1分で車を60万円値引きする裏技

スカイアクティブD(クリーンディーゼル)の欠点2つ!不具合や故障が多く耐久性に難あり?!

マツダは国内メーカーでは珍しくディーゼルエンジン搭載の乗用車を数多くラインナップしているメーカーで、ハイブリッドに依らないエコカー技術の中核のひとつとして位置付けています。

そんなマツダのディーゼルエンジンの総称がスカイアクティブD(SKYACTIV-D)と呼ばれるエンジンシリーズで、マツダ独自の技術によって低コストと低燃費を両立しています。

今回はそんなスカイアクティブDについてご説明していきましょう。

スカイアクティブD(クリーンディーゼル)とは

スカイアクティブDエンジン

スカイアクティブはマツダの新世代の自動車開発の総称で、エンジンだけでなくトランスミッションや車体設計なども含めた自動車全体の技術を統合的に開発するプロジェクトです。(スカイアクティブの詳細は以下の記事をご参照ください。)

スカイアクティブエンジンスカイアクティブエンジンとは?どんな仕組み?搭載車は何の車種か紹介!

2010年ごろから量産車に採用され始め、その先駆けはエンジンであるスカイアクティブDとガソリンエンジンのスカイアクティブGでした。

それまで国内で乗用車用のディーゼルエンジンというのはほとんどなく、日産がSUVのエクストレイルに採用するぐらいだったのですが、マツダのスカイアクティブDの登場によって一気に乗用車のディーゼルエンジンが一般に普及しました。

日本では1990年ごろからディーゼルエンジンに対するイメージが非常に悪く、振動が多くうるさい点や、排気ガスが汚くて黒煙を吐くなどのネガティブな面が大きな問題となり、一時ディーゼルエンジンの乗用車というのは完全になくなったのです。

しかしマツダによってネガティブな面をしっかりと克服したディーゼルエンジンが登場したことにより、国内でもディーゼルエンジンの良さが再確認されています。

スカイアクティブDはどういった構造や技術でこの問題を解決したのか、そのあたりをスカイアクティブDの特徴を見ながらご説明していきましょう。

スカイアクティブDのラインナップ

詳しい構造の説明をする前に、マツダが現在ラインナップしているスカイアクティブDの種類をご説明しておきましょう。

次の表に簡単にまとめましたのでご覧ください。

エンジン名称SKYACTIV-D 1.5SKYACTIV-D 1.8SKYACTIV-D 2.2
形式S5-DPTS、S5-DPTRS8-DPTS、S8-DPTRSH-VPTS、SH-VPTR
エンジン構造1,497cc 水冷直列4気筒
DOHC16バルブ直噴エンジン
VGターボ
1,756cc 水冷直列4気筒
DOHC16バルブ直噴エンジン
VGターボ
2,188cc 水冷直列4気筒
DOHC16バルブ直噴エンジン
2ステージターボ
最高出力77kW(105PS)/
4,000rpm
85kW(116PS)/
4,000rpm(CX-3)
129-140kW(175-190PS)/
4,500rpm(CX-5、CX-8、
アテンザ、アクセラ)
最大トルク・220Nm(22.4kgf·m)/
1,400-3,200rpm(デミオMT車)
・250Nm(25.5kgf·m)/
1,500-2,500rpm(デミオAT車)
・270Nm(27.5kgf·m)/
1,600-2,500rpm(アクセラ)
270Nm(27.5kgf·m)/
1,600-2,600rpm(CX-3)
420-450Nm
(42.8-45.9kgf·m)/
2,000rpm(CX-5、CX-8、
アテンザ、アクセラ)
圧縮比14.814.814.0(129KW仕様)/
14.4(140KW仕様)

※上記の表にある直4、直噴、水冷、エンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。

BMW 直4エンジン直列4気筒エンジンの特徴!どんな音?搭載車を日本車/外車の車種からそれぞれ紹介! クラウン エンジン システム直噴エンジンとは?メリット3つとデメリット4つ!不具合と耐久性が欠点?! ポルシェ 水冷エンジン水冷エンジンのメリット5つ!バイクだけでなく車にも搭載されてる?!

