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V16エンジンの特徴!どんな音?搭載車を外車の車種から紹介!

自動車用のエンジンには小型のものから大型のものまで幅広い排気量や気筒数の形式がありますが、その中でも最大のものはなんでしょうか?

それはV型16気筒エンジンという非常に巨大なエンジンで、現在でも一部で開発が続いています。

今回はそんなV16エンジンについてご説明します。

V16エンジンとは

デヴェル エンジン

エンジン型式の中でV型エンジンといえば、ピストンをV字型に配置することでスペース効率がよいエンジンです。

同気筒数の直列型エンジンよりも半分程度のエンジン全長で済むため、大排気量エンジンにはよく使われます。

ですがそのV型エンジンを突き詰めていくとどうなるかというと、なんとピストンを16個も持つ超大型のエンジンとなります。

しかしV16エンジンはただただ大きなエンジンというわけではなく、きちんとした理由があるのです。

エンジンの大型化とV16エンジンの誕生

自動車は1900年代の前半に爆発的に生産台数が増えたのですが、それとともに自動車の高級化も進みました。

というのも自動車はこの頃大衆化の一歩をたどっており、それと差別化するために大型の高級車も増えていったのです。

高級車に求められるエンジン

大型車は重量が重たいのでエンジンスペックが必要な車種ですが、それと同時に静粛性や振動の少なさも重要な点となります。

当時は今ほどエンジン性能が良くないので、エンジンスペックを向上させるためにