあれがスーパーチャージャーです。強烈な機械式過給機の音はアメ車の魂の一つです。

スーパーチャージャーのメリット・デメリット

メリット デメリット

スーパーチャージャーにはターボチャージャーと比較するといくつかメリット、デメリットがあり使い分けがされています。

なおよくスーパーチャージャーとターボチャージャーはどっちが燃費がいいのか、という話になるのですが、基本的には過給機は燃費を悪化させて出力を稼ぐシステムですので、どちらも自然吸気エンジンに対しては燃費が悪化します。

ですが運転領域によっては多少違いがあり、低回転低速走行が多い場合はスーパーチャージャー、高回転高速巡航が多い場合はターボチャージャーが燃費が良いようです。

スーパーチャージャーのメリット

スーパーチャージャーのメリットはその駆動形式から来るものが多く、エンジンとベルトで繋ぐという構造がメリットを生み出しています。

小排気量向きの過給機

スーパーチャージャーはよく小排気量車向けと言われることがありますが、ある意味ではこれは正解です。

ターボチャージャーは排気ガスのエネルギーによって稼動するのでエネルギーが低い際には効率が悪く、出力があまり出ません。

エネルギーが小さい排気量の小さなエンジンで低回転域でのターボは効率が悪いといえ、それよりは排気ガスのエネルギーに依存しないスーパーチャージャーのほうが小排気量エンジンには向いています。

ですが排気量の大きな車でもスーパーチャージャーは有効で、特に低速トルクを重視するアメリカ車などにはぴったりの過給機でもあります。

ターボチャージャーも小型のものを使えば低回転域から効きがよくなりますが、エンジンと直結しているスーパーチャージャーには一歩及びません。

低回転から強烈な加速が得られる

エンジンとベルトで繋がっているスーパーチャージャーですので、過給はエンジン始動時から始まり加速もしっかりします。

一方ターボチャージャーの場合は低回転ではまだ効きが悪く、またアクセルを踏み込んでも加速が始まるまでにタイムラグがあり、「ターボラグ」と言われてターボチャージャーの欠点の一つとなっています。

スーパーチャージャーのメリットはこのターボラグがまったくないということにもあり、アクセルを踏んでも加速しないという違和感を感じないのです。

自然吸気エンジンのような感覚で過給器による強烈な加速が得られ、またそれは発進時からしっかりと感じられます。

ですので低速トルクではスーパーチャージャーのほうがターボチャージャーより優れており、ストップアンドゴーの多い普段使いの車にはぴったりです。

またいくら低速が得意と言っても、エンジン回転数が上がればそれだけ過給も強くなりますので、中回転域以上でも十分な働きをします。

冷却系が不要

ターボチャージャーは高温の排気ガスを扱うので冷却システムが不可欠なのですが、スーパーチャージャーにはそういったものが不要で、余計な部品がいらないというメリットがあります。

ターボチャージャーには必ずエンジンオイルが循環しており、それで主に軸受部の冷却と潤滑を行っています。これがないとすぐにシャフトの焼付きが起こり、タービンブローに至るためです。

しかしスーパーチャージャーは完全に独立したユニットで可動させることができ、専用の配管類などが不要です。

スーパーチャージャーでも軸部の潤滑や冷却はある程度必要なのですが、それはスーパーチャージャー内部に封入したオイルによって行われており、冷却はスーパーチャージャーのハウジング自体の空冷で十分です。

関連部品が少ないということは、その点に関するコストや重量にメリットがありますので、冷却系に関してはターボチャージャーより優れています。

カスタムで取り付けやすい

スーパーチャージャーは前述のカスタムカーの例があるように、エンジンに取り付けやすくてカスタムに向いている過給器です。

自動車メーカーが開発したエンジンはどんな高性能車でもある程度一般ユースも考慮されており、出力やトルクは運転しやすい方向に設定されています。

ですが車が好きなひとにはそれでは物足りない場合があり、そういったときに出力やトルクを高める目的で過給器を後付する場合があります。

ターボチャージャーでも「ポン付けターボ」と呼ばれるように自然吸気エンジンにターボを追加したカスタムはできますが、吸気系はもちろんのこと排気系にもターボ専用のさまざまな改造が必要であり、言葉ほどポンと載せられるわけではありません。

