魂動・クリーンディーゼル・スカイアクティブなど色々なテーマで技術革新をしているマツダ。
そのフラッグシップセダンがアテンザです。
躍動的なデザインや欧州譲りの高い走行性能、積載性の高さなど様々な魅力を持っています。
そんなアテンザの燃費性能はどうでしょうか。
ここではアテンザの燃費性能について解説していきます。
アテンザの燃費・実燃費
まずはカタログ燃費と実燃費の差をチェックしていきます。
アテンザにはディーゼルモデルとガソリンモデルの2つのモデルがあるのでそれぞれの数値を検証です。
ガソリンモデルの燃費・実燃費
アテンザのカタログ燃費は20Sが16.6km/L、25Sが14.8km/Lです。では実燃費はどうでしょうか。
燃費の種類 | 20S | 25S |
カタログ燃費 | 16.6km/L | 14.8km/L |
街乗り燃費 | 10~13km/L | 8~12km/L |
高速燃費 | 14~18km/L | 14~17km/L |
燃費性能は20Sはカタログ燃費の7割以上を達成、25Sは6割以上を達成しています。
ディーゼルモデルの燃費・実燃費
ディーゼルモデルのカタログ燃費は17.8km/Lです。こちらの実燃費はどうでしょうか。
燃費の種類 | 数値 |
カタログ燃費 | 17.8km/L |
街乗り燃費 | 13~16km/L |
高速燃費 | 15~18km/L |
燃費達成率はなんと8割を超えます。高速走行では平均燃費でカタログ値を超えていますが、運転の上手い人であれば20km/Lを超える人もいます。
実燃費はカタログ燃費の6~7割程度が普通といわれていますが、ガソリンモデルは7割を超え、ディーゼルは8割をこえる達成率なので、とても優秀な燃費性能だと言えるでしょう。
なおガソリンエンジンとディーゼルエンジンの違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの違い3つ!比較すると熱効率や寿命が全然違う?!アテンザの燃費の口コミ
アテンザの燃費性能についてユーザーはどう感じているのでしょうか。
ここではツイッターからアテンザユーザーの実際の声を紹介していきます。
高速走ったらまーじで燃費よくて草生える
もうこれアクア並じゃね?アテンザ最強か pic.twitter.com/r9ezZxKdbq— 水無月 (@6gatsukun) 2016年12月1日
燃費性能で有名なアクアとミドルクラスセダンのアテンザが燃費が変わらないとは驚きです。アテンザの燃費向上技術の高さが伺えます。
#アテンザ XD
6割一般道でこの燃費は立派なもの。 pic.twitter.com/AL6MX4zyK2— ねこ横綱 (@yokozuna1967) 2018年10月2日
一般道を走っていながらも20km/Lという驚異的な燃費数値を記録しています。ディーゼルエンジンは走り方によって大きく燃費が変わってきますね。
3人乗せてこの燃費は凄いですよアテンザちゃん(ブレブレ) pic.twitter.com/N6qrGU4W86
— エビ (@ATENZA1206) 2018年10月9日
なんとこちらもカタログ燃費超えの18.3km/Lという数値を叩き出しております。ここまで燃費がいいとディーゼルに心惹かれてしまいます。
なおアテンザの口コミ・評判は以下の記事でもまとめています。詳細まで知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
アテンザの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!アテンザの歴代の燃費・実燃費
優秀な燃費のアテンザですが、歴代のアテンザの燃費はどうだったのでしょうか。ここでは歴代アテンザの燃費を確認してみます。
GG型の燃費・実燃費
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それまでファミリアと並びマツダの主力だったカペラに変わり、新しい世界戦略車として登場したアテンザ。
そんなアテンザの2,300ccモデルは、10・15モードのカタログ数値で12.6km/Lという数値です。実燃費は8~10km/Lとまずまずな燃費性能でした。