スカイアクティブDには大きく分けて3種類のエンジンがあり、排気量の違いによって1.5L、1.8L、2.2Lがあります。

すべて直列4気筒のディーゼルエンジンになっていて、マツダの車種ラインナップである中、小型車向けのディーゼルエンジンシリーズです。

排気量やスペックはいくつも別れているのですが、エンジンの基本構造や新技術などが統一されておりスカイアクティブD独特な構造を持っています。

スカイアクティブDの核心技術

ディーゼルエンジンの基本的な構造については別の記事で詳しくご説明していますので、ここではスカイアクティブD特有の核心技術についてご説明しましょう。

スカイアクティブのエンジンシリーズの達成目標はなんといっても燃費の向上であり、マツダではハイブリッドカーなどの電動車の代わりにディーゼルエンジンを低燃費技術の中心に据えています。

ディーゼルエンジンはガソリンエンジンに対して燃費はもともとよいのですが、スカイアクティブDではさらに向上した上に、小型車向けの低コスト化も必須です。(ディーゼルとガソリンエンジンの違いの詳細は以下の記事をご参照ください。)

車のエンジンガソリンエンジンとディーゼルエンジンの違い3つ!比較すると熱効率や寿命が全然違う?!

スカイアクティブDは世界一の低圧縮比

スカイアクティブDの核心技術のひとつはエンジンの圧縮比がディーゼルエンジンにしては非常に低いことで、ディーゼルエンジンの基本的な設計からは大きく外れています。

ディーゼルエンジンは燃料である軽油の自己着火で爆発を起こす構造上、空気をしっかり圧縮しなければ自己着火を起こす温度に達しません。

安定的なエンジンのサイクルを回すためにこれまでのディーゼルエンジンでは圧縮比は18.0前後が一般的でした。

しかしマツダはそこをエンジンの基本に立ち帰って圧縮比が14.0~14.8という低圧縮比のディーゼルエンジンを実現したのです。

ディーゼルエンジンの最大の問題点は排気ガスの浄化にあり、おもにPM(粒状黒鉛)とNox(窒素酸化物)の2つの排出削減が重要になります。

エンジンから排出されたあとの後処理で浄化することも可能ですが、なによりまずはエンジンで発生するこれらの物質を削減できるのがベストなわけです。

とくにNoxは浄化が難しいのですが、燃焼温度が高いと発生するNoxは圧縮比の高いディーゼルエンジンでは発生する量が多いのです。

そこでマツダは圧縮比を下げることでNoxの低減を図り、後処理技術にウェイトを置くことなくクリーンなディーゼルエンジンを実現させました。

また圧縮比が下がると燃料が不完全燃焼ぎみとなってPMが増加するのがこれまでの常識でしたが、スカイアクティブDでは不完全燃焼の原因である燃料と空気の混合不足を混合時間の延長化や燃料の微細化などによって解消し、軽油が不完全燃焼しにくい環境を整えたのです。

これにより想定されたよりもPMの発生は抑えられ、さらには完全燃焼できる燃料が増えたことによる効率向上で、燃費の向上も図れています。

さらに圧縮比が下がったことで爆発の圧力も減るので、エンジン部品の強度見直しによる軽量化が図れ、これも燃費を向上させるものとなっています。

スカイアクティブDの中心技術はとにかくこの低圧縮比をディーゼルエンジンで実現できたことにあり、これによるさまざまな相乗効果が燃費とコスト低減に大きなメリットをあたえているのです。

なおスカイアクティブDが搭載されたアクセラとアテンザの燃費は以下の記事で紹介しています。興味のある方はこちらもご参照ください。

マツダ アクセラアクセラの燃費は悪い?街乗りや高速の実燃費は?改善し向上させる方法まで解説! マツダ アテンザアテンザの燃費は悪い?街乗りや高速の実燃費は?改善し向上させる方法まで解説!

