1分で車を60万円値引きする裏技

直列エンジンの特徴!V型エンジンや並列エンジンとの違いまで解説!

自動車用エンジンにはいろいろな種類があり、V型であったり、水平対向、ロータリーといった形式がありますが、それらすべての基本となるのが直列エンジンです。

今回は直列エンジンとはどういうエンジンかについてご説明していきましょう。

直列エンジンとは

車のエンジン

直列エンジンとは、エンジンの心臓部であるピストンの並び方が一直線にならんでいるエンジンのことであり、すべての多気筒エンジンの基本となる形式です。

ピストンの数、つまり気筒数によって直列2気筒エンジンから直列4気筒、5気筒、6気筒、8気筒など種類が別れますが、これらすべてを総称して直列エンジンと呼びます。

今回は直列エンジンという形式についての特徴をご説明しますので、直4、直6など各種類の説明は別の記事で行います。

直列エンジンは一番の基礎

直列エンジンが登場した経緯を説明するには、簡単にエンジンの歴史を知っておく必要があります。

エンジン、つまり内燃機関の歴史は非常に古く、その大本は蒸気機関にまで遡ります。

蒸気機関は原理が紀元前にはすでに生まれていて、その後実用的な蒸気機関が15世紀に生まれました。

そしてほぼ同時期にピストンを往復運動させるレシプロエンジンも開発され、現在のエンジンの基礎とも言える構造ができたのです。

その後蒸気ではなく燃料の爆発によって稼働する内燃機関へと進化し、18世紀の産業革命の時代に入ると本格的に内燃機関が産業用や鉱山用などで活用され始めます。

当時のエンジンはピストンが1つの単気筒エンジンが基本であり、出力がほしい場合は排気量をあげていたのですが、そのうちピストンの数を増やして出力を出す多気筒エンジンへと進化します。

19世紀には実用的な2気筒エンジンが販売されるようになり、ようやく多気筒エンジンの元祖足る直列2気筒エンジンが実用的な域にまできたわけです。

ここまで来ればあとは順当に進化していくわけで、さらなる出力が必要となる場合に多気筒化が進んでいき、現在あるような直4エンジンや直6エンジンが生まれました。

直列エンジンはいまでこそ多気筒があたりまえですが、割と長い間2気筒ぐらいまでが主流だったのです。

直列エンジンの特徴

それでは直列エンジンの特徴をいくつかご紹介しましょう。

ここでは直列エンジン全般の特徴をご説明しますので、各種類のエンジンの記事でご説明します。

構造が単純

直列エンジンはエンジンとして最小限の要素で構成されており、おなじ気筒数の別の形式より単純です。

構造が単純ということは耐久性のあるエンジンが比較的簡単に設計できるということであり、また技術的な難易度も低い点あって普及しやすいエンジンといえます。

事実世界の自動車メーカーの主力エンジンはほとんどが直列エンジンであり、一部のスポーツカーメーカー以外は直列エンジン搭載車が主力車種です。

また構造が単純ということはエンジンにかかるコストも少なくて済むということであり、同気筒の別形式より部品点数が少なくコスト面で有利となります。

さらに重量も余計に増えないことから、特別な要件がなければ自動車用エンジンとしては直列エンジンが理想的なのです。

効率的な多気筒化ができる

直列エンジンは多気筒化の要求から生まれた訳ですが、同排気量の単気筒エンジンと比べると多気筒化にはさまざまな面でメリットがあります。

理論的には単気筒エンジンでもどこまでも排気量をあげることは可能なのですが、ピストンが大きくなっていくとさまざまな摩擦によるフリクションロスが増えて効率が下がります。

またピストン自体の重量も増えるのでピストンが上下するたびに重量によるロスも増え、単気筒エンジンで排気量をあげるとデメリットが多いわけです。

自動車用のエンジンでは一気筒あたりの排気量は200cc~500ccぐらいまでが効率的という結果が出ており、ここから必要な排気量に対する気筒数が計算できます。

例えば2,000ccのエンジンの場合、直列3気筒では一気筒辺り700cc程度で非効率なので、直列4気筒以上が必要、となるわけです。

また多気筒化のメリットはエンジン振動の低減にも繋がっています。

単気筒エンジンのバイクに乗ったことのある人なら体験されていると思いますが、走行中にはドコドコ言う音とともに振動が多く乗り心地はあまりよくないですよね。

単気筒エンジンはエンジンのピストンの上下によって起こる振動がダイレクトに伝わるので、そういう結果となります。

しかし多気筒化すると一気筒で起こる力を他の気筒の動きで打ち消し合うことができ、多気筒化を進めることで振動はかなり低減が可能です。

中でも直列6気筒エンジンは完全バランスエンジンと呼ばれており、多気筒化による力の打ち消し方が理想的で、数あるエンジン形式の中でももっとも振動の少ないエンジンです。

