2012年の登場以降、たちまち人気車種となった「マツダ CX-5」。欧州車を思わせるような流麗かつ洗練されたデザインは、多くの人を魅了し今ではマツダを牽引する存在です。
しかし美しすぎるフォルムゆえ、こんな疑問を持つ方も多いはず。「SUVっぽい見た目をしているだけで、走破性はたいしたことないんでしょ?」
オフロード車といったら、タフなデザインが特徴的ですからね。CX-5のデザインはどうも頼りなく思えても仕方ありません。
今回はそんな方々の疑問にお応えすべく、CX-5の走破性について徹底的に解説したいと思います。
他社のライバル車種とも比較してお伝えしますので、購入を検討中の方はぜひ参考にしてくださいね。
CX-5の走破性:良い点・できること
「単刀直入に言うと、CX-5は走破性に優れた車です」
優れた走破性を可能にする「トルク性能」「地上最低高」「駆動システム」の3つの観点から、解説していきましょう。
クラストップのトルク性能
CX-5には、ガソリンエンジンの「PE-VPS(1997cc)」「PY-RPS(2488cc)」と、ディーゼルエンジンの「SH-VPS(2188cc)」という3種が採用されています。
今回は売り上げの7~8割を占める、ディーゼルモデルについて見ていきたいと思います。エンジンスペックはこちらをご覧ください。
項目 | CX-5 | ランド クルーザー | パジェロ |
最高出力 | 190ps | 318ps | 190ps |
最大トルク | 45.9kg・m | 46.9kg・m | 45.0kg・m |
燃費 | 18.0km/L | 6.7km/L | 10km/L |
※ランドクルーザーの走破性の詳細は以下の記事をご参照ください。
ランクルの走破性を徹底解剖!クロカン・オフロード性能はいかに?!なんと国産本格SUVに匹敵する数値なのです。トルクの大きさは、走破性に欠かせない条件ですからね。CX-5は、綺麗な顔してえげつないパワーを秘めているのです。
にもかかわらず、燃費が優れているのがうれしい点ですね。実際に運転してみると低回転域にトルクが発揮できる構造なので、少し踏むだけで軽々と坂を登っていきます。
本格オフロード車に匹敵する地上最低高
走破性といえば、他にも欠かせないのが「地上最低高」と「駆動方式」ですよね。CX-5は走破性を考慮して、地上最低高を220mm確保しています。
- ランドクルーザー:225mm
- プラド:220mm
- パジェロ:225mm
- ジムニー:200mm
※ジムニーの走破性の詳細は以下の記事をご参照ください。
ジムニーの走破性を徹底解剖!クロカン・オフロード性能はいかに?!このように、オフロード車として名高いSUV達と比較しても、まったく見劣りしません。これなら、想定される凹凸をほとんどクリアできます。
世界水準の駆動システム
駆動方式に関しては、電子制御により前後トルクを調節する「i-ACTIVE AWD」を採用。30個近いセンサーを搭載することで、車両状況を完璧に把握し、トルクを分配します。
完全なフルタイム4WDに比べると劣りますが、電子制御により悪路でも抜群の安定性を確保します。
欧州市場も視野に入れたCX-5は、この技術を徹底的に研究し尽され、世界でも評価されるレベルにまで高められています。
なおCX-5は雪道走行の性能も高いです。詳細は以下の記事で解説しているので、こちらも参考にしてみてください。
マツダCX-5は雪道に弱い?雪道走行の性能について徹底分析しました!CX-5の走破性:悪い点・できないこと
走破性の高さには納得いただけたかと思います。しかし、あくまでもCX-5はクロスオーバーSUV。
本格SUVと比較すると、どうしても見劣りしてしまいます。CX-5にはできないオフロード走行について、解説していきましょう。
本格クロカンには向かない
クロスカントリーとは、林道の倒木を乗り越えたり、泥道を突き進んだり、岩肌の急斜面を駆け上がったりする競技ですよね。
CX-5は、あくまでもクロスオーバーSUVなので、市街地での走行をメインに設計されています。本当の意味でのオフロードを走ると、駆動部分に無理をさせてしまうのです。
2017年2月に初のマイナーチェンジを施されたCX-5ですが、新型モデルの取扱説明書にはこのように明記されています。
オフロード走行やラリー走行を目的に作られた万能車ではありません。凸凹や岩を乗り越えたり、川を渡ったりしないでください。
繰り返しますが、あくまでも街乗り用の車です。レジャーとして、河原のBBQ場やスキー場、海水浴場程度は問題なく走行できる程度とお考え下さい。
なお普通のキャンプであったら最適といえる車です。詳細は以下の記事をご参照ください。
マツダCX-5がキャンプに最適な理由6つ耐久性は低い
はじめに言っておきますが、「耐久性が低い」というのはオフロード使用した場合のことを指します。
クロスオーバーSUVと本格SUVの一番の違いは、シャシー形状にあります。本格SUVは、ボディフレームと駆動シャシーが別々のパーツとして作られているので、頑丈なつくりをしていますよね。
それに比べて、クロスオーバーSUVはボディフレームとシャシーが一体となった、「モノコックボディ」なので、オフロードで使用するとダメージを負いやすいのです。
ハードな地形を何度も走ると、車体の寿命を縮める結果に…。とはいっても、多少の積雪や、登坂くらいは意に介しませんよ?