後処理システムの簡略化によるコストメリット

低圧縮比でNoxの排出が少なくなったスカイアクティブDでは、Noxを後処理する触媒を他社に比べて大幅に簡略化することができるため、非常に大きなコストメリットも持っています。

Noxの浄化は排気ガス処理の中では結構難易度の高い部類にあり、窒素という不活性な物質をもつ酸化物はさまざまな条件が揃わないと無害化できません。

一般的にはNox触媒と呼ばれる専用の触媒を使って化学反応を起こすことで浄化するのですが、排気ガス規制が年々厳しくなる中では触媒のみでの浄化に限界も出てきており、高価な貴金属を多用する触媒を大型化させなくてはならなくなります。

ディーゼルエンジンのコスト高の原因はまさにこの触媒関係にあると言ってもよく、ガソリンエンジンのそれとはかなり技術的な難易度の高い部分です。

さらには排気ガス規制が年々厳しくなる中においては従来の触媒だけでは対応できなくなってきており、さらなる高度な処理装置も必要になってきています。

それが「尿素SCR」(アドブルーシステム)と呼ばれるシステムで、詳細は省きますが尿素水(商品名はアドブルー)を排気ガスに噴射することでNoxをアンモニアに変化させ、そのアンモニアを触媒で無害化するという非常に複雑なシステムです。

すでに欧州のディーゼルエンジン乗用車や日本でも商用トラックのディーゼルエンジン車では一般的なシステムとなりましたが、このシステムはなにより高価で、さらには定期的に尿素水の補充まで必要となります。

欧州や北米では大型車だけでなく中小型車にも大型触媒や尿素SCRの装着が必要な状況ですが、それでもコスト的に厳しい車種への採用は難しいものがあります。

そこでマツダは圧縮比の低下というブレークスルーをもってNoxの生成自体を圧倒的に減らすことができ、コストのかかるNox触媒を廃止することができました。

尿素SCRも不要ですので、スカイアクティブDは他社のディーゼルエンジンに対して大きなコストメリットをもつエンジンに仕上がっています。

MEMO

これから車の購入を考えているなら、値引き交渉の正しいやり方を覚えておくといいですよ。このやり方を知らないと最大60万円以上も損します。

詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。

裏技を知って後悔する人たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!

スカイアクティブD(クリーンディーゼル)の音

では次に国内では一昔前はあまり聞けなかったディーゼル乗用車の音をお聞きいただきましょう。

とはいってもスカイアクティブDは従来のディーゼルエンジンより圧縮比が低い分静かであり、ディーゼルエンジン搭載の乗用車としてはかなり静かな部類に入ります。

スカイアクティブD搭載車のサウンドが聞ける動画がありましたのでご紹介しましょう。

スカイアクティブDを搭載する2車種の動画ですが、デミオはマツダの最量販車、アテンザはその逆で最上級車です。

デミオ 1.3Lディーゼル

デミオでは加速時にディーゼルエンジン特有のガラガラ音が聞こえてきますが、それはあくまで加速時だけのことであり、定速走行やアイドリング時にはあまり気になるような音は聞こえません。

昔のディーゼルエンジン車はこのガラガラ音がアイドリング時から気になってうるさかったのですが、エンジン性能と車体側の遮音性能の向上などにもよってかなり静かな車になっています。

なおデミオの加速性能は以下の記事で解説しているので、興味のある方はこちらも目を通してみてください。

マツダ デミオデミオの加速性能を解説!0-100km/h加速タイムはどのくらい?

