優雅なエクステリアと国産車とは一味違うパワートレインを持つデミオ。
小柄なボディでありながらも使いやすく設計された運転席や躍動的なエクステリアを表現しており、非常に魅惑的な特徴の多い車です。
そんなデミオですが、燃費は良いのでしょうか。
走り方によってどう変わるのでしょうか。
ここではデミオの燃費について解説していきます。
デミオの燃費・実燃費
まずはデミオのカタログ燃費と実燃費の差をチェックしていきます。
デミオはガソリンモデルがWLTCモード燃費、ディーゼルモデルがJC08モード燃費が採用されています。実燃費はカタログ値のおおよそ6割から7割と言われていますが、それぞれの数値を検証していきます。
ガソリンモデルの燃費・実燃費
1.5Lガソリンモデルはカタログ値で19.0km/Lです。では実燃費はどんな数値になるのでしょうか。
燃費の種類 | 数値 |
カタログ燃費 | 19.0km/L |
街乗り燃費 | 14~17km/L |
高速燃費 | 19~21km/L |
ユーザーの燃費を見ていくとこの様になります。カタログ燃費達成率は8割を超えており、高速燃費はカタログ値を超えています。優秀な燃費達成率です。
なおガソリンエンジンについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
ガソリンエンジンのメリット3つとデメリット5つ!仕組みと将来性の特徴を解説!ディーゼルモデルの燃費・実燃費
ディーゼルモデルの燃費はカタログ値で26.4km/Lです。同様に実燃費を見ていきます。
燃費の種類 | 数値 |
カタログ燃費 | 26.4km/L |
街乗り燃費 | 18~20km/L |
高速燃費 | 21~25km/L |
ディーゼルモデルはこのようになりました。カタログ達成率は7割と十分な数値ですし、高速燃費はカタログ値に迫る勢いです。
ガソリンモデルはマイナーチェンジで1.3Lから排気量が増えましたが、平均的に15km/Lを超えていますし、ディーゼルモデルであれば20km/Lちかい数値を出しています。
コンパクトカーのなかでも優秀な燃費ですし、ディーゼルモデルであれば燃料単価も安く非常に経済的です。
なおディーゼルエンジンについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
ディーゼルエンジンとは?仕組み/構造を簡単にわかりやすく解説!デミオの燃費の口コミ
燃費性能の優秀なデミオですが、実際に乗っているユーザーはどう感じているのでしょうか。ここではツイッター上からユーザーの声をピックアップしていきます。
今回の三連休の総走行距離と平均燃費と半タンク分の燃料消費。#デミオ pic.twitter.com/7BfE1qnVRN
— ぱんのみみ@SAKURADITE (@okappu) 2019年1月14日
こちらのユーザーは24.6km/Lという数値を出しています。タンク半分の燃料で450kmも走れるなんてハイブリッドカー並みの燃費性能ですね。
デミオ ガソリン 今回のドライブの燃費。やっぱりアテンザ・ディーゼルには一歩譲る。 pic.twitter.com/bnYIJZXD8t
— Takao Tamura (@tkaot) 2019年1月14日
こちらの方はガソリンモデルで19.6km/Lという数値を出しています。とても優秀な数値ですが、アテンザのディーゼルモデルのほうが燃費が良い印象のようですね。
デミオいいよ
最高だよ!(100km走行後実燃費) pic.twitter.com/CJD4Kboi5R— 黒助 (@kurosuke_AWch) 2019年1月11日
こちらのユーザーは29.6km/Lと30km/Lに迫る数値です。デミオ最高だよとのことですが、これだけの数値を出されると本当に気分が良いですね。
なおデミオの口コミ・評判については以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
デミオの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!デミオの歴代の燃費・実燃費
ユーザーからも好評なデミオですが、歴代のデミオの燃費はどうだったのでしょうか。ここでは歴代の燃費を確認してみます。
DW型の燃費・実燃費
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経営難に陥っていたマツダを救ったと言われる初代デミオ。
そんな初代デミオの1.5Lモデルは、10・15モードのカタログ数値で13.8km/Lという数値です。実燃費は9~11km/Lとカタログ値に近い燃費性能でした。
燃費の種類 | 数値 |
カタログ燃費 | 13.8km/L |
街乗り燃費 | 9~11km/L |
高速燃費 | 12~14km/L |
DY型の燃費・実燃費
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2002年に登場した2代目デミオ。フォードとの提携により新型のプラットフォームを採用し、世界戦略も見据えられ開発されたモデルです。
カタログ燃費は10・15モード燃費で、1.3Lモデルが16.2km/L、1.5Lモデルが16.0km/Lでした。実燃費は1.3Lモデルが12~14km/L、1.5Lモデルが10~12km/Lでした。
燃費の種類 | 1.3L | 1.5L |
カタログ燃費 | 16.2km/L | 16.0km/L |
街乗り燃費 | 12~14km/L | 10~12km/L |
高速燃費 | 14~16km/L | 13~15km/L |
DE型の燃費・実燃費
