V型エンジンは自動車を初めとしてオートバイや飛行機、船などにも使われるエンジン形式で、わりと排気量の大きいエンジンが多いです。

そんなV型エンジンですが、ほかのエンジンと比べるとどんな違いや特徴があるのでしょうか?

今回はV型エンジンの特徴についてご説明しましょう。

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V型エンジンとは

ホンダ CBR250RR エンジン

V型エンジンはエンジンのシリンダーがクランクシャフトから斜めに配置されているタイプのエンジンで、V字型にシリンダーが配置されるのでV型と呼ばれます。

6気筒エンジンであればV字型に3気筒ずつ分散して配置され、V字を形作る角度によっても色々な種類に別れます。

V字の片側を「バンク」と呼び、右バンク、左バンクという呼び方がされますが、後述する狭角V型エンジンはバンクが存在しないものもあります。

まずはV型エンジンの主な種類をまとめて、その後にV型エンジン全般の特徴をご紹介しましょう。

気筒数 エンジン種類 主な用途
2気筒 V2エンジン オートバイ、自動車(昔)
3気筒 V3エンジン オートバイ
4気筒 V4エンジン 自動車、オートバイ、軍用車両
5気筒 V5エンジン 自動車、オートバイ
6気筒 V6エンジン 自動車、オートバイ、レーシングカー、
船舶、飛行機、軍用車両、トラックその他
狭角V6エンジン 自動車
8気筒 V8エンジン 自動車、レーシングカー、船舶、飛行機、
軍用車両、トラックその他
10気筒 V10エンジン 自動車、レーシングカー、軍用車両、トラック
12気筒 V12エンジン 自動車、レーシングカー、船舶、飛行機、
鉄道、軍用車両、トラックその他
16気筒 V16エンジン 自動車、レーシングカー、飛行機、鉄道
18気筒 V18エンジン 産業用トラック
20気筒 V20エンジン 産業用トラック、鉄道
24気筒 V24エンジン 産業用トラック、鉄道

V型エンジンの種類はこの通り非常に数が多いので、各エンジンについての詳しい説明は別記事で行っています。

この記事ではV型エンジン全般の特徴などをご説明していきましょう。

V型エンジンの特徴

V型エンジンの最大の特徴はその形状にあり、同気筒数の直列エンジンと比較した場合に半分程度のエンジン全長に収まる点です。

エンジンの基本はシリンダーが一直線に並んだ直列エンジンですが、直列エンジンの場合は気筒数が増えれば増えるほどエンジン全長がどんどん長くなります。

排気量を増やして出力をあげようとすればどうしても気筒数を増やさざるを得ないので、エンジンを強化するとエンジン全長に大きく影響してしまいます。

とくに自動車の分野では直列8気筒ぐらいまで来るとエンジンルームへの搭載が厳しいエンジン全長になってしまい、車そのものがかなり大型化してしまうわけです。

そこでエンジン全長短縮のために生まれたのがV型エンジンで、一直線に並んだシリンダーを左右に振り分けたのでエンジン全長が一気に半分近くまで減らせるのです。

こうなると気筒数が増えても直列エンジンほどのインパクトはなくなり、V6エンジンなら直3エンジン、V8エンジンなら直4エンジンほどの全長で搭載できるため、出力の必要な大排気量エンジンが比較的コンパクトに仕上がります。

Vバンクがある分エンジンの幅は直列エンジンより大きくなりますが、直列エンジンは幅が短くて直方体であるのに対しV型エンジンは立方体に近い形状となるので、搭載上のスペース効率はむしろV型エンジンのほうがよいのです。

大きくて扱いづらいエンジンをどうやったら短縮できるか、という工夫から生まれたエンジンですね。

V型エンジンの特徴「Vバンク」

VバンクはV型エンジンの外観上の大きな特徴になっていますが、実はVバンクの角度は決して一定ではなく、エンジン形式や性能特性、搭載性などによって星の数ほどの選択肢があります。

このV字の角度であるバンク角度はV型エンジンの特性を決める上で大きな設計要件となっており、V型エンジンが生まれた当初からさまざまな角度が試みられてきました。

一般的なのは90°バンクで直列エンジンをちょうどL字に2台連結する形が考え方としてはシンプルなのですが、それだけではエンジンの要求される性能を満たせるわけではありません。