アテンザ 2.2L ディーゼル

アテンザの動画は二つご紹介しますが、最初の動画では車外でのアイドリング音が動画の最初の方で聞け、ディーゼルエンジンのガラガラ音は車外では結構聞こえてくるのがわかります。

ですがひとたび車内に座ってドアを閉めればうるさい音はほとんど聞こえなくなり、車のもつ遮音性の高さがよくわかります。

2番目の動画では同じ車で市街地や高速走行をする様子が映っていますが、ディーゼルエンジン車とは思えない静かな走行音であり、アイドリング時の静かさのまま走れている感じです。

加速時はさすがにそれなりの音は出ますが、全域にわたってデミオよりも静かな車に仕上がっているのがわかるでしょう。

なおアテンザの静粛性は以下の記事でも解説しているので、こちらもあわせて参考にしてみてください。

静粛性のあるアテンザアテンザの静粛性はいかに?!エンジン音やロードノイズがうるさい?

ディーゼルエンジン車は昔はうるささもあって敬遠されていたのですが、マツダのスカイアクティブDならばコンパクトカーからセダンまで静かで乗り心地のよい車となっています。

スカイアクティブD(クリーンディーゼル)の長所

さてそれではスカイアクティブDの長所についてもう少しご説明していきましょう。

スカイアクティブDの長所は前述したとおり圧縮比の低さとそれに伴う後処理装置の低コスト化にありますが、もうひとつ圧縮比の低さからくるエンジン振動の低減と最高回転数の高さがあります。

エンジン振動の低減

ディーゼルエンジンは圧縮比の高さから爆発エネルギーが高く、それによってエンジンの振動の大きなエンジンでした。

これが元でディーゼルエンジンは音もうるさく、乗用車用としては少々デメリットが多かったのですが、スカイアクティブDでは圧縮比が下がったことで爆発エネルギーが減り、エンジン振動を下げることができました。

振動が少なくなればエンジンは静かになり、車自体の静かさにも繋がります。車体側の遮音材の効果もかなり高いのですが、やはり大本たるエンジンが静かなことに越したことはありません。

前述のアテンザの動画を見ていただいてもわかるように、車室内ではディーゼルエンジンのうるささなどはもはや過去のものになっています。

また振動が少なくなればその分エンジン部品の剛性をあげる必要がなくなるので、その分は部品の軽量化、エンジン本体の軽量化に繋げることができます。

そうすれば燃費にもよい影響が現れるので、圧縮比の低減というのはさまざまな面にメリットを生むものです。

ディーゼルエンジンにしては高い回転数

ディーゼルエンジンはその特性上、低回転高トルクには向いているのですが、高回転で高出力には向かないエンジンです。

その原因は高い爆発エネルギーに耐えられる剛性を持ったピストンやクランクシャフトなどが重たいことで、高回転ではそれらの運動によるロスが大きくなりすぎてしまうのです。

しかしスカイアクティブDではこれらの部品の軽量化ができたことで、従来のディーゼルエンジンより高回転寄りのセッティングができるようになりました。

従来は4,000rpm程度がディーゼルエンジンの限界だったのですが、アテンザのスカイアクティブDでは5,000rpmがレッドゾーンとなっており、より高回転のエンジンになっています。

最高出力もアテンザでは4,500rpmぐらいで発生するので、割と高回転までしっかりとパワーが出るエンジンとなっているのです。

これによりガソリンエンジンに近い走行フィールが得られ、高回転が弱いディーゼルエンジンの弱点をいくらか解消できています。

アテンザについては以下の記事で加速性能を紹介しているので、こちらもあわせて参考にしてみてください。

マツダ アテンザアテンザの加速性能を解説!0-100km/h加速タイムはどのくらい?

スカイアクティブD(クリーンディーゼル)の欠点

圧縮比の低減によってさまざまなメリットをもつようになったスカイアクティブDですが、メリットにはデメリットが付き物であり、スカイアクティブでもいくつかのデメリットがあります。

出力の低下

圧縮比の低減はNoxの削減やコスト削減に繋がってよいのですが、その反動はエンジン出力の低下という点につながります。

圧縮比が高いとエンジン効率が上がるのでエンジンは高い出力を得られるのですが、残念ながらスカイアクティブDではそのメリットを打ち消す方向にセッティングがされていますのでどうしても出力は低めとなります。

一応スカイアクティブDはターボチャージャー付きの過給エンジンですので出力の底上げはされているのですが、それでも他社のディーゼルエンジンと比較すると少々見劣りがします。(ターボの詳細は以下の記事をご参照ください。)

ゴルフ ターボエンジンターボエンジンとは?仕組み/構造は?メリット2つとデメリット4つ!

