RX-8はロータリーエンジンを搭載した4人乗りのスポーツカーとして、2003年〜2012年まで販売されていたクルマです。
ロータリーエンジンはマツダ以外で実用化したメーカーがない唯一無二のエンジンで、多くのクルマ好きを虜にしています。
そんなロータリーエンジンを搭載した最後のクルマでもあるRX-8に乗ってみたい人のために、RX-8の維持費についてとことん解説していきます。
RX-8の月、年間の維持費
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RX-8にかかる維持費を各項目細かく分け、それぞれの費用について解説していきます。
RX-8のグレード間の維持費
RX-8に搭載されるエンジンは、グレードにより出力が異なるものの同じ排気量のロータリーエンジン1種類で、車両重量もそれぞれのグレードで大きくかわりなく、グレード間で維持費に差はありません。
ロータリーエンジンとは?仕組みのメリット5つとデメリット6つを解説!ただ、ATモデルは前期が4速ATだったものが後期は6速ATに変更されています。公称燃費は前後期でかわらないのですが、実燃費は改善されています。
月ごとにかかる費用
RX-8を維持するうえで、月ごとにかかる費用をまとめたものが以下の表です。
種類 | 費用 |
駐車場代 | 8,000円 |
燃料代 | 9,485円 |
合計 | 17,485円 |
駐車場代
駐車場代は、全国平均8,000円を設定しています。都市部の場合は数万円単位でもっと高くなり、郊外ではもっと低いこともあります。
場合によっては、月々に占める維持費のなかでもかなり高額となる項目なので、事前に駐車場の空き状況やサイズと合わせて、月額いくらなのか確認しておきましょう。
燃料代
月々500km走行した場合の燃料代を算出しています。RX-8の使用燃料はハイオクです。実際のユーザーの声からとった平均実燃費は7.38km/Lで、燃料代は9,485円です。
ロータリーエンジンは燃費が悪いことで有名で、一般的な乗用車よりも燃料代が高くなることは覚悟しておかなければいけませんね。
RX-8の燃費走行
ふつうのレシプロエンジンと構造そのものが違うRX-8のロータリーエンジンは、その特徴もまた異なります。
例えばエンジンブレーキがかかっている時、レシプロエンジンは○○回転以上(エンジンに負担のかからない程度まで)であれば燃料カットをしますが、ロータリーエンジンは微量な燃料噴射をおこなっていて、完全に燃料カットをしません。
レシプロエンジンとは?種類は?仕組みや構造まですべて解説!RX-8で試行錯誤して燃費を向上させるのは至難の業です。ただひとつ、おすすめの運転方法として紹介したいのが、低いエンジン回転数で走ることを意識しないことです。
ふつうのクルマであれば、エンジン回転が低ければその分イコールで燃料消費も抑えることができます。一方でロータリーエンジンは低回転域が苦手で、具体的には以下のとおりです。
- トルクが低い
- 回転が安定しなくなるので補正がかかり、逆に燃料消費量が増えることがある
- エンジンがカブる原因になる
こうした理由から、エンジン回転数は3,000回転前後を目安にして走るとよいでしょう。
そうすればエンジントラブルの予防にも繋がり、今している運転より燃費が改善する可能性もあるので、試してみる価値はあります。
実際に私の職場の元RX-8乗りの方も、これを意識して運転することで燃費がよくなっていたそうです。
なおロータリーエンジンの燃費については以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
ロータリーエンジンの燃費が悪い理由2つ!改善し向上させる方法あり?!1年ごとにかかる費用
1年間にかかる費用は以下のとおりです。
種類 | 費用(13年未満) | 費用(13年経過) |
自動車税/軽自動車税 | 39,500円 | 45,500円 |
任意保険料 | 84,000円 | 84,000円 |
消耗品代 | 10,000円 | 10,000円 |
合計 | 133,500円 | 139,500円 |
自動車税
自動車税は毎年5月初旬にクルマの所有者の元に納税通知書が届くので、すみやかに納税する必要があります。
ちなみに自動車税を滞納すると、その後に納付するときに延滞金が発生するだけでなく、未納のままだと車検を受けることができないので、払い忘れには注意しましょう。
RX-8の実際の排気量は「654cc×2」の、1,308ccです。しかし、ロータリーエンジンはこの数値を1.5倍にした1,962ccとして自動車税が区分され、39,500円です。
初期型だとすでに新車登録から13年以上経過しているので重課の対象となり、45,500円になります。
任意保険料
スポーツカーの任意保険料は、特に車両保険を付帯した場合、高いイメージがありませんか?