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2007年にフルモデルチェンジが図られた3代目デミオ。先代までのワゴンのようなスクエアスタイルからスタイリッシュなコンパクトカーになりました。
カタログ燃費は10・15モード燃費で、1.3Lモデルが23.0km/L、1.5Lモデルが19.2km/Lです。実燃費は1.3Lモデルが13~15km/L、1.5Lモデルは変わらず10~12km/Lでした。
燃費の種類 | 1.3L | 1.5L |
カタログ燃費 | 23.0km/L | 19.2km/L |
街乗り燃費 | 13~15km/L | 10~12km/L |
高速燃費 | 16~19km/L | 14~17km/L |
デミオはマツダのピンチを救い、さらに世界に向けて開発され、欧州の高い水準に耐えうる性能を持つ車になりました。
そしてCVTの採用やアイドリングストップ機構だけでなく、新型のスカイアクティブエンジンを投入することで、軽快な走りと燃費向上という2つの印象を同時にやってのけています。
デミオの燃費の理由
デミオはさまざまな技術で高い燃費性能が作り出されています。ここではデミオの燃費の理由を解説していきます。
スカイアクティブエンジン
マツダのエンジン技術の目玉といえばスカイアクティブです。スカイアクティブエンジンにはさまざまな技術を採用し、効率の良い燃焼を実現しています。
例えばアイドリング中や定常走行時などはパワーが必要ないので燃料はそれほどいりません。しかし普通のエンジンは、エンジンを回し続けるためにピストンの容量分の燃料が常に必要なので少しもったいないです。
そこで吸気バルブの閉じるタイミングを圧縮中にまで少しずらすことで、ピストン内に吸気したガスを戻します。
そしてピストンが戻るのに必要な分だけの燃料でエンジンを回しています。これにより無駄な燃料の消費を減らすことができるのです。
そして効率の良い燃焼のために直噴技術で高い圧縮率を実現しています。ピストン内に直接燃料を噴射することでピストン内の温度を下げ、圧縮率を上げても自然発火しないようにしています。
これらによって燃料消費を減らしつつ軽快な走行性能を実現しています。
なおスカイアクティブについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
スカイアクティブエンジンとは?どんな仕組み?搭載車は何の車種か紹介!海外では定番のクリーンディーゼル
デミオはスカイアクティブ-Gだけでなく小型のクリーンディーゼルとして国内で一般化させ、燃費性能の高い車を作り上げています。
ディーゼルエンジンはもともと軽油価格も安くて燃費がよいパワフルなエンジンなのですが、大型トラックの排ガスや騒音の問題で日本ではあまりいいイメージがありません。
そこをデミオは低排気量ながらもパワフルで騒音やクリーンな排ガスのエンジンでイメージを変えています。
ピストンの共振を抑えて特有のノイズを抑える技術や、ピストン内の圧縮率を下げて有害物質を減らし、DPFの再生によって排ガスの有害成分を減らすことに成功しています。
小型車でも燃費の良いディーゼルエンジンを採用し国産車の固まったイメージを崩してくれていますね。
なおディーゼルエンジンの燃費については以下の記事でさらに詳しく解説しているので、詳細まで知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
クリーンディーゼル車は燃費が悪い?低燃費車を比較してランキングで紹介!DPFの再生頻度が高い
燃費の良いクリーンディーゼルですが、ある程度ススが溜まるとカーボンを焼くために定期的にDPF再生と言ってエンジンの回転を上げ燃焼させます。
デミオはこれが自動で行われており、意外と短距離で再生がかかるために燃料の消費が多くなりがちです。
ちょい乗りが多いと再生がうまく行われなかったりススがたまりやすかったりと、構造的に厳しい部分がありますのでクリーンディーゼルはあまりおすすめできません。
なおディーゼルエンジンのススについては以下の記事でさらに詳しく解説しているので、詳細まで知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
(クリーン)ディーゼルの煤問題とは?除去・洗浄や対策方法まで全て解説!デミオの燃費改善・向上方法
デミオの燃費の理由を解説してきましたが、今度は燃費良く走るための方法を解説していきます。
走り出しを丁寧に
デミオはエンジンのついた車なので、王道のエコドライブが有効です。まずは車が一番燃料を消費する走り出しから加速までを丁寧に走りましょう。
車は停車状態から走り出すときが一番燃料を消費します。信号ダッシュと言われるように我先にと走る人はいきなりアクセルをぐっと踏み込む人がいますが、すぐにはタイヤに駆動は伝わらず無駄に回転が上がるだけで非常にもったいないです。なので発進時はクリープ現象をつかってゆっくり発進しましょう。
ある程度走り出してからはふんわりとアクセルを踏むのではなくアクセルを3分の1から半分ほどぐっと踏み込みしっかり加速します。
このときに燃費良くと思ってふんわりと踏むと、逆にポンピングロスによってエンジン抵抗が発生し非常にもったいないです。
必要な加速が終わったらアクセルを緩め、できるだけ一定速度で走行することを心がけましょう。
エンジンブレーキの活用
走行中のエネルギーはブレーキで減速すると熱となり消えてしまうだけなので、できるだけ有効に使いたいところです。ですので減速時には燃料消費のないエンジンブレーキをしっかり使いましょう。
だいたい1,500回転以上でアクセルが離されるとエンジンの負荷で減速するエンジンブレーキがかかります。このときエンジンへの燃料供給がカットされるので燃料の消費がありませんので、ギアを一つ落とすなど適時調整し活用しましょう。
