軽自動車の充実化やハイブリッドカーの台頭もあって、コンパクトカー市場は激化の一途をたどっていますね。
「安い&小回りが利く」だけでは不十分。今や、コンパクトカーにもユーティリティが求められる時代です。
というわけで今回は、マツダから販売されるコンパクトカー「デミオ」にスポットを当ててみました。
流麗なデザインもさることながら、コンパクトカーとしては珍しい「ディーゼルモデル」も用意され、走行性能もピカイチ。
本記事では「加速性能」を重点的に解説していきたいと思います。
「0-100km/h加速」「オーナーの口コミ」もいくつかピックアップしてみたので、ぜひ最後まで読み進めてくださいね。
デミオの加速性能
デミオの加速性能について、さまざまな観点から解説していきたいと思います。
どれくらいのものなのか見ていきましょう。
現行型デミオは加速が速い
2014年にフルモデルチェンジを迎え、4代目モデルに生まれ変わったデミオですが、この現行モデルの加速性能が以外にもすごいんです。
とくにディーゼルモデルの加速性能は、各方面で話題になっているほど。
「速い」といっても、もちろん本格スポーツカーや格上の車と比較すると見劣ります。
サーキットを攻めたり、高速でごぼう抜きにするほどの性能は持ち合わせていません。
ただ、コンパクトカーとしては、想像以上の加速なのは間違いないです。
ましてや欧州車を思わせるフォルムによって、デザイン方面の評価も高いわけですからね。車としての仕上がりはコンパクトカー部門でも上位でしょう。
本当はエクステリアなどにも触れたいところですが、今回は加速がテーマなので、走行性能にフォーカスして詳しく解説したいと思います。
なおデミオのエクステリアについては以下の記事で詳しく解説しています。興味のある方はこちらもご参照ください。
【画像】デミオはかっこいいのか?デザインについて徹底分析!0-100km/h加速タイム
まずは、デミオの0-100km/h加速タイムから見てみます。
最近の車は、メーカーから公式なタイムが公称されないことが多いので、実際に乗っているオーナーさんの意見を参考にしましょう。
デミオ確か0-100は8.6sec.やったかな…
— Nanda (@Teacher7010) 2017年9月23日
こちらのツイートが代表例ですが、Twitter上では8.6秒という意見が多いようです。
詳しいことは書かれていませんが、おそらくディーゼルの4WDモデルでしょう。
8秒というと、一般的には十分加速が速い部類に入りますね。同じくらいの加速力の車を一覧にすると、こんな感じになります。
車種 | 加速タイム |
レクサス GS300h Fスポーツ | 8.0秒 |
レクサス IS300h Fスポーツ | 8.1秒 |
ノート e-power | 8.1秒 |
マツダ ロードスター | 8.2秒 |
マツダ デミオ | 8.6秒 |
ボルボ V40 D4 | 8.6秒 |
マツダ CX-5 2.5L | 8.7秒 |
ホンダ グレイス ハイブリッド | 8.8秒 |
アウディ Q2 | 9.2秒 |
※上記の表にあるロードスター、CX-5の加速性能の詳細は以下の記事をご参照ください。
ロードスターの加速性能を解説!0-100km/h加速タイムはどのくらい?マツダCX-5の加速性能を解説!0-100km/h加速タイムはどのくらい?この一覧表は、ネットでよく挙げられている数値を簡単にまとめたものです。状況によってタイムは異なるでしょう。
ただ、そこまで大きな差はないと思われるので、一種の目安として参考にしてみてください。
ちなみに、デミオのガソリンモデルのタイムは、9~10秒程度といわれています。
加速性能の秘密
デミオの加速性能については、大まかに伝わりましたよね。加速性能について、もう少し掘り下げて分析してみましょう。
エンジンと車体の2項目に分けて、解説したいと思います。
低速トルクの大きいエンジン
項目 | 1.3Lモデル | 1.5Lモデル | ディーゼルモデル |
エンジン型式 | P3-VPS | P5-VPS | S5-DPTS |
最高出力 | 92ps/6,000rpm | 116ps/6,000rpm | 105ps/4,000rpm |
最大トルク | 12.3kg・m/ 4,000rpm | 15.1kg・m/ 4,000rpm | 25.5kg・m/ 1,500-2,500rpm |
種類 | 水冷直列4気筒 1.3L NA | 水冷直列4気筒 1.5L NA | 水冷直列4気筒 1.5L ディーゼルターボ |
排気量 | 1,298cc | 1,496cc | 1,498cc |
内径×行程 | 71.0mm×82.0mm | 74.5mm×85.8mm | 76.0mm×82.6mm |
圧縮比 | 12 | 14 | 14.8 |
※直列4気筒、NA、ディーゼルターボ、エンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。
直列4気筒エンジンの特徴!どんな音?搭載車を日本車/外車の車種からそれぞれ紹介!NAエンジン(自然吸気エンジン)とは?メリット5つ!音が最強の魅力?!ディーゼルターボとは?速いのがメリットで寿命がデメリット?搭載車種も紹介こちらはデミオのエンジン性能を一覧にしたものです。