しかし、RX-8は一般的な乗用車とほとんどかわりません。ここでは等級がある程度高くかつ車両保険を付帯している人の一例として、月々7,000円、年間84,000円で設定しています。
保険料は、保険会社とその保険の内容・特約、保険等級によって大きく異なるので、あくまで目安として考えてください。車両保険を付帯しなければ、保険料自体はかなり安く抑えることができます。
消耗品代
ロータリーエンジンはエンジンの特性上、エンジンオイルの消費量がレシプロエンジンより多いです。
しかし乗り方や個体によって差があり、街乗り程度であれば通常のレシプロエンジンと同様のオイル管理でも問題ありません。
私は日常の仕事でRX-8のオイル交換をしますが、レシプロエンジンと同じ基準の5,000kmごとのオイル交換を実施しています。
常識的な範囲のオイル交換スパンでのオイル消費によるトラブルは、整備士歴10年間ですが聞いたことがありません。
よって、サーキット走行をしたり、高頻度で高回転までエンジンを回すなど、よほどハードな使い方をしない限りはそれほど気にすることもないでしょう。
それでも、レシプロエンジンよりシビアなエンジンであることにかわりはありませんので、3,000kmごとにエンジンオイル交換をおこない、2回に1回 オイルフィルターを交換する場合の費用として10,000円を設定しています。
なおロータリーエンジンのオイル交換については以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
ロータリーエンジンのエンジンオイルの交換時期は?おすすめのオイルはこれ!数年ごとにかかる費用
RX-8の2年ごとに実施される車検の費用をまとめました。
種類 | 費用(13年未満) | 費用(13年経過) |
自動車重量税 | 24,600円 | 34,200円 |
自賠責保険料 | 25,830円 | 25,830円 |
車検基本料金 | 50,000円 | 50,000円 |
12ヶ月点検費用 | 15,000円 | 15,000円 |
合計 | 115,430円 | 125,030円 |
自動車重量税
自動車重量税は車検時に納付しなければいけない税金のひとつで、車両重量0.5tごとに区分され税額が決定します。
自動車税と同様に古いクルマは重課され、新車登録から13年経過、18年経過でそれぞれ税額がかわります。
RX-8は1.0t以上1.5t未満の区分です。13年未満であれば24,600円、13年経過で34,200円です。今後、長い目でRX-8の所有を考えている方は18年経過後は37,800円となるので覚えておきましょう。
自賠責保険料
交通事故の被害者を補償する目的で徴収されるのが自賠責保険料です。車検時に、次の車検までの2年間分を支払わなければ車検を受けることができません。
また、毎年1月に保険料の見直しがおこなわれおり、年度がかわる4月より新しい保険料が適用されます。
現在の自賠責保険は25,830円です。2017年度から据え置かれていますが、今後かわる可能性もあります。乗用車(3・5・7ナンバー)は、すべて同じ保険料です。
車検基本料
車検基本料は、車検ごとの24ヶ月法定点検費用と印紙代、車検代行料を足したものとし、RX-8の場合はおおむね50,000円ほどかかります。
ただし、印紙代以外はそれぞれの整備工場によって独自に設定された金額なので、実際の合計金額は車検を受ける工場によって異なります。
12ヶ月点検費用
車検と車検のちょうど間の1年のタイミングに対象の点検が12ヶ月点検です。12ヶ月点検は法定点検ですが、受けないことによる罰則等はありません。
しかし、きちんと12ヶ月点検を受けていることが記録簿で残っていれば、下取りの査定額にわずかながらですが関係してきます。
なにより、安心・安全なカーライフを送るためにも点検を受けることをおすすめします。12ヶ月点検の費用も整備工場ごとに金額が設定されているので、実際の費用は多少前後しますが、おおむね10,000円〜15,000円の間くらいでしょう。