詳しくは各気筒のV型エンジンの説明記事でご説明していますが、Vバンクの角度は次のような性能に影響を及ぼします。

  • エンジン振動
  • 回転のスムーズさ
  • スペース効率と搭載性
  • 吸排気管レイアウト、その他エンジン部品の搭載位置
  • エンジン音

非常にさまざまな要素が絡んでくるので、そのメリットとデメリットを天秤にかけて多くのバンク角度のエンジンが生まれました。

90°、120°、60°などキリのよい角度のものから、72°、54°、65°、果ては15°などという狭い角度のエンジンも生まれています。

また180°、つまりはVバンクが左右に一直線に広がるエンジンまであり、ありとあらゆる可能性が試されてきたのです。

なお180°バンクのV型エンジンは一見水平対向エンジンと同じに見えるのですが、実はクランクシャフトとコンロッドの接続方法が違うため、別構造でエンジン特性も違うエンジンです。

このあたりは水平対向エンジンの記事で触れています。

V型エンジンの振動の特徴

もうひとつの特徴はエンジンが発生する振動の形態で、V10までのV型エンジンには特有の「偶力振動」というものが発生します。

偶力とは物体のある一点を中心として回転させるような力のことで、すりこぎのような動きをすることからすりこぎ回転などとも呼ばれます。

直列エンジンではシリンダーすべてが直線上に並んでいるため、エンジンで発生する爆発の振動やピストンの上下運動による振動をペアとなるシリンダーで打ち消し合うことで振動を減らすことができ、偶数気筒であれば偶力は発生しません。

直列エンジンでも奇数気筒のエンジンには偶力が発生しますが、これはエンジンを前後方向に回転させようとする力となります。

V型エンジンの場合は偶力振動がエンジンを左右に揺するような動きとなり、上下振動と合わさって非常に複雑な動きをします。

偶力の原因はまさにVバンクにあり、直列エンジンがペアのシリンダーで打ち消しあっていたエンジン振動が、斜め方向に配置されたことで打ち消し合えなくなったことにあります。

つまりV型である以上は偶力振動から逃れられないということであり、V型エンジンの振動や騒音を悪化させる原因でもあります。

しかしV12気筒以上では片側のバンクだけで完全にバランスがとれるので、V型でも偶力が発生しない静かなエンジンが実現できます。

一番身近なV型エンジンは自動車に搭載されているV6エンジンですが、よくエンジン音を聞くと偶力振動独特の音が混じります。

次の項でその特徴的な音をご紹介しましょう。

V型エンジンの音

V型エンジンは気筒数の違いやバンク角度、クランクシャフトの設計などで大きく音が変わるエンジンですが、それぞれの形式についてはそれぞれの記事でご紹介することとします。

ここではほとんどのV型エンジンで発生する偶力振動の音をお聞きください。

これはトヨタ アルファードのV6エンジンのサウンドですが、加速時に静かなエンジン音に混じってかすかにブルブルという振動音が聞こえます。

この音が偶力が引き起こす雑音であり、静かな6気筒エンジンなのにV6エンジンの少々残念な点です

偶力振動はバランサーシャフトという部品によってある程度打ち消されているのですが、それでも完全に消すことができず、エンジンがなまじ静かななので一度気になると気になってしまいます。

同じ6気筒でも直6エンジンにはこの雑音はないので、全長の長さか音と振動を取るか、の選択肢ですね。

ほかの気筒数でも同様な雑音はあり、とくに気筒数の少ないエンジンでは気になるものです。

V型エンジンのメリット・デメリット

V型エンジン全般のメリットについては、ここまででご説明した特徴でほぼご説明しましたが、まだいくつかメリットがあります。

またそれに反してデメリットもあり、ひとつは偶力振動の発生ですが、その他のデメリットもご説明していきます。

V型エンジンのメリット

V型エンジンのメリットはその全長の短さから来るものが多く、残りのメリットもそういった点です。

車種展開が行いやすい

V型エンジンは同じ気筒数の直列エンジンより短いということで、車やバイクなどへの搭載性が大きく向上するメリットがあります。

エンジンはその乗り物のなかで最大限の大きさを持つ部品(鉄道や船舶除く)なので、エンジンがコンパクトにまとまっているというのは搭載性が大きく向上することを意味します。

