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ダウンサイジングターボの燃費は悪い?比較しながら分析!

ダウンサイジングターボは欧州を中心に広がる自動車の低燃費技術で、欧州のみならず北米や日本にもその波は広がっています。

ですがターボエンジンで燃費対策と聞くと、昔のターボエンジンを知っている人からすると不思議ですよね。

そこで今回はダウンサイジングターボの燃費についてご説明します。

ダウンサイジングターボは燃費がいいのか

320iエンジン

ダウンサイジングターボは主に2つの技術の組み合わせで低燃費化を達成する技術であり、「ダウンサイジングエンジン」+「ターボチャージャー」という組み合わせです。

ダウンサイジングターボの詳しい構造などは別記事にてご説明していますが、低燃費の構造をご説明する前にいくつかの代表的な車種で燃費効果をご説明しましょう。

ダウンサイジングターボの低燃費効果

では実際にダウンサイジングターボの導入によって、どのぐらい燃費が改善するかを、何車種かを例に挙げてご紹介しましょう。

フォルクスワーゲン ゴルフVの燃費

 

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ダウンサイジングターボを初めて市場に投入したのはドイツのフォルクスワーゲンで、2006年に同社のメイン車種であるゴルフVにマイナーチェンジとして追加されました。

ゴルフは小型~中型のハッチバックですが、欧州のみならず世界の自動車メーカーのベンチマーク的存在で、大衆車の代表と言える車です。

それまでは比較的大人しい性格の車だったゴルフですが、ゴルフVにはダウンサイジングターボエンジン+スーパーチャージャーを組み合わせたツインチャージャーエンジンが搭載され、ダウンサイジングターボのパワーと環境性能の高さをアピールする車となりました。

現在はゴルフⅦとなっていますが、同一車種で自然吸気エンジンとダウンサイジングターボエンジンが比較できるのはゴルフVなので、こちらでスペックを比較してみましょう。

スペックゴルフⅤ 1.4L TSIコンフォートラインゴルフⅤ 1.6L E
エンジン形式BMYBLF
エンジンスペック1,389cc 直列4気筒DOHC16バルブICターボ+スーパーチャージャー1,597cc 直列4気筒DOHC16バルブ
最高出力140ps(103kW)/5,600rpm116ps(85kW)/6,000rpm
最大トルク22.4kgf・m(220N・m)/1,500rpm~4,000rpm15.8kgf・m(155N・m)/4,000rpm
カタログ燃費14.2km/L12.8km/L
実燃費10.88 km/L8.66 km/L

マイナーチェンジ前のゴルフは1.6Lの自然吸気エンジンが主力ユニットで、そこそこの出力とトルク、燃費性能を持つ車でした。

ですがダウンサイジングターボ化によって、排気量は200cc減の1.4Lになったにもかかわらず、出力とトルクは大幅にアップしており性能面の不足はありません。

また燃費についてはカタログ燃費で1.4km/L、実燃費で2.22km/Lもの改善を見せており、ダウンサイジングターボによって10%~20%程度の改善が見られます。

なお最新のゴルフⅦでは全てダウンサイジングターボになっており、ベースモデルは1.2L、中堅モデルは1.4Lのターボエンジンとなりました。

2世代の進化でどのぐらい燃費が改善したのかを見てみましょう。

スペックゴルフⅦ 1.2L TSIコンフォートラインゴルフⅤ 1.4L TSIハイライン
エンジン形式CJZCPT
エンジンスペック1,197cc 直列4気筒DOHC16バルブICターボ1,394cc 直列4気筒DOHC16バルブ ICターボ
最高出力105ps(77kW)/4,500rpm~5500rpm140ps(103kW)/4,500rpm~6,000rpm
最大トルク17.8kgf・m(175N・m)/1,400rpm~4,000rpm25.5kgf・m(250N・m)/1,500rpm~3,500rpm
カタログ燃費19.1km/L18.1km/L
実燃費13.60 km/L13.61 km/L