「本格SUVに比べたら、路面を気にかけて走行した方がいいということ」。普通車と比べれば、へっちゃらです。
オフロード走行でなければ普通以上の耐久性はあります。耐久性については以下の記事で解説しているので、こちらも参考にしてみてください。
マツダCX-5は10万キロ以上の走行距離を走れる?寿命はどれくらい?積載性が物足りない?
ある意味で、これが一番に気になる点かもしれませんね。
- ボディサイズ:全長4545mm 全幅1840mm 全高1690mm
- キャビンサイズ:室内長1890mm 室内幅1540mm 室内高1265mm
- 車両重量:1530~1680kg
次の項で他車のサイズにも触れますが、CX-5は比較的小柄なサイズです。特に全長が短めなので、後部座席と荷室がやや狭い。
アウトドアに出かける際は、荷物をいろいろと積むと思いますが、CX-5では少し広さが足りないかもしれません。
そんなときは、同社一回り大きなクロスオーバーSUV「CX-8」を検討するといいかも?
もしCX-5の購入を考えているなら、値引き交渉の正しいやり方を覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!CX-5の走破性をほかの車と比較
国産のライバル車たちと比べると、走破性はどんな感じなんでしょうか?同クラスのクロスオーバーSUVと比較してみたいと思います。
スバル フォレスター
4WDといえばスバル車。
ということで、スバルのフラッグシップSUVであるフォレスターと走破性を比較してみます。
最高出力 | 148~280ps |
最大トルク | 20.0~35.7kg・m |
総排気量 | 1995cc |
燃費 | 13.4~16.0km/L |
全長×全幅×全高 | 4595×1795×1715mm |
車両重量 | 1,510kg |
地上最低高 | 220mm |
価格 | 242~313万円 |
上位グレードになると、280馬力、トルク35.7kg・mというスポーツカーにも匹敵するスペック。「トルク」と「燃費」以外はフォレスターが勝ります。
ここには記されていませんが、CX-5との一番の違いは、採用している駆動方式にあります。フォレスターが搭載しているのは、世界的に評価されている「シンメトリカルAWD」。
走破性に関しては、同クラスに敵はいないでしょう。
というわけで、「走破性」「積載性」は間違いなくCX-5を上回る性能です。一方、ディーゼルエンジンと電子制御を採用している点で、「斜面走行」「安定性」「静粛性」においてはCX-5に軍配が上がります。
なおフォレスターについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
フォレスターの走破性を徹底解剖!オフロード性能が高く悪路も走行可能?!!フォレスターの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!日産 エクストレイル
「インテリジェント・モビリティ」が掲げる日産らしく、新型エクストレイルは先進安全技術を積極的に導入。
ハイブリッドモデルも高く評価されていますね。走破性に関して、エクストレイルと比較してみます。
最高出力 | 147ps |
最大トルク | 21.1kg・m |
総排気量 | 1997cc |
燃費 | 15.6~20.0km/L |
車両重量 | 1550~1650kg |
全長×全幅×全高 | 4715×1820×1740mm |
地上最低高 | 215mm |
価格 | 280~384万円 |
搭載しているエンジンは、全グレード共通なので、エンジン出力・トルクなどは変更ありません。上位グレードになるほど、「安全装備」「4WD」「ハイブリッド」などの装備が加わっていきます。
まず、一見してわかるように、エンジン性能に関してはCX-5の方が上ですね。駆動方式も似たような仕組みのため、CX-5の方が走破性が高いといえます。
強いて言うなら、ディファレンシャルギアの構造が、CX-5よりもオフロード向きでしょうか。あとは、燃費性能の高さと、キャビンの広さです。
というわけで、SUVとしてはCX-5の下のランクに位置するでしょう。走破性の高いハイブリッドカーというイメージです。
なおエクストレイルについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
エクストレイルの走破性を徹底解剖!クロカン・オフロード性能はいかに?!エクストレイルの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!トヨタ ハリアー
SUV人気の火付け役ともいえる、トヨタ珠玉のクロスオーバーSUV。
SUVでありながら、高級セダンを思わせるラグジュアリなエクステリアが魅力的ですよね。CX-5と走破性を比較してみると、こんな感じです。
最高出力 | 151~231ps |
最大トルク | 19.7~35.7kg・m |
総排気量 | 1986~1998cc |
燃費 | 12.8~16.0km/L |
車両重量 | 1580~1630kg |
全長×全幅×全高 | 4725×1835×1690mm |
地上最低高 | 175mm |
価格 | 294~457万円 |
トヨタらしく、グレードが豊富です。上級グレードになると、出力231馬力、トルク35.7kg・mという数値。
街乗りでは十分なパワーですが、車重の重さからみて、オフロードでの走破性はCX-5の方が上でしょう。ディーゼルモデルのCX-5は車重1680kgに対し、最大トルク45.9kg・mですからね。
また、ハリアーで最も気になるのは地上最低高の低さ。CX-5よりも、4.5cmも低いのです。数センチの差ですが、積雪路面や凹凸のある路面では、大きく影響してきます。
というわけでハリアーは、高級SUVとして街で綺麗に乗るのがベストでしょう。エクストレイル同様、普通車の中では走破性は高いのですが、アウトドア向きではありませんね。
なおハリアーについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
ハリアーの加速性能を解説!0-100km/h加速タイムはどのくらい?ハリアーの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!CX-5の走破性の評価
実際に運転してみると、どんな印象をうけるのか気になりますよね?
