車を手に入れる際には車の価格が真っ先に気になるものですが、自動車を所有する上ではその後の維持費というものも重要な要素です。
最近は維持費が安いということでハイブリッド車が人気ですが、ハイブリッド車の実際の維持費はどのぐらいなのでしょうか。
今回はハイブリッド車の維持費についてご説明します。
ハイブリッド車の維持費
車の維持費とは車を購入した後にかかる費用のことで、さまざまな種類の費用がかかります。
その筆頭は車を動かすための燃料代で、ガソリンエンジンならガソリン代、ディーゼルエンジンなら軽油代は欠かせません。
ハイブリッド車は従来のエンジン車に電気モーターシステムを追加した車種であり、その特徴は従来より大幅に燃費の改善が見込めることです。
ハイブリッドカーとは?メリット6つとデメリット/問題点11つ特徴をわかりやすく解説!そのため燃料代にかかる維持費が安くなることが見込めるので、”ハイブリッド車は維持費が安い”といわれるのです。
しかし実際には他にも維持費に関わる項目がありますので、ハイブリッド車の維持費にはどのようなものがありいくらぐらいかかるのかご説明していきます。
ハイブリッド車の維持費といっても基本的には従来の車とその種類自体は全く同じで、内訳が違うという形になります。維持費には大きく分けて次の4種類があります。
- 燃料代
- 車検費用
- 各種税金
- メンテナンス費用
それぞれの内容について簡単にご説明します。
ハイブリッド車の燃料代
燃料代は前述でも触れた通り車を動かすための燃料にかかる費用で、維持費の中では最も身近なものといえます。
エンジンと電気モーターの両方で走行するハイブリッド車といえども車を走らせるためには燃料は必須であり、普通の車と同じように一定距離走行したら燃料補給が必要になります。
燃料補給を行う間隔はドライバーの運転頻度にもよりますが、満タン給油をすると数百キロ走行でタンクが空になる設計が一般的です。
燃料代はその車の燃費が大きく影響してくる維持費で、燃費が良ければそれだけ燃料補給を行う回数も少なくなり、結果的に燃料代を節約して維持費が減ります。
またもう一つの要素として原油価格があり、世界的な石油価格の相場が上下することでもガソリンや軽油の単価が変動して影響を受けます。
燃費についてはその車種のカタログスペックや実燃費のデータなどで決まった数値が出ますが、燃料価格の相場や走行距離による影響はまちまちです。
そこで今回の記事では、レギュラーガソリンの燃料代を120円/L、年間走行距離を10,000kmとして維持費を計算していきます。
ハイブリッド車の車検
車検は1年もしくは2年(初年度登録のみ3年)に1度必ず受けなくてはならない車の検査で、これに関してはハイブリッド車と普通の車は全く同じ内容です。
とはいっても車検費用はいくつかの項目に分かれており、そのうち税金にあたる「自動車重量税」に関しては後ほどご説明します。
その他には
- 車検にかかる法定手続き費用
- 自賠責保険料
- 車の点検費用
- 車検を実施するところへ払う手数料
などがかかります。
重量税を除くとこれらの費用は車種による違いはほとんどなく、点検費用や手数料での変動はあるもののおおよそ30,000円〜40,000円程度となります。
このあたりは詳しくは以下の記事でご説明していますので、今回は一律35,000円ほどで計算していきます。また年間費用に換算すると15,000円程度となるでしょう。
「ハイブリッド車の車検費用は高い」が嘘である理由!実際は安いか相場を実例とともに紹介!ハイブリッド車の各種税金
車には支払わなければならない各種税金があり、車の維持費の中で大きな割合を占めるものです。
ハイブリッド車には税金の減免制度が適用されることが多く、普通のガソリン車などに比べると税金での維持費は比較的安くなります。
自動車に関わる税金は次の3つがあるのですが、そのうち自動車取得税に関しては自動車の購入時にかかる税金なので維持費には入りません。
- 自動車税
- 自動車重量税
- 自動車取得税
車の維持費として考えるのは自動車税および自動車重量税で、毎年もしくは車検時にかかる税金となります。
ハイブリッド車の自動車税
自動車税は自動車を所有している人が1年に1回支払う税金で、車に乗っている限りは常にかかり続ける維持費となります。
自動車税には「エコカー減税」という減免制度があり、一定以上の環境対応車に対しての税金の減税が受けられます。
これによって環境対応車への買い替えを促進する制度ですが、ハイブリッド車においてはその判断基準は燃費基準の達成度となります。
