日本人のために作られた高級車クラウン。
日本の道路事情やユーザーの期待に応えるクルマづくりで、トヨタのフラッグシップセダンを引っ張ってきました。
現行モデルでは伝統のCピラーを捨て、スタイリッシュに生まれ変わりました。
そんなクラウンですが燃費は良いのでしょうか。ここではクラウンの燃費について解説していきます。
クラウンの燃費・実燃費
まずはクラウンのカタログ燃費と実燃費の差をチェックしていきます。クラウンはWLTCモード燃費が採用されていますので、実燃費はカタログ値にとても近い数値になります。
ハイブリッドモデルとガソリンモデルの2つのモデルがあるのでそれぞれの数値を検証していきます。
ガソリンモデルの燃費・実燃費
ガソリンモデルはカタログ値で12.4km/Lです。では実燃費はどのような数値になるのでしょうか。
燃費の種類 | 数値 |
カタログ燃費 | 12.4km/L |
実燃費 | 7~9km/L |
ユーザーの燃費を見ていくとこの様になります。カタログ燃費達成率は6割程度ともうひと頑張りほしいところです。ただWLTC市街地モードでは8.7km/Lとなっているので非常に近い数値です。
高速燃費の情報はまだ口コミが少なく、ここに掲示できるほどのものはありません。ちなみにWLTC高速モード燃費は15.1km/Lという数値です。
なおガソリンエンジンについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
ガソリンエンジンのメリット3つとデメリット5つ!仕組みと将来性の特徴を解説!ハイブリッドモデルの燃費・実燃費
ハイブリッドモデルの燃費はカタログ値で34.4km/Lです。同様に実燃費を見ていきます。
燃費の種類 | 2.5L HV | 3.5L HV |
カタログ燃費 | 20.0km/L | 16.0km/L |
街乗り燃費 | 13~16km/L | 9~11km/L |
高速燃費 | 18~22km/L | – |
ハイブリッドモデルはこのような結果になりました。カタログ達成率は2.5Lハイブリッドモデルで7割程度とハイブリッドとしては優秀な達成率です。
3.5Lハイブリッドモデルもまだ口コミが少ないため、高速燃費の情報はありません。こちらもWLTC高速モードでは17.7km/Lとなっています。
高級車と言われるクラスだけに燃費性能は不安要素ですが、最新のシステムを搭載したクラウンは非常に燃費性能も優秀です。
なおハイブリッドエンジンについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
ハイブリッドカーとは?メリット6つとデメリット/問題点11つ特徴をわかりやすく解説!クラウンの燃費の口コミ
クラウンの燃費についてユーザーはどう感じているのでしょうか。ここではツイッター上からクラウンの燃費に関する口コミをご紹介していきます。
クルマでいこう!
トヨタ 新型クラウン2.0RShttps://t.co/iGst2LSgzv
実燃費は9.6km/L pic.twitter.com/GshH8IuvD2— 新車情報広場 (@naf0303) 2018年10月10日
こちらの方では9.6km/Lという数値が実燃費としてあげられています。2.0Lモデルは燃費が良さそうなイメージですが、走行性能を優先したパワートレインなので思ったほど伸びません。
約1ヶ月前に自宅から撮った新型クラウンなんだけどやっぱり旧型の方がナビの操作とかしやすい😢
燃費は新型の方よかった!!
宮崎まで無給油で行ける!!
