日産 セレナはMクラスのミニバンでは現在もっとも売れている車。
さらにワンペダルで操作できるハイブリッドカーのe-POWERも追加され、死角なしの大人気ミニバンです。
セレナを維持するためにかかる月間と年間、長期的な費用をライバル車と比較して、セレナの維持費を検証します。
セレナの月、年間の維持費
日産 セレナを所有した場合に発生する、さまざまな維持費を月ごと、年ごとに細分化し、シミュレーションしていきます。
日産 セレナとは?
2016年に登場した日産 セレナは、扱いやすい5ナンバーサイズに、先進機能を満載したミニバンです。
ミニバンとして快適な室内空間はもちろん、上半分だけを開けることのできるバックドアや、ハンズフリーで挙げられるスライドドア。
それに高い安全性をもつ予防安全装備プロパイロットといった革新的な装備が与えられ、2016-2017日本カー・オブ・ザ・イヤーでイノベーション部門賞を受賞しています。
現行型セレナのエンジンラインナップは、2.0Lエンジンと1.2Lエンジン。2.0Lエンジンは、アイドリングストップを追加した「ピュアドライブ」と、マイルドハイブリッドシステムを追加した「S-ハイブリッド」に分類されます。
マイルドハイブリッド(MHEV)とは?仕組み/構造は?搭載車の燃費は悪いのか解説!1.2Lエンジンの方は、エンジンを発電機として使用し、モーターのみで走行するシリーズハイブリッドシステム「e-POWER」のみです。
1.2Lエンジンの「e-POWER」は、2.0Lよりも自動車税が1ランク下の区分に該当するため、自動車税が安く、燃費がよいため安価にMクラスのミニバンのなかでもっとも安価に維持費できる車です。
今回はセレナ 1.2L e-POWERをサンプルに維持費をシミュレーションしていきます。
セレナの月ごとにかかる費用
セレナを維持するうえで、月ごとにかかる費用をまとめると表のようになります。
種類 | 費用 |
駐車場代 | 8,000円 |
燃料代 | 5,000円 |
合計 | 13,000円 |
駐車場代
駐車場代は、平均的な8,000円を設定しています。土地代の高い都市部ではもっと高く、土地代安い郊外ではもっと低くなるので注意しましょう。
燃料代
セレナ 1.2L e-POWERのカタログ燃費は、JC08モード燃費で26.2km/L。実燃費は17.5km/Lです。
エンジン種類 | JC08モード燃費 | 実燃費 | 走行500kmあたりの燃料代 |
1.2L e-Power | 26.2km/L | 17.5km/L | 3,714円 |
2.0L ガソリン(4WD) | 13.8km/L(12.6km/L) | 10.0km/L(9.0km/L) | 6,500円(7,222円) |
2.0L ハイブリッド(4WD) | 15.2km/L(13.6km/L) | 13.0km/L(11.5km/L) | 5,000円(5,652円) |
実燃費26.2km/Lのセレナで、仮に走行距離を月500km(=年6,000km)、ガソリン代を130円/Lとすると、3,714円と算出できます。
通勤やレジャーなどで頻繁に使ったりして走行距離が多ければ、当然その分費用は増えることになります。走行距離が100km増えるごとに維持費はおよそ743円増えると考えましょう。
なおセレナの燃費については以下の記事でさらに詳しく解説しています。詳細まで知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
セレナ(e-power)の燃費は悪い?街乗りや高速の実燃費は?改善し向上させる方法まで解説!セレナの1年ごとにかかる費用
次に1年間にかかる費用を解説します。
種類 | 費用 |
自動車税/軽自動車税 | 34,500円 |
任意保険料 | 84,000円 |
消耗品代 | 6,000円 |
合計 | 124,500円 |
自動車税
毎年5〜6月ころに納税通知の来る「自動車税」は排気量に応じた税率が適応されます。
排気量1.2Lの「e-POWER」の自動車税は、コンパクトカー並の年間34,500円です。2.0Lエンジンの自動車税は年間39,500円になります。
ちなみに「e-POWER」と「S-ハイブリッド」はグリーン税制により、購入翌年の自動車税は75%減税され9,000円になります。
任意保険料
万が一の事故に備えるための保険として、保険会社と契約する「任意保険料」は、月7,000円として年間で84,000円ほどになります。
ただし、任意保険は車種やドライバーの年齢などの条件や加入する保険会社によって、金額が最大数万円ほど変わります。他の費用以上に個人差が大きいので、年84,000円の金額はあくまでも目安程度にお考えください。
