現行モデルのロードスターって、すごくカッコいいですよね?
「色味」「デザイン」「スペック」…etc
もう、すべてにおいて完璧。 歴代のロードスターのなかでも最高傑作じゃないかと、私は思っています。
そこで気になったのが、「ロードスターを買って、後悔している人はいるのか?」ということ。
満足している人はいくらでも見たことがありますが、後悔している人はまだ見たことがありません。
というわけで今回は、Twitterを介してオーナーの賛否を集めてみました。
それぞれ目を通してみたら、ロードスターの「弱み」と「強み」が見えてきたので、その点についても解説したいと思います。
ロードスターを買って後悔している人
Twitterで調査してみたところ、やはり「買って後悔している人」はほとんどいませんでした。
後悔している人は「上級グレードにすればよかった…」といった理由ばかりです。
ロードスターの弱点は購入する前から見当がつきますから、大きく期待を裏切られることがないのでしょう。
そこで、「つい、ボヤいてしまった人」のツイートを参考にしながら、ロードスターの弱点について解説をしていきたいと思います。
収納力の低さが最大の弱点
ご察しとは思いますが、ロードスター最大の弱点は「収納力の低さ」です。
ボディが非常にコンパクトなため、収納に使えるスペースが少なく、簡単な物しか積むことができません。
インテリア、トランクともに「使いにくい」という声が寄せられているので、どういった点に問題があるのか解説しましょう。
前に収納スペースがない
普通なら助手席側ダッシュボード下には「グローブボックス」が備え付けられており、車検証などを保管しますよね?
ところが、なんと現行型ロードスターにはグローブックスが存在しません。
その理由は「縮小された全長」にあります。先代モデルと比較してみると、ボディサイズがこのように変更されました。
- 全長:4,020mm → 3,915mm(-105mm)
- 全幅:1,720mm → 1,735mm(+15cm)
- 全高:1,245mm → 1,235mm(-10cm)
- ホイールベース:2,330mm → 2,310mm(-20mm)
全長が10cm削られ、全幅が15cm増えていますね。サイズが最適化され、先代よりも取り回しやすくなりました。
一方で、室内の寸法は以下のようになっています。
- 室内長:875mm → 940mm(+65mm)
- 室内幅:1,415mm → 1,425mm(+10mm)
- 室内高:1,045mm → 1,055mm(+10mm)
なんと室内長は6cm長くなっているのです。これにより、わずかですが居住空間が広くなっています。
しかし裏を返すと、これは収納スペースが削られていることに他なりません。なにせ、ボディは小さく、室内は広くなっているわけですからね…。
グローブボックス以外に、ドア部のドリンクホルダーがカットされています。センターコンソールの小物入れも狭くなり、今や申し訳程度のスペースしかありません。
後ろの収納スペースは使いにくい
ロードスターはグローブボックスないから車検証とかは助手席と運転席の背中にある収納ボックスに入れないといけない…。 pic.twitter.com/CdXhFf1lVP
— とっしー。 (@gfruit25N) 2017年5月15日
「じゃあ、どこに収納できるの?」という話ですが、これに対する回答は「シートより後ろ」です。
センターコンソールの後ろにドリンクホルダーが設置されており、すぐ上に鍵付きの小さな収納があります。左右シートの背面にも収納スペースがあり、車検証や取扱説明書などはここに収納します。
つまり、ドライビングポジションよりも後ろに収納が集中しているので、運転中はまず使用できないということ。ドリンクホルダーが左肘の後ろにあるので、水分補給はとくにやっかいです…。
庄司憲正(著者)
私が以前フェアレディZ(Z33)に乗っていたのですが、似たような収納だったので苦労した記憶があります…。ドライブ中はぺットボトルを助手席に放り投げていましたね(笑)
トランクの収納力
ワイ、家電屋にて後悔なう。
_人人人人人人人人人_
> ロードスターの限界 <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄※一旦帰宅し、軽トラにて輸送す pic.twitter.com/SRH9AcRlr2
— 妄想敷布団☆三部上場 (@masahiko3y) 2016年11月10日
ロードスターは室内の収納が狭いため、ちょっとしたものでもトランクに積む必要があります。
気になるラゲッジスペースですが、現行モデルは130Lという数字です。先代モデルが150Lだったので、20Lも減っていることになります。
この差は大きいですね。しかも開口部が狭いため、ある程度の大きさの電化製品は、まず積めません。
ルーフをとれば、室内に物を積むことはできますが、あくまでも最終手段のように考えておくべきです。
このようにロードスターは収納性がいまいちなので、例えば家族4人で行くようなキャンプにはあまり向いていません。キャンプへの適性については以下の記事で詳しく解説しているので、あわせて参考にしてみてください。