燃費の種類 | 数値 |
カタログ燃費 | 12.6km/L |
街乗り燃費 | 8~10km/L |
高速燃費 | 9~12km/L |
GH型の燃費・実燃費
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2008年に登場した2代目アテンザ。これまでハイオク仕様だった2,300ccエンジンはレギュラー仕様の2,500ccと扱いやすいエンジンになりました。
カタログ燃費は、JC08モードでは11.4km/Lでした。実燃費は8~10km/L、高速燃費で9~12km/Lでした。排気量アップをしながらも初代とほとんど変わりません。
燃費の種類 | 数値 |
カタログ燃費 | 11.4km/L |
街乗り燃費 | 8~10km/L |
高速燃費 | 9~12km/L |
アテンザは新世代のスポーツセダンとして排気量の大きなエンジンで登場します。そのためか走行性能の高さは優秀ですが燃費はあまりよろしくありませんでした。
現行の3代目になるとマツダのフラッグシップとしての看板を背負い、走行性能だけでなく燃費性能などさまざまな部分が向上しています。(走行性能の詳細は以下の記事をご参照ください。)
アテンザの加速性能を解説!0-100km/h加速タイムはどのくらい?アテンザの燃費の理由
アテンザはこのクラスではトップクラスの燃費性能をもっています。ではその燃費性能を作り上げているのはどういったものなのか。
ここではアテンザの燃費が良い理由と悪くなる理由を解説していきます。
スカイアクティブ技術
今やマツダの代名詞となっているスカイアクティブ技術。これはエンジン内の無駄を減らし高効率な燃焼を実現する技術です。
スカイアクティブエンジンとは?どんな仕組み?搭載車は何の車種か紹介!まずは無駄を減らす技術です。車はアイドリングや一定速度で走行する時などはそれほどパワーが必要ありません。
そこで吸気バルブの閉じるタイミングを少しずらし、ピストン内に吸気した混合気をインマニに戻し、必要な分だけでエンジンを回しています。
これにより無駄な燃料の消費を減らすことができ、さらにポンピングロスも低減できます。これがミラーサイクルです。
そして直噴技術によって高い圧縮率を実現し、燃焼効率も上げています。これもただ圧縮率を上げるだけの簡単なものではありません。
直噴エンジンとは?メリット3つとデメリット4つ!不具合と耐久性が欠点?!レギュラーガソリンはある一定の温度で自然発火してしまうため、圧縮しすぎるとノッキングを起こしてしまいます。
以前は燃えにくいハイオクを使うことで圧縮比を上げていましたが、ピストン内に直接燃料を噴射することでピストン内の温度を下げることができます。
これにより圧縮率を上げても自然発火せず、高効率な加速のできるエンジンになります。
さらに2,500ccエンジンには気筒休止システムを搭載し、パワーの必要のないときは半分の気筒でエンジンを回しています。
これらの技術により無駄のない燃料消費と高い圧縮率によって効率化を図り、低燃費を実現しています。
クリーンディーゼル
アテンザはガソリンエンジンのスカイアクティブ技術だけでなく、クリーンディーゼル技術でも最新の技術で燃費性能を高めています。
クリーンディーゼルエンジンとは?メリット2つとデメリット3つ!仕組み/構造の特徴まで解説!クリーンディーゼル車は燃費が悪い?低燃費車を比較してランキングで紹介!ディーゼルエンジンは故障も少なくて燃料価格も安く、さらに燃費もよくパワフルなエンジンです。
しかし黒煙などの排ガスや独特のガラガラといったノイズのせいで日本では良いイメージがありません。
ところがマツダのディーゼルはその騒音を減らし、ガソリン車並みの静粛性にすることに成功しました。
マツダのクリーンディーゼルの評価が高い理由3つ!口コミも分析!音の原因がピストンの共振であると発見した技術者が、ナチュラルサウンドスムーザーといって音の原因であるピストンの共振を抑える技術で、特有のノイズを抑えることができたのです。
そして排ガスの有害物質はディーゼルエンジンの圧縮比を下げることで低減することがわかりました。