20は超えた!! pic.twitter.com/7PANX6da7c— カッシー (@sktopsecret2001) 2018年9月20日
燃費は20km/Lを超える数値を出してくれるようです。やはり最新のダイナミックフォースエンジンがシステム燃費を支えているのでしょうか。
高速道路で時速90kmで走り続けたらこのぐらい燃費伸びる。
クラウン2.5l pic.twitter.com/B78LIls4aM— 鈴木田しゅんご (@aikyousinbun) 2019年2月3日
高速道路を丁寧に走ると18.4km/Lという数値になったようです。このクラスでこれだけの燃費数値が出れば十分なのではないでしょうか。
なおクラウンの口コミ・評判については以下の記事でさらに詳しく取り上げているので、詳細まで知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
クラウンの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!クラウンの歴代の燃費・実燃費
ユーザーの評判も良いクラウンですが、歴代のクラウンの燃費はどうだったのでしょうか。
ここでは歴代の燃費を確認してみます。ただクラウンは歴史が非常に長く、燃費の評判の上がっているここ最近のモデルの燃費を出していきます。
11代目クラウンの燃費・実燃費
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11代目クラウンはクラウン好きの間では最後のクラウンと言われており、伝統を感じられるモデルです。
そんなクラウンの燃費は10・15モードのカタログ数値で、2.5Lモデルは11.4km/L、3.0Lモデルは9.8km/Lという数値です。実燃費は2.5Lモデルが7~9km/L、3.5Lモデルが6~8km/Lとまずまずな燃費性能でした。
燃費の種類 | 2.5L モデル | 3.0L モデル |
カタログ燃費 | 11.4km/L | 9.8km/L |
街乗り燃費 | 7~9km/L | 6~8km/L |
高速燃費 | 9~11km/L | 8~11km/L |
12代目クラウンの燃費・実燃費
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この型のクラウンは伝統の直列6気筒エンジンを廃止して次世代のV型6気筒エンジンを搭載し、外観も若々しくユーザーの若返りを図ったモデルです。
直列6気筒エンジンの特徴!どんな音?搭載車を日本車/外車の車種からそれぞれ紹介!V6エンジンの特徴!どんな音?搭載車を日本車/外車の車種からそれぞれ紹介!カタログ数値は先代から若干伸びており、2.5Lモデルで12.0km/L、3.0Lモデルで11.8km/Lという数値です。実燃費は2.5Lモデルで8~10km/L、3.0Lモデルで7~9km/Lといった数値でした。
燃費の種類 | 2.5L モデル | 3.5L モデル |
カタログ燃費 | 12.0km/L | 11.8km/L |
街乗り燃費 | 8~10km/L | 7~9km/L |
高速燃費 | 11~13km/L | 10~13km/L |
13代目クラウンの燃費・実燃費
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2008年に登場した13代目クラウンはついにハイブリッドモデルがエントリーされます。
カタログ燃費は2.5Lモデルで12.0km/L、ハイブリッドで15.8km/Lでした。実燃費は13~16km/L、高速燃費で19~22km/Lでした。排気量アップをしながらも初代とほとんど変わりません。
燃費の種類 | 2.5L モデル | ハイブリッド |
カタログ燃費 | 12.0km/L | 15.8km/L |
街乗り燃費 | 8~10km/L | 9~12km/L |
高速燃費 | 11~13km/L | 11~13km/L |
14代目クラウンの燃費・実燃費
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2012年に登場した14代目クラウンはクラウンリボーンというキャッチコピーでド派手なピンク色などが記憶に新しいモデルです。
そんなクラウンの燃費はJC08モード燃費で2.5Lモデルは11.4km/Lですが、ハイブリッドモデルは23.2km/Lという驚異的な数値です。
実燃費は2.5Lモデルが8~10km/L、ハイブリッドモデルが12~16km/Lとまずまずな燃費性能でした。
燃費の種類 | 2.5Lモデル | ハイブリッド |