また、ここでは任意保険を「年ごとにかかる費用」としていますが、月払いなど他の支払い方法もあることが多いです。
消耗品代
エンジンオイルやオイルフィルターなどのメンテナンス費用である「消耗品代」として年6,000円程度がかかります。
セレナの数年ごとにかかる費用
新車購入の場合は3年、それ以降は2年毎実施される車検の費用をまとめました。
種類 | 費用 |
自動車重量税 | 車検ごと20,000円(新車購入時はエコカー減税により全額免除) |
自賠責保険料 | 車検ごと26,000円(新車購入時は3年分37,000円) |
車検基本料 | 車検ごと50,000円 |
12ヶ月点検費用 | 車検から1年ごと10,000円 |
合計 | 106,000円 |
自動車重量税
自動車重量税は、自動車の重量に応じて税率が適合する制度です。車重が1.5t〜2.0tに収まり、エコカー対象となるセレナの重量税は翌2年間分20,000円です。
「e-POWER」エコカー減税対象車のため、新車購入時に支払う重量税は全額免除となります。2.0Lエンジンのセレナ購入時は、25%減税の22,500円です。
自賠責保険料
交通事故時の被害者を補償する目的で徴収されるのが自賠責保険料。自動車重量税とともに車検時に納めることになります。
セレナに限らず、普通車で自家用に使用される場合の保険料は、翌2年間分で約26,000円。車購入時は次の車検までの3年分で37,000円です。
車検基本料
車検基本料とは、車検ごとの法定点検費用と印紙代と車検代行代を足したものとし、セレナの場合は2年分/50,000円ほどかかります。
ただし、車検費用はディーラーやカー用品店など業者の選び方によって、数万円ほど変わることがあります。
また車検の検査結果によっては部品交換や整備が必要となり、さらに数万円ほどかかるケースもあるので、50,000円の金額は目安としてお考えください。
12ヶ月点検費用
法定12ヶ月点検は車検と違い、義務ではありませんが、車を大切に乗りたいのであれば実施をおすすめします。
費用はおよそ10,000円。もし交換しなければいけない部品があった場合には、部品代が加算されます。また、整備記録として実施をしておくことで、リセールバリューの査定にプラスに働きます。
もしセレナを買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!セレナの月ごと、年ごとの維持費平均
日産 セレナの維持費を月ごと、年ごとの表にまとめました。これにより一定期間内における平均的な維持費がわかります。
月ごとの維持費
セレナを維持するために数年サイクルでかかる費用を、ひと月あたりに換算した表です。
種類 | 費用 |
駐車場代 | 8,000円 |
燃料代 | 3,714円 |
自動車税/軽自動車税 | 2,875円 |
任意保険料 | 7,000円 |
消耗品代 | 500円 |
自動車重量税 | 833円 |
自賠責保険料 | 1,083円 |
車検基本料 | 2,083円 |
12ヶ月点検費用 | 416円 |
合計 | 26,504円 |
年ごとの維持費
セレナを維持するために数年サイクルでかかる費用を、1年あたりに換算した表です。
種類 | 費用 |
駐車場代 | 96,000円 |
燃料代 | 44,568円 |
自動車税/軽自動車税 | 34,500円 |
任意保険料 | 84,000円 |
消耗品代 | 6,000円 |
自動車重量税 | 10,000円 |
自賠責保険料 | 13,000円 |
車検基本料 | 25,000円 |
12ヶ月点検費用 | 5,000円 |
合計 | 318,068円 |
セレナのその他の費用
基本的な維持費に加え、他にも車に乗るうえでかかる費用をまとめました。
タイヤ代
セレナのタイヤサイズは、標準グレードとe-POWERが195/65R15で価格は6,000円〜11,000円。上位グレードには195/60R16が装着され、価格は7,000円〜13,000円です。セレナが標準装備するタイヤは、ミニバンなかでは比較的安価な方です。
タイヤは走行するほど摩耗してゆき、一般的な使い方では、およそ2年ほどで摩耗限界に達します。
前輪駆動のセレナはフロントタイヤが摩耗しやすい傾向にあるため、定期的に前後タイヤを入れ替えるタイヤローテーションをすることでタイヤの寿命摩耗を伸ばすことができます。
ローン金利
ローンで車を購入した場合は、車両価格に加えて金利がかかります。また、どこから借りるかでも金利は大きく変わってくるため、慎重に選びたいところです。
参考までに、「セレナ e-POWER X」車両本体価格297万円をローンで支払う場合の金利費用をまとめました。
借入先 | 金利 | 費用 |
ディーラーローン | 年 5%~7% | 148,500~207,900円 |
