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トラックのマニ割りとは?車検は対応してる?ターボでもできる?基本を解説!

自動車にはノーマルの状態から改造を施したカスタムカーの文化がありますが、乗用車だけでなくトラックのような商用車にもさまざまなカスタムがあります。

その一つに「マニ割り」というものがあるのですが、一般にはあまり知られないカスタムでもあります。

今回はそんなトラックのマニ割りについてご説明します。

トラックのマニ割りとは?

トラック

マニ割りとは主に商用の大型トラックや大型ダンプなどで行われるカスタムの一つで、エンジンの排気側に出ているエキゾーストマニホールドを分割することを指します。

マニ割りは主にマフラーサウンドを変えるために行われるもので、通常エキゾーストマニホールドで1本にまとまっている排気管を分割します。

そして分割したエキゾーストマニホールドの先に新たな排気管を通し、エンジンからマフラーまでの間の排気管を2本にわけることでエンジンサウンドを変化させることができます。

まずはマニ割りの基本的な方法についてご説明します。

マニ割りの方法

マニ割りはエキゾーストマニホールドで集合されている排気管の一本を分割するのが基本です。

エキゾーストマニホールドはエンジンの各シリンダーから出てきた排気管をまとめる役目があり、直列4気筒なら4本、6気筒なら6本の排気管を一本にまとめています。

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そのあとは一本にまとまった排気管がトラックの後部まで伸び、その途中で触媒やマフラーを通ってからテールパイプに繋がって排出されます。

マニ割りは最初のエキゾーストマニホールドの部分で1気筒分を切り取り、そこに別の排気管をつなげるようにします。

直列4気筒エンジンなら3本+1本、6気筒なら5本+1本という形です。

さらにマニ割りした先の排気管にはサブマフラーを装着し、テールパイプも2本に別れたままとなります。

こうすることでエキゾーストマニホールドで作られていたエンジンサウンドが、一種不安定な脈動音を持つようになり、トラック乗りに好まれるパワフルなサウンドに改造できます。

マニ割りとダブルマフラー

マニ割りと同じような効果を持つカスタムに「ダブルマフラー」というものがあり、よく混同されているのですが、実はマニ割りはダブルマフラーの一種なのです。

ダブルマフラーはエキゾーストマニホールドには加工を加えませんが、その後部の排気管部分で1本から2本に分岐させ、その後マフラーを2つ設置してテールパイプも2本のままです。

マニ割りもマフラーを2つ設置するのでダブルマフラーの一種ですが、エキゾーストマニホールド部分で分割するか、排気管で分割するかでサウンドの変化は違ってきます。

マニ割りの魅力・メリット

メリット

マニ割りの魅力はノーマルエンジンでは得られない野太いサウンドが出せる点にあり、デコトラのような派手な見た目をしているトラックなどに似合ったサウンドです。

マニ割りが始まった起源は諸説ありますが、どうやらアメリカなどで大型トラックに使われるV8エンジンの野太い音を、直4エンジンや直6エンジンで再現しようとしたのが最初のようです。

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V8エンジンはエンジン型式と排気量によって独特の低い唸るようなサウンドを持っており、独特の魅力があるサウンドです。

ポイント

ですが国内では少々エンジンが大きすぎることからもう少し小型のエンジンが主流であり、エンジンサウンドもそれに伴って高めのサウンドになってしまいます。

そこでエキゾーストマニホールドをマニ割りすることで排気管に流れる排気ガスのバランスを崩し、サウンドをチューニングすることでノーマルサウンドとは違うサウンドを作り出すことができるのです。

マニ割りは手動でカスタムすることがほとんどですので、カスタムで生み出されるサウンドにはばらつきがありますが、それもまた味となるわけです。

なおマニ割りのサウンドについては以下の記事で詳しく解説しています。詳細まで知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。

トラックマニ割りのサウンドの特徴と仕組み!叩き、鳴きの作り方まで解説!