以下の表が減税率を表す対象車の一覧ですが、ハイブリッド車はガソリン車と同じ基準となっており燃費基準を大きく達成した車種は75%減税、それより低い車種は50%減税などとなります。
減税率 | 車種 |
75%減税 | ・電気自動車 ・燃料電池車 ・天然ガス自動車(平成21年排ガス規制NOx10%以上低減車) ・プラグインハイブリッド自動車 ・クリーンディーゼル乗用車(平成21年排ガス規制適合車) ・ガソリン車(ハイブリッド車を含む)のうち平成27年度燃費基準+20%達成かつ平成32年度燃費基準達成(平成17年排ガス規制75%低減車) |
50%減税 | ・平成27年度燃費基準+20%達成かつ平成32年度燃費基準未達成(平成17年排ガス規制75%低減車) ・平成27年度燃費基準+10%達成車(平成17年排ガス規制75%低減車) |
また自動車税は車の総排気量によって税額が決まる税金で、ハイブリッド車の場合も搭載しているエンジンの排気量に合わせた税額が課税されます。
ですがそれに前述の減税があわさり、実際の自動車税額は大幅に下がることとなります。
総排気量 | 減額無し | 75%減税 | 50%減税 |
~1,000㏄ | 29,500 | 7,500 | 15,000 |
1,000㏄~1,500㏄ | 34,500 | 9,000 | 17,500 |
1,500㏄~2,000㏄ | 39,500 | 10,000 | 20,000 |
2,000㏄~2,500㏄ | 45,000 | 11,500 | 22,500 |
2,500㏄~3,000㏄ | 51,000 | 13,000 | 25,500 |
3,000㏄~3,500㏄ | 58,000 | 14,500 | 29,000 |
3,500㏄~4,000㏄ | 66,500 | 17,000 | 33,500 |
4,000㏄~4,500㏄ | 76,500 | 19,500 | 38,500 |
4,500㏄~6,000㏄ | 88,000 | 22,000 | 44,000 |
6,000㏄~ | 111,000 | 28,000 | 55,500 |
なおこのエコカー減税制度は車を新車で購入して翌年度の課税のみを減税する制度なので、翌々年以降やそれ以降に中古車で購入した場合などは減税のない課税額となります。
ハイブリッド車の自動車重量税
自動車重量税は車の重量に応じて課税される税金で、課税は車検時に行われます。この制度でもハイブリッド車には減免措置があり、免税や50%減税などの優遇措置を受けられます。
以下の表が自動車重量税の課税額で、車検を2年毎にうけるとすると2年に1度支払う金額です。
車両重量 | 2年自家用 | ||||||
免税 | 50% 減税 | 本則 税率 | エコカー以外 | ||||
右以外 | 13年経過 | 18年 経過 | |||||
H28.3.31 まで | H28.4.1 以降 | ||||||
0.5t 以下 | 免税 | 2,500 | 5,000 | 8,200 | 10,800 | 11,400 | 12,600 |
~1.0t | 5,000 | 10,000 | 16,400 | 21,600 | 22,800 | 25,200 | |
~1.5t | 7,500 | 15,000 | 24,600 | 32,400 | 34,200 | 37,800 | |
~2.0t | 10,000 | 20,000 | 32,800 | 43,200 | 45,600 | 50,400 | |
~2.5t | 12,500 | 25,000 | 41,000 | 54,000 | 57,000 | 63,000 | |
~3t | 15,000 | 30,000 | 49,200 | 64,800 | 68,400 | 75,600 |
この自動車重量税の減免措置は新車購入時の初回車検、および2度目の車検までの措置となっており、それ以降は上記の本則税率が適用されます。
初回車検は3年、2度目が2年なので、合計5年間は上記の減免措置が受けられる制度となっています。
なおハイブリッド車の税金については以下の記事でさらに詳しく解説しているので、詳細まで知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
ハイブリッド車の税金は優遇免除されて安い?普通車と比較していくらか解説【2019年版】ハイブリッド車のメンテナンス費用