これらの運転法は、道路状況をしっかり把握し、周りの車の流れを妨害したりあおり運転にならないように周りへの配慮が非常に大事です。車の特性をしっかり掴み低燃費な運転をしましょう。
アイドリングストップの活用
低燃費に貢献するアイドリングストップですが、信号の変わり目や右左折時の一瞬の停止などでは邪魔ですし、燃費にもよくありません。
そこで闇雲にアイドリングストップさせるのではなく、TPOに合わせたコントロールが重要です。
デミオのアイドリングストップはブレーキペダルで車に対して”エンジンを止めたい”という意思表示をしないと止まりません。
信号などで長時間停車するようなときなど必要に合わせたアイドリングストップで、燃料消費を抑えましょう。
ちょい乗りは極力避ける
マツダのディーゼルエンジンはカーボンが溜まりやすいクセがあります。カーボンが溜まるとDPF再生で燃料を消費してカーボンを焼きはじめるため燃料の消費が多くなります。
ちょい乗りが多い環境だとさらにカーボンが溜まりやすくなりますし、エンジンへの負担も多くなるのでできるだけちょい乗りでは乗らない工夫も必要です。
もしデミオを買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!デミオの燃費を他の車と比較
デミオの燃費はなかなか優秀です。ではデミオのライバル車たちの燃費はどうでしょうか。
ここでは比較に上がりやすいトヨタのアクア、ホンダのフィット、日産のノートと比較していきます。
トヨタ アクア
アクアはコンパクトプリウスのような存在で非常に良い燃費性能を持つトヨタのコンパクトカーです。モデルは古くなってきましたが、燃費性能では他の追随を許しません。
燃費数値はハイブリッドらしく優れた34.4km/Lです。では実燃費を見ていきます。
燃費の種類 | 数値 |
カタログ燃費 | 34.4km/L |
街乗り燃費 | 20~25km/L |
高速燃費 | 21~27km/L |
燃費性能はアクアの圧勝です。ただデミオも燃料単価の安い軽油を使用しているので燃料代ではいい勝負になるでしょう。パワフルな走りも魅力的なので非常に難しい勝負です。
なおアクアについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
アクアの燃費は悪い?街乗りや高速の実燃費は?改善し向上させる方法まで解説!アクアの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!ホンダ フィット
フィットはセンタータンクレイアウトやハイブリッド+DCTの組み合わせなどダイレクト感のある楽しい走行性能を体感できる車です。使い勝手の良いパッケージングと相まって実用性は最高です。
カタログ燃費の数値は意外とデミオと非常によく似た数値です。では実燃費を見ていきます。
燃費の種類 | ハイブリッド | ガソリン |
カタログ燃費 | 34.0km/L | 24.6km/L |
街乗り燃費 | 19~23km/L | 14~18km/L |
高速燃費 | 20~25km/L | 17~20km/L |
実燃費も誤差程度の差しかありません。
ズングリしたボディに実用性の塊のようなフィットとスタイリッシュでトップクラスに良いエクステリアに実用性の低い車体と対局にあるような車です。こちらも五分五分でしょう。
なおフィットについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
フィットの燃費は悪い?街乗りや高速の実燃費は?改善し向上させる方法まで解説!フィットの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!日産 ノート
電気自動車のようなハイブリッド、e-powerが話題で人気の高い日産ノート。ガソリンモデルにはスーパーチャージャー付きのモデル、そしてハイブリッドにはモーターのみで走るe-powerがあります。
燃費を見ていくとガソリンモデルはカタログ値が26.2km/L、ハイブリッドは34.0km/Lです。実燃費を見ていきます。
燃費の種類 | ハイブリッド | ガソリン |
カタログ燃費 | 34.0km/L | 26.2km/L |
街乗り燃費 | 19~22km/L | 15~17km/L |
高速燃費 | 20~24km/L | 18~22km/L |
実燃費はどちらもほぼ同等の数値で良い勝負をしています。こちらもデザイン性の優れたデミオと使い勝手の優れたノートといい勝負ですので悩ましいところでしょう。
なおノートについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
日産ノート(e-power)の燃費は悪い?街乗りや高速の実燃費は?改善し向上させる方法まで解説!日産ノート(e-power)の口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!デミオの燃費は優秀
デミオは独自の技術が光るコンパクトカーです。スカイアクティブエンジンも優秀ですが、クリーンディーゼルエンジンをコンパクトカーにまで導入し、これまでハイブリッド一択だった日本市場に一矢報いました。
これらの技術によって内燃機関のみで非常に優秀な燃費性能をしています。燃費は車に合わせた走り方をすることによって大きく変わってきます。こちらで紹介した方法などを参考にして、燃費の良い走りを研究してみてください。
なおデミオについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
デミオの加速性能を解説!0-100km/h加速タイムはどのくらい?デミオは雪道に弱い?雪道走行の性能について徹底分析しました!