しかしスーパーチャージャーの場合は比較的後付けのハードルが低く、カスタムカーに採用しやすい過給機と言えます。

スーパーチャージャーを後付けするには吸気系の改造とエンジンからのベルト掛けができればよく、改造範囲が少なくて済みます。

駆動用のベルトやプーリーは専用のものを準備する必要はありますが、ある程度搭載位置も考慮することができ、ポン付けするならスーパーチャージャーのほうが楽でしょう。

そういった事情もあってアメリカではスーパーチャージャーのカスタムが多く行われており、日本でもカスタムパーツとしてのスーパーチャージャーは数多く販売されています。

カスタムは一般的な行為ではありませんが、お手軽に自分の車をパワーアップできるとなれば、車好きにはたまらないものとなるのです。

スーパーチャージャーのデメリット

スーパーチャージャーはいくつものメリットを持っていて採用例も増えてもいいと思うのですが、実際には自動車用の過給器の大半はターボチャージャーであり、それにはスーパーチャージャーに次のようなデメリットがあるためです。

高回転域では効率低下

スーパーチャージャーは低回転域ではターボチャージャーより効率的ですが、反対の高回転域では効率が低下するデメリットがあります。

スーパーチャージャーは機械的に空気を圧縮する部品ですので、稼働時には内部に摩擦によるフリクションロスが生まれます。

注意

エンジンの動力で稼動するのでこのフリクションロスはエンジン出力を低下させたり、燃費を悪化させたりするものですが、回転数が低ければフリクションロスも少なくあまり問題にはなりません。

ですが回転数が上がれば上がるほどスーパーチャージャーのフリクションロスは増大してしまい、そのロスを補うためにエンジンパワーを使うという悪循環に陥ってしまいます。

ターボチャージャーは逆に高回転域では排気ガスのエネルギーが高まるので効率が上がり、とくに最高出力、最高速度を狙うような場合ではターボチャージャーのほうが有利です。

このような違いがあるので軍用機の分野ではターボエンジンのほうが最高馬力で優れており、空戦でも有利に立てたわけです。

MEMO

また市販車についても最高出力はカタログに必ず掲載されており、車を選ぶ際のひとつの目安でもあります。

同じ排気量のエンジンでターボチャージャーとスーパーチャージャーのエンジンがあれば、カタログの数値上ではターボチャージャーのほうが高回転、高出力となり、ターボ車のほうがセールス上で有利になります。

実際にそこまでのスペックを使いこなせる人が少なかったとしても、カタログの数値というのは購入者に大きなインパクトを与えるものであり、そういった意味ではスーパーチャージャーはよい数値が出せないのがデメリットなのです。

搭載スペースを取る

スーパーチャージャーの多くは大きな金属製のローターと大きなハウジングで成り立っており、ターボチャージャーより大型で搭載スペースが必要です。

注意

ルーツ式やリショルム式などのスーパーチャージャーのローターは大きな金属製の円筒で、高さを抑えるためにエンジンの前後方向に長く置かれます。

そのためエンジンの上部に配置されることが多く、吸気管や排気管のある左右方向には搭載しにくいわけです。

エンジンの上側は近年歩行者保護要件で大きなものを配置しづらくなっており、スーパーチャージャーの搭載には不利です。

遠心式やスクロール式、スライドベーン式はある程度こういったデメリットを打ち消せますが、性能的な面で不利となります。

ターボチャージャーは排気管の近くという制約はあるものの比較的小型であり、搭載性の面で有利となります。

メカニカルノイズ

前述したスーパーチャージャーの動作音は独特な高周波を含むもので、好きな人には気持ち良い音となっても一般的にはこれはメカニカルノイズの一種です。

注意

市販車のユーザーはさまざまな価値観を持った人がおり、高性能なスーパーチャージャー搭載車であっても静かな車を求める人は大勢います。

また低周波のうなるようなノイズならまだしも、スーパーチャージャーのように機械の回転するメカニカルノイズは耳障りで聞くに耐えないという人も少なくありません。

このデメリットからターボチャージャーを含めて過給エンジンが嫌いという人も多く、自然吸気エンジンしか選ばない方もいらっしゃるのです。

スーパーチャージャーを採用する以上メカニカルノイズは付き物であり、車種によってはこれを消すために遮音材などの対策が欠かせません。

ですがそれにはコストがかかりますので、車がどうしても高額となるのもデメリットでしょう。

スーパーチャージャーは故障や不具合が起きやすいのか

スーパーチャージャーという過給機があまり一般的でないこともあって、故障や不具合については不安があるかと思います。

ですがターボチャージャーに比べればスーパーチャージャーは故障や不具合が起きづらく、信頼性の高い過給機と言えます。

MEMO

前述したとおりスーパーチャージャーは冷却システムが不要なほど熱環境がよく、頻繁なオイル交換が必要なターボチャージャーと違ってメンテナンスを怠って故障に至るという可能性は低い部品です。

