シビックといえば、やはり「タイプR」の印象が強いですよね。
要所に赤を基調としたカラーリングに、シャープかつダイナミックなスタイル、そして抜群の走行性能が秀逸なモデルです。
しかし、つい埋もれがちですが、シビックはハッチバックモデルもかなり狙い目な一台なんですよ。
そこで今回は、シビック ハッチバックの加速性能に着目して、あらゆる部分から解説をしていきたいと思います。
エンジン性能や0-100km/h加速タイムを元に、ライバル車とも比較してみましたので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
シビックハッチバックの加速性能
上位モデルの「タイプR」には劣りますが、シビックハッチバックも非常に完成度の高いモデルです。本格的なスポーツモデルには及ばないものの、1.5Lモデルとしては速い部類といえるでしょう。
これを踏まえたうえで、シビックハッチバックの加速性能を順序だてて解説していきたいと思います。というわけで、まずはシビックハッチバックの諸元表をご覧ください。
項目 | 諸元 |
種類 | 水冷直列4気筒DOHC16バルブターボ |
排気量 | 1,496cc |
最高出力 | 182PS/6,000rpm |
最大トルク | 22.4kgf・m/1,700-5,500rpm |
車両重量 | 1,350kg |
PWR | 7.42kg/PS |
TWR | 60.27kg/kgf・m |
0-100km/h | 7.6秒 |
※水冷、直列4気筒、DOHC、エンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。
水冷エンジンのメリット5つ!バイクだけでなく車にも搭載されてる?!直列4気筒エンジンの特徴!どんな音?搭載車を日本車/外車の車種からそれぞれ紹介!DOHCエンジンとは?仕組み/構造は?ツインカムとの違いとは?!補足させていただくと、「エンジン種類~車重」の項目は公式カタログから引用し、「PWR・TWR」は平均重量から算出しました。「0-100km/h加速」のタイムは、オーナーさんの口コミを元にしています。
0-100km/h加速タイムをチェック
はじめに目を通しておきたいのが0-100km/h加速のタイムです。こんな急加速をする場面は考えにくいですが、加速性能を評価するのにわかりやすい指標ですよね。
シビックハッチバックの0-100km/h加速タイムですが、実測値で「7.6秒」といわれています。
1.5Lクラスなら9秒程度が標準的なので、加速性能はなかなか優秀です。これについては動画がアップされているので、後ほどチェックしていただきましょう。
数字だけではピンとこないと思いますので、こちらにトヨタの人気車種のタイムをまとめてみました。このように、8秒を切るモデルはほとんど2.0Lクラス以上なのです。
車種 | 0-100km/h加速タイム |
マークX(3.5L) | 5.9秒 |
ハリアー(ターボ) | 7.0秒 |
クラウン(ターボ) | 7.5秒 |
カローラフィールダー | 9.0秒 |
プリウス | 9.5秒 |
ヴォクシー | 11秒 |
なお上記の表にある車種の加速性能については以下の記事で詳しく解説しているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
マークXは速いのか?加速性能から0-100km/h加速タイムまで解説!ハリアーの加速性能を解説!0-100km/h加速タイムはどのくらい?クラウンの加速性能を解説!0-100km/h加速タイムはどのくらい?プリウスの加速性能を解説!0-100km/h加速タイムはどのくらい?エンジンの性能をチェック
それでは、もう少し性能的な部分を見ていきましょう。加速性能を評価するならエンジン性能は要チェックですから、細かく見ていきたいと思います。
2.4Lエンジンをしのぐ高トルク
1.5L直噴ターボエンジンを搭載するシビックハッチバックですが、特筆すべきは「2.4L車に匹敵するトルク性能」です。
直噴ターボとは?メリット3つとデメリット4つ!カーボンや耐久性のトラブル・不具合が多発?!燃焼効率の高い直噴システム、高効率な過給が特量の「吸排気デュアルTVC」によって、「182PS、22.4kgf・m」というハイパワーを発揮。
そして、燃料にはハイオクを設定し、排気流量を高める「センターエキゾーストシステム」も採用していることから、高回転まで伸びやかに回ります。
ハイパフォーマンススポーツとして「タイプR」を用意していることから、ハッチバックは「日常的な運転を楽しむモデル」という立ち位置にあたりますが、ベーシック過ぎず適度にスポーティ印象です。