国産車ではマツダ以外のディーゼル乗用車がないので比較ができないのですが、日本に導入されているフォルクスワーゲンのディーゼルエンジン車と比較してみるとよくわかります。

フォルクスワーゲン パサートはアテンザと同程度のセダンで、車格が同格なのでこちらで比較してみましょう。

エンジン名称アテンザ SKYACTIV-D 2.2フォルクスワーゲン パサートTDI
エンジン構造2,188cc 水冷直列4気筒
DOHC16バルブ直噴エンジン
2ステージターボ
2.0ℓ直列4気筒
DOHCディーゼルターボ
最高出力129kW(175PS)/4,500rpm140kW(190ps)/3,500-4,000rpm
最大トルク420Nm(42.8kgf·m)/2,000rpm400Nm/1,900-3,300rpm
圧縮比14.015.5

パサートのエンジンはアテンザより200cc少ない2.0Lですが、最高出力に関してはパサートのほうが上であり、トルクもほぼ同等です。

パサートのディーゼルエンジンは圧縮比が15.5とスカイアクティブDより高く、その差が如実にスペックに現れている形です。

その分パサートはNox浄化に高価な尿素SCRを備える必要があり、コストメリットは圧倒的にスカイアクティブDのほうが高いです。

出力の低下はたしかにデメリットですが、ディーゼルエンジンという制御の難しいエンジンでは他のメリットを伸ばす選択も正解のひとつといえます。

このあたりはマツダとフォルクスワーゲンをはじめとした欧州勢の設計の考え方の違いと言えるでしょう。

PMの過剰堆積による警告灯の点灯

スカイアクティブDは登場後非常に高い評価を受けており販売台数にもそれが現れているのですが、登場から少ししてからPM(粒状黒鉛)の堆積による警告灯点灯という不具合が多発するようになりました。

PMはディーゼルエンジンの天敵

PMは昔のディーゼルエンジンであった黒煙の原因となる物質で、非常に細かい煤のことです。

このPMはエンジンで燃料が不完全燃焼したときに生成されるもので、燃料と空気の混合が不十分な場合にも多く生成されます。

PMとNoxはどちらもディーゼルエンジンの排気ガス汚染の原因物質なのですが、その生成メカニズムは全く逆で、PMは不完全燃焼時、Noxは完全燃焼による高温燃焼で多く生成される物質です。

スカイアクティブDのような低圧縮比のディーゼルエンジンではNoxは確かに大幅に低減されるものの、基本的には燃焼エネルギーが減りますので不完全燃焼によるPM生成は多くなります。

スカイアクティブDでは燃料と空気の混ざる時間を長くとることで不完全燃焼を可能な限り減らすことができるようになっているので、従来のディーゼルエンジンよりは遥かにPM生成は少なくなっています。

しかしそれでもどうしても生成量の多いエンジンセッティングになっていることは間違いなく、スカイアクティブDで高度な対処の必要なものであるのです。

DPFの煤詰まり

ディーゼルエンジンのPMの処理にはDPF(Diesel particulate filter)という専用の触媒が必要であり、この触媒は一種のフィルターの役割をして排気ガス中のPMを濾しとる働きがあります。