エンジンの多気筒化から生まれた直列エンジンは、エンジンの効率化と振動の低減ができる特徴をもっています。

しかし直列エンジンで多気筒化をどんどん進めるとその分エンジン全長が長くなってしまうので、搭載スペースに制限のある自動車やバイクに搭載できる気筒数は自ずと制限があるのです。

エンジンの整備性が良好

車を点検する人

直列エンジンは、構造がシンプルで余計な構造がない分エンジンルーム内に余裕が生まれ、そのスペースでエンジンの整備がやりやすいという利点があります。

V型エンジンと比較してみるとわかるのですが、V6エンジンは長さが短いものの横に広くなっており、正方形に近いのでエンジンルームを占有するような形になります。

それに比べて直列エンジンはエンジンの横方面は比較的スマートであり、その分作業スペースもあり、手も入りやすいという特徴があります。

さらにV型エンジンはエンジン本体の下側部品にアクセスするのに、エンジンのVバンクが邪魔になってアクセスが難しいのですが、直列エンジンではそれもありません。

とはいえ近年の車のエンジンルームはとにかく狭くなっており、エンジン以外のデバイスが年々増えていることから、直列エンジンとはいえ整備性は年々悪化傾向にあります。

それでもエンジン本体が持つ整備性のよさというメリットは他の形式と比べれば優位性がありますので、直列エンジンはメンテナンスが行いやすいのです。

他のエンジンとの違い

多気筒エンジンの形式には直列エンジンのほかにもいくつかの形式があります。

その中から一般的な並列エンジンとV型エンジンとの簡単に違いをご紹介しましょう。

並列エンジンはバイクなどで多く使われる形式ですが、このエンジンはピストンの可動向きが横向きであること以外は基本的に直列エンジンと変わりません。

直列エンジンは排気量にあわせてエンジン全高が高くなるのですが、バイクの場合エンジンの上に燃料タンクや座席などが位置する関係上、あまり背の高いエンジンは好ましくありません。

そのためピストンの向きを横向きにすることで搭載しやすくなったのが並列エンジンですが、直列エンジンとはオイルパンの位置が違ったり、細かい違いはあります。

またV型エンジンはピストンをV型に配置したエンジンで、自動車用、バイク用両方に活用されるエンジンです。

V型エンジンの特徴は、直列エンジンでは前後に並べるしかなかったピストンを斜め方向に分散配置できることで、どうしても全長が長くなりがちな直列エンジンのデメリットを解消する効果があります。