もしRX-8を買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!RX-8の月ごと、年ごとの維持費平均
RX-8の維持費を月ごと、年ごとの表にまとめました。これにより一定期間内における平均的な維持費がわかります。
月ごとの維持費
RX-8を維持するために数年サイクルでかかる費用を、ひと月あたりに換算した表です。
種類 | 費用(13年未満) | 費用(13年超過) |
駐車場代 | 8,000円 | 8,000円 |
燃料代 | 9,485円 | 9,485円 |
自動車税 | 3,292円 | 3,792円 |
任意保険料 | 7,000円 | 7,000円 |
消耗品代 | 833円 | 833円 |
自動車重量税 | 1,025円 | 1,425円 |
自賠責保険料 | 1,076円 | 1,076円 |
車検基本料 | 2,083円 | 2,083円 |
12ヶ月点検費用 | 625円 | 625円 |
合計 | 33,419円 | 34,319円 |
年ごとの維持費
RX-8を維持するために数年サイクルでかかる費用を、1年あたりに換算した表です。
種類 | 費用(13年未満) | 費用(13年超過) |
駐車場代 | 96,000円 | 96,000円 |
燃料代 | 113,820円 | 113,820円 |
自動車税 | 39,500円 | 45,500円 |
任意保険料 | 84,000円 | 84,000円 |
消耗品代 | 10,000円 | 10,000円 |
自動車重量税 | 12,300円 | 17,100円 |
自賠責保険料 | 12,915円 | 12,915円 |
車検基本料 | 25,000円 | 25,000円 |
12ヶ月点検費用 | 7,500円 | 7,500円 |
合計 | 401,035円 | 411,835円 |
そのほかの費用
基本的な維持費に加え、ほかにもRX-8に乗るうえでかかる費用をまとめました。
タイヤ代
タイヤの購入は、クルマを維持する上で大きな出費のひとつです。RX-8には、年式やグレードによって以下の4種類のサイズのタイヤが標準装着されています。
- 225/55R16
- 225/50R17
- 225/45R18
- 225/40R19
後期の19インチ装着のハイグレードモデルは、ローターが大径化されているので16インチは装着不可です。それ以外であれば、基本的に互換性があります。
それぞれのタイヤサイズで交換にかかる費用は以下のとおりです。
タイヤサイズ | 1本あたりのタイヤ代 | タイヤを4本交換した時の合計金額(工賃等含む) |
225/55R16 | 9,500円〜21,000円 | 48,000円〜94,000円 |
225/50R17 | 10,000円〜26,000円 | 50,000円〜114,000円 |
225/45R18 | 7,000円〜32,000円 | 38.000円〜128,000円 |
225/40R19 | 16,000円〜36,000円 | 74,000円〜154,000円 |
おおむね、タイヤサイズが大きくなるごとにタイヤの販売価格帯は高くなります。
RX-8はスポーツ走行をするためにハイグリップタイヤにこだわって乗っている人もいれば、ふつうの街乗りしかしないのでエコタイヤで充分な人もいます。
用途によってタイヤの価格帯も大きくかわってきますが、スポーツ走行向けのハイグリップタイヤは高額になる傾向にあります。
ローン金利
ローンでRX-8を購入した場合は、車両価格に加えて金利がかかります。また、どこから借りるかでも金利は大きくかわるので慎重にローン会社を選びたいところです。
RX-8の中古車相場価格は、およそ10万円〜300万円オーバーのものまで幅広く、平均はおよそ60万円前後です。特に最終型の限定車「スピリットR」が高額です。また、前期と後期で車両価格が大きく異なります。
ここではおよそ60万円のRX-8を諸費用込み70万円でフルローン購入した場合に、3年ローンだといくらくらいの金利を支払うことになるのか計算してみます。
ローンの種類 | 金利 | 金利総額 |