そこでピストン内の圧縮率を下げることで効率の良い燃焼を行い、DPF再生によってカーボンを焼くことで、クリーンな排ガスになっているのです。
ディーゼルエンジンの弱点を入念に観察し、原因を突き止め解決策を施し、実用化したマツダの開発陣には脱帽です。
では次に悪くなる原因を見てみましょう。
パワーがないのでつい踏んでしまう
アテンザの車重では2,000ccのガソリンエンジンは若干パワー不足です。そのため気持ちよく加速サせようとするとアクセルを踏みすぎてしまい、燃料の消費が多くなります。
これではせっかく燃費の良い車も台無しです。ふんわりとした出だしを心がけ、必要に応じた加速をしましょう。
DPFの再生頻度が高い
ディーゼルエンジンはある程度走ると、溜まったカーボンや有害物質を焼くために定期的にDPF再生を行います。
これはエンジンの回転を上げ、フィルターをヒーターで高温にし燃焼させるものです。
アテンザは普通に運転していても200~300km程度の距離で再生がかかります。ちょい乗りが多い人はエンジンが温まりきらないことが多く、カーボンが溜まりやすいので燃料の消費が多くなる傾向があります。
ちょい乗りが多い人にはクリーンディーゼルはあまり向かないかもしれません。
このあたりの話は以下の記事でさらに詳しく解説しています。詳細まで知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
(クリーン)ディーゼルの煤問題とは?除去・洗浄や対策方法まで全て解説!アテンザの燃費改善・向上方法
もともと燃費の良いアテンザですが、もっと燃費を良くする方法はないでしょうか。
ここではアテンザの燃費を向上する3つの方法をご紹介します。
出だしはふんわり、加速はしっかり
さきほど燃費の悪くなる理由でも話しましたが、車は停車状態から走り出すときが一番燃料を消費します。そのときにアクセルを踏み込んでも無駄が多く、燃料を多く消費するだけで非常にもったいないです。
発進時はクリープ現象でやんわりと発進しましょう。
進み出してからはふんわりとアクセルを踏むのではなく、アクセルを3分の1から半分ほどぐっと踏み込のがポイントです。
実はこのときに燃費が良くなると思ってアクセルをふんわりと踏んでいると、ポンピングロスによってエンジンの内部抵抗が発生し逆に燃費が悪いのです。
そして目的の速度まで加速が終わったらアクセルを緩め、そこからはできるだけ一定の速度で走行することを心がけましょう。
減速する時にはエンジンブレーキを積極的に使いましょう。車のエンジンはおおよそ1,500回転以上でアクセルが離された状態であればエンジンブレーキがかかります。実はこのときエンジンへの燃料供給がカットされているので燃料の消費がありません。
もし回転数が低ければ必要に応じてギアを一つ落とすなど適時調整し、エンジンブレーキをかけます。
これらの運転法は、道路状況をしっかり把握し、周りの車の流れを妨害したりあおり運転にならないように周りへの配慮が非常に大事です。車の特性をしっかり掴み低燃費な運転をしましょう。
アイドリングストップの活用
アテンザは停車したからと言ってアイドリングストップはかかりません。ブレーキペダルを強く踏み、車に対して”エンジンを止めたい”という意思表示をしないと止まらないようになっています。
そのため信号などで長時間停車するようなときはブレーキペダルをしっかり踏み込み、信号の変わり目や右折時などアイドリングストップが不要なときは踏み込まないで、アイドリグストップをうまく操作して燃料消費を抑えることができます。
ちょい乗りは極力避ける
先ほど燃費の理由で述べましたが、ディーゼルはフィルターでカーボンや有害物質を濾し取っています。
そしてDPF再生で焼くのですが、ちょい乗りが多い環境ではディーゼルはカーボンが溜まりやすくなります。
カーボンが溜まるとDPF再生でカーボンを焼きはじめるため、もちろん燃料の消費が多くなります。エンジンへの負担も多くなるので、できるだけちょい乗りでは乗らない工夫も必要です。
もしアテンザを買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!アテンザの燃費を他の車と比較