その分エンジンの横幅が直列エンジンより大きくなるので、バイクに搭載するV型2気筒などだと全長は短くても横にはみ出しがちになります。

またすべてのピストンの向きがおなじではないので爆発時の力のかかり方が直列エンジンとは変わり、振動や音が独特なものとなります。

どちらの形式も直列エンジンと平行して活用されるエンジンですが、直列エンジンの搭載上のデメリットを解消するべく産み出されたエンジン形式といえるでしょう。

直列エンジンの音

直列エンジンのエンジンサウンドは気筒数によって違いがあるのですが、その違いを体験するには実際に乗って聞き比べてみるのが一番です。

しかしなかなかそこまで何台も準備することは難しいので、今回はYou tubeの動画で参考になるものがありますのでご紹介しましょう。

この動画ではバイクのエンジンのサウンドを単気筒から直列8気筒まで比べた動画となっており、エンジンサウンドを比較するにはもってこいです。

エンジンの排気量もバイクの車種やメーカーもさまざまで厳密に言えば条件は違いますが、サウンドの違いというのはよくわかる動画です。

単気筒のサウンドは結構単純なもので、ドコドコとピストンの振動がよくわかるような音をしています。

それが2気筒になると多少なりとも滑らかな回転になり、気筒数が増えるごとに滑らかさはどんどん増していくのがわかると思います。

そして直6エンジンになると一気に音が変わり、特に回転数をあげていったときの吹け上がりのサウンドは独特なレーシングカーのような甲高い音へとかわります。

これが完全バランスエンジンと呼ばれる直6エンジンの魅力で、これ以下の気筒数では産み出せないものです。

なおそれより上の直8エンジンは正式なモデルではなく改造バイクなのですが、6気筒より多気筒化されていますので振動の少なさは直6とほぼかわらないはずです。

直列エンジンの評価・乗り心地

直列エンジンは中小型車向けのエンジンととらえられがちでV型エンジンのほうが評価が高いのですが、直列エンジンのほうが好きという人もいらっしゃいます。

そんな直列エンジンへの評価について、Twitterからいくつかご紹介しましょう。

直列エンジンも実用性だけじゃない

この方の家族は長年直列エンジン搭載の車にのり続けられていて、とくに日産スカイラインが思い出にのこっていらっしゃるようです。

この当時のスカイラインには直6エンジンが搭載されていて、いまでも直列エンジンに対する思い入れは強いそうです。

現在の車の実用性を考えるとたしかにV6エンジンは優秀なのですが、乗り味や音など、それ以外の魅力も車には重要です。

直列エンジンの整備性

直列エンジンのメリットである整備性のよさはやはり魅力で、いまでは古くなってきたGT-Rの直6エンジンを維持するのに重要なメリットとなっています。

V6エンジンの整備性はかなり悪く、専門技術者でもなかなか大変なのです。

アメ車も直4の時代

フォード マスタングといえばアメ車の代名詞のようなスポーツカーで、昔からV8エンジンが搭載されていたのですが、最新のマスタングは直4ターボエンジンも搭載されています。

V8エンジンもかなりの魅力をもつユニットなのですが、この方は直4エンジンも日本では扱いやすく、魅力もあるとおっしゃっていますね。

車の魅力は決してエンジンの大きさだけでは決まらず、ドライバーが不安なく楽しく運転できるかどうかも重要です。

直列エンジン搭載車

直列エンジンを搭載した車は各メーカーの主流ということもあり、かなりの車種が毎年登場しています。

近年は車のエンジンにダウンサイジングの流れがきており、ターボチャージャーやスーパーチャージャーなどの過給機を組み合わせたダウンサイジングターボエンジンが主流となっています。

この流れでそれまでV6やV8でなければ満足のいく性能が出せなかった車種が直4エンジンで代替できるようになり、また直4エンジン車は直3エンジン車になるなど大きく変革が起きています。

今回はそんな直列エンジンを載せたダウンサイジングターボ車をいくつかご紹介しましょう。

スズキ スイフト

スズキ スイフト

スイフトはスズキのコンパクトカーの中で幅広い年齢層に人気のある車で、スポーティーなデザインが売りの車です。

スイフトは3代目までは直4エンジン搭載車でしたが、最新の4代目では1.0L 直3エンジンがエントリーユニットとなっています。

数年前まで直3エンジンといえば軽自動車ぐらいの小型車向けのエンジンでスイフトクラスでは力不足といわれていましたが、ダウンサイジングターボの流れで直3エンジンでも十分な出力が出せるようになり、また燃費対策にもなるためスイフトに採用されました。

参考に前型のエントリー車のエンジンとパワーやトルクを比較してみましょう。

4代目3代目
エンジンK10C型 996cc 直3DOHC
バルブVVT 直噴ターボ
K12B型 1.2L 直4 DOHC
吸排気VVT
最高出力75kW(102PS)/5,500rpm67kW(91PS)/6,000rpm
最大トルク150N ・m(15.0kgf・m)/
4,500rpm
118N・m(12.0kgf・m)/
4,800rpm
車両重量840kg~970kg~