スーパーチャージャーにもオイルが使われていますので交換が必要な場合もありますが、高温となるターボチャージャーほどの交換頻度ではありません。

またターボチャージャーが高回転まで回して高負荷な状態で使うのに対して、スーパーチャージャーは効率低下があるので基本的にそこまで回転数を上げられず、部品に対する負荷は少ないと言えます。

それでも工業製品ですので一定割合で不良品は出ますが、ターボチャージャーほど故障率は高くなりません。

ポイント

スーパーチャージャーを搭載してトラブルが起こる可能性があるのはむしろ周辺部品で、エンジン回転を伝えるベルトの劣化やプーリーのベアリングの劣化、吸気系のゴムの劣化などが気になる箇所です。

これらはエンジンの他の部品と同じぐらいの耐久性がありますので、車が古くなってきたときに交換が必要となるでしょう。

スーパーチャージャーの評価・口コミ

スーパーチャージャー搭載車が現在少ないこともあってその評価や口コミはTwitterにも決して多くありません。

ですがスーパーチャージャー特有の走りは魅力的であり、今回はそんな投稿をいくつかご紹介しましょう。

スーパーチャージャーの加速は楽しい

現在国産車でスーパーチャージャーを搭載した車は日産 ノートただ一車種のみですが、スーパーチャージャー搭載モデルは加速の良さが高評価を受けており、コンパクトカーながら楽しい車に仕上がっています。

わたしも一度乗ったことがあるのですが、スーパーチャージャー特有の低回転からしっかり加速する感じは気持ちよく、ベースのエンジンが1.2Lと思えないほど良い走りでした。

アメ車の到達点

アメリカでスーパーチャージャーが大人気なのは昔から現在まで変わりませんが、そのスペックはまさに桁外れのものであり、代表車種がシボレー コルベットZR1というわけです。

大排気量V8エンジンと低回転での加速とトルクを補うスーパーチャージャーの組み合わせはまさに最高で、アメリカ人好みのマッスルカーに仕上がっています。

意外なところでのスーパーチャージャー音

この方は道端の重機の音がうるさくて気になったと言われていますが、金属摩擦の高音が出ていたということなら多分スーパーチャージャーでしょう。

過給機は重機や建設機械の分野でも広く使われており、トルクを重視するこういったものには確かにスーパーチャージャーは合っています。

ですが自動車ほど遮音対策も取られていないので、それは耳障りな騒音となっていたでしょうね。

スーパーチャージャー搭載車

ターボチャージャー搭載車は世界中に星の数ほどあるのに対して、スーパーチャージャー搭載車は本当に少なくなりました。

とくに欧州や日本ではほぼ見かけることはなくなり、アメリカでも大排気量の車に使われるのがせいぜいです。(カスタムカー市場は除きます)

今回はそんな中から比較的新しいスーパーチャージャー搭載車をご紹介しましょう。

日産 ノートDIG-S

日産 ノート

現在国産車で唯一スーパーチャージャーを採用しているのがノートで、いくつかあるエンジングレードの上級モデルに位置づけられています。

ノートはもともと1.3L~1.5Lクラスのコンパクトカーでしたが、現行型は世界的なダウンサイジングターボの流れを受けて、1.2L 3気筒スーパーチャージャーエンジンを搭載して登場しました。

ノートには後から「e-power」というレンジエクステンダーハイブリッドモデルが追加され爆発的な人気となっていますが、スーパーチャージャー付のエンジンはまた違った魅力があります。

ノート E12ノート E11
スーパーチャージャー自然吸気
エンジンHR12DDR型 1.2L
直3 DOHCスーパーチャージャー
HR12DE型 1.2L
直3 DOHC
HR15DE型 1.5L
直4 DOHC
最高出力72kW (98PS) /
5,600rpm
58kW (79PS) /
6,000rpm
80kW(109PS)/
6,000rpm
最大トルク142N·m (14.5kgf·m) /
4,400rpm
106N·m (10.8kgf·m) /
4,400rpm
148N·m(15.1kgf·m)/
4,400rpm
燃費24.0km/L~
25.2 km/L
22.6 km/L18.2km/L~
20.0 km/L

ノートは先代よりも排気量が少なくなっており、自然吸気エンジン同士で見れば性能は低下しています。

ですがスーパーチャージャーの搭載によって20馬力近い出力向上がされており、300ccも排気量が減ったにもかかわらず性能面では1.5Lクラスのエンジンになっています。