ゴルフVの1.4Lエンジンと比較すると、スーパーチャージャーがないのですがスペックほぼ据え置きで、さらには燃費が向上しています。

カタログ燃費では4km/Lほど、実燃費でも3km/L向上しており、確実な性能向上が見えます。

またベースグレードの1.2Lモデルは出力やトルクが低い分カタログ燃費が改善していますが、日本での実燃費は1.4Lモデルとあまりかわりません。

ですが車両価格としては1.2Lのほうが500,000円~700,000円ぐらいの差があるので、価格面でのメリットがあります。

ゴルフはダウンサイジングターボの主役であり、モデルが進化するたびに燃費も改善しています。

BMW 3シリーズ

BMW 3シリーズ

欧州車はフォルクスワーゲンの成功以降ダウンサイジングターボの採用に積極的で、高級車メーカーのメルセデス・ベンツやBMWもエンジンの小型化を進めています。

3シリーズはBMWを代表する中型セダンですが、この車種にはこれまで採用されなかった3気筒ダウンサイジングターボエンジンが搭載されたことで話題となりました。

スペック318i320i
エンジン形式B38B15AB48B20A
エンジンスペック1,498cc 直列3気筒DOHC ICターボ1,998cc 直列4気筒DOHC16バルブ
最高出力136ps(100kW)/4,400rpm184ps(135kW)/5,000rpm
最大トルク22.4kgf・m(220N・m)/1,250rpm~4,300rpm29.6kgf・m(290N・m)/1,350rpm~4,250rpm
カタログ燃費17.2km/L16.0km/L
実燃費12.00km/L11.31 km/L

BMW 3シリーズは高級セダンのエントリーモデル的な位置づけで、これまで直6エンジンが同車の大きな魅力となっていました。

直6エンジン自体は変わらず3シリーズの中核エンジンとなっていますが、ベースグレードはその半分の気筒数しか無い直列3気筒ターボエンジンになっています。

その間には直4自然吸気エンジンもありますが、流石にスペック上は500cc上の自然吸気エンジンに軍配が上がります。

直3エンジンはやはり燃費性能とコストに優れており、燃費はターボエンジンのほうが自然吸気エンジンより1.2km/L、実燃費でも1km/L弱は向上しています。

ですがその価格差が1,500,000円近くありますので、1.5L 直3ターボエンジンには十分な魅力があると言えるでしょう。

トヨタ オーリス

 

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国産車にはダウンサイジングターボはまだ少ないのですが、トヨタなどは近年積極的に採用する方向性を見せています。

オーリスは中型ハッチバック車で、欧州ではフォルクスワーゲン ゴルフと真っ向勝負をしています。

オーリスにはいくつものエンジンラインナップがありますが、その一つが1.2L 直4ターボエンジンです。

スペック120T150XHYBRID
エンジン形式8NR-FTS1NZ-FE2ZR-FXE
エンジンスペック1,196cc 直列4気筒DOHC ICターボ1,496cc 直列4気筒DOHC1,797cc 直列4気筒DOHC+モーター
最高出力116ps(85kW)/
5,200rpm~5,600rpm
108ps(80kW)/
6,000rpm
エンジン:
99ps(73kW)/5,200rpm
モーター:
82ps(60kW)
最大トルク18.9kgf・m(185N・m)/1,500rpm~4,000rpm13.9kgf・m(136N・m)/4,800rpmエンジン:
14.5kgf・m(142N・m)/4,000rpm
モーター:
21.1kgf・m(207N・m)
カタログ燃費19.4km/L18.2km/L30.4km/L
実燃費13.41km/L12.70 km/L19.65km/L