新型エンジンは200cc排気量が減って3気筒になったにも関わらず、最高出力、最大トルクとも大幅に向上しています。

また車両重量も1割程度は軽量化できており、これは車のなかで最重量のエンジンの小型化がよい影響を与えています。

年月による技術の進化もありますが、直列エンジンはどんどん小型化の方向に進んでおり、しかも性能は向上するという流れが世界の主流です。

トヨタ クラウン

トヨタ クラウン

クラウンほど日本で有名な車もなく、かつてはクラウンこそが日本車の最高級でした。

現在はレクサスなどさらに上位の車種がありますが、それでもクラウンに対する日本人の憧れはまだまだ強いものがあります。

しかしそんなクラウンにもダウンサイジングターボの流れはきており、これまで長い間6気筒エンジンのみ採用されていたクラウンに、直4ターボエンジンが採用されるようになったのです。

直4ターボエンジンが搭載されたのは最新型の14代目クラウンからですが、13代目までは2.5L V6エンジンがエントリーモデルでした。

しかし最新型では2.0L 直4エンジンがエントリーモデルとなっており、クラウンにも直列エンジン化の波がきています。

ここでも旧型と新型の性能を比較してみましょう。

14代目13代目
エンジン8AR-FTS 2.0L 直4 DOHC
IC付きターボ
4GR-FSE型 2.5L V型
6気筒 DOHC
最高出力173kW(235PS)/
5,200rpm~5,800rpm
158kW(215PS)/
6,400rpm
最大トルク350N ・m(35.7kgf・m)/
1,650rpm~4,400rpm
260N・m(26.5kgf・m)/
3,800rpm
車両重量1,590kg~

こちらでもダウンサイジング化によって排気量が減り直列4気筒に変わりましたが、最高出力とトルクは大幅に向上しています。

とくにトルクは1.5倍ぐらいにまで向上し、とても扱いやすい車になったと言えるでしょう。

クラウンのような高級車でも直4エンジンで十分な性能を出せる時代となり、直列エンジンのダウンサイジング化はますます進みます。

国産車だけではなく、もともとは輸入車の高級車が先行していた流れなのですが、メルセデスベンツ SクラスやBMW 7シリーズにも直4エンジンが搭載されているのです。

フィアット 500ツインエア

フィアット 500

さらなる小型の直列エンジンを搭載している車に、イタリアはフィアットの500(チンクチェント)があり、この車には900cc 直2エンジンを搭載したツインエアというモデルがあります。

フィアット500といえば往年のイタリア車のなかではもっとも有名で、日本ではルパン三世の映画などでも度々登場している可愛らしい車です。

もともとは1955年に生産が終わった車ですが、2007年にかつての有名なデザインを現代に再現する形で全く新しい車として登場しました。

当初は直列4気筒エンジンが搭載された車だったのですが、途中から新開発の900cc 直列2気筒エンジンモデルが追加され、あまりの小型エンジンに大きな話題となりました。

500の直4エンジンと直2ターボエンジンを比較してみると、直2エンジンが経済性だけで搭載されたわけではないことがわかります。

500 TwinAir500 1.2
エンジン312A2型 0.9L 直列2気筒
8バルブ マルチエア
インタークーラー
169A4 1.2L 直列4気筒
SOHC 8バルブ(可変
バルブタイミング付)
最高出力63kW(85PS)/5,500rpm51kW(69PS)/5,500rpm
最大トルク145N ・m(14.8kgf・m)/
1,900rpm
102N・m(10.4kgf・m)/
3,000rpm
車両重量1,010kg~990kg

排気量も小さく、何より頼りなさげな直列2気筒エンジンですが、その実力は数字が証明しており、倍の気筒数をもつエンジンより出力もトルクも大幅に向上しています。

さすがに単気筒まで減ることは考えにくいですので、最新の車のエンジンとしてはこの2気筒エンジンが最小かもしれません。

このエンジンはおなじイタリアのアルファロメオにも搭載され、そのスペックと汎用性は非常に高いものがあります。

ただ直2ということで振動は大きく、さすがに4気筒に劣る面ではありますが、かつての500が2気筒で独特の振動があったことから、ツインエアは昔を思い出させる車として好意的に受け止められているようです。

直列エンジンは20年ぐらい前までは実用一辺倒でパワーやトルクはV型エンジンに劣ると見られていたエンジンなのですが、効率化と軽量化、燃費対策などの将来的な要求に答えられるのは直列エンジンのようです。

今後も直列エンジンのダウンサイジング化はさらに進んでいく流れにありますので、ますます重要な形式といえるでしょう。