上質なスタイルによって、マツダは年々評価を高めていますよね。
フラッグシップモデルが上質なのは当然として、「デミオ」などコンパクトカーのクオリティにもこだわりを感じます。
となると、多くの方が「小綺麗な見た目をしてるけど、走行性能はどうなの?」と気になるはず。
そこで今回は、デミオの雪道走行について、公式の諸元を参考にしながら解説していきたいと思います。
Twitterやライバル車などもピックアップしてみたので、よかったら参考にしてみてください。
デミオの雪道走行性能
結論としては「デミオはコンパクトカーとしてはなかなか走れるモデル」といえます。具体的な解説については後に回すとして、まずは世間の評価を見ていきましょう。
そこでオーナーさんの感想を、Twitterからいくつかピックアップしてみました。
仕事より帰宅。
雪予報だから嫁車のデミオAWDを借りたが、積雪10cm位の雪道は難なく走るから有り難い♪
— まーちょ! (@marcho01) 2017年1月14日
このように4WDモデルを選べば、多少の雪道なら問題なく走行できるようです。積雪10cmの道を安定して走れれば、ほとんどの地域で走行することが可能でしょう。
きのうの雪道。降雪中はLEDヘッドライトもテールランプもやっぱり負けてましたね。光が強いので光っているのが確認できましたが、熱をもつヘッドライトに比べて雪が載る量が違ってました。プリウスさんはゆっくり走行。デミオくんはしゃきしゃき走行。スバルくんは快適らくらく走行。そんな感じでした
— ともひろ☆ (@tomohiro323) 2018年2月15日
こちらの方は、雪道で様々な車の挙動を観察したみたいですね。プリウスはゆっくり、スバルはらくらく…そして、デミオはしゃきしゃき走っていたようです。(プリウスの性能の詳細は以下の記事をご参照ください。)
プリウスは雪道に弱い?雪道走行の性能について徹底分析しました!どんな車でも油断は禁物ですが、デミオは雪道でもきちんと走れるモデルといえるでしょう
デミオの雪道走行性能の理由
雪道での走行性能を評価するには、いくつかのパートについて考えるとわかりやすいです。
そこで今回は、公称性能を参考にして「走行性能」「コーナリング性能」「ブレーキ性能」の3項目について解説したいと思います。
まずは、デミオの諸元をご覧ください。
項目 | 1.5L ガソリン | 1.5L ディーゼル |
種類 | 水冷直列4気筒DOHC16バルブ | 水冷直列4気筒DOHCディーゼルターボ |
排気量 | 1,496cc | 1,498cc |
最高出力 | 110PS/6,000rpm | 105PS/4,000rpm |
最大トルク | 14.4kgf・m/4,000rpm | 25.5kgf・m/1,500-2,500rpm |
車重 | 1,030-1,140kg | 1,080-1,220kg |
全長×全幅×全高 | 4,060×1,695×1,550mm | |
最低地上高 | 145mm | |
駆動方式 | FF/4WD |
※ディーゼルターボ、直列4気筒、DOHC、エンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。
ディーゼルターボとは?速いのがメリットで寿命がデメリット?搭載車種も紹介直列4気筒エンジンの特徴!どんな音?搭載車を日本車/外車の車種からそれぞれ紹介!DOHCエンジンとは?仕組み/構造は?ツインカムとの違いとは?!雪道における走行性能
はじめに見ていくのは「走行性能」です。雪道はドライ路面よりも摩擦が少ないだけでなく、轍(わだち)だったり、氷塊だったりと、走行の妨げになるものがとにかく多いですよね?