カタログ燃費 | 11.4km/L | 23.2km/L |
街乗り燃費 | 8~10km/L | 12~16km/L |
高速燃費 | 10~12km/L | 15~19km/L |
クラウンは常に伝統を守りつつも変えるところを変え、最新のシステムを組み込みながら進化してきています。
多気筒エンジンを捨てて直列4気筒エンジンにシフトしてきたのも、環境性能を重視する時代の流れをうまく取り入れているのです。
なお14代目クラウンについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
クラウンロイヤルの試乗レビュー!乗り心地の感想・インプレッション!クラウンマジェスタの試乗レビュー!乗り心地の感想・インプレッション!クラウンアスリートの試乗レビュー!乗り心地の感想・インプレッション!クラウンの燃費の理由
現行のクラウンは非常に優れた燃費性能をしています。これらはどういった技術から達成されているのでしょうか。解説していきます
ダウンサイジングターボエンジン
クラウンには2.0Lのダウンサイジングターボエンジンが搭載されています。
ダウンサイジングターボとは?デメリット/欠点2つとメリット3つ!搭載車種も紹介2.0Lエンジンでありながらも約1,700回転辺りから3.0Lクラスのトルクを発揮し、安価なモデルと思って乗ると足元を救われるような走りです。
しかし排気量は小さいので巡航時は同クラスの排気量の車に比べ燃料消費が抑えられます。加速性能はターボエンジンと8速ATの組み合わせによってパワーバンドうまく使い、ダイレクトな走りで気持ちが良いです。
ターボと小排気量エンジンの組み合わせにより非常に効率の良い走行ができる車となりました。
高効率化されたパワートレイン
クラウンは先代モデルにもハイブリッドシステムはありましたが、現行はパワートレインをさらに高効率化させ燃費性能を向上させています。
エンジンには新世代エンジンのダイナミックフォース2.5という新型エンジンを採用。効率的な燃焼を実現するミラーサイクルやクールドEGR構造などで効率の良い燃焼をします。そしてモーターやトランスアクセルの改良により小型軽量化をしています。
効率をあげたパワートレインは最大熱効率を41%に到達したという話ですが、これは世界でもトップクラスの熱効率だとのことです。
クラウンの燃費改善・向上方法
このクラスにしては燃費の良いクラウンですが、さらに燃費を良くする方法はないでしょうか。ここではクラウンの燃費をさらに向上する方法をご紹介します。
街なかでは優しく運転しよう
クラウンのガソリンモデルは低回転からパワーの出るターボエンジンなので、発進するシーンの多いストップアンドゴーの多い街なかでは燃費がとても悪いです。
ターボエンジン車は燃費が悪い?燃費向上は走り方次第で可能?!走り出しはクリープ走行で発進し、加給がかかっても2,000回転ほどでそれほど負荷がかからない回転数で加速しましょう。優しいアクセルワークとメリハリのある運転で無駄のない走行を心がけます。
ハイブリッドシステムであればその走り出しの部分をモーターで走らせることができます。
こちらもクリープ走行やハイブリッドエリア内を出ない軽いアクセル操作で発進します。そこからは必要に応じて加速させます。これを意識するだけでかなりの燃料消費を抑えることができます。
エンジンブレーキを使おう
アクセルを離して減速するエンジンブレーキやハイブリッドの回生ブレーキは、燃料供給がカットされるため実質燃費は無限大です。低燃費を心がけるならその部分をうまく活用することが重要です。
ほとんどの車は1,500回転以上でアクセルが離された状態であればエンジンブレーキがかかっています。
できるだけこの状態を長く続けるために、回転が低い場合はギアを一つ落とすなど適時調整し、活用しましょう。
これらの運転法は道路状況をしっかり把握し、周りの車の流れを妨害したりあおり運転にならないように周りへの配慮が非常に大事です。車の特性をしっかり掴み低燃費な運転をしましょう。
レーダークルーズコントロールシステムを使う
クラウンにはトヨタセーフティセンスの機能の一つとして、速度一定で前車に追従走行するレーダークルーズコントロールがあります。
走行中の不要な加減速は燃料消費を促進します。そこで高速道路やバイパスのような速度一定で走れるような環境では、レーダークルーズコントロールを積極的に使用してアクセル操作を車に任せましょう。これで無駄な加減速を減らせるので燃料消費を抑えられます。
もしクラウンを買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!クラウンの燃費を他の車と比較