メンテナンス費用とは車の構造上で部品交換が必要な部分のメンテナンスにかかる費用のことで、維持費として考える項目はエンジンオイル交換とバッテリー交換が挙げられます。
維持費でいうところのメンテナンス費用とは定期的に必ず交換が必要なもので、消耗品のカテゴリーに属するものです。
ハイブリッド車でもこういった消耗品はガソリンエンジン車と同じで、エンジンオイルとバッテリーがその代表となります。
そのうちハイブリッド車のエンジンオイルは走行距離10,000km〜15,000kmごとに一度交換するぐらいでよく、費用も1回3,000円〜5,000円ぐらいであり、走行距離から考えれば1年に1度ぐらいで済みます。
ハイブリッド車のエンジンオイル交換ガイド!時期/頻度や費用など全て解説!またここでいうバッテリー交換とは、ハイブリッド車に搭載されているハイブリッドシステム用の駆動バッテリーではなく、補機バッテリーと呼ばれる12Vバッテリーのことです。
ハイブリッド車であっても補機専用の弱電バッテリーは変わらず必要で、普通のガソリン車と同じく2年〜3年程度で交換が必要となります。その費用は車にもよりますが、おおよそ5,000円〜10,000円ぐらいです。
車に乗っているとこれ以外にも交換の必要な部品は出てきますが、定期的に必ず交換が必要なものとしては上記の2つとなっており、年間費用としてまとめると10,000円ほどとなります。
もしハイブリッド車を買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!ハイブリッド車の維持費まとめ
ではここまでの情報をまとめてハイブリッド車の維持費がどのぐらいになるかを見てみましょう。
維持費の計算は新車購入時のものと、次回車検時である3年経過時の中古車での状態をご紹介します。車種は国内市場で人気の高いハイブリッド車である次の3車種を例にあげます。
- トヨタ プリウス
- ホンダ グレイスハイブリッド
- スズキ ワゴンRハイブリッド
なお燃料代に関しては車の実燃費ベースで計算することとし、車検費用やメンテナンス費用は共通とします。また自動車重量税に関しては1年あたりの費用として割ってあります。
トヨタ プリウスの維持費
プリウスはハイブリッド車の元祖ともいえる車種で、現行の4代目に至るまで常にトップクラスの環境性能を持つ車です。
プリウスの詳しい説明は省きますが、燃費性能では数あるハイブリッド車の中でもトップで、実燃費も非常に良好です。プリウスはレギュラーガソリン車なので、燃料代は120円/Lで計算します。
維持費計算 | メーカー | 車種 | エンジン スペック | カタログ 燃費 | 実燃費 | 年間燃 料代 | 車検費用 (年間費用 に換算) | 自動車税 | 自動車重量税 (1年あたりに換算) | メンテ ナンス費用 | 合計額 | ||
2年目 | トヨタ | プリウス | 2ZR-FXE型 1,797cc 水冷 直列4気筒DOHC16バルブ +モーター | 40.8km/L〜 34.0km/L | 23.27km/L | 51,567円 | 15,000円 | 75% 減税 | 10,000円 | 免税 | 0円 | 10,000円 | 86,567円 |
3年目以降 (中古車) | 減免 なし | 39,500円 | 免税 | 0円 | 116,067円 |
プリウスのカタログ燃費は40km/L超えの性能を有しており、その実燃費も自動車としてはかなり高い数値を持っています。
そのため燃料代にかかる維持費は結構少なく、年間10,000km走行しても50,000円ちょっとという金額です。また税金額も初年度は概ね安く抑えられ、1年間の維持費でも90,000円までいきません。
さすがに自動車税が減税無しでかかる翌年度以降は116,000円とそれなりの維持費となりますが、自動車重量税が免税のうちはかなり抑えめの維持費といえるでしょう。
一か月分に換算すれば9,672円と10,000円を切りますので、ガソリン代などを入れてもこの維持費はかなり嬉しい数字です。
なおプリウスについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
プリウスの月、年間の維持費を計算!高いのか安いのか比較して解説!プリウスの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!ホンダ グレイスハイブリッドの維持費