銀行 | 年 2%~4% | 59,400~118,800円 |
信販会社 | 年 1.9%~8.4% | 56,430~249,480円 |
高速料金
高速道路は信号もなく車での長距離移動の要となりますが、交通料金が発生します。
料金は『150円(基本料金)+24.6円〜39.36円×距離(距離料金)×1.08(消費税)』で求めることが可能。一般的に、トンネルや橋などの工事に手間のかかる区間ほど高い距離料金が設定されます。
一例をあげると、静岡県・御殿場ICから愛知県・豊田東ICまでの208kmの交通料金は、新東名高速道路経由で4,950円。100kmあたり2,500円前後と覚えておけばおおよその目安になります。
修理代・部品交換代
エンジンオイルなどの消耗品は5,000〜10,000km毎の比較的短いスパンで交換が必要ですが、
- エアクリーナー
- ブレーキパッド
- ブレーキフルード
- バッテリー
などの油脂類は、50,000km以上の長いスパンで交換されるため、法定点検時にしっかりと点検・メンテナンスを受けることが大切です。
また、メーカー側の不具合であれば無償で修理をしてくれる場合がありあますが、自身の過失での故障や消耗品の交換費用は自身で負担しなければいけません。
消耗品にかかる費用の一例を表にまとめました。
費用項目 | 費用(部品代+工賃) |
エアクリーナー | 3,000円〜 |
ブレーキパッド | 20,000円〜 |
ブレーキフルード | 5,000円〜 |
補機バッテリー | 15,000円〜 |
ワイパーブレード | 4,000円〜 |
なおセレナの修理・故障については以下の記事でさらに詳しく解説しているので、詳細まで知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
セレナは故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説!セレナの維持費に関する注意点
ここでは劣化しやすい部品や故障しやすい箇所など、車種特有の特別な維持費について解説します。
日産は昔から電装が弱く、
- エアコンコンプレッサー
- 電動スライドドア
- ラジエターファンモーター
の故障が多く報告されています。
エアコンコンプレッサーの故障ならば、エアコンが使えないだけですが、スライドドアの故障ではリアシートへの乗り降りができなくなるため非常に不便を強いられます。
エアコンコンプレッサーの修理費用は15万円ほど。スライドドアの修理費用は10万円ほどかかります。
ラジエターファンモーターが故障した場合の修理費用は8万円ほどですが、もし故障したまま走行し続けると、エンジンが冷却ができずにオーバーヒートしてしまいます。
新品エンジンに交換した場合は、少なく見積もっても50万円以上の修理費用がかかってしまいます。
次にe-POWERとガソリンエンジン車特有の起きやすい不具合と修理費用をみていきます。
セレナ e-POWERの不具合
セレナ e-POWERは駆動をすべてモーターでまかなうため、非常に堅牢なシステムーで構成されており、動かなくなるような大きなトラブルは報告されていません。
パワートレインは、日産の100%電気自動車リーフやノート e-POWERでの実績もあり、非常に信頼できるものです。ただし、普通の車とは大きく違うため、注意すべき点がいくつかあります。
日産ノート(e-power)の口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!リチウムイオンバッテリーの寿命
セレナ e-POWERに搭載されるリチウムイオンバッテリーをもし交換するとなると40万円ほどの費用がかかります。
常にバッテリーを駆動する必要のあるシリーズ・ハイブリッド「e-POWER」にとって駆動用のリチウムイオンバッテリーは生命線ともいえます。
しかし、日産ではハイブリッドシステムに5年10万kmの特別保証を設けているため、早期トラブルがあっても高額な交換を支払らわなければいけないということはありません。
また、セレナ e-POWERに搭載されるリチウムイオンバッテリーは、トヨタ プリウスなどでも使用されている信頼性の高いパナソニック製です。
寿命については、走行距離10万kmあたりから徐々にバッテリーの容量が低下しはじめ、およそ15万km〜20万kmが使用限界とされています。(プリウスの寿命の記事も参考にしてみてください。)
プリウスの寿命の年数!走行距離の限界からバッテリーの寿命まで徹底解説!極端にエンジンの稼働時間が長くなったり、燃費が悪くなるといったことがなければリチウムイオンバッテリーは交換の必要がありません。
リチウムイオンバッテリーの冷却吸気口には注意