これは、国内向けのシビックセダンに対し、欧州や北米をターゲットとしていることが要因なのでしょう。
6MTモデルはエンジンも専用チューニング
海外に目を向けた「ベーシックなCセグメントモデル」という立ち位置のシビックハッチバックですが、スポーティな味付けが随所に見られるのが好印象。CVTだけでなく、6MTの設定があることからもうかがえますね。
CVTも一般的なハイブリットモデルに見られるようなものではなく、加速を高める「G-Design Shift」を採用しているので、パワフルな加速フィールを実現します。ですが、エンジンのポテンシャルを活かしきる6MTは、さらに上をいく加速感ですよ。
6MTに関してはシフトだけでなく、エンジンにも専用のチューニングが施されているんです。
冒頭で引用しものはCVTモデルの諸元ですが、6MTはこれを上回る「182PS、24.5kgf・m」という性能。5,000rpm付近でシフトチェンジを行えば、0-100km/h加速は7秒前半に達するかもしれませんね。
ボディの性能をチェック
続いて、ボディのつくりこみもチェックしていきたいと思います。加速性能ということで、ボディ軽量性とシャシー性能に目を向けてみましょう。
軽量でシャープなボディ
シビックハッチバックの車重は1,350kgということで、最近のモデルとしては比較的軽量です。欧州ウケを狙ったハッチバックは、Cセグメントトップレベルの運動性能を実現するため、徹底的に軽量化が施されているんですよ。
というのも、タイプRと共通するプラットフォームが採用される構想だったので、ハイパワーにも対応できるよう、軽量化・高剛性化・低重心化が追及されたのです。加えて、中にはハイパワーなエンジンを搭載しているわけですから、加速性能もピカイチ。
車の軽量性を示す指標に、「PWR(パワーウェイトレシオ)」「TWR(トルクウェイトレシオ)」というものがありますが、シビックハッチバックは上級クラスに匹敵する数値です。
これは、簡単にいうと出力・トルクに対するボディ重量のことで、「数字が小さいほど加速が速い」と考えるとわかりやすいでしょう。さきほどのトヨタ車のPWR・TWRをまとめてみたので、参考までにご覧ください。
車種 | PWR | TWR |
マークX(3.5L) | 4.87[kg/PS] | 40.1[kg/kgf・m] |
ハリアー(ターボ) | 8.66[kg/PS] | 56.0[kg/kgf・m] |
クラウン(ターボ) | 7.06[kg/PS] | 48.1[kg/kgf・m] |
カローラフィールダー | 8.29[kg/PS] | 66.3[kg/kgf・m] |
プリウス | 13.98[kg/PS] | 94.5[kg/kgf・m] |
ヴォクシー | 10.33[kg/PS] | 79.7[kg/kgf・m] |
高速走行を楽しめる新世代シャシー
シビックハッチバックは「アウトバーンでの高速走行でも、安心感を得られるような走り」というのが設計思想だったため、接地点横剛性が高められたサスペンションが組み込れているんです。ボディ剛性については、さきほど解説したとおりですね。
この新世代シャシーによって優れた走行安定性を実現し、速度域を問わずドライブを楽しめるようになりました。
ハンドリングと安定性を高次元で両立しているので、公道でも安心してアクセルを踏み込むことができますよ。
もしシビックハッチバックを買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!シビックハッチバックの実際の加速感
数字だけではいまいちピンと来ないと思うので、TwitterやYouTubeも参考にしてみましょう。オーナーさんの投稿をいくつかピックアップしてみたので、実際の加速感をご覧ください。
Twitterで加速感をチェック
新型のシビック実はのって来てたんですけど、ダウンサイジングターボとは思えない加速感。レヴォーグよテンロクより加速が良く感じた。出来もいいし、ボンネットフードとフェンダーとの境、オシャレだしかっこいい。が、ハッチバック280万の車のドアの締まりじゃないのが残念だった pic.twitter.com/omygZGL7LU
— ウスターーーーソースーーーィィア (@legacyrfrb) 2017年12月1日
こちら投稿者さんは、過去に試乗してみたことがあるようです。乗ってみた感想は、「レヴォーグなど、テンロクよりも加速が良く感じた」とのこと。いわゆる「1.6Lスポーツ」よりも、優れた加速だったというのです。