ディーラーローン | 年 5%~7% | 55,280円〜78,104円 |
銀行ローン | 年 2%~4% | 21,800円〜44,012円 |
信販会社 | 年 1.9%~8.4% | 20,684円〜94,340円 |
以上の条件の場合、月々の支払額は20,019円〜22,065円です。支払い総額が新車を買うほど高くない金額で試算したのて、びっくりくるような金利総額ではないかもしれませんが、数万円余分に支払っていることにかわりはありません。
しかし、RX-8の場合は手元に自由に使えるお金(RX-8のメンテナンス費用)を置いておいて、あえてローンを組むのも手です。その理由については後ほど詳しく説明します。
高速料金
高速道路を頻繁に使う場合、維持費に占める高速料金の割合が大きくなるので、どれくらいかかるのか気になりますよね。
高速料金は『150円(基本料金)+24.6円〜39.36円×距離(距離料金)×1.08(消費税)』で求めることが可能です。
また、100kmを超え200kmまでの部分については25%の割引、200kmを超える部分については30%の割引となるように設定します。
一例をあげると、静岡県・御殿場ICから愛知県・豊田東ICまでの208kmの交通料金は、新東名高速道路経由で4,950円です。深夜割引・休日割引が適用されるときのETCでの利用であれば、30%割引され3,470円です。
また、通勤等で頻繁に高速を利用される人はETCマイレージサービスに登録すれば、利用回数に応じた還元率を、割引対象区間の通行料金のうち最大100km相当分に適用する「平日朝夕割引」というサービスがあります。
修理代・部品交換代
消耗品にかかる費用の一例を表にまとめました。
費用項目 | 費用(部品代+工賃) | 交換推奨目安距離 |
エアエレメント | 3,000円~ | 40,000km~ |
ブレーキパッド | 20,000円~ | 60,000km~ |
バッテリー | 16,000円〜 | 3年~ |
ドライブベルト | 10,000円~ | 60,000km~ |
スパークプラグ | 10,000円~ | 40,000km |
ブレーキフルード | 5,000円~ | 2年ごと |
ワイパーゴム | 2,000円~ | 1年ごと |
エアコンフィルター | 2,500円~ | 1年または20,000kmごと |
それぞれ使用環境により交換時期は前後しますが、おおむね書いてある距離・年数を目安にしていただければと思います。
RX-8の消耗部品の中で注意の必要なものが、スパークプラグです。長寿命のイリジウムタイプが使われていますが、ロータリーエンジンの性質上、レシプロエンジンの半分以下の寿命と考えておきましょう。
それ以外に特別な消耗部品はありませんが、RX-8に限らずどのような部品も純正部品は高額な傾向にあり、サードパーティ製の安い部品はいくらでも出回っていて、上記の表に挙げた費用より大幅に安く済む場合ももちろんあります。
しかし、あまりに安い部品や、あまり耳にしないメーカーのものは後々のトラブルに繋がる恐れもあるので注意しましょう。
なおRX-8の故障・修理については以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
RX-8は故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説!RX-8の維持費に関する注意点
RX-8を維持する上での特別な注意点をまとめました。
10万kmオーバーはエンジン載せ替え(オーバーホール)も視野に
ロータリーエンジンはレシプロエンジンよりも健康寿命が短いです。もちろん、使用環境やメンテナンス状況によりますが10万km前後〜を目安に、エンジンの載せ替え、またはオーバーホールをおすすめされる場合があります。
エンジンの掛かりが悪かったり、パワーが落ちたような気がするといった場合に、最終的に行き着くのはエンジンです。
判断基準はエンジンの圧縮比で、点検のうえで基準値を下回るような圧縮比の場合はエンジンの載せ替えをしたほうが良いでしょう。