これにより大気に排出される排気ガスにはPMはほぼ0となり、もはや黒煙を吐くディーゼルエンジンなどは過去のものです。

DPFに溜まったPMはDPF内で再生と呼ばれる処理を行うのですが、これは不完全燃焼で生成されたPMに高温の排気ガスを当てることで再度燃焼させるシステムです。

燃焼させて完全に燃やしてしまえばCO2とH2Oになって無害化できるので、再生さえしてしまえば問題はなくなります。

再生は基本的にオートで行われるもので、センサーなどによってPMの堆積を感知したら走行中に自動的に排気ガス温度をあげることで再生を行っています。

しかし再生ができない状況もいくつかあり、とくにエンジンの稼働時間が短い場合には排気ガス温度が十分に上げられないので、再生できるほどの温度を得られない場合がでてきます。

日本では車の乗り方で10分程度の買い物しか乗らないという人もたくさんいて、その場合にはエンジンをかけてから止めるまでの間に再生ができないので煤は溜まり放題となります。

そして最終的には煤のたまりすぎによる警告灯の点灯が起こり、スカイアクティブDの故障の最大の原因ともなってしまっています。

マツダもディーゼルエンジン車に関しては一日30分程度の走行を推奨しており、そういった乗り方を守っている限りはそこまで大きな問題にはならないのですが、ディーゼルエンジンが珍しかった日本ではまだこういった意識が浸透していないのもたしかです。

DPF警告灯の対処

もしDPFの警告灯が点灯した場合、走行すると排気管の圧力が上がりすぎてしまうので、基本的にはエンジンがかからず自走はできなくなります。

ディーラーなどから輸送トラックをだしてもらわないと修理工場へ持ち込むのも一苦労な状態となるのです。

そして修理工場ではエンジンを一度完全に下ろしてDPFの洗浄を行ったり、エンジン内部に堆積したPMを除去したりと結構大変な修理が必要となっています。

当然コストも結構かかる修理であり、スカイアクティブDの大きなデメリットとなってしまっている点です。

事実これ関係のトラブルで何度もリコールが出ており、マツダも制御ソフトの改良やシステムの見直しなどでPM堆積を減らそうと躍起になっているのですが、ここがディーゼルエンジンのもっとも難しい点でもあり完璧な対処はできていません。

リコールであれば無償修理ですので対処自体はおまかせとなりますが、それ以外で警告灯が付くトラブルであれば保証期間内なら無償、それ以外なら有償修理となります。

スカイアクティブDの搭載車も8年目の車まで出てきていますので、高額な有償修理の対象は増えてきています。

スカイアクティブDは画期的な圧縮比低減という技術でディーゼルエンジンの普及に一役かいましたが、その反動は度重なるリコールの連鎖に繋がってしまっており、ディーゼルエンジンというものの難しさはガソリンエンジンの比でないことがよくわかります。

しかしメーカーの設計が悪いだけが原因ではなく、ドライバーの走り方やPM処理に対する知識の欠如というものもトラブルの原因であり、PMをうまく再生させてやる運転の仕方をすればトラブルは減らせるのです。

ネットでもスカイアクティブDのトラブルに関する記事はたくさん見られ、欠陥車のように激しく悪い評価をされているのもよく見ます。

しかし決して車が悪いだけではなく、ドライバーがスカイアクティブDの特徴を理解していないせいでもあるのです。

スカイアクティブDの車に乗るのであれば、最低限そのあたりの知識を持って実践することをおすすめします。

MEMO

もしこれからスカイアクティブDの車を購入するなら、正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。

スカイアクティブDの仕様はやや高くなっていますが、この方法を覚えておけばその価格差も気にせず購入できます。

このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 裏技を知って後悔する人たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!

スカイアクティブD(クリーンディーゼル)の評価・乗り心地

スカイアクティブDの評価は前述のリコール問題もあって賛否両論ですが、決して悪いイメージだけではありません。

今回はTwitterからそういったご意見を集めてみました。

ハイブリッドカー並みの実燃費

この方はアテンザのスカイアクティブDに乗られているのですが、走行時の実燃費が23.1km/Lという好成績を叩き出していて、実燃費でここまで出ているのはハイブリッドカー並みです。

トヨタ プリウスの実燃費はおおよそ25km/L前後なので、ガソリンと軽油の価格差を考えるとディーゼルエンジンの燃料台はハイブリッドカーに匹敵するかそれ以上となります。(プリウスの燃費の詳細は以下の記事をご参照ください。)

トヨタ プリウスプリウスの燃費は悪い?街乗りや高速の実燃費は?改善し向上させる方法まで解説!

