ハイブリッド車はエンジンに電気モーターを組み合わせた車種で、燃費が従来の車より良いのが特徴です。
そんなハイブリッド車ですが、エンジンがあることでメンテナンスは従来の車と大きく変わらないのですが、エンジンオイル交換についてはどうなのでしょうか。
今回はハイブリッドカーのオイル交換についてご説明します。
ハイブリッド車のオイル交換の必要性
ハイブリッドカーはガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関に電気モーターを組み合わせた車で、ガソリンエンジンの効率が悪い領域をモーターで補うことで燃費を改善する車種です。
ハイブリッドカーとは?メリット6つとデメリット/問題点11つ特徴をわかりやすく解説!オイル交換は必要か?
ハイブリッド車は従来の車に対してエンジンの使用頻度が少なくなるのですが、それでもオイル交換は必要なのでしょうか?
エンジンは低回転領域では決して効率が良くなく燃費が悪いので、その領域はモーターで走行することでエンジンの燃料消費量を減らしています。
そして速度が上がっていくとエンジンがかかり、エンジンとモーターを併用した走行に切り替わります。
通常の車の運転の中ではモーターだけで走行する時間はそんなに多くなく、ほとんどの領域でエンジンがかかっていることになります。
そのためハイブリッド車だからといってエンジンのメンテナンスは必要で、エンジンオイル交換も普通のエンジン車と同じく定期的に行わなければなりません。
エンジンの使用頻度は従来のエンジン車に比べれば少なくなるのがハイブリッド車ですが、ハイブリッド車のエンジンは基本的に従来の車のエンジンの流用なので、設計がほとんど変わりません。
エンジンのエンジンオイル交換頻度はエンジンの設計時に既に決まっているので、エンジンを流用すれば交換頻度もそのままなのです。
現在自動車の中でエンジンオイル交換が不要なのはエンジンがない電気自動車だけで、それ以外の車種は基本的にオイル交換は必要です。
ハイブリッド車のオイル交換頻度
ハイブリッド車のオイル交換頻度は各自動車メーカーによって独自に決められているものですが、おおよそ2つのタイプに分けられます。
1つは自然吸気エンジンをハイブリッドシステムに組み合わせた場合で、この場合はオイル交換頻度はおおよそ「10,000kmごともしくは1年ごと」という条件が多く見られます。
NAエンジン(自然吸気エンジン)とは?メリット5つ!音が最強の魅力?!これは自然吸気ガソリンエンジンのオイル交換頻度と同じで、ハイブリッド車のほとんどが自然吸気ガソリンエンジンで構成されていることからこの交換頻度が多いのです。
ですが中にはトヨタ プリウスのように15,000kmごとの交換という場合もあり、より長いインターバルでも十分な場合もあります。
もう1つはハイブリッド車としては少ないですが、ターボガソリンエンジンやディーゼルエンジンと組み合わされている場合で、この場合にはオイル交換頻度は「5,000kmごともしくは半年ごと」という条件がほとんどです。
ターボ車のエンジンオイルの交換時期は?おすすめのオイルはこれ!(クリーン)ディーゼルのエンジンオイル交換ガイド!頻度や費用など全て解説!これはエンジンにターボチャージャーが組み合わされているからであり、ターボの冷却や潤滑などでオイルの劣化が早いので短い距離での交換が必要なのです。
国産車のハイブリッド車にはこういった車はほとんどありませんが、海外メーカーではターボエンジンのハイブリッド車も多く、オイル交換頻度の短さには注意しなければなりません。
なおこれらの交換頻度はメーカー推奨のものであり、これより短い間隔で交換するのであれば問題ありません。
ハイブリッド車のオイル交換のやり方
ハイブリッド車のエンジンオイルの交換は基本的には普通の車と全く変わらない手順でメンテナンスすればOKです。まずはオイル交換の手順を簡単にご説明しましょう。
エンジンオイル交換の手順
エンジンオイル交換は自動車のメンテナンスの中では比較的簡単なもので、簡単にいえば古いオイルを抜いてから新しいオイルを補充するだけです。
エンジンオイルはエンジン下部のオイルパンにあるドレンプラグから抜くことができ、車の下側に潜ってプラグのネジを抜けば自然と流れ出てきます。
この際あらかじめドレンプラグの下には廃油受けを起き、オイルパンに空気が入るようにオイルゲージを抜いておきます。
加えてオイルの流動性を高めるためにエンジンをある程度回した直後のほうがオイルの温度が高くてよいのです。
オイル抜きは時間をおけば最大限抜くことが出来るのでそれを待ち、その後にドレンプラグを閉めます。