CX-5オーナーが、どんな感じで乗っているのか、まとめてみました。
走破性はミドルクラスでも上位
SUVのスタイルがモテル世の中だからアウトドアに興味ない人に買ってもらう用何じゃないのかなぁと思います。
走破性考えたらよっぽどXV、フォレスター、cx5とかの方が良さそうな
— ぱな (@pana_hornet) 2018年2月2日
SUV人気もあって、各メーカーからさまざまなタイプのクロスオーバーSUVが販売されていますよね。価格やデザイン、性能など、どこをポイントするかで選び方が変わってきます。
こと走破性に関していえば、CX-5は上位に入るモデルです。これまで論じてきたとおり、その駆動力はスバルと肩を並べるほど。(スバル車の性能の詳細は以下の記事をご参照ください。)
スバル車の決定的な特徴5つ!長所から欠点まですべて解説します!CX-5はデザインや燃費も考慮すれば、まさにイイトコ取りの一台。
サマータイヤで雪道ガンガン進める親父のCX-5 最強でしょ笑
エボでも走りたいけど車高低くて無理だった(;o;) pic.twitter.com/9rnURI2EAE— 柴🐕彩魂勢 (@shiba_BRZ) 2018年1月22日
サマータイヤでの雪道走行は推奨できませんが、つい過信してしまうほどの走行性能。ランサーエボリューションも雪道に強い車ですが、車高が低いため、走行には気を遣ってしまいます。
雪道を気にせずガンガン走れるのは、本格SUVに匹敵する車高ならではの芸当です。
cx-5は所謂SUVの典型で、岩肌走る様な車では無いけどオフロードもそこそこ走れて、街中でも乗れて、荷物も積めて便利ってやつ。特徴は走りがスポーティーなのとディーゼルがある事かな。ディーゼルはランクル並のパワーを発揮するよ
— いよかん (@iyokanRC) 2017年5月16日
こちらの方は非常に細かい視点までCX-5を評価していますね。
オンロードがメインなので、岩肌を本気で走ることはできませんが、普通の人が走る道ならだいたい適応できます。まあ、岩肌を機会なんて、まず考えられませんからね。
エンジン出力に関していえば、他のミドルクラスSUVを圧倒することは間違いありません。
カスタムしてもイケる
夏仕様 冬仕様
🇺🇸仕様 🚴仕様
オフりたい今日この頃…#cx5 #mazda #skyactiv #beadriver #鼓動 #zoomzoom #yakima #yakimaracks pic.twitter.com/2u5Qcigs5y— Takamichi_ (@suuuzuuu23) 2017年2月17日
アクティブな車ゆえ、カスタム意欲をそそります。純正ルックも十分かっこいいCX-5ですが、周りと差をつけるなら、こんなカスタムはいかがでしょうか? (デザインの詳細は以下の記事をご参照ください。)
【画像】マツダCX-5はかっこいいのか?デザインについて徹底分析!スタットレスを履いて、ルーフキャリアを積めば「ウィンタースポーツ仕様」、夏はヒッチメンバーを装着して「サイクリング仕様」に早変わり。
もとがかっこいいので、どんなスタイルにしても似合いますよね。S季節に応じて仕様チェンジできるのも魅力的です。
CX-5の走破性は本格SUVには及ばないが優秀
CX-5の走破性について、さまざまな視点から吟味し、解説してみました。
本格SUVやスバル車にはやや劣りますが、普通の人が車で走る場所は、間違いなく走破できる車です。4WDが苦手なイメージのマツダですが、それはもう古い認識なんですよ。
どうでしょう、CX-5に対するイメージが、最初に比べてずいぶん変わったんじゃないですか?
まとめると、「走破性」「安全性」「コスト」「デザイン」など、とにかくバランスに優れた車だということですね。
個人的には、国産SUVの現行モデルの中では、一番センスのいい一台だと思いますよ。
これからCX-5を買おうと思っている方は、以下の記事もぜひあわせてご覧ください。購入の参考になりますよ。
CX-5の口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!CX-5の燃費は悪い?街乗りや高速の実燃費は?改善し向上させる方法まで解説!