必要となる費用は100万円前後です。費用はまず以下の最終的に載せるエンジンの種類によって異なります。
- 新品エンジン
- 今クルマに載ってるエンジンをオーバーホール
- オーバーホール済みの中古エンジン「リビルトエンジン」
リビルトエンジンがもっとも費用を抑えることができます。また、作業工賃はディーラーやロータリーに精通したショップによって異なってきます。
ロータリーエンジンは新品でも部品の個体差が大きいことから、ロータリーに精通したショップであれば、細かくこだわりバランス取りまですることがあり、その際は費用が高くなる傾向にあります。
実は意外にもディーラーで作業するのがもっとも安く済むことが多く、7〜80万円くらいに費用を抑えることができたという報告もあります。
しかし、エンジン載せ替えに際して経過年数による付随のエンジンの補機類や、樹脂・ゴム部品などが劣化していることが考えられます。
再使用できるものもあれば、交換の必要が出てくる箇所も当然ながら出てきます。
そのようなところも、どこまでリフレッシュするかで必要となる費用は数万円単位でかわってくるでしょう。
なおオーバーホールについては以下の記事で詳しく解説しているので、詳細まで知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
ロータリーエンジンのオーバーホールの費用!時期はいつがベスト?!エンジン圧縮点検
RX-8乗りの人のなかには、エンジンの健康状態を把握するためにも定期的に圧縮比の点検をおこなう人もいます。
また、先ほど解説したようにエンジンに違和感を感じたり、走行距離が増えてきた場合には一度、エンジンの圧縮点検をしてみたほうが良いでしょう。
ロータリーエンジンの圧縮比の測定は、専用の特殊な機械が必要です。費用は3,000円〜です。
前期モデルは対策品のセルモーターに交換したほうが良い
RX-8のトラブルで多いのが、冬場の寒い時期にエンジン始動不良に陥ってしまうことです。
主な原因として、セルモーターの力が弱くエンジンが掛かりきらないうちに、スパークプラグが燃料でカブってしまうことが挙げられます。
後期モデルは高回転型の対策品に変更されているので、注意するべきは前期モデルです。交換費用は部品代と工賃合わせて35,000円前後です。
すでに対策品に交換済みのものも少なくないので、自分のクルマにはどちらのタイプがついているのか、マツダのディーラーやロータリーに精通した専門店で確認してもらうことも可能です。
中古のRX-8を買う際の注意点
中古のRX-8を買うときの注意点を以下にまとめました。
注意点 | 理由 |
エンジンの圧縮比は限度値以上か | エンジンの載せ替えはかなり高額な出費となるため。 |
セルモーターは対策品に交換されているか(前期モデルのみ) | セルモーターの力が弱く、冬場にかぶってエンジンが始動不良になる恐れがあるため。 |
イグニッションコイルは交換された履歴があるか(4つ) | エンジンルーム内の熱害によりイグニッションコイルがダメになり、エンジンチェックランプが点灯する。 |
ラジエターの交換歴はあるか | エンジンルーム内の熱により、サブタンクと繋がっているアッパータンク上部のジョイントパイプが硬化し劣化→冷却水漏れの原因となるため。 |
各ソレノイドバルブの交換歴はあるか | エンジンルーム内の熱害により、ソレノイドバルブが影響を受け正常に作動しなくなることがあり、エンジンチェックランプ点灯。本来のエンジンパフォーマンスを発揮できない。 |
エンジンマウントの交換歴はあるか | エンジンマウントがヘタると、エンジン振動が車内に伝わるので不快感を感じるため。 |
購入後、チョイ乗りが多い使いかたではないか | チョイ乗りが多い場合は燃料の濃い状態ばかりでの走行となり、エンジンルーム内がガソリンで湿気やすく、かぶってエンジン始動不良の原因となる。 |
購入後、たまにしか乗らないような使いかたではないか | たまにしか乗らないことでバッテリーが放電してしまい、エンジンを掛ける力が足りずに始動しきれない→エンジンがかぶって始動不良となる可能性がある。 |