インテリアが美しすぎるゆえに?
ここ最近のマツダはデザイン性が高く評価されており、インテリアも非常におしゃれ。そのなかでも、ロードスターのインテリアは完成度が高く、欧州車のような雰囲気に仕上げられています。
それゆえに、困った部分もあるのです。
ロードスターRF VS の内装。収納があまりないので スマホスタンドとか 小さなダストboxとか考えたのですが、NAからのオーナーの方々の意見採用(ドリンクホルダー等)やデザインの良さから 余計なものはつけないのが美であると思い ドノーマルです。きあさんの写真マネました。 pic.twitter.com/5i48cxMHgx
— とっシー (@numasonic) 2018年1月13日
こちらの方のツイートがすべてを物語っていますね。ようするに、カーアクセサリーを設置すると、美観が崩れてしまうのです。
収納力が弱いから、スマホスタンドやドリンクホルダーで補強したいところですが、量販店に売っているような物だと、なんか合わないんですよね…。
「たとえば、BMWの現行『5シリーズ セダン』に、量販店のドリンクホルダーが設置されているのはあまり見かけませんよね?」
もちろん設置するのは個人の自由ですし、取り付けている人も一定数いると思います。ただ、安い作りの物だと「美観を損なう可能性」が極めて高いのです。
実用性は望めない
これ廃車になったやつです^^^
新しく買い直した 新型のロードスターホントは上の古い方が好き
オープンはいいぞ
ロードスター、S200、660、SLK230に乗ってたけど気分はいい
ただし2シーターだから2人のみ
しかも荷物全然乗らんし まじで浪漫以外のなにものでもない pic.twitter.com/8YqfG8U8O6— きーらく (@kiraku_Advanced) 2018年6月25日
ということで、小型2シーターのロードスターは実用性が低いのです。こちらのツイートで語られているとおり、ロマン以外のなにものでもありません。
収納だけでなく人も乗せられないので、本当に「趣味の車」といった感じです。
室内が広くなったとはいっても、175cm以上の人なら手狭に感じることは間違いありません。リクライニングもほとんどできませんしね。
あとは細かい点ではありますが、雨漏りすることも後悔した点として挙げられていました。このことについては以下の記事で詳しく解説しています。

もしロードスターを買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。
ロードスターを買って後悔していない人・満足している人
それでは、「後悔していない人」「満足している人」の感想を参考にしながら、「ロードスターの強み」について解説してきたいと思います。
満足している人が多かったので苦労しましたが、気になったツイートを厳選しました。とくと、ご覧ください。
“走る歓び”を満喫できる
「走る歓び」というのは、ロードスターの開発コンセプトのひとつです。
進化した「SKYACTIV – G 1.5」 による軽やかなレスポンスは、ロードスター最大の魅力ともいえるでしょう。
※SKYACTIVについては、以下の記事で詳しく解説しています。興味のある方はこちらも参考にしてみてください。