そのあとに規定量の新しいオイルをエンジン上部のオイルフィラーキャップから送り込めばオイル交換は完了します。
オイル交換作業自体は簡単なのですが、抜き取った廃油の処理は少し大変なので、専用の処理用品を使うと良いでしょう。
エンジンオイル交換を依頼する
前述のようにオイル交換は簡単なので個人でも十分にできるメンテナンスなのですが、普通はディーラーや自動車用品店などに依頼する場合がほとんどです。
というのもエンジンオイル交換は後述するようにそこまで費用が高くなく、個人でわざわざ面倒をかけて交換するまでもないと考える人が多いからです。
エンジンオイル交換は自動車のメンテナンスの基本なので、
- ディーラー
- 自動車修理工場
- 自動車用品店
- ガソリンスタンド
など自動車に関連するところであれば交換可能で、それはハイブリッド車でも全く問題なく依頼できます。
オイル交換にかかる時間は1時間もかからず終了するので、非常に簡単です。またエンジンオイル交換を2回行うごとにエンジンオイルフィルター交換もするのが一般的な手順ですが、ここもハイブリッド車も同じです。
もしハイブリッド車を買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!ハイブリッド車のオイル交換の費用
オイル交換の費用は国産の普通乗用車なら1回数千円で完了するもので、車によって必要なオイル量が違うのでそれによって値段が変わります。
エンジンオイル交換の費用はハイブリッド車であろうとも普通の車と全く変わらず、オイル代で3,000円〜5,000円、交換費用で1,000円程度が一般的です。
つまり一回のオイル交換には6,000円ほどあればよく、ハイブリッド車の多くは1年に1度ぐらいの交換でよいので費用面の負担はほぼ無いと考えて良いでしょう。
ターボ車など5,000kmごとの交換が必要な車種は年に2度ぐらいの交換頻度になるのですが、それでもそこまで高額にはならないでしょう。
もし個人でオイル交換をするならほぼオイル代だけで済むので1,000円程度は費用が安くなりますが、そこまでしなくてもお願いするほうが楽といえるでしょう。
またエンジンオイルフィルターは一回の交換で5,000円程度なので、2回のオイル交換費用として考えると15,000円〜20,000円ぐらいが費用の相場です。
ハイブリッド車のオイルの選び方
自動車用のエンジンオイルにはさまざまな銘柄や種類があるのですが、基本的にはハイブリッド車用のエンジンオイルというものはありません。
基本的にはディーラー推奨のエンジンオイルというものがあり、ハイブリッド車のような車種の場合は特に推奨オイルが重要です。
ハイブリッド車は燃費を特に重視する車種であり、エンジンオイルの成分は非常に重要です。エンジンオイルには粘度という指標があり、オイルの流動性や潤滑性に影響を与えます。
ハイブリッド車の場合はエンジン内部での抵抗の少なくなる低粘度オイルが燃費改善に大きな効果があるので、ディーラー推奨オイルはここに重点を置いたハイブリッド車に向いているオイルといえます。
基本的にはディーラー推奨オイルか、同等の性能や粘度を持つオイルを選べばよく、スポーツカー用などの高性能オイルはハイブリッド車には向きません。
また社外品のオイルにも同様の性能を持つオイルがあり、以下にご紹介します。
トヨタ純正エンジンオイル
まず何よりおすすめできるのはハイブリッド車開発の中心的な存在であるトヨタの純正オイルで、ハイブリッド車を始めとしたトヨタ車にマッチするオイルとなっています。
トヨタ車はもちろんのこと粘度の合う他社車種でも使用できるオイルで、ハイブリッド車に使うなら心配が少なく使えるオイルといえるでしょう。
トヨタ プリウスなどの一部の車種にはこのオイル以外の粘度が推奨されている車もありますが、多くのトヨタ車にはこのオイルで十分でしょう。
カストロール MAGNATEC HYBRID
カストロールはエンジンオイルで有名なブランドの一社で、モータースポーツで鍛えられた技術力をもとに一般車用のオイルを開発しています。
そのカストロールのハイブリッド車用のオイルがこの商品で、このオイルもハイブリッド車だけでなく普通のガソリン車にも使用できます。
オイルの単価も純正オイルに比べると多少リーズナブルで、個人でオイル交換する場合に便利な商品です。
なおハイブリッド車については以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
ハイブリッド車の寿命/耐久性は走行距離や年数だとどれくらい?ハイブリッドシステム/方式の種類一覧!各メーカーの違いを比較してわかりやすく解説!