それぞれ挙げた部品はRX-8でよくトラブルのある箇所です。調べて分かるようであれば可能な限り調べてもらい、きちんと整備・メンテナンスされてきた車両かどうか確認しましょう。
それぞれ修理・部品交換には数万円の費用が掛かってしまうので、クルマの購入後に立て続けに不意のメンテナンスにお金が必要となるのは避けたいところです。
特にエンジンの圧縮比に関しては、契約前に工賃を支払ってでも見てもらうほうが、後々のトラブルの元にならないためには必要と考えます。
もしRX-8を買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!RX-8の維持費をほかの車と比較
一般的なレシプロエンジン以上に、メンテナンスには気を遣うロータリーエンジン搭載のRX-8ですが、一般的に必要となる維持費自体はほかのクルマと比べてどうなのでしょうか。
同じマツダを代表するスポーツカーの「ロードスター」から、 RX-8と時期を同じく販売されていた3代目のNC型、現行型のスポーツカーのトヨタ「86」、一般的なコンパクトカーとして同じマツダの現行型デミオの3車種と維持費を比較します。
マツダ ロードスター(NC型)の維持費
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ロードスター(NC型)の維持費は以下のとおりです。
維持費 一覧 | 費用(13年未満) | 費用(13年超過) |
駐車場代 | 96,000円 | 96,000円 |
燃料代 | 72,539円 | 72,539円 |
自動車税 | 39,500円 | 45,500円 |
任意保険料 | 72,000円 | 72,000円 |
消耗品代 | 6,000円 | 6,000円 |
自動車重量税 | 12,300円 | 17,100円 |
自賠責保険料 | 12,915円 | 12,915円 |
車検基本料 | 25,000円 | 25,000円 |
12ヶ月点検費用 | 6,500円 | 6,500円 |
合計 | 342,754円 | 353,054円 |
ロードスター(NC型)も年式によっては新車登録から13年を超え、自動車税と自動車重量税が重課されます。それぞれの税額区分はRX-8と同じです。
法定点検費用は、RX-8より料金区分が1つ下になるので少し安いです。また、スポーツカーの中でも保険料率が低いロードスターは保険料も安く済みます。
RX-8の維持費と比べてもっとも大きくかわるのは燃料代です。同じハイオクガソリン仕様ですが、燃費が11.58km/Lで RX-8よりもかなり優れているので、年間6,000km走行の場合で41,281円もの燃料代の差があります。
かなり大きな差ですね。また、ロードスター特有の維持費の注意点として、ソフトトップモデルの場合は幌の傷みによっては、雨漏れの原因にもなり交換の必要が出てくる場合があります。
これは、青空駐車か屋根付きかなど保管状況によってかなり大きく異なってきますが、NA型〜NB型よりもかなり寿命も長くなっているので、購入時に特に問題なければ心配ないかもしれません。交換が必要な場合は、15万円〜ほどで交換できます。
なおロードスターについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
ロードスターの加速性能を解説!0-100km/h加速タイムはどのくらい?ロードスターを買って後悔している人はいるか?実態を調査してみた!トヨタ 86の維持費
86の維持費は以下のとおりです。
維持費 一覧 | 費用 |
駐車場代 | 96,000円 |
燃料代 | 73,043円 |
自動車税/軽自動車税 | 39,500円 |
任意保険料 | 108,000円 |
消耗品代 | 6,000円 |
自動車重量税 | 12,300円 |
自賠責保険料 | 12,915円 |
車検基本料 | 25,000円 |
12ヶ月点検費用 | 6,500円 |
合計 | 379,258円 |
