「トヨタの86って、乗り心地はどんな感じ? 走行性能とか車内の広さは?」
「86を買おうか迷ってるんだけど、実際に乗ったひとの意見が聞きたい!」
車を購入するかどうか決めるときに、すでにその車に乗っているひとの意見を参考にしたいですよね。
そこで、トヨタ・86(AT)の試乗をしてきました。
実際に乗ってみた感想から、86の乗り心地や走行性能について、写真つきでわかりやすく解説します。
なお試乗は「メガウェブ」というトヨタの大型ショールームにて行いました。詳細は以下の記事で解説しているので、トヨタ車を試乗したい方や展示を見たい方はこちらも参考にしてみてください。
メガウェブライドワンの試乗レポート!駐車場や料金を調査してきました!86の乗り心地
それではさっそく、86の車内空間について解説していきます。
運転席は狭い
まずは運転席に乗ってみます。
車高がかなり低いので、身長177cmの私だとかなり身体を折り曲げて乗らないといけません。
運転席のシートの位置をいちばん後ろまで下げている状態ですが、ヒザが前にぶつかって、足元は狭く感じます。
ドアを閉めると、右腕からドアまでの距離がかなり近いです。
天井も低いので、運転席の前後左右上下から包み込まれるような圧迫感があります。
センターコンソール(運転席と助手席を隔てる部分)の位置が高く、左脚に圧迫感があります。
フロントガラス越しに見える視界も狭いです。車高の低さの影響がここにも出ています。
ハンドルにつかわれているレザーはつるつるで、にぎってみた印象は「固い」です。
内側を縫いとめている糸が荒い感触で、スポーティな86のイメージにしっくりきます。
触ってみるとすぐにわかりますが、ほかのトヨタ車とはまったく違う、好き嫌いの大きく分かれそうなハンドルです。
なお86の内装については、以下の記事で詳しく解説しています。興味のある方はこちらもあわせてご参照ください。
【画像/写真】トヨタ86の内装/インテリア!運転席周りや後部座席から荷室/トランクまで紹介!後部座席は成人男性は乗っていられないほど狭い
つぎは後部座席に乗ってみます。86は前の席にしかドアがないので、後部座席に乗るためには運転席か助手席をたおして、すき間から乗り込まなければいけません。
まず、運転席を前に動かします。
すき間から脚を入れて後部座席へ。天井が低いので頭をぶつけないように気を付けます。
すわったら、乗るときにたおした運転席のシートを引っ張って起こします。
着席完了。後部座席に乗るのはけっこう大変です。
最後の写真を見ると、それほど狭いようには見えないかもしれませんが、これは運転席をいちばん前の位置で固定した状態です。
この状態では運転席にだれもすわれないので、86でドライブするためには、前のシートをここからさらにグッと後ろに下げる必要があります。
身長177cmの私が後部座席にすわっていると、これ以上は下げられず、車を動かすことはできません。
86は4人乗りの車ですが、ほんとうに大人4人で乗ろうと思ったら、前の席のひとか後ろの席のひとのどちらかが相当ガマンする必要があります。
車体の大きさ
86の車体の大きさは、以下のようになっています。
- 全長4,240mm
- 全幅1,775mm
- 全高1,320mm
それほど大きいほうの車ではなく、試乗で急カーブやクランクを走行しても、こすりそうになった場面は一度もありませんでした。
さきほど車内空間について「狭い」と書きましたが、そのぶん車体が小さいというメリットがあり、車が通ってはいけないような極端に狭い道じゃなければふつうに通れます。
もし86の購入を考えているなら、値引き交渉の正しいやり方を覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!走ってて疲れる…。86(AT)に乗った感想
それでは、86(AT)に試乗した感想を解説していきます。
(※さきほどとボディーカラーが違いますが、同じ86です)
ブレーキをかけると「キーッ」という金属音が鳴る
86の試乗でいちばん印象にのこっているのは、ブレーキをかけると「キーッ」というかん高い金属音が鳴ることです。
これが私的にはかなり不快で、ブレーキを1回踏むたびに疲労度がどんどん増していきました。
故障してるのかな? と思って係員に聞いてみると、「86はこういう仕様になっていて、整備ではどうしようもない部分なんです」とのこと。