マニ割りの欠点・デメリット

デメリット

マニ割りはカスタムの一種類なので一般的なものではなく、いくつか問題となる欠点も持っています。

エンジンサウンドが大きくなる

エキ割りをすると音の質が変わるとともに音量自体も大きくなる傾向にあります。

ところが日本の法律には車の騒音規制があり、あまりにエンジンサウンドが大きくなると規制に違反してしまいます。

注意

国内の騒音規制では大型車両は規制値が105db(デシベル)〜107dbとなっており、マニ割りやダブルマフラーに改造するとこの規制値を超えてしまう場合があります。

その場合基本的には公道走行はできませんし、もし不正に走行していると警察などに停車させられてしまうこともあります。

また規制値をクリアしていたとしても、その大きなサウンドは住宅街などでは迷惑になる場合もあり、一般からはあまり好まれるものではありません。

触媒の装着ができない

現在トラックの排気ガス規制には排気ガスを浄化するための触媒が欠かせなくなっており、触媒なしには排気ガスが汚いまま排出されることになります。

触媒はおもにエキゾーストマニホールドのあとで一本に集合した排気管に設置されますが、マニ割りをして排気管が2本に分かれてしまうとマニ割りしたほうには触媒が無くなってしまうので、排気ガスの浄化ができません。

残りの排気管は触媒に接続されているのでよいのですが、一本分の排気ガスは汚いままです。

それをクリアするにはマニ割りした排気管にも触媒を設置する必要があり、普通にマニ割りしただけでは排気ガス規制をクリアできません。

そのままでは黒煙や窒素酸化物、炭化水素などの有害物質が垂れ流しとなり、昔は排気ガス規制がゆるくて触媒が無いこともありましたが、現在は黒い排気ガスを出すようなトラックは基本走れません。

もしそんな状態で走行していると、整備不良などで捕まってしまう場合もあるでしょう。

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マニ割りは車検に通るか微妙

車検

マニ割りはエンジンカスタムの一種類ではありますが、カスタムをしたあとに車検に通るかどうかは微妙なところです。

問題は前述で説明した騒音規制と排気ガス規制にあり、車検場に持ち込んで検査する際にエンジン音が大きすぎたり、排気ガステスターにクリアできない場合などは車検が通りません。

排気管のテールパイプが2本に分かれている事自体は車検にひっかかりませんが、車検ではそれ以外の部分で評価を受けます。

また車検に通った後にカスタムして規制値を超えている場合などは、発見された場合には整備不良などで再車検となる場合もあります。

もしマニ割りで車検に対応できるようにするには、騒音規制に対応できるように適切なマフラーを使用することと、マニ割りした側にもきちんと触媒を設置することです。

適切にカスタムをしなければ、車検以外にもうるささや排気ガスによる汚染などの問題もありますので、カスタムといえども車検対応にすることが必要です。

マニ割りの基本のやり方・作り方

マニ割りのカスタムはトラックのカスタムを専門に行う整備工場で受けることができ、カスタムとしてはそこまで難しいものではありません。

ポイント

まずマニ割りの名称の通り、エキゾーストマニホールドの気筒の1つを切り離し、穴が開いたエキゾーストマニホールドは溶接などで穴を塞ぎます。

切り離した1気筒側には新たに作った排気管を接続し、周りの部品に干渉しないように設置します。

エキゾーストマニホールド側は通常の排気管のままですが、マニ割りした側にある排気管の途中には触媒とマフラーを設置し、その後にテールパイプに接続して車外に排出する形にします。

テールパイプはノーマルのパイプと同程度の位置に取り回すのですが、その途中に他の部品に干渉したり、熱害などの問題がないようにしなければなりません。

費用的にはマニ割りの加工と排気管の設置などで200,000円〜400,000円程度の費用がかかりますが、触媒の設置などでプラス100,000円〜200,000円ぐらいかかるでしょう。

マニ割りはターボでもできるか?

マニ割りは構造的には自然吸気エンジンになら適用しやすいものではありますが、近年のトラック用ディーゼルエンジンはターボエンジンが一般的であり、マニ割りをするには難しい構造である場合があります。

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ターボエンジンのターボチャージャーは排気ガスのエネルギーを使って動く部品で、エキゾーストマニホールドで排気ガスを集合させた先に設置します。

そのためもしターボエンジンでマニ割りをしようとするとターボチャージャーにつながる排気管を分割することになり、ターボチャージャーの性能低下とエンジンの出力低下などを招くことになります。

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またターボチャージャーが付いたエンジンのエキゾーストマニホールド周りには、ターボにつながる吸気管などで非常に入り組んでおり、マニ割りをしたあとの排気管が取り回せるスペースも少なくなっています。

改造範囲を広げていけばどんなカスタムも可能ではありますが、難易度とコストはどんどん上がるので非常に大変なカスタムとなります。

前述した騒音規制や排気ガス規制、車検などの問題に加えて、ターボエンジンの改造の難しさもあって近年マニ割りを行う事例は減ってきています。

以前よりサウンドの野太いトラックを街中で見かけなくなった裏にはそういった理由があるのです。

なおエンジンサウンドについては以下の記事でも取り上げています。興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。

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