とくに車の場合にはエンジンの載せ方にさまざまな形式があり、長い直列エンジンだと横置きには向かないのに対し、V型エンジンなら横置きレイアウトにも対応ができます。

最近の車は横置きエンジンのFF車が圧倒的に主流なので、同じエンジンで縦置きと横置きに使い分けられるV型エンジンは非常に使い勝手がよいです。

このメリットがあるので昔に高級車向けとして主流だった直6エンジンがV6エンジンに置き換えられていき、現在直6エンジンはほとんどなくなりました。

このときはエンジンの長さが車の衝突要件に悪影響を与えていたので、V6は最高の選択肢だったわけですね。

クランクシャフトの短さ

エンジン全長が短いということは、エンジンから動力を取り出すクランクシャフトも短くて済むということです。

クランクシャフトが長いと、シャフトがねじれたり保持用のベアリングが数多く必要だったりと、エンジン設計のひとつのネックとなります。

シャフトにねじれが起こると出力がスムーズに伝達できなくなるのでレスポンスが悪くなったりします。

またベアリングの増加は重量増加に繋がってしまいますが、足りない場合はエンジン振動を悪化させる原因となるので仕方ないとなってしまいます。

V型エンジンなら同一気筒の直列エンジンの半分程度の長さに設計できますので、ねじれや保持に関しては大きく有利な点です。ただ現実的にはベアリングの配置の関係で半分とはならず多少長めになってしまいますが。

V型エンジンのデメリット

V型エンジンのデメリットの一つは振動と音なのですが、ほかにもデメリットがいくつかあります。

V型エンジンはコンパクトで車に搭載するエンジンとしては便利なのですが、エンジン本体の各種設計に対しては色々デメリットも起こってきます。

構造が複雑

V型エンジンのデメリットとしてまず上がるのが、直列エンジンより構造が複雑で部品点数が多く、コストも高いということです。

同じ気筒数であってもV型エンジンになるとVバンクができるので、シリンダーヘッドが左右に分割されます。

そうなるとシリンダーヘッド内のバルブ関係の部品も左右それぞれに設けなくてはならず、単純計算でシリンダーヘッド回りの部品点数が倍になってしまいます。

部品一つ一つは小さくなるものの、エンジンのコストを決めているのは部品の大きさよりも部品点数ですので、V型エンジンは同じスペックの直列エンジンと比べると割高になります。

また最大の大型部品であるシリンダーブロックがVバンクに対応するために大きくなってしまうのもコストに影響しますし、重量的にも直列エンジンより重たくなります。

搭載性を高めるためにコンパクトにした反動が部品一つ一つの複雑さに影響しているのです。

吸排気系レイアウトに制限が多い

V型のエンジン形状はエンジンにはかかせない吸排気系の部品形状やレイアウトにも悪影響を与えており、とくに排気系に影響が大きいです。

V型エンジンの一般的なレイアウトでは、Vバンクの真ん中に吸気系を持ってきて、Vバンクの上から吸気、下から排気する形です。

吸気系は車の上側から経路がきますので、V型という形状ではこれが自然なレイアウトといえるでしょう。

直列エンジンはエンジンの左右どちらかに吸気、もう一方が排気となり、左右どちらでもレイアウト的には可能です。

吸気系は比較的スマートにまとまるV型エンジンですが、排気系には課題があり排気管がどうしても左右に別れてしまうということです。

排気管はマフラーにいくまでに一本にまとめなければならないのでどこかで合流させないといけないのですが、そのせいで排気管が複雑な経路になってしまいます。

また排気触媒の位置にも影響し、できるだけエンジンに近づけたい触媒の要件を満たすために左右バンクに一つづつ触媒をもうける必要があります。

触媒は排気ガスの浄化に欠かせない部品ですがコストが非常に高い部品で、それを2つ設けないといけないのはコスト面で大きなデメリットでもあります。

また触媒の反応にはできるだけ高温の排気ガスが必要なので、左右に別れるというのは排気温度を理想的にあげられなくもなるのです。

これらのデメリットのために、メルセデス・ベンツはV6エンジンの開発をやめて直6エンジンにシフトするなど新しい動きも出始めています。

不等間隔爆発による排気干渉

V型エンジンの排気レイアウトの自由度のなさは排気管の長さを一定にしずらいというデメリットも秘めており、これによって起こるのが排気干渉という現象です。

V型エンジンは気筒数やバンク角度によっては爆発の間隔が一定でなくなる不等間隔爆発になるのですが、そのため各気筒から流れてくる排気ガスのタイミングがまちまちになります。