セレナ e-POWERのリチウムイオンバッテリーは、フロントシート下に格納されており、フロアにはバッテリー冷却のための吸気口が設けられています。
この吸気口に荷物を置いたり、飲み物をこぼすなどすると、適切なバッテリー冷却ができなくなり、リチウムイオンバッテリーの寿命を大きく縮めてしまう原因になります。
メーカーの保証が受けられるのは、適切に使用した場合のみに限られますので、セレナ e-POWERを所有した場合は、くれぐれもバッテリーの冷却吸気口を塞がないように注意をしてください。
ハイブリッドカーにおいてバッテリーの劣化を抑えることは、燃費の低下を抑えることになりますので、長い目で見ると維持費の低減につながります。
CVTの不具合
セレナのガソリンエンジン車とSハイブリッド車に起こりやすいトラブルを解説します。両車に共通するトラブルは、CVTの故障です。
無段変速によりエンジン効率のよい回転域だけをつかって加速させることができるのがCVTの利点ですが、セレナが搭載する2.0Lエンジンの出力に対して、耐久性が著しく低いことがCVT故障の原因とされています。
走行時のCVTにかかる負荷と熱により劣化が進むと、内部部品の潤滑不足が起こることで振動が発生するようになります。
この初期段階ならばCVTフルードを交換することである程度解消することができます。さらに内部部品の摩耗が進むと、発生した金属粉が油圧制御回路の詰まりを引き起こし、変速不良や加速不良となり、最終的には走行不可能状態にまで陥ってしまいます。
CVTフルードの交換は10,000〜15,000円の費用で済みますが、そもそもCVTフルードは頻繁に交換するものではなく、頻繁な交換ではむしろ油圧回路にゴミやホコリが混入するリスクが上がるため、油圧回路の詰まりを助長する結果になる場合があります。
油圧回路の交換が必要になった場合の交換費用は10万円から15万円。走行不可能になった場合はCVT載せ替えで20万円〜40万円の費用がかかってしまいます。
日産 セレナは、e-POWER以外のトランスミッションはすべてCVTが搭載されています。長期間維持するのであればCVTを搭載したセレナの購入は避けるのが無難でしょう。
もし、CVTのセレナに乗る場合は、エンジンパワーを目一杯使うような加速は避けるのがCVTを長持ちさせるコツです。ちなみにセレナ e-POWERはトランスミッション自体を搭載しないためこのような問題は起こりません。
セレナの旧型(中古)の維持費
1990年代初頭に始まったミニバンブームに車両開発が追いつかず、セレナは他メーカーミニバンに遅れをとっていましたが、代を重ねるごとに商品力を高め、現行型である5代目セレナは現在もっとも人気のあるミニバンになっています。
歴代セレナはすべて車重1.5t〜2.0tに収まるため、重量税は32,800円になります。歴代モデルの維持費の違いは搭載エンジンの違いによる燃費性能と排気量ごとの自動車税、年式による税金の重課税による維持費差となります。
歴愛セレナを中古車で購入した場合の維持費を解説します。
初代セレナ
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1991年に登場した初代セレナは、商用車であるバネットセレナを乗用に仕立てたため、駆動方式はFRです。
現代のミニバンのような快適性は望むべくもありませんが、当時の日産901運動により1BOXバンとしては優れたハンドリングを備え、最上級モデルでは四輪操舵システムを搭載していました。
エンジンは1.6Lと2.0Lが用意され、自動車税は13年経過した重課税により45,400円になります。燃費性能は8〜9km/L。年式の古さから、維持する場合には修理代が大きな出費になることを覚悟しなければなりません。
2代目セレナ
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ミニバンブームの火付け役ホンダ ステップワゴンに対抗するため、1999年にフルモデルチェンジして誕生したのが2代目セレナです。上位車種のラルゴと統合し、FFシャシーに変更することでスペース効率を拡大しました。
搭載エンジンは、2.0Lガソリンエンジンと2.5Lディーゼルエンジン。自動車税と実燃費は、2.0Lガソリンが13年経過の重課税により45,400円で実燃費は9km/L。
ディーゼルエンジンは51,700円で実燃費は11km/Lになります。2代目セレナも修理代がかさむため大きな維持費がかかるでしょう。
なおディーゼルエンジンについては以下の記事で解説しているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
ディーゼルエンジンとは?仕組み/構造を簡単にわかりやすく解説!3代目セレナ