ホンダ グレイスはコンパクトセダン/ハッチバックタイプの車で、ハイブリッドモデルとガソリンエンジンモデルの2種類がラインナップされています。
この車のハイブリッドシステムにはホンダの最新技術が採用されており、カタログ燃費でトヨタ車に匹敵するほどの低燃費性能を持っています。
そんなグレイスハイブリッドの維持費を計算したのが以下となります。
維持費計算 | メーカー | 車種 | エンジン スペック | カタログ 燃費 | 実燃費 | 年間燃 料代 | 車検費用 (年間費用 に換算) | 自動車税 | 自動車重量税 (1年あたりに換算) | メンテ ナンス費用 | 合計額 | ||
2年目 | ホンダ | グレイス ハイブリッド | LEB型 1,496cc 水冷直列 4気筒DOHC 16バルブ+ モーター | 34.8km/L〜 26.6km/L | 20.59km/L | 58,280円 | 15,000円 | 75% 減税 | 9,000円 | 免税 | 0円 | 10,000円 | 92,280円 |
3年目以降 (中古車) | 減免 なし | 34,500円 | 免税 | 0円 | 117,780円 |
トヨタ プリウスと比べると、燃料代の点では実燃費の差分で多少グレイスハイブリッドのほうが維持費が高くなります。
一方で自動車税はプリウスよりワンランク下のクラスで多少安くなっており、これはグレイスハイブリッドとプリウスのエンジンの排気量差が関係しています。そのため初年度時点での年間維持費はプリウスよりわずかに高くなっています。
ですが初年度以降で自動車税がフルでかかってくると、プリウスとの税額の差が大きく表れるようになり年間維持費は1,000円程度の差しかなくなります。
プリウスも以前はグレイスハイブリッドとおなじ1.5Lエンジンを搭載していましたが、現行から1つ前の3代目プリウスより1.8Lに排気量を拡大しており、これが維持費に影響しています。
スズキ ワゴンRハイブリッドの維持費
ハイブリッド車はこれまで普通車がほとんどでしたが、ここ数年で軽自動車までその搭載車種が広がっており、特にスズキはラインナップに多くの軽ハイブリッドを登場させています。
そんなワゴンRハイブリッドの維持費が次の通りとなりますが、軽自動車の場合には自動車税に変わって軽自動車税が設定されており、乗用車の場合で年間10,800円となっています。
また自動車重量税も軽自動車専用の金額で、エコカー減税なしの場合で3年で9,900円、2年で6,600円となります。
維持費計算 | メーカー | 車種 | エンジン スペック | カタログ 燃費 | 実燃費 | 年間燃 料代 | 車検費用 (年間費用 に換算) | 軽自動車税 | 自動車重量税 (1年あたりに換算) | メンテ ナンス費用 | 合計額 | ||
2年目 | スズキ | ワゴンR ハイブリッド | R06A型 658cc 水冷直列3気筒 DOHC12バルブ +モーター | 33.4km/L〜 30.4km/L | 20.02km/L | 59,940円 | 15,000円 | 50% 減税 | 5,400円 | 75% 減税 | 600円 | 10,000円 | 90,940円 |
3年目以降 (中古車) | 減免 なし | 10,800円 | 75% 減税 | 600円 | 96,340円 |
ワゴンRハイブリッドは前述のプリウスやグレイスに比べると非常に小型のエンジンを搭載していますが、その燃費に関してはむしろ排気量の多いハイブリッド車のほうが高くなります。
これはハイブリッド車というコストのかかる車種に対して、軽自動車はコスト増加を許容できないことから燃費に特化したハイブリッドシステムを搭載できないためです。
ですが実燃費は悪くなく、これまでの軽自動車の中でもトップに位置しています。年間の燃料代などは前述の2車種より少し高いぐらいですが、何より軽自動車税が安いという点が全体の維持費を引き下げており、初年度ではほぼ変わらない結果となりました。
また注目すべきは3年目以降の点で、軽自動車税も自動車税と同じく減税制度が切れるのですがそもそもの税額が安いことから、トータルの維持費が95,000円程度で済んでいることです。
この点がなにより軽自動車の維持費がやすいといわれている理由で、普通車のハイブリッド車のほうが燃費が良くなった現在においてもその優位性は依然あります。
月々の維持費に換算してみても7,978円と、前述した普通車のハイブリッド車より大きなメリットをもっています。
なおワゴンRについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