公道を安全に走るには「発進」「直進」「車線変更」の際、どれだけ車体を安定させられるかがポイントになります。性能からはこの3項目をチェックしてみましょう。
- 駆動方式
- 最低地上高の高さ
- トルクの大きさ
まず「駆動方式」ですが、雪道ではいうまでもなく4WDが有効ですよね。デミオの「i-ACTIV 4WD」なら、ドライバーには感じとれないほどわずかなタイヤスリップさえも読み取り、路面状況を予測して駆動力を自動制御します。
次に見るのは「最低地上高」です。一般的には150mm以上が、雪道でも楽に走れる目安だといわれています。デミオはわずかに足りない145mmという高さなので、走行には気を使う必要があるかもしれません。
雪道では「トルク性能」も大事。これは氷上というよりも、雪が深い状況で求められますね。デミオのディーゼルモデルなら、低速域からドカンとトルクを発揮できるので、雪道でも安心です。(ディーゼルエンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。)
ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの違い3つ!比較すると熱効率や寿命が全然違う?!雪道におけるコーナリング性能
次に見ていくのは「コーナリング性能」です。
本来なら、大雪の日はコーナーの多い道を避けるのがベストですが、そうも言ってられないのが現状。むしろウィンタースポーツや旅行といった目的で、冬だからこそ峠道を走ることも多いでしょう。
性能諸元からは、この2点をチェックしてみます。
- 車重の軽さ
- 重心の低さ
コーナリングでも4WDが有利な気がしますが、実際にはそう大差ありません。
このように感じるのは、強くて重いボディを持つ四駆車のほうが、路面を強くグリップできるため。ようするに、車体がコーナリングフォース(遠心力)に負けないからなのです。コンパクトカーと大型SUVとでは、重量がぜんぜん違いますよね?
しかし、雪道のコーナーでは単純に「重ければ有利」とはいえません。摩擦が極端に少ないため、コーナリングフォースがグリップを超えやすいんです。簡単にいえば、重いほどスリップしやすいということ。
その点、デミオはコンパクトカーとしては標準的な重量です。むしろ、排気量やパワーを考えると軽量な部類に入ります。スピードを抑えていれば、コーナーでスリップする可能性はごく少ないでしょう。
また、コーナーでは重心が低いことも重要なポイントといえます。重心が高いと、旋回中に踏ん張りが効きません。デミオは低重心に設計されているので、横転の心配もないでしょう。
したがって、デミオは雪道のコーナーに強いモデルいえます。油断は禁物ですが、峠道なども安心して運転することができます。
雪道におけるブレーキ性能
最後にチェックすべきなのは「ブレーキ性能」です。ブレーキを踏んでも停まれないことが雪道で一番怖いですからね。
周りに車がいなければいいですが、大きな道路でやってしまったら一大事です…。
実際、冬の事故のほとんどが「ブレーキ時のスリップ」によるものですからね。諸元表からチェックするなら、こんな項目をみてみましょう。
- 車重の軽さ
- 駆動方式
通常、車重と制動距離の間には大きな差がありません。
イメージとしては重い車のほうが止まりにくい気がしますよね?たしかに重い物を静止させるには、大きなエネルギーを必要とします。
しかし、大きな荷重が加わる分、タイヤのグリップ力も増えるんです。重い車はタイヤサイズが大きいですし、そもそもブレーキシステムが強力だったりしますしね。つまり、車重はブレーキの制動距離に対して、大きく影響していないということ。
これに関しては、国土交通省が実施した「ブレーキ性能試験」からも判断することができます。
参考 ブレーキ性能試験結果一覧自動車総合安全情報しかし、これはあくまでもドライ路面における話。雪が積もった道路では適用されません…。コーナリングの話と同じ理屈で、雪の上では推進力がグリップを超えやすいんです。
少し長い話になりましたが、ようするに「軽い車のほうが止まりやすい」ということ。車格が異なるケースでは一概にいえませんが、少なくとも、似たようなモデルなら「軽量性=ブレーキ性能」と考えて間違いないでしょう。
さきほど触れたとおり、デミオは軽量なのでブレーキ性能もとくに問題ありません。事前に減速していればしっかり停まってくれるはずです。
また四輪駆動というものブレーキ性能には影響しています。4WDのほうが、アクセルオフやエンジンブレーキの減速力がFFよりも強く、そして安定して働くのです。フットブレーキと違って、二輪駆動なら前後のどちらかしか働きませんからね。
まとめると、デミオは雪道でもきっちりブレーキが効くモデルということ。これなら雪が降っても安心です。
もしデミオを買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!デミオの雪道走行性能を他の車と比較
ここで気になるのは、「ライバル車と比較するとどうなのか?」ということ。
というわけで、同クラスのモデルと雪道性能を具体的に比べてみましょう。今回、比較対象に選んだのはトヨタ「アクア」、日産「マーチ」、ホンダ「フィット」の3台です。
比較しやすいように価格も載せておきましたので、よかったら参考にしてみてください。ちなみにデミオは、ガソリンモデルが181~227万円、ディーゼルモデルが139~201万円に設定されています。
トヨタ アクア
トヨタの誇るコンパクトハイブリッドの人気モデルといえば「アクア」ですよね。
取り回しやすいボディサイズと優れた環境性能が秀逸な一台。価格はデミオよりもやや高い179~253万円のラインに設定されています。
雪道性能という点においては、どちらが優れているのでしょうか?