マツダはディーゼルエンジンをエコカーの柱としてハイブリッドカーは作らない方針で進めていますが、スカイアクティブDの実力を見れば正しい方向性だというのがわかりますね。

DPF再生は面倒くさい

この方はスカイアクティブDの特徴を熟知されているようで、DPFの再生のための走り方をご存じです。

再生のためには毎日負荷をかける必要はないのですが、短いインターバルで負荷型買い運転をする方がDPFにとっては有利となります。

しかしながらこういった走り方を心がけるのは確かに面倒な部分もあり、そういった面ではガソリンエンジンであるスカイアクティブGを選択するのもよいでしょう。

スカイアクティブD(クリーンディーゼル)搭載車

現行のマツダ車のラインナップにはほとんどスカイアクティブDが採用されており、ないのはスポーツカーのロードスターぐらいなものです。

ガソリンエンジンであるスカイアクティブG搭載車と比べて、スカイアクティブDはシステムが複雑なこともあり多少割高の価格設定となっています。

おおよそ300,000円から400,000円ぐらいは上昇してしまうのですが、その分燃費でカバーできればよいという考え方ですね。そんな中から何車種かご紹介しておきましょう。

CX-5

マツダ CX-5

CX-5はマツダのクロスオーバーSUVの一車種であり、マツダのなかではかなりの人気車種です。

クロスオーバーSUVという車の性格上ディーゼルエンジンは非常にマッチしており、ディーゼルエンジン車の比率が高いモデルです。

CX-5は2012年に初登場しましたがわずか4年でフルモデルチェンジを迎え、現行車は2代目となります。

初代からスカイアクティブDは基本のエンジンラインナップに組み込まれており、両方とも最大排気量であるSKYACTIV-D 2.2が搭載されています。

またCX-5は当初からスカイアクティブテクノロジーで設計された車であり、エンジンのみならずトランスミッションや車体設計なども統合的にスカイアクティブとして設計されています。

スペックはSUVらしいトルクを持ちある程度の悪路も走行できる素質はありますが、あくまで都会派のクロスオーバーSUVですので過信は禁物です。(走破性の詳細は以下の記事をご参照ください。)

走るCX-5マツダCX-5の走破性を徹底解剖!オフロード・クロカン性能はいかに?!

アクセラ

マツダ アクセラ

デミオやアテンザなどのマツダの代表車種はこれまでも触れてきましたが、もう一車種の代表車種がアクセラです。

デミオとアテンザの間を埋める車で、セダンとハッチバックがあります。

アテンザはモデルの長い車種ですが、スカイアクティブDが搭載されたのは2代目アテンザのマイナーチェンジからとなります。

そのため車体設計自体はスカイアクティブテクノロジーではなかったのですが、エンジンが先行して搭載された形ですね。

アテンザのようなハッチバックの車種でディーゼルエンジンというのは国産車ではありませんでしたので、その走りのよさも合間ってかなりの人気車種となりました。

現行型である3代目からは完全なスカイアクティブテクノロジーの車として生まれ変わり、デザインのブラッシュアップもあったことで更なる魅力を磨きあげています。

スカイアクティブDも変わらず搭載されており、1.5Lと2.2Lの2機種がラインナップされています。アクセラの詳細が知りたい方は、以下の記事で解説しているので、あわせて参考にしてみてください。

アクセラ エクステリアアクセラの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!

ここまでスカイアクティブDについて解説してきましたが、スカイアクティブには開発中のスカイアクティブXというエンジンもあります。このエンジンについては以下の記事も解説しているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。

スカイアクティブXエンジンスカイアクティブXとは?搭載車は?いつから発売されるかまで解説!