そしてその効果が最も現れるのが燃費で、カタログ燃費ではスーパーチャージャー搭載者が最も良くなっており、排気量削減、エンジン小型化とあわせてスーパーチャージャーでの効率向上によって達成されたものです。

ノートのスーパーチャージャーは出力重視のものではありませんが、ダウンサイジング化という世界のトレンドに合わせて登場した次世代のスーパーチャージャーエンジンといえるでしょう。

アウディ A6 3.0 TFSI quattro

アウディ A6

一方世界に目を向けてみるとスーパーチャージャーはいくつかのメーカーで採用例があり、非常に少ないながらも残っています。

その一つがドイツの高級車メーカーアウディのセダンA6で、V6エンジンにのみスーパーチャージャーが搭載されています。

A6 3.0 TFSI quattro
エンジン形式CRE
エンジンスペック2,994cc 水冷V型6気筒 DOHC
24バルブ スーパーチャージャー
最高出力333ps(245kW)/5,500rpm~6,500rpm
最大トルク44.9kgf・m(440N・m)/
2,900rpm~5,300rpm
カタログ燃費12.9km/L

A6はアウディの高級セダンですが、アウディ伝統の4WDシステムが組み込まれ、その走行性能にも妥協はありません。

最高出力もさることながらスーパーチャージャーの特徴である低回転からのトルクが太く、ターボラグのない走行感覚はセダンのような車種にはもってこいです。

ただアウディは他のエンジン、車種にはターボチャージャーを採用しており、スーパーチャージャーエンジンはアウディの中でも希少なものとなっています。

ダッジ チャレンジャー ヘルキャット

ダッジ チャレンジャー

アメリカではスーパーチャージャーの人気が未だに高いことがお話しましたが、現在でも新車でスーパーチャージャー付の大排気量エンジンが搭載された車が販売されており、世界的に見ても珍しい市場となっています。(世界一の自動車販売台数を誇る国だからではありますが)

前述したシボレー コルベットもその一つですが、ここではコルベットと並んでアメリカンマッスルカーの代表であるダッジ チャレンジャー、そのスーパーチャージャー搭載モデルであるヘルキャットをご紹介します。

現行のチャレンジャーはいわゆるネオ・マッスルカーというもので、1970年代に大人気だったかつてのチャレンジャーを彷彿とさせるデザインです。

ですが中身はまごうことなき最新の車で、大排気量で高出力のエンジンが最高の魅力です。

SRT Hellcat CoupeSRT 392 Coupe
エンジン形式392 HEMIベース392 HEMI
エンジンスペック6.2L V型8気筒OHV
スーパーチャージャー
6.4L V型8気筒OHV
最高出力707ps/6,200rpm485ps/6,100rpm
最大トルク650N・m/4,800rpm475N・m/4,200rpm

チャレンジャーにはエントリーモデルのV6エンジンから上級モデルのV8エンジンまでさまざまなエンジンが搭載されますが、その中でもヘルキャットのスーパーチャージャー付エンジンは群を抜いた性能を発揮します。

ベースとなった392 HEMIエンジンでも大出力、大トルクのまさにアメ車というべきスペックなのですが、ヘルキャットはそれに加えて馬力で222馬力も上回った、まさにモンスターエンジンです。

スーパーチャージャーを最大限活用した結果ではありますが、それに加えてエンジンの専用チューニングや専用部品の採用で成立した性能です。

スーパーチャージャーはエンジンの上に搭載されますが、映画のようにボンネットを突き抜けるようなことはなく、ボンネットが少し膨らんだ程度でおさまっています。

スーパーチャージャーの今後

スーパーチャージャーは性能の面ではターボチャージャーと甲乙つけがたい面はあり、スーパーチャージャーでも追求すれば素晴らしい性能が出るのはアメリカ車を見てもわかります。

ですが量産車として見た場合には性能、コストの面ではターボチャージャーに一日の長があり、今後も過給機としてはターボチャージャーが主流となるでしょう。

ポイント

スーパーチャージャーもなくなるわけではありませんが採用例はあまり増えることはなく、むしろカスタムカー市場での需要が主体となっていきます。

また昔からターボチャージャーとスーパーチャージャーを両方搭載した「ツインチャージャー」というエンジンもあり、スーパーチャージャーとターボチャージャーのデメリットを打ち消し合う性能重視のエンジンとして登場する可能性はありますね。