クラウンの燃費性能はなかなか優秀です。ではクラウンのライバル車たちの燃費はどうでしょうか。
ここでは比較に上がりやすいメルセデスベンツのEクラス、BMWの5シリーズ、日産のフーガと比較していきます。
日産 フーガ
フーガは日産の販売するフラッグシップセダンで、インフィニティエンブレムを装着し日産の他インナップとは一線を画する存在です。こちらもハイブリッドモデルとガソリンモデルがあります。
フーガのカタログ燃費は2.5Lモデルが11.4km/L、3.7Lモデルが8.9km/L、ハイブリッドモデルが11.4km/Lです。では実燃費を見ていきましょう。
燃費の種類 | 2.5L | 3.7L | ハイブリッド |
カタログ燃費 | 11.2km/L | 8.9km/L | 17.8km/L |
街乗り燃費 | 5~8km/L | 5~7km/L | 9~12km/L |
高速燃費 | 8~10km/L | 7~9km/L | 12~14km/L |
フーガは排気量の関係もありますが、パワートレインがV型6気筒エンジンを採用しており燃費性能ではとても不利です。そのため燃費性能はクラウンには遠く及びません。
そのかわり2.5LでもV型6気筒エンジンを搭載しているので、多気筒エンジンのフィーリングを楽しみたいならフーガ、実用性を求めるならクラウンだと言えるでしょう。
なおフーガについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
【画像】フーガはかっこいいのか?デザインについて徹底分析!Y50/Y51フーガの前期と後期の3つの違い!年式の違いまで解説!BMW 5シリーズ
5シリーズはBMWのなかでも一際大きいクラウンクラスのボディサイズです。駆け抜ける喜びをスローガンにするBMWらしく、このクラスでも前後5:5の重量比にこだわっています。
そんな5シリーズのカタログ燃費は2.0Lガソリンモデルが13.9km/L、2.0Lディーゼルモデルが21.5km/Lです。実燃費を見ていきます。
燃費の種類 | 2.0Lガソリン | 2.0Lディーゼル |
カタログ燃費 | 13.9km/L | 21.5km/L |
街乗り燃費 | 7~9km/L | 13~16km/L |
高速燃費 | 9~11km/L | 15~18km/L |
こちらは若干クラウンのほうが燃費の数値が良いという結果になりました。
とはいえ走行性能の高さや内装の作りなどは5シリーズのほうがうまく作られておるなど、乗って満足感の有るのは5シリーズです。この勝負は引き分けです。
なおBMWについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
BMWが高い理由2つ!価格が高額な車種ランキングとともに解説!BMWのオーナーになるには年収はどれだけ必要か計算してみた!メルセデス・ベンツ Eクラス
メルセデスベンツEクラスクラス世界的にも有名なコンフォートセダンです。サイズ感からもクラウンと比較されることもありますが、価格はEクラスのほうが上です。
カタログ燃費は2.0Lガソリンモデルで14.7km/L、2.0Lディーゼルで21.0km/Lという数値です。では実燃費を見ていきましょう。
燃費の種類 | ガソリン | ディーゼル |
カタログ燃費 | 14.7km/L | 21.0km/L |
街乗り燃費 | 7~9km/L | 13~16km/L |
高速燃費 | 10~12km/L | 17~19km/L |
燃費性能は両者ともほとんど変わらない数値となっています。
ディーゼルモデルは若干燃費は低いですが、燃料単価を考えると十分に対抗できる数値でしょう。両者ともほぼ互角の燃費性能です。
なおベンツについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
ベンツは新車/中古でいくらで買えるか?全車種の価格を車検費用とともに解説!購入には年収制限が?ベンツオーナーになるには年収はどれだけ必要?クラウンの燃費は2.5Lハイブリッドが優秀
クラウンのガソリンモデルや3.5Lハイブリッドモデルはライバルと比べてもそれほど燃費性能に差はなく、どちらかと言うと指向性の高いモデルです。
しかし2.5Lハイブリッドモデルは他車に比べても燃費性能が優秀で、とても効率の良いパワートレインです。クラウンの魅力を十分に味わいたいのなら、2.5Lハイブリッドモデルがおすすめです。
なおクラウンについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
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