まずは、「トルク性能」について注目してみましょう。静止状態からの加速は、トルクの大きさが重要ですからね。
パッと見た感じ、特別優れているようには思えません。
ディーゼルモデルは25kg・m超えるトルクを発揮するものの、ガソリンモデルはコンパクトカーとしては「並み」の性能ですが…注目したいのはトルクの数値よりも、エンジン回転領域です。
ガソリンモデルは「4,000rpm」で最大トルクを発揮できるように設計されています。
通常、コンパクトカーは5,000rpm付近が最大トルクの領域ですが、デミオの場合はもっと低い領域でトルクを発揮できるのです。
つまり、早い段階で大きな駆動力を使えるということ。登坂でもゴリゴリ駆け上がっていきます。
また、デミオの車重はガソリンモデルで1,030kg、ディーゼルモデルでも1,220kgと、比較的軽い部類です。これも加速性能にとって大きなアドバンテージですね。
なおガソリンエンジンとディーゼルエンジンの違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。詳細は以下の記事をご参照ください。
ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの違い3つ!比較すると熱効率や寿命が全然違う?!SKYACTIVにより最適化された車体
車としての総合的な性能は、エンジンだけでは成り立ちません。トランスミッションやシャシーなど、各パーツがどれだけ密に連携できるかが重要です。
デミオは「スカイアクティブ(SKYACTIV)テクノロジー」によって、より高い水準で実現。
コンパクトながら高い剛性を持つので、ボディ全体でトルクを受け止めるように加速します。
スカイアクティブといえば、2010年からマツダが掲げている技術ですよね。
「アイサイト」や「ホンダセンシング」など、先進安全技術のように勘違いされがちですが、実はまったく異なります。
簡単に説明すると、モデルごとに基本性能をゼロから見直し、同時に刷新することで、車体構造に最適化を図るというもの。
各パーツの技術に、SKYACTIVの名を冠していることが特徴です。
通常、自動車の開発は「エンジン部門」「シャシー部門」などがバラバラに進行していきますが、スカイアクティブテクノロジーは各部門の刷新を同時に行うので、車全体の水準を向上させることが可能。
個々のユニットを統合的に制御し、マツダのコンセプトである「人馬一体の走り」を実現しました。
- エンジン:「SKYACTIV-G(ガソリン)」「SKYACTIV-D(ディーゼル)」
- トランスミッション:「SKYACTIV-DRIVE(AT)」「SKYACTIV-MT」
- ボディ:「SKYACTIV-BODY」
- シャシー:「SKYACTIV-CHASSIS」
- 車両運動制御技術:「SKYACTIV-VEHICLE DYNAMICS」
具体的には5つに分けられ、各部門にはこのような技術名称が名付けられています。
加速性能だけでなく、「安定性能」「旋回性能」「減速性能」が底上げされているので、高いパフォーマンスを発揮。
それでいてデザインの質感も高いですからね。カーオブザイヤーは伊達ではありませんね。
スカイアクティブについては以下の記事で解説しているので、もっと詳しく知りたい方はこちらもご参照ください。
スカイアクティブエンジンとは?どんな仕組み?搭載車は何の車種か紹介!スカイアクティブD(クリーンディーゼル)とは?欠点2つ!不具合や故障が多く耐久性に難あり?!デミオの実際の加速感
それではネットの投稿を参考に、実際の加速感を紹介したいと思います。
TwitterとYouTubeから気になるものを見つけたので、ご覧ください。
オーナーさんのツイート
デミオは加速も、コーナリングも、減速も、軽快に気持ちよく運転できます!!
— DEデミオbot (@DEMIO_13SKY) 2018年8月14日
「加速」「コーナリング」「減速」に関して、デミオは一定の評価を得ているようですね。
コンパクトカーとしては高めに設定されてるエンジン性能と、小柄なボディならではの俊敏性によって、一段上の走行性能を確保しています。
デミオ(DJ-5FS)
長所
・軽油でも20km/L以上の低燃費を叩き出し、燃料費が大変経済的。
・低回転トルクが非常に高く、発進時や変速後の加速が2リッター車並み
・顔がカッコいい・短所
エンジンでかくて小回りが利かない
・後ろが見づらい
・価格も2リッター車並 pic.twitter.com/k7N25vzwrF— 明日華@唯キチ (@dj_schlaf) 2018年5月24日
車好きの間で流行っている、「#乗ってる車名と長所と短所書いてけ」なる投稿です。気になるデミオオーナーの反応は…。
低速トルクの高さと、加速力を褒めていますね。加速に関しては2L車並みと感じているようです。
それでいて低燃費でデザイン性が高いので、車としての高い完成度がうかがえます。
価格や操作性に関することを短所としてとらえているようですが、コンパクトカーとして質感を高めた結果ととらえると腑に落ちます。
デミオ乗りになりました!
これからいっぱいいろんな所に行ってみたいと思います♡ディーゼル加速すげぇ!!