抜群の回転フィーリング
あーもうやだ仕事行きたくねー!と心が駄々をこねる朝は、ロードスターで出勤することにしている。
職場までの道のりが楽しくなるから神。ただし職場についた途端、早く帰りたい病を発症するのがダメな感じなんである。
#RF氏がカッコよすぎて辛いので気が済むまで写真を貼る時々デミオ氏 pic.twitter.com/GfCg4TIA8L
— りくんげ (@rikunge) 2018年6月13日
ネガティブな気持ちで職場に向かう朝も、ロードスターで通勤すれば楽しい時間に早変わり。
1.5Lの通常モデルと2.0LのRFが用意されているロードスターですが、NA(自然吸気)ならではのスムーズな吹け上がりが最高に気持ちいいです。(NAエンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。)

アクセルを踏み込んだ瞬間、力強くトルクが発揮され、そのまま上まで到達する回転フィーリングは、他の車ではなかなか味わえません。
MTモデルなら、とくにレスポンスの鋭さがよくわかります。ブリッピング(煽り)が楽なので、シフトダウンが気持ちよくキマりますよ。
FRスポーツならではの加速感
もちろん、ただフィーリングが優れているわけではなく、実際の加速性能も高いです。
2.0Lモデルのみのラインナップということで、先代モデルはかなりスポーツ色の強いモデルでした。
それに比べると、現行モデルはややソフトな印象ではありますが、走行性能は劣っていません。
型式 | 現行モデル (4代目 ND型) | 先代モデル (3代目 NC型) |
エンジン型式 | PE-VPR型 P5-VP型 | LF-VE型 |
最高出力 | 158ps/6,000rpm 131ps/7,000rpm | 170ps/7,000rpm |
最大トルク | 20.4kg・m/4,600rpm 15.3kg・m/4,800rpm | 19.3kg・m/5,000rpm |
総排気量 | 1,997cc 1,496cc | 1,998cc |
燃料タンク容量 | 45L 40L | 50L |
使用燃料 | ハイオク | |
燃費 | 15.6km/L 17.2km/L | 12.6km/L |
※使用燃料の詳細は以下の記事をご参照ください。

こちらは、現行モデルと先代モデルのエンジン性能の対比表です。スポーツ色の強いモデルだけあり、現行モデルよりも出力は高いですね。
ただし、トルクは現行モデルの方が優れており、なおかつ低速域で発揮される仕様なので、加速感は高いです。
燃費も大幅に向上しており、歴代モデルでもダントツの性能を誇ります。さらに、現行モデルはエンジンだけではなく、機構のあらゆる点が改良されているのです。
動力伝達部には、スチール製の「鍛造クランクシャフト」や「軽量フライホイール(MT)」を採用。加えて、サスペンションの配置が最適化されているので、路面をガッチリとらえて加速します。
コーナーの立ち上がりなど、FRスポーツの醍醐味を肌で感じることができますよ。
なおロードスターの加速性能については、以下の記事で詳しく解説しています。詳細まで知りたい方はこちらも参考にしてみてください。

“人馬一体”のコントロール感に満足
「人馬一体の走り」というのも、最近のマツダがこだわっているポイントですね。
車との一体感を感じる瞬間は、ドライバーにとって至福のひと時。意のままにコントロールできるように、ロードスターは細部までこだわりが施されています。
吸いつくようなコーナーリング
NDロードスター 新型ロードスター 試乗して来ました シフトもステアリングも 動かすのが ホント楽しいです pic.twitter.com/P0stGENBmz
— 龍二 (@72ryuzi) 2015年5月16日
エンジンをフロントミッドシップに搭載することで、前後の重量配分を限りなく50:50に近づけています。これによって、コーナリング性能が格段に向上しました。
電動パワーステアリングにも工夫が施されており、戻り側の反力を抑え込むようになっています。これは、狙ったラインを正確に走れるようにするためです。
「このような細部の作り込みによって、FRならではの『自然な旋回感覚』を、より強く感じ取れる一台に進化しました!」
気持ちいいシフト操作
現行モデルはATとMTが5:5の割合で購入されているといいます。MTに乗る人が半数でもいるのは、車好きにとってはうれしいことです。
このMTモデルなのですが、「シフトの感触がいい」と評判なのです。
トランスミッションには、「軽い操作感」「吸い込み感」を重視した「SKYACTIV – MT」を採用。手元だけで扱える「ショートストローク」に設計されているので、吸い込まれるようにスコスコとギアが入ります。
ブリッピングの軽やかさも合わさって、シフトチェンジが気持ちよく行えますよ。 最高に楽しい運転ができます。
ロードスターの楽しさについては、以下の記事でもさらに掘り下げています。興味のある方は、こちらもあわせてご参照ください。