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2005年に登場した3代目セレナから、ミニバンとしての性能が向上してきたのが特徴です。ホイールベースは当時のクラス最長である2,860mmを誇り、乗り心地と直進安定性に貢献しています。
搭載エンジンは2.0Lのみとなり、自動車税は39,500円。実燃費は9.5km/Lとまずまずの性能を発揮し、現行セレナと比べても大きな維持費差はなくなりました。
このころより日産車全体の故障率も低下してきているため、ようやく安心して乗れるミニバンとなったのが3代目セレナです。
なお日産車の故障率については以下の記事で詳しく解説しているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
日産車は故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説!4代目セレナ
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2010年に登場した4代目セレナは、プラットフォームこそ先代譲りですが、優れたスタイリングと機能的なデザインを取り入れ大きく進化しています。基本構造は現行セレナとほぼ同様のため、大きな維持費差は発生しません。
エンジンは新型の直噴2.0Lエンジンが搭載。アイドリングストップ機能とあわせて燃費性能が大きく向上し、実燃費でコンスタントに10km/Lを実現します。
直噴エンジンとは?メリット3つとデメリット4つ!不具合と耐久性が欠点?!2012年には「Sハイブリッドシステム」が追加され、実燃費で11km/Lまで燃費性能が向上しました。
中古のセレナを買うなら
中古でセレナを購入する場合は、4代目セレナをおすすめします。
故障率も他車と同レベルにまで向上した4代目セレナは、現行5代目セレナとほぼ同様のパワートレーンを搭載し、維持にかかる費用も同等です。中古車では走行距離5万km強の個体が100万円前後で販売されているため、乗り出し価格も抑えられます。
ただし、前述したCVTの故障が最大の不安要素です。できれば試乗して、おかしな振動がないことを確認してから購入したいところです。
予算に余裕があるのであれば、CVTを採用せず、燃費性能にも優れる現行型セレナ e-POWERがもっともおすすめです。
あとは中古車の選び方の一般的なポイントを抑えて買うようにしましょう。中古車の一般的な選び方が分からない方は、こちらの記事もご覧ください。
初心者が絶対意識すべき中古車の選び方の5つのポイント・コツ!もしセレナを買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!セレナの維持費を他の車と比較
日産 セレナのライバルとなる3車種を挙げ、1年ごとの維持費を比べてみます。
トヨタ ノア ハイブリッド
種類 | 費用 |
駐車場代 | 96,000円 |
燃料代 | 44,568円 |
自動車税/軽自動車税 | 39,500円 |
任意保険料 | 84,000円 |
消耗品代 | 6,000円 |
自動車重量税 | 10,000円 |
自賠責保険料 | 13,000円 |
車検基本料 | 25,000円 |
12ヶ月点検費用 | 5,000円 |
合計 | 325,773円 |
2014年に登場した3代目トヨタ ノア。兄弟車であるヴォクシー、エスクァイアを追加してMクラスミニバンのスタンダードとして認識されています。プリウスのハイブリッドシステムを流用して高い燃費性能を誇るミニバンです。
ノアの燃費性能は2.0Lガソリンエンジンが11km/L。1.8Lハイブリッドエンジンが16.5km/L。燃費性能はどちらのエンジンもセレナと同等です。
自動車税はセレナの2.0Lエンジンと同じ額面ですが、1.2Lエンジンのe-POWERと比較した場合は5,000円ほど割高になります。
トヨタ ノアは燃費性能と加速性能、故障の少なさが特徴のバランスが取れたオールラウンダーです。
CVTの耐久性に不安のあるセレナのガソリンエンジンと比較した場合はノアをおすすめしますが、比較的トラブルの少ないセレナe-POWERと比較した場合は、セレナe-POWERの方が絶対的に維持費が安価になるため、セレナe-POWERをおすすめします。
なおノアの兄弟車のヴォクシーについては以下の記事で取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
ヴォクシーの月、年間の維持費を計算!高いのか安いのか比較して解説!ヴォクシーの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!ホンダ ステップワゴン 2.0Lハイブリッド