レヴォーグは速いのか?加速性能から0-100km/h加速タイムまで解説!ダウンサイングターボを備えたハッチバックモデルは、小柄なエンジンのわりに、格上クラスを凌ぐ加速を見せますからね。
それに加えて、スタイリングもかっこよくておしゃれ。これで280万円は確かにコスパ抜群ですよね。
今日シビックのハッチバック試乗したけど、静かだし加速もストレス感じないし最高でした
— TKR (@ichigore1500) 2017年10月7日
こちらの方も試乗をしたことがあるようです。加速に関しては「ストレスを感じなかった」とのこと。言葉数は多くないですが、この一言にすべてが詰め込まれていますよね。
たとえ加速が速くても、ストレスを感じてしまうようでは満点とはいきません。速くてもターボラグの大きなモデルは、それゆえ毛嫌いされることもあるくらいですから。
ターボラグとはどんな意味?起こる原因と解消する対策について解説!シビックハッチバックはターボモデルですが、何度も申し上げるに、加速レスポンスが抜群にいいのです。
「静かだけどスポーティなサウンド」「加速が速いのにストレスを感じない」などと、走行性能が高い次元で仕上げられているモデルといえるでしょう。
5.車
今の愛車はホンダのシビック ハッチバックという車です
いわゆるスポーツセダンという種類にあたる(らしい)のですが、自分は車の知識はほぼ皆無なので未だに車に乗せられてる感が否めない……((
でも素人目でも分かるくらい加速もブレーキもいいし乗り心地もとてもよきなのですごく気に入ってます pic.twitter.com/TPvcsA14gI— catcher@ルカ姉10周年おめでとう!! (@catcher_mgrn) 2018年10月20日
こちらの男性は、実際にシビックハッチバックを所有しているようです。「車の知識がほぼ皆無」とこのとですが、加速性能の高さはビシビシと感じているご様子。
ハッチバックモデルは、タイプRなどに比べると加速は劣りますが、これがかえって運転しやすいですよね。
シビック タイプRの加速性能を解説!0-100km/h加速タイムはどのくらい?電子制御が施されているといっても、慣れていない人がスペックが高すぎる車に乗ると、どうしても持て余してしまいますから。
その点ハッチバックは、適度に速く、そして乗り心地がいいので、幅広い層にウケるモデルなのです。ブレーキの効きも、挙動安定も優れているので、安心して踏み込むことができますよ。
You Tubeで加速感をチェック
それでは、シビックハッチバックの加速を、実際に動画でご覧いただきたいと思います。加速の雰囲気をチェックしてみてください。
動画開始30秒ほどから0-100kmh/の計測が始まります。結果は「7.59秒」というタイム。ターボとはいえ、1.5Lモデルとは思えないほど秀逸な性能です。
乗用車と比較するとよくわかりますが、メーターの伸びがまるで違います。とくに「30~80km/h」の中間速度域の伸びが非常に速いです。
これなら発進加速だけなく、高速道路の合流や車線変更もストレスなく走れそうですよね。
シビックハッチバックの加速性能を他の車と比較
加速感についてご覧いただいたところで、続きましてライバルと呼ばれる国産車と、その実力を比較してみたいと思います。
今回比較してみるのはマツダ「アテンザ」、トヨタ「86」、スバル「WRX S4」という、スポーツ色の強い国産車3台です。0-100km/h加速のタイムや、TWRなどに注目しながらご覧ください。
マツダ アテンザ
項目 | 諸元 |
種類 | 水冷直列4気筒DOHC16バルブ ディーゼルターボ |
排気量 | 2,188cc |
最高出力 | 190PS/4,500rpm |
最大トルク | 45.9kgf・m/2,000rpm |
車両重量 | 1,610kg |
PWR | 8.47kg/PS |
TWR | 35.07kg/kgf・m |
0-100km/h | 8.6秒 |
まず比較するのは、マツダのフラッグシップセダンである「アテンザ」。
2.0Lのミドルクラスセダンということで、シビックハッチバックよりもコンフォート感の強いですが、走行性能も優れているモデルです。
0-100km/h加速を見てみると、タイムは「8.6秒」という好タイム。ですが、シビックハッチバックのほうが1秒近くタイムが短いですね。格上相手に、これは素晴らしい結果です。性能的な部分に目を通してみると、からくりがわかりますよ。
排気量は小さいものの、最高出力で勝るシビックは、軽量であることからPWRでも大きく上回っています。低回転域のトルクはディーゼルターボのアテンザに分がありますが、5,500rpmまで粘り強くトルクを発揮するシビックのほうが、中~高回転域に強いでしょう。