そうすると排気管が一本にまとまる場所で排気干渉という排気ガス同士のぶつかりあいが起こり、スムーズにガスが流れないばかりか排気管を逆流してガスがつまってしまうような形になります。

そうなると出力にも影響があり、さらにエンジン音はドコドコという雑音が混じることになります。

排気干渉を防ぐには排気管の長さで調整するのが最良なのですが、レイアウトに制限の多いV型エンジンでは必ずしも理想的なレイアウトがとりにくく、不等間隔爆発のあるエンジンでは排気干渉の問題が常に付きまといます。

とくにV8エンジンでよく見られる現象なのですが、アメリカのV8車ではこの排気干渉の音にこそ魅力があるとされ、あえて排気干渉をさせるレイアウトにしていることもあるようです。

整備性の悪さ

V型エンジンを自動車に搭載した場合、狭いエンジンルームの中でVバンクのあるエンジンというのは整備性がよくありません。

Vバンクがあるとエンジンの上側に大きな構造体が張り出してきますので、エンジン本体のメンテナンスをしようとしたときに邪魔になります。

もちろんエンジンを下ろしてしまえば作業はできますが、自動車の場合は整備費を抑えるためにエンジンを載せたままメンテナンスするのは一般的な作業です。

直列エンジンでやりやすい作業であってもV型エンジンでは工具が届かなかったり手が入らなかったりと、大きく整備性を悪化させる要因となるのです。

V型エンジンである以上ある程度整備性の悪さはしかたない面がありますが、どうしても工賃が直列エンジンより高めになってしまいます。

バイクなどならエンジンへのアクセスが簡単なのでそこまでではないのですが。

V型エンジンの評価・乗り心地

V型エンジンに魅力を感じている人は多く、Twitterにもよい評価がたくさんあるのですが、整備性に関してはやはり大変というものが多いですね。

そういったツイートをいくつかご紹介しましょう。

V型エンジンにはいくつものエピソードが

V型エンジンの種類の多さはほかのエンジンの比ではなく、それぞれのV型エンジンにはいくつものエピソードがあることもありますね。

Vバンクの角度という設計条件を最適化することこそV型エンジンの肝といえますね。

自動車だけでなくバイクにもよく使われるV型エンジンですが、いくつもの種類と特徴がある面白いエンジンです。

V型エンジンの整備性はプロも大変

V型エンジンは魅力も多い一方で、整備性についてはほんとうに大変なようで、プロの整備士の人でも試練の連続のようですね。

トヨタのアルファードは整備性もよい部類だそうなのですが、FF横置きエンジンなので車の後ろ側のVバンクは非常に整備しにくい部分です。

そこにあるスパークプラグはそれはそれは取りにくい部品でしょう。

V型エンジン搭載車

さて最後にV型エンジンが搭載されている乗り物をご紹介しようと思いますが、自動車に使われるV6からV12までは専門の記事でご紹介していますので、ここではそれ以外の形式の車やバイクをご紹介しましょう。

最後のV4搭載車は世界最高の車ですよ。

V2エンジン搭載バイク

ホンダ CBR250RR

V2エンジンは通称V-Twinと呼ばれていて、バイク用のエンジンとしてはオーソドックスなエンジンです。

Vツインを搭載したバイクは本当にたくさんあるのですが、今回はホンダがラインナップしていCBR 250RRをご紹介しましょう。

このバイクはホンダのスポーツバイクの代表であるCBR600の小型版という位置付けです。

レーシングバイクのデザインを取り入れた巣ポーティなデザインは大好評で、初代CBR250RRは大人気モデルでありながら2000年に姿を消しました。

それが17年ぶりに復活し、ホンダのスポーツバイクのベストセラーが戻ってきました。

250ccという小排気量なのでデザインの割には価格が控えめで、手に入れやすいのもよいですね。

CBR 250RR
エンジン MC51E型 249cc 水冷4ストローク
4バルブDOHC 2気筒V型エンジン
最高出力 28kW(38PS)/12,500rpm
最大トルク 23N·m(2.3kgf·m)/11,000rpm

250ccエンジンでありながら出力も高いのですが、注目すべきはその回転数で市販の250ccバイクとしてはかなりの高回転型ユニットとなっています。

昔より排気ガス規制が厳しくて出力が出しづらい時代でこれだけの出力は素晴らしいです。

スポーツバイクらしい抜群の加速と、なによりそれを体現するシャープなデザインが魅力のこのバイクは250ccという小排気量のバイクとは思えないほどの性能を持っています。