種類 | 費用 |
駐車場代 | 96,000円 |
燃料代 | 45,882円 |
自動車税/軽自動車税 | 39,500円 |
任意保険料 | 84,000円 |
消耗品代 | 6,000円 |
自動車重量税 | 10,000円 |
自賠責保険料 | 13,000円 |
車検基本料 | 25,000円 |
12ヶ月点検費用 | 5,000円 |
合計 | 324,382円 |
2015年に登場した5代目ステップワゴンは、底床設計による広い室内空間や特殊なテールゲートが特徴です。搭載されるエンジンは2.0Lハイブリッドエンジンと1.5Lターボエンジンの2種類です。
ターボエンジンとは?仕組み/構造は?メリット2つとデメリット4つ!1.5Lターボエンジンはセレナe-POWERと同じくコンパクトカー並の自動車税で維持することができますが、燃費性能では圧倒的にセレナの方が上です。
2.0Lハイブリッドは実燃費17.0km/Lでセレナe-POWERと同等の燃費性能ですが、自動車税は1クラス上の5,000円高になります。
維持費をかけてでも、2.0Lハイブリッドエンジンのパワフルな走りが欲しい方にはステップワゴンをおすすめします。
ステップワゴンは重心の低さもあって、ミニバンとしてはすぐれた運動性能を発揮します。加速は鈍いものの、維持費を第一に考えるならセレナe-POWER以外に選択肢はありません。
なおステップワゴンについては以下の記事で取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
ステップワゴンの燃費は悪い?街乗りや高速の実燃費は?改善し向上させる方法まで解説!ステップワゴンの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!三菱 デリカD:5
種類 | 費用 |
駐車場代 | 96,000円 |
燃料代 | 50,769円 |
自動車税/軽自動車税 | 45,000円 |
任意保険料 | 84,000円 |
消耗品代 | 6,000円 |
自動車重量税 | 10,000円 |
自賠責保険料 | 13,000円 |
車検基本料 | 25,000円 |
12ヶ月点検費用 | 5,000円 |
合計 | 334,769円 |
SUVとミニバンのクロスオーバースタイルが三菱 デリカD:5の特徴です。一般的なミニバンよりも高い最低地上高と堅牢な4WDシステムのおかげで、大人数をのせて山奥へキャンプといったシーンで大活躍します。
デリカD:5に搭載される2.2Lディーゼルエンジンは、税金面での維持費ではセレナよりも多くかかりますが、燃料代が安価な軽油のため、セレナe-POWERに匹敵するほどの燃料代が安くおさまります。
デリカのディーゼルエンジンは非常に頑丈なうえトルク特性に優れるため、得意するのは悪路や傾斜の走破と長距離の高速巡航です。
長距離を頻繁に移動するのなら信頼性の高いデリカD:5をすすめします。短・中距離移動が中心であれば、維持・燃費性能が抜群のセレナe-POWERが断然おすすめです。
なおデリカD:5については以下の記事で取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
デリカD:5の月、年間の維持費を計算!高いのか安いのか比較して解説!デリカD:5の口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!セレナe-POWERの維持費はコンパクトカーと同等
日産 セレナe-POWERは小さな排気量のエンジンを発電機として使い、モーターで駆動するシリーズ・ハイブリッドカー。
そのためコンパクトカーとほぼ同じ維持費と、優れた燃費性能で他社のミニバンを大きくリードしています。
また、トランスミッションなどの複雑な機構をもたないため、部品点数の低減と故障率を改善し、修理がしやすいため長期で見ても余計な維持費が発生しづらいのも大きなポイントです。
セレナe-POWERの新車車両価格は300万円前後と安くはありませんが、維持費の安さがそれを補います。多少も無理をして購入しても、十分に維持費の安さが実感できるでしょう。
先進の予防安全装備の「プロパイロット」も優秀な性能を発揮するので、免許とりたての大学生や新社会人でも、安心して乗ることのできる今一押しのミニバンです。
なおセレナについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
セレナは雪道に弱い?雪道走行の性能について分析してみました!セレナ(e-power)の口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!