ワゴンRの燃費は悪い?街乗りや高速の実燃費は?改善し向上させる方法まで解説!ワゴンRの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!ハイブリッド車とガソリン車の維持費を比較
では次に、同クラスのハイブリッド車とガソリン車がどのぐらい維持費に差が出るのかということをご説明しましょう。
ハイブリッド車に関しては前述のトヨタ プリウスとホンダ グレイスハイブリッドを例に挙げ、それと同クラスのガソリン車としてトヨタ プレミオの1.8Lモデルと、ホンダはグレイスのガソリン車で比較してみます。
トヨタ プレミオの維持費
プレミオはトヨタの中型セダンで、エンジンラインナップが1.5L、1.8L、2.0Lの3仕様があります。その中から今回はプリウスと同じ排気量である1.8Lモデルの維持費をまとめました。
維持費計算 | メーカー | 車種 | エンジン スペック | カタログ 燃費 | 実燃費 | 年間燃 料代 | 車検費用 (年間費用 に換算) | 自動車税 | 自動車重量税 (1年あたりに換算) | メンテ ナンス費用 | 合計額 | ||
2年目 | トヨタ | プレミオ | 2ZR-FAE型 1,797cc 水冷直列 4気筒DOHC 16バルブ | 16.4km/L〜 14.8km/L | 11.2km/L | 107,142円 | 15,000円 | 減免 なし | 39,500円 | 減免 なし | 12,300円 | 10,000円 | 183,942円 |
3年目以降 (中古車) | 減免 なし | 39,500円 | 減免 なし | 12,300円 | 183,942円 |
プレミオはトヨタの現行ラインナップの中でも比較的古い車種で、エンジンの仕様が古いためエコカー減税の対象から外れています。
そのため維持費は初年度でもそれ以降でもかわらずかかってくるので、負担は大きくなります。また燃費は実燃費で11.2km/Lとハイブリッド車の半分程度で、その分同じ距離を走行すれば当然燃料代は2倍かかってきます。
これを合計すると180,000円近い年間維持費がかかることとなり、ハイブリッド車の1.5倍ぐらいの維持費がかかってしまうこととなります。
トヨタの最新車ではエコカー減税によりもう少し維持費は下がりますが、それでもハイブリッド車に比べれば高いです。
ただ今回は維持費についての比較なのであまり言及しませんが、プレミオとプリウスにはそもそもの車両価格に大きな開きがあり、およそ600,000円〜800,000円ぐらいはプレミオのほうが安いのです。
そのため新車で購入したと考えると、いくら維持費が安くてもトータルの費用としてみればプレミオにも優位性はあります。
このあたりはどのハイブリッド車でも持っているデメリットであり、購入金額を優先するか、燃費などの維持費を優先するかは重要な選択です。
ホンダ グレイスの維持費
ホンダのグレイスハイブリッドには同一車種でガソリンエンジンモデルもあり、エンジンの排気量は同じなので良い比較が出来ます。
またグレイスはガソリンエンジンモデルもエコカー減税の対象となっていますので、前述のプレミオよりは維持費の面でも有利です。
維持費計算 | メーカー | 車種 | エンジン スペック | カタログ 燃費 | 実燃費 | 年間燃 料代 | 車検費用 (年間費用 に換算) | 自動車税 | 自動車重量税 (1年あたりに換算) | メンテ ナンス費用 | 合計額 | ||
2年目 | ホンダ | グレイス | L15B型 1,496cc 水冷直列 4気筒DOHC 16バルブ | 22.0km/L〜 19.6km/L | 15.3km/L | 78,431円 | 15,000円 | 減免 なし | 34,500円 | 25% 減税 | 5,600円 | 10,000円 | 143,531円 |
3年目以降 (中古車) | 減免 なし | 34,500円 | 25% 減税 | 5,600円 | 143,531円 |
グレイスの場合には自動車重量税にのみ減税措置があり、25%減税が新車から2回目の車検までは適用されます。ですが自動車税に関しては減税はなく、1.5L車の自動車税が100%課税されます。
それでもプレミオよりはエンジンが小さいこともあって燃費が良く、燃料代に関する維持費はプリウスとプレミオの中間といったところです。