燃費はロードスター(NC型)と同じくらいで、 ハイオクを使うので燃料代も同じくらいです。また、86はロードスター(NC型)とは一転、保険料率が高いので保険料も高く、そのぶん維持費が少し高いです。
それでも、水平対向エンジンを搭載しているとは言え、スタンダードなFRスポーツカーである86の維持費はRX-8よりも安いです。
まだ比較的新しいクルマなので、初期モデルを中古で購入しても、自動車税・自動車重量税が重課されるのはまだ先です。
中古でスポーツカーを探していて、購入後の維持費を抑えたいのであれば、
- ロータリーエンジンにこだわりがある
- スポーツカーにも大人4人がふつうに乗れる余裕を求める
以上の条件に当てはまらない場合は、86の購入を前向きに検討してみてはいかがでしょう。
なお86については以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
86の辛口レビュー/評価!欠点/短所と魅力/長所をすべて暴露!トヨタ86(ハチロク)の試乗レビュー・感想!乗り心地はいかに?!マツダ デミオの維持費
デミオの維持費は以下のとおりです。
維持費 一覧 | 費用 (ディーゼル) | 費用 (ガソリン) |
駐車場代 | 96,000円 | 96,000円 |
燃料代 | 35,139円 | 46,595円 |
自動車税 | 34,500円 | 34,500円 |
任意保険料 | 84,000円 | 84,000円 |
消耗品代 | 6,000円 | 6,000円 |
自動車重量税 | 7,500円 | 12,300円 |
自賠責保険料 | 12,915円 | 12,915円 |
車検基本料 | 25,000円 | 25,000円 |
12ヶ月点検費用 | 5,500円 | 5,500円 |
合計 | 306,554円 | 322,810円 |
デミオとRX-8の維持費を比べると、ディーゼルモデルだと年間で10万円以上もの差があります。
特に燃料代の差は大きく、ディーゼルモデルはRX-8の1/3の燃料代で、ガソリンモデルも半分以下の燃料代です。実燃費はディーゼルモデルが20.49km/L、ガソリンモデルが16.74km/Lです。
こうして経済的なコンパクトカーと比べると、 RX-8の維持費が高いことがよくわかりますね。
なおデミオについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
デミオの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!デミオの燃費は悪い?街乗りや高速の実燃費は?改善し向上させる方法まで解説!RX-8は燃料代が高く、過走行車は修理代が高額になるので要注意
RX-8は今は中古でしか手に入れることのできないクルマです。
前期モデルは走行距離の多い個体が多く、購入後にここで解説してきたようなトラブルを抱えるおそれがあります。最悪の場合、エンジンの載せ替えが必要となれば100万円は見ておかなければいけません。
後期モデルの走行距離の少ない中古車であれば、ロータリーエンジンの「燃費が悪いこと」さえ気にならなければ、ふつうに維持していくことはできます。
ただ、状態の良い中古車は値段が高いので、エンジンを載せ替えることを前提に数十万円の安い中古車を買った方がトータルコストを抑えることができることもあります。
ロータリーエンジンのクルマは、マツダのみが量産に成功した唯一無二の存在であり、RX-8は現時点でロータリーエンジンを搭載した最後のクルマです。
RX-8の購入を検討しているのであれば、そんなロータリーエンジンの特性を十分に理解しておく必要があります。
エンジンの寿命がきた時に潔く乗り換えるのか、決して安くはない修理費用をかけてでも乗り続けるのか、購入前にある程度自分自身の中で決めておくことをおすすめします。
なおRX-8については以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
RX-8の加速性能を解説!0-100km/h加速タイムはどのくらい?RX-8は雪道に弱い?雪道走行の性能について分析してみました!