V5エンジン搭載車、バイク

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V5エンジンのような奇数シリンダーのV型エンジンは珍しいのですが、決してないわけではありません。

とはいえ一時期だけにとどまっており、少々使いづらいユニットと言えるでしょう。

V5エンジンを搭載した市販車はフォルクスワーゲンしか実用化しておらず、このエンジンは同社の代表的なV型エンジンである狭角V6エンジン:VR6を小型化したものです。

VR5と呼ばれる狭角V5エンジンは15°というVR6と同じ狭いバンク角度を採用し、フォルクスワーゲンのFF車に搭載しやすいようにエンジン幅を短縮しています。

さらにVR6より全長を短縮して搭載性をよくする目的で生まれたのがVR5ですが、エンジン形状的には直5エンジンの全長短縮というほうが正解でしょうか。

車種としてはセダンのボーラ、およびパサートに搭載されましたが、一時期のモデルだけ採用されモデルチェンジと共に今はなくなっています。今回は参考にボーラのスペックをご紹介しましょう。

ボーラ(2002年)
エンジン AGZ型 2,324cc V型5気筒SOHC
最高出力 110kW(150PS)/6,000rpm
最大トルク 205N·m(20.9kgf·m)/3,200rpm

20年近く前のボーラですので現在は中古車市場でたまに見かける車になっていますが、非常に希少なVR5エンジン搭載車です。

ボーラは小型セダンですので2.3Lというスペックは十分なものであり、150馬力もあれば御の字でしょう。その代わりトルクは低速から太く、なかなか運転しやすい車ですね。

中古車市場で500,000円前後で取引されているので手には入りやすいのですが、いかんせん古いので修理やメンテナンスの維持費は結構高い車になってしまっています。

V4エンジン搭載のモンスター

さて最後にV4エンジンを搭載した車があるコースの世界レコードを書き換えたという話題をご紹介しましょう。

その車とはポルシェが誇る最新のレーシングカー「919ハイブリッド」で、ル・マン24時間耐久レース用に2014年に開発されたレース専用車です。

その車からレース用の性能制限を廃止したのが「919 ハイブリッドEVO」であり、パワーアップ、重量削減、空力改良などを行って最新性能を得ています。

そしてこの車が世界記録を更新したのは、コースレコードの話題が毎年取りざたされるニュルブルクリンク北コースの最速周回タイムです。

この記録はニュルブルクリンクで走ったすべての車の中での最速記録で、これまでは1980年代に開発されたグループCカーであるポルシェ956が記録した6分11秒13が長年破られないままでした。

しかし2018年6月29日に919ハイブリッドEVOが記録したレコードは5分19秒546であり、一気に52秒近く短縮されたことになります。

参考:【快挙】まるで早回し! ポルシェのマシンが超爆速でニュルブルクリンクの最速ラップ記録を更新

その驚異の走りはぜひ参考記事の動画で見ていただきたいのですが、各コーナーからの立ち上がり加速のすさまじさが動画でも見てとれ、恐ろしい速度でコーナーを曲がっているにもかかわらず非常に車は安定しています。

さらにホームストレートでは380km/hにちかいトップスピードを記録しており、この車がどんなエンジンを積んでいるか気になるところでしょう。

この919のエンジンはなんとたった2.0LのV型4気筒エンジンなのですが、その最高出力は720馬力と信じられないほどのパワーを持ち、さらにそこにハイブリッドの大型モーターが発生させる400馬力が組合わさり、システムトータルで1,000馬力を越えるモンスターマシンとなっています。

普通の車ではありえない排気量と出力の関係ですが、レーシング用に専用開発したエンジンというのはこれほどのポテンシャルをもつのです。

ポルシェは残念ながらル・マン24時間耐久レースからは撤退してしまいましたが、残ったこのマシンは今後世界のサーキットを順次回っていく計画のようで、今後もたくさんの記録が生まれそうな予感がしますね。

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この記事を書いた人

佐藤茂道
佐藤茂道
某自動車メーカーのエンジン部門で開発経験あり。子供の頃から車雑誌を切り抜きし、高校ではオートバイ・車にどハマりする。就職する際に、某自動車メーカーを選び、仕事でもプライベートでも車漬けに。今は日産スカイラインR33が愛車。