項目 | 諸元 |
種類 | 直列4気筒+モーター |
排気量 | 1,496cc |
最高出力 | エンジン:74PS/4,800rpm モータ:61PS |
最大トルク | エンジン:11.3kgf・m/3,600-4,400rpm モーター:17.2kgf・m |
車重 | 1,100kg |
全長×全幅×全高 | 4,060×1,715×1,500mm |
最低地上高 | 140/170mm |
駆動方式 | FF |
単刀直入にいうと、雪の上ではアクアはデミオに及びません。
アクアのラインナップはFFのみですからね。走れないことはありませんが、安定性においては一歩届かないでしょう。
エンジン性能、軽量性、地上高で勝っているので、雪道のトータル性能は間違いなくデミオのほうが上といえます。
なおアクアの雪道性能については以下の記事でさらに詳しく解説しています。詳細まで知りたい方はこちらもご参照ください。
アクアは雪道に弱い?雪道走行の性能について徹底分析しました!日産 マーチ
続いて比較するのは日産「マーチ」です。欧州では「マイクラ」の名称で親しまれる、いわずと知れた人気モデル。
ラインナップは1.5Lガソリンモデルのみで、FFと4WDが設定されており、価格帯は151~175万円です。
雪道性能を比較してみましょう。
項目 | 諸元 |
種類 | 水冷直列3気筒 |
排気量 | 1,198cc |
最高出力 | 79PS/6,000rpm |
最大トルク | 10.8kgf・m/4,400rpm |
車重 | 1,030-1,040kg |
全長×全幅×全高 | 3,825×1,665×1,525mm |
最低地上高 | 145mm |
駆動方式 | FF/4WD |
※直列3気筒エンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。
直列3気筒エンジンの特徴!どんな音?搭載車を日本車/外車の車種からそれぞれ紹介!駆動方式はどちらもFFと4WDの設定がありますが、エンジン性能、ボディサイズはマーチのほうが一回り小さいですね。トルク性能はとくに差が見られます。
一回り大きいものの、軽量性においてはデミオも負けていませんので、総合的に考えるとデミオのほうが雪道には強そうな印象です。
ホンダ フィット
ホンダのコンパクトカーといえば、中古車としても人気の「フィット」ですね。
1.5Lガソリンモデル、13Lハイブリッドモデルがラインナップされ、ハイブリッドモデルには4WDも設定されています。
販売価格はデミオと同じラインの170~237万円です。雪道性能に関してはどちらが上手でしょうか?
項目 | 諸元 |
種類 | 水冷直列4気筒DOHC+モーター |
排気量 | 1,496cc |
最高出力 | エンジン:110PS/6,000rpm モーター:29.5PS |
最大トルク | エンジン:13.7kgf・m/5,000rpm モーター:16.3kgf・m |
車重 | 1,080-1,230kg |
全長×全幅×全高 | 3,990×1,695×1,550mm |
最低地上高 | 150mm |
駆動方式 | FF/4WD |
エンジン性能、ボディサイズともにデミオと酷似していますね。
最低地上高においてはわずかにフィットのほうが高いです。というわけで、雪道の性能に関しては五分五分といったところでしょうか。
強いていうなら、ハイブリッドはスタックしたときにモーターが駆動しないことがあるため、トラブルにはデミオのほうが強いといえます。
なおフィットについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもご参照ください。
フィットの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!デミオは日常レベルなら雪道走行もOK
というわけで、デミオの雪道走行についての解説は以上になります。
オフロードのような荒れた路面を走行するパワーはありませんが、日常レベルの雪道なら問題なく走行できるでしょう。
コストの面から考えても、冬に乗る車としておすすめできる一台といえます。
デミオについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
デミオは故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説!【画像】デミオはかっこいいのか?デザインについて徹底分析!