優雅なサウンドと乗り心地
ロードスターLOVE
本当に運転していて楽しい車
ふわふわした乗り心地で
風の巻き込みもほぼなく
優雅にオープンカー満喫できる✨日本車のコスパ高い! pic.twitter.com/KD2TeQRd8d
— おつぽん(´-`)車系YouTuber (@otupon1) 2017年10月9日
適度な「音」も、ドライバーの気持ちを盛り上げる重要なファクターですよね。
基本的なアイドリングは非常に静かですが、アクセルをグッと踏み込むと、綺麗な高音を奏でます。
静粛性にも優れているので、不要な音は除去し、エンジンサウンドだけを静かに響かせるので、優雅なドライブを演出。
静粛性の秘密は、「高められたボディ剛性」に秘密があります。基本フレームをできるだけ直線に設計し、ボディ全体で負荷を受けるように組み合わせる「SKYACTIV – BODY」を採用。
さらに「高張力鋼板」「超高張力鋼板」「アルミ板」を使用することで、「軽量性」と「高剛性」の両立を実現しました。
これは音だけではなく、振動の除去にも効果があるので、乗り心地も向上させています。
欧州を意識した“魂動”デザインが秀逸
本日、納車しました。
マツダ・ロードスターRFの最上位グレードRS、ブレンボ対向キャリパーとBBSホイールのオプション装着車です!!(*´꒳`*)
前の車よりかなり落ち着いた車ですが、このデザインはカッコいいです…
これからも何卒よろしくお願い致します! pic.twitter.com/RDmeDOhbEh— かにぱすた (@K_Pst) 2017年4月8日
マツダの魅力といえば、「優れたデザイン性」も忘れてはいけませんね。
現行モデルはボディが短くなったものの、車幅が広がって、重心もやや下がったので、全体的には「ロー&ワイド」なシルエットになりました。
フロントバンパーをはじめ、ボリューム感のあるデザインに仕上げられているので、コンパクトながらドッシリとした印象。
今までの「小さくて薄いデザイン」は賛否ありましたが、現行モデルは好評が目立っていますね。
「釣り目のヘッドランプ」「大口径のグリル」「流れるようなシルエット」…このすべてがハマッていると思います。
なおロードスターのデザインの素晴らしさについては、以下の記事で詳しく解説しています。こちらもあわせて参考にしてみてください。

ロードスターはデザイン・走行性能が良く買いの車
さて、オーナーの「生の声」を調査しつつ、ロードスターの実態を解説してまいりました。
ライフスタイルにもよりますが、これは「買い」でしょう。「デザイン性」や「走行性能」については文句なしです。
弱点である「収納力」ですが、クーペを選択肢に入れる時点で、重要視していないですもんね。
それよりも、私がクーペで一番懸念している点は「視認性」です。
以前、フェアレディZに乗っていたときは、「ノーズの長さ」「視点の低さ」「車幅感覚」には慣れたものの、「後方視界」に苦しめられました。クーペって後ろが見辛いんですよね…。
これは「大きなボディ」と「死角が多いデザイン」による影響が大きかったです。その点ロードスターは小柄なボディなので、さほど気にならないはず。
以上のことから、クーペスタイルに憧れているのなら、ロードスターはかなりいい選択だと思いますよ。
同じクーペスタイルの86については試乗レポートもございますので、興味のある方はこちらも参考にしてみてください。