つまり、出だしはアテンザのほうが強力ですが、PWRとトルク特性によって、総合的な加速力はシビックハッチバックが有利なのです。
なおアテンザについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
アテンザの加速性能を解説!0-100km/h加速タイムはどのくらい?アテンザの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!トヨタ 86
項目 | 諸元 |
種類 | 水平対向4気筒DOHC |
排気量 | 1,998cc |
最高出力 | 200PS/7,000rpm |
最大トルク | 20.9kgf・m/6,400-6,600rpm |
車両重量 | 1,270kg |
PWR | 6.35kg/PS |
TWR | 60.7kg/kgf・m |
0-100km/h | 7.6秒 |
続いて比較してみるのは、トヨタの人気スポーツクーペ「86」。現代のスポーツシーンを牽引するモデルとして注目されるモデルなので、ぜひ加速性能をチェックしてみたいところ。
まず0-100km/h加速ですが、「7.6秒」ということでシビックといい勝負です。86はメーカー公称タイムなので、実際にはもう少し速いかもしれません。
それでは性能を比較してみましょう。2.0Lということで、エンジン出力については86のほうがわずかに強力な数値。ターボモデルなので、シビックのほうがトルクは上ですね。回転領域に目を向けると、86のほうが高回転域に強いことがわかります。
ボディは86がわずかに軽量ですが、グレードやオプションを考えると、大きな差とはいえませんね。
したがって、低回転からトルクを発揮するシビックハッチバックのほうが「低速加速は速く」、上の領域に強い86のほうが「中~高速域で速い」といえるでしょう。
なお86については以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
トヨタ86(ハチロク)の試乗レビュー・感想!乗り心地はいかに?!【画像/写真】トヨタ86の内装/インテリア!運転席周りや後部座席から荷室/トランクまで紹介!スバル WRX S4
項目 | 諸元 |
種類 | 水平対向4気筒DOHC16バルブターボ |
排気量 | 1,988cc |
最高出力 | 300PS/5,600rpm |
最大トルク | 40.8kgf・m/2,000-4,800rpm |
車両重量 | 1,540kg |
PWR | 5.13kg/PS |
TWR | 37.75kg/kgf・m |
0-100km/h | 6.8秒 |
最後に比較するのは、スバルのフラッグシップモデル「WRX S4」です。
いわずとしれたスポーツモデルで、シビックハッチバックの最大のライバルにあたります。「STI」はシビックタイプRに相当するモデルなので、今回はS4と比較してみましょう。
0-100km/h加速をさっそく見てみると、WRXは「6.8秒」というタイム。シビックハッチバックよりも1秒近く速いタイムなので、加速性能はWRXのほうが上手と考えられます。
それもそのはず、WRX S4に載っているエンジンは「300PS、40.8kgf・m」という圧倒的なパワーを発揮するのです。車重は1,540kgとヘビーですが、補って余りあるハイパワーによって、クラストップの加速を発揮します。
ただし、WRXは「これぞターボ」という加速感なので、滑らかな加速を楽しみたい方はシビックハッチバックのほうがお気に召すと思いますよ。
なおWRX S4については以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
WRX S4の加速性能を解説!0-100km/h加速タイムはどのくらい?スバルWRXとはどんな車か?読み方から9つの特徴まで解説!シビックハッチバックはスポーツモデルらしい秀逸な加速感
というわけで、シビックハッチバックの加速性能についての解説は以上になります。
排気量はコンパクトですが、とても1.5Lとは思えない加速性能であることが、おわかりいただけたかと思います。
あらゆる部分が絶妙に仕上げられているので、まさに「かゆいところに手が届く一台」といえますね。
普段使いなどコンフォート性を重視しつつ、スポーツ要素も楽しみたい方には絶対おすすめのモデルですよ。
なおシビックについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
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