トータルの維持費も150,000円程度で、ハイブリッド車ほどではないにしても同クラスのコンパクトセダンの中では良好な部類です。月間12,500円なのでガソリン車の中ではかなり低コストです。
なおグレイスの場合はハイブリッド車とガソリン車の価格差が300,000円〜500,000円なので、維持費の差による影響は少なくなっています。
ハイブリッド車と軽自動車の維持費を比較
ハイブリッド車とガソリン車の維持費の比較を軽自動車でも行いますが、前述したワゴンRにもガソリン車があるのでそちらと比較します。
ただワゴンRはガソリン車であっても簡易的なハイブリッドシステムである「エネチャージ」(ハイブリッド車はS-エネチャージ)が搭載されており、アイドリングストップなどの技術による燃費改善が図られています。
エネチャージとは?燃費効果がある仕組み/構造とは?搭載車種まで解説!Sエネチャージとは?ハイブリッドより評価が高い?搭載車種はこれ!維持費計算 | メーカー | 車種 | エンジン スペック | カタログ 燃費 | 実燃費 | 年間燃 料代 | 車検費用 (年間費用 に換算) | 軽自動車税 | 自動車重量税 (1年あたりに換算) | メンテ ナンス費用 | 合計額 | ||
2年目 | スズキ | ワゴンR | R06A型 658cc 水冷直列 3気筒DOHC 12バルブ | 26.8km/L〜 25.4km/L | 18.50km/L | 64,864円 | 15,000円 | 減免 なし | 10,800円 | 25% 減税 | 1,850円 | 10,000円 | 102,298円 |
3年目以降 (中古車) | 減免 なし | 10,800円 | 25% 減税 | 1,850円 | 102,298円 |
ワゴンRのガソリン車はハイブリッド車と全く同スペックのエンジンを搭載していますが、駆動モーターなどの違いにより燃費はガソリン車のほうが悪くなります。
そのため燃料代はガソリン車のほうが多くなりますので、全体的な維持費は高めになります。ガソリン車の普通車と比べればかなり維持費は安くなりますが、ハイブリッド車と比べると10,000円程度高くなります。
税金面でも軽自動車税の減免措置がなかったり重量税の減税割合が少ないので、年間維持費は高くなり、加えてワゴンRの場合にはハイブリッド車とガソリン車の価格差が100,000円程度しか無いため、ほとんど売れ筋はハイブリッド車に集中しているのが現状です。
もしハイブリッド車を買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!ハイブリッド車とディーゼル車の維持費を比較
ハイブリッド車は環境対応車として確かな地位を確立していますが、現在もうひとつの環境対応車となっている車種にクリーンディーゼル車があります。
クリーンディーゼル車はディーゼルエンジンの排気ガス浄化能力を大幅に向上させた車種で、ディーゼルエンジンの持つ低燃費性能と低CO2排出量を特徴として環境対応車のひとつとなっています。
クリーンディーゼルエンジンとは?メリット2つとデメリット3つ!仕組み/構造の特徴まで解説!エコカー減税もかなりの優遇措置を受けており、また燃料である軽油はレギュラーガソリンより単価で10円程度安いこともあって全体的に維持費が安いのです。
クリーンディーゼル車にも様々な車種がありますが、国産車ではマツダが多くのラインナップを持っているので、以下2車種について維持費がどれぐらいかを見てみましょう。なお燃料である軽油の単価は110円/Lで計算します。
マツダ CX-3の維持費
マツダCX-3には1.8Lのクリーンディーゼルエンジンが搭載されているので、同じ排気量を持つプリウスとの比較をしてみましょう。
維持費計算 | メーカー | 車種 | エンジン スペック | カタログ 燃費 | 実燃費 | 年間燃 料代 | 車検費用 (年間費用 に換算) | 自動車税 | 自動車重量税 (1年あたりに換算) | メンテ ナンス費用 | 合計額 | ||
2年目 | マツダ | CX-3 クリーン ディーゼル | S8-DPTS型 1,756cc 水冷直列 4気筒DOHC 16バルブ ターボ ディーゼル | 25.0km/L〜 21.0km/L | 20.220km/L | 54,455円 | 15,000円 | 75% 減税 | 10,000円 | 免税 | 0円 | 10,000円 | 8,9455円 |
3年目以降 (中古車) | 減免 なし | 39,500円 | 免税 | 0円 | 118,955円 |