オーリスのベースグレードはダウンサイジングターボの120Tですが、それよりワングレード上の1.5L 自然吸気エンジンよりも出力もトルクもスペック上は上です。

またカタログ燃費は120Tのほうが高く1.2km/Lの改善、実燃費でも1.0km/L弱の改善代があります。

オーリスのダウンサイジングターボはコンセプトの通りの性能と燃費性能を持っており、ダウンサイジングターボ車のお手本のような車種となっています。

ですが一方でオーリスには上級グレードにハイブリッドモデルがあり、スペック面では120Tには及ばないものの、燃費の面では大きな差があります。

ハイブリッドモデルのほうが価格は高いですが、燃費改善エンジンとしての1.2L 直4ターボエンジンの価値は相対的に低くなっています。

ダウンサイジングターボの燃費の理由

ダウンサイジングターボでは、エンジンの排気量を減らす「ダウンサイジング化」と、エンジン出力を向上させる「ターボ化」が技術のコアです。

ダウンサイジングターボの構造

ダウンサイジング化は従来のエンジンの排気量をワンランク下げることで、例えば2.5Lエンジンを2.0Lエンジンに、といった形です。

MEMO

その際気筒数の削減も積極的に行われ、排気量減少とともにV6エンジンは直4エンジンに、直4エンジンは直3エンジンになることも多いです。

エンジンの排気量を下げることは直接的に燃料消費量を減らすことが出来、またエンジン自体を軽量コンパクトにできるので、両方を活用して燃費を一気に向上させます。

ですが排気量を減らしただけでは従来のエンジンに対して出力やトルクといったスペック面が劣ってしまうので、そこを過給機であるターボチャージャーで補います。

場合によってはターボチャージャーではなくスーパーチャージャーを使う場合もありますが、いずれにしても過給器による出力上昇で減った分の出力とトルクを底上げし、ワンクラス上の自然吸気エンジンと同程度を狙います。

ポイント

過給機は燃料消費量を上げるデメリットは持ちますが、ダウンサイジングターボの過給機は低回転型でレスポンスと効率に優れたものとなっており、ダウンサイジング化で良くなった燃費をすべて打ち消すほどではありません。

ダウンサイジング化+ターボ化で、少ない排気量でワンランク上のエンジンを置き換え、なおかつ低燃費化を実現するのがダウンサイジングターボのコンセプトです。

ダウンサイジングターボとハイブリッド

ダウンサイジングターボは前述の通りこれまでの自然吸気エンジンに比べてスペック、及び燃費の面で確かにメリットがあるのですが、一方でハイブリッドカーに比べると燃費の面では結構な差が出ます。

トヨタ オーリスのダウンサイジングターボとハイブリッド仕様の燃費の差を見ると分かるように、トヨタの持つストロングハイブリッドに比べるとダウンサイジングターボは燃費の面ではカタログ燃費、実燃費とも低くなります。

MEMO

ハイブリッドカーは電気モーターと大型のバッテリーなどを搭載して充電した電気を、主に低速域で活用するシステムです。

一方でダウンサイジングターボが得意としているのは発進加速と高速巡航で、これは欧州でよくある走行モードとなります。

ですが日本の道路条件は一般道での低速走行と街中でのストップアンドゴーの多い道路状況で、実はダウンサイジングターボがあまり得意とする状況ではありません。

その点ハイブリッドカーは日本で生まれただけあって日本の道路状況にマッチした低燃費技術であり、それがカタログ燃費の差にも表れています。

ポイント

また日本での実燃費を見てもやはりハイブリッドカーのほうが有利であり、日本ではダウンサイジングターボが燃費面で有利というわけではないのです。

ダウンサイジングターボの真価はハイブリッドカーより高いスペック、ある程度の低燃費、そしてハイブリッドカーより低い導入コストであり、日本市場においてはハイブリッドカーという強敵がいることから普及が遅れたこともあります。

また欧州でも必ずしも高速巡航モードが多いわけではなく、街乗り主体の場合にはカタログ燃費と実燃費の大きな乖離が問題となっています。

ダウンサイジングターボの燃費を向上させる方法

ダウンサイジングターボの車にはその特性に合った燃費走行があり、うまく活用すればそこまで悪い実燃費にはなりません。

最終的には道路状況に左右されてしまいますが、ダウンサイジングターボは細かな加減速を苦手としていますので、できるだけ加減速が起こらない走り方を心がけると燃費を向上させることができます。

またシフトアップやシフトダウンを頻繁に行うことでも燃費が悪くなってしまいますので、できるだけ定速走行を心掛けるのも大事です。

こういった燃費走行はじつはダウンサイジングターボだけではなく、自然吸気エンジンやハイブリッドカーでも効果のある走り方なのですが、ダウンサイジングターボ車はなによりこういった欧州ライクな走り方が重要となってきます。