弄るところがないくらい内装オシャレで
辛い😭😭😭デミオ乗りの方仲良くして下さい😗(棒) pic.twitter.com/leA5MoGyWZ
— おまえさん。 (@axela_1024) 2018年1月21日
デミオを納車したばかりのオーナーさんの投稿です。納車直後って幸せな時間ですよね~。
こちらの方は、ディーゼルモデルを購入したようですが、加速力の高さに驚いていますね。これだけ小柄なボディに、高トルクなエンジンを積んでいるんですから無理もありません。
そして、みなさん口をそろえて言うのが「デミオはおしゃれ!」ということです。デミオをはじめ、最近のマツダ車は本当にかっこいいですよね。
デミオXD試乗してきますた。スペックの期待値通りの加速と、0-100の早さには爆笑しかなかった。アクティブ・ドライビング・ディスプレイも、最初は焦点が合わなくて違和感あったけど、慣れてみたら視界に自然に入ってなかなか便利でした。 pic.twitter.com/Qsfxt9I0GM
— 明日華@唯キチ (@dj_schlaf) 2014年11月3日
こちらのオーナーさんもディーゼルモデルの「XD」グレードを納車したご様子。
やはり、かなり好評のようです。ペダルを踏んでみて、カタログから感じた通りの動きをするなら車としては文句ありません。
ディーゼルモデルの0-100km/hはそこそこ有名なのですが、実際に乗ってみると想像以上の加速力を感じるようです。もはや爆笑してしまうほどの体感速度。
メーターフード上に立ち上がる「アクティブ・ドライビング・ディスプレイ」も、慣れてしまえば問題はないようですね。
もしデミオを買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!YouTubeで加速感をチェック
車線変更をした直後、グングン加速しているのが映像からよくわかります。アクセルONの野太い音から、ディーゼルモデルと予想できますね。
「ディーゼル×ターボ」の組み合わせによって低速からトルクを発揮するので、高速や街中など、活躍する場面がたくさんありそうです。
コンパクトカーではありますが、これなら遠出でもストレスを感じないでしょう。
デミオの加速性能を他の車と比較
同じクラスのコンパクトカーと、加速性能について比較してみましょう。
比較対象は「アクア」「ノート」の2台です。
トヨタ アクア
トヨタを代表するハイブリッド・コンパクトカーといえば、ご存知アクアですね。国内でもかなりのシェアを誇り、幅広い層から支持を受けています。
小回りや燃費に定評のあるアクアですが、加速性能についてはデミオに軍配が上がることでしょう。
最高出力 | 74ps(54kW)/4,800rpm |
最大トルク | エンジン: 11.3kg・m/3,600~4,400rpm モーター:17.2kg・m |
排気量 | 1,496cc |
燃費 | 37.0km/L |
0-100km/h加速 | 10.17秒 |
こちらがアクアの性能表です。加速タイムについては、オーナーの投稿を参考にしましたが、他の数値は公称値を引用しました。
アクアは燃費を重視して作られているので、加速性能についてはそれなりという感じですね。
アクアについては以下の記事でも解説しているので、詳細まで知りたい方はこちらもご参照ください。
アクアの燃費は悪い?街乗りや高速の実燃費は?改善し向上させる方法まで解説!アクアの加速性能を解説!0-100km/h加速タイムはどのくらい?日産 ノート e-power
今、流行のコンパクトカーといえば、日産から販売される「ノート e-power」です。ハイブリッドカーとして優れた環境性能を持ちながらも、加速力にも定評があります。
静止加速はノートの方が優れていますね。また、巡航速度における高速域の加速性能も、ノートの方が上手です。ディーゼルは高回転域は苦手ですからね…。
最高出力 | 79ps/5,400rpm |
最大トルク | エンジン: 10.5kg・m/3,600-5,200rpm モーター: 25.9kg・m/0-3,008rpm |
排気量 | 1,198cc |
燃費 | 34.0km/L |
0-100km/h加速 | 8.13秒 |
ノート e-powerの性能はこちらをご覧ください。
走り方によっては8秒を切るともいわれています。低速域はモーターの得意分野とはいえ、ノートの加速性能には目を見張るものがありますね…。
ディーゼルターボ特有の加速感
他にデミオより速い車を挙げるなら「フィット ハイブリッド」などでしょうか。(性能の詳細は以下の記事をご参照ください。)
フィットの加速性能を解説!0-100km/h加速タイムはどのくらい?高性能なハイブリッドカーと比べると、やや見劣りしますね。
ただし、「電気モーターのスムーズな加速」と「ディーゼルターボのトルク感のある加速」は、感覚としては全くの別物です。
ディーゼル特有のグイグイ走る感覚は、一度乗ったら病みつきになると思いますよ。
性能もさることながら、走る楽しさも兼ね備えたデミオは、まさに「人馬一体の走り」を体現した一台といえるでしょう。
デミオについては以下の記事でも詳しく解説しているので、詳細まで知りたい方はこちらもご参照ください。
デミオは故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説!【画像】デミオはかっこいいのか?デザインについて徹底分析!