アテンザの燃費はなかなか優秀でした。ではアテンザのライバル車たちの燃費はどうでしょうか。
ここでは比較に上がりやすいトヨタのカムリ、スバルのレガシィB4、日産のティアナと比較していきます。
日産 ティアナ
ティアナは日産のミドルセダンです。現行モデルはそれまでの落ち着いた大人のセダンから走って楽しいといった車に変化しています。
そんなティアナのカタログ燃費は14.4km/Lです。では実燃費を見ていきましょう。
燃費の種類 | 数値 |
カタログ燃費 | 14.4km/L |
街乗り燃費 | 10~14km/L |
高速燃費 | 14~18km/L |
ティアナは2,500ccモデルのアテンザとほぼ同じような燃費性能です。トランクの広さなども十分にあり車としてはどちらも十分に満足できる作りです。
ただデザイン性やダイレクトな走行性能、安全装備などといった付加価値を見ていくとアテンザのほうが満足度は高いでしょう。
なおアテンザのデザイン性については以下の記事で詳しくまとめています。詳細が気になる方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
【画像】アテンザはかっこいいのか?デザインについて徹底分析!スバル レガシィB4
レガシィB4はスバルのフラッグシップモデルで、アテンザとよく比較される直接ライバルのような存在です。
カタログ燃費は14.8km/Lと25Sグレードのアテンザと同じような数値です。では実燃費を見ていきましょう。
燃費の種類 | 数値 |
カタログ燃費 | 14.8km/L |
街乗り燃費 | 10~14km/L |
高速燃費 | 14~16km/L |
アテンザの2,500ccガソリンモデルと比較すると、ほぼ同じような結果です。
アテンザはATなのでダイレクト感のある走りが、レガシィはCVTでスマートな走りでキャラクターが結構違います。どちらを購入しても燃費では大差がつかないでしょう。
なおレガシィについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
レガシィB4は速いのか?加速性能から0-100km/h加速タイムまで解説!レガシィB4は雪道に弱い?雪道走行の性能について徹底分析しました!トヨタ カムリ
カムリはトヨタが販売する世界戦略ミドルセダンです。アテンザとは日本だけでなく海外でも激戦を繰り広げています。
カタログ燃費、実燃費は以下の表の通りです。
燃費の種類 | 数値 |
カタログ燃費 | 33.4km/L |
街乗り燃費 | 17~19km/L |
高速燃費 | 18~21km/L |
カムリはハイブリッド専売モデルなので非常に燃費が良いのが特徴です。アテンザと同じように室内も非常に広く使い勝手もよいのが特徴です。
カタログ燃費の数値は非常に良いですが、アテンザのディーゼルもかなり近い数値を出しており、カムリが絶対に優勢とは言い切れません。
トヨタらしい静粛性の高い走りが好みならカムリ、走って楽しい車ならアテンザでしょう。
なおカムリについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
カムリの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!カムリの燃費は悪い?街乗りや高速の実燃費は?改善し向上させる方法まで解説!アテンザは燃費も優秀な大型セダン
アテンザはこのクラスではとても優秀な燃費性能と走行性能で海外からも非常に高い評価を得ています。
国産車で燃費性能だけでなく走行性能やデザイン性すべてを満たしてくれる貴重な車です。
燃費は車に合わせた走り方をすることによって大きく変わってきます。こちらで紹介した方法などを参考にして、燃費の良い走りを研究してみてください。
なおアテンザについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
アテンザの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!アテンザの月、年間の維持費を計算!高いのか安いのか比較して解説!