「キーッ」という金属音が鳴るのは、むしろ効きの良いブレーキパッドをつかっている証拠で、良いブレーキパッドはみんなこういう音がするものなんだそうです。
たしかに86は高速走行を楽しむ車なので、必要なことなのかもしれませんが、この音はもう少しどうにかならないのかな、と思いました。
地面に段差があるとガックンガックン揺れる
86に乗っていてもうひとつ印象にのこったのは、地面から伝わってくる振動です。
ほかの車で通ってもなんとも思わなかったデコボコ道を通ると、ガックンガックン揺れて、道の悪さが運転席にダイレクトに伝わってきます。
静粛性や快適な乗り心地とは正反対の、なんだか一生懸命運転しなければいけない車でした。
「走りを楽しむ車」というより、「走ってて疲れる車」だと私は思ってしまいました。
試乗はたった15分程度でしたが、長時間乗ったら酔ってしまいそうです。
加速はダントツで良い
86のウリである加速はものすごく良く、ちょっとアクセルを踏んだだけであっという間に40km/hを超えます。
試乗した道の制限速度が40km/hだったので、大幅に超えないようにするのにかなり気を使いました。
私のレビューではここまでマイナス面ばかりが目立っていましたが、さすがメインの部分はほかの車種とくらべてダントツに良いです。
なお86のエンジンは水平対向4気筒直噴DOHCエンジンです。エンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。
水平対向4気筒エンジンの特徴!どんな音?搭載車を日本車/外車の車種からそれぞれ紹介!直噴エンジンとは?メリット3つとデメリット4つ!不具合と耐久性が欠点?!ステアリングは軽い
86のステアリングは、軽いです。
ステアリングも加速と同様、高速走行をする際に大きく関わってくる86のメインの部分なので、しっかりしています。
ハンドルを切ると自然に曲がっていきます。
視界の狭さは走ってみると気にならない
さきほど車内空間の解説で、「フロントガラス越しに見える視界が狭い」と書きましたが、実際に走行してみると視界の狭さは気になりませんでした。
86については以下の記事でも批評しているので、もっと詳しく知りたい方はこちらもあわせてご参照ください。
86の辛口レビュー/評価!欠点/短所と魅力/長所をすべて暴露!86の価格は、金属音や振動を醍醐味だと思えるなら妥当
さて、86は価格に見合った車なんでしょうか? それぞれのグレードの価格は下の表のようになっています。
車種 | グレード | 価格 |
86(AT) | GT ”Limited・ Black Package” | 3,423,600円 |
GT ”Limited” | 3,250,800円 | |
GT | 3,048,840円 | |
G | 2,647,080円 | |
86(MT) | GT ”Limited・ Black Package” | 3,356,640円 |
GT”Limited” | 3,183,840円 | |
GT | 2,981,880円 | |
G | 2,623,320円 | |
GR | 4,968,000円 |
GR以外のそれぞれのグレードにAT車とMT車が用意されており、私が今回試乗したのはAT車のGT”Limited”です。
AT車のGT”Limited”は3,250,800円ですが、乗ってみた印象としてはこの価格は高いと思います。
ただ、高い安いという問題以前に私の場合は車自体を気に入っておらず、たとえこれが半額であっても買うことはないので、価格について私がどうこういってもあまり意味はないかもしれません。
「あの振動や効きの良いブレーキパッドこそが86の醍醐味だ」と思えるひとにとっては、この価格をはらってでも買う価値のある、素晴らしい車です。
試乗しないで購入してからあの金属音を聞いて、購入を後悔しているひともネット上では見られたので、自分が平気かどうか乗ってみてから購入することをおすすめします。
ここまで書いてきましたが、86は好き嫌いが大きく分かれる車だな、と乗ってみて感じました。確かにかっこいい車ではあるので、86の方向性が自分に合っているかどうか、購入前に試乗してみてくださいね。
なお試乗記事はほかにもございますので、興味のある方はこちらもご参照いただき購入の参考にしてみてください。
クラウンアスリートの試乗レビュー!乗り心地の感想・インプレッション!レクサスLSの試乗レビュー!乗り心地の感想・インプレッション!