クリーンディーゼル車も現行のエコカー減税制度の上ではほぼ同様の減免措置となっており、CX-3のクリーンディーゼル車の場合は自動車税が75%、自動車重量税は免税と、プリウスと全く同じ措置となります。
燃費に関してはハイブリッド車のほうが実燃費がよく、燃料の消費量自体はクリーンディーゼル車のほうが多くなります。
しかしディーゼル車は燃料の単価が安いことから燃料代が控えめになっており、燃料代の差は思ったより大きくありません。
CX-3とプリウスで比較すると数千円程度はプリウスのほうが維持費は安くなりますが、ほぼ同等の維持費といっても良いぐらいです。
なおCX-3については以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
CX-3の月、年間の維持費を計算!高いのか安いのか比較して解説!CX-3の口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!マツダ アクセラ ディーゼルの維持費
アクセラはマツダのコンパクトハッチバックの一車種で、ディーゼルエンジンは1.5Lです。そのため同じ排気量のホンダ グレイスハイブリッドと維持費を比較してみましょう。
維持費計算 | メーカー | 車種 | エンジン スペック | カタログ 燃費 | 実燃費 | 年間燃 料代 | 車検費用 (年間費用 に換算) | 自動車税 | 自動車重量税 (1年あたりに換算) | メンテ ナンス費用 | 合計額 | ||
2年目 | マツダ | アテンザ クリーン ディーゼル | P5-VPS型 1,496cc 水冷直列 4気筒DOHC 16バルブ ターボ ディーゼル | 19.6km/L〜 21.6km/L | 17.25km/L | 63,953円 | 15,000円 | 75% 減税 | 9,000円 | 免税 | 0円 | 10,000円 | 97,953円 |
3年目以降 (中古車) | 減免 なし | 34,500円 | 免税 | 0円 | 123,453円 |
アクセラのクリーンディーゼル車も減税額はCX-3などと同じで、クリーンディーゼル車であればこれだけの減税措置を受けられるのです。
ですがアクセラは燃費が今ひとつ高くなく、排気量が上のCX-3と比較しても実燃費が低くなっています。
そのため燃料代が高くなっており、グレイスハイブリッドと比較しても燃料代が数千円程度高くなっています。
トータルの維持費としてみても、税金の面ではアクセラとグレイスハイブリッドに差はアリませんが、燃料代の差でグレイスハイブリッドのほうが多少有利になっています。
なおアクセラについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
アクセラの月、年間の維持費を計算!高いのか安いのか比較して解説!アクセラの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!ハイブリッド車の維持費はお得だが車自体が高くコスパは微妙
ここまでハイブリッド車とその他の車種の維持費を比較してきましたが、やはり車の維持費に関してはハイブリッド車に一日の長があり、クリーンディーゼル車と比較しても年間10,000円ぐらいは維持費が安くなります。
ガソリン車と比較すると年間50,000円近くもの維持費の差があるのではハイブリッド車は大きなメリットがあるわけですが、前述でも触れた通り車自体の価格がハイブリッドのほうがずいぶん高く、維持費の差でその価格差をカバーするのは難しいです。
そのためハイブリッド車のメリットというのは維持費にもありますが、燃料の節約ができるという点が大きく、総合的に考えると経済性という点ではメリットになりません。
そのためハイブリッド車を選ぶ方はなにより燃料の節約という環境性能に注目するのがよいでしょう。
またクリーンディーゼル車に関してはハイブリッド車に維持費の面では一歩及ばないものの、実は車両価格はハイブリッド車より数十万円ほど安くなっており、車両価格が比較的安いというのがメリットになります。
ガソリン車より維持費を抑えたく、またハイブリッド車より車両価格を抑えたい場合などにおすすめです。
なおハイブリッド車については以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
「ハイブリッド」vs「クリーンディーゼル」の違い8つ!燃費や維持費まで比較!ハイブリッド車の寿命/耐久性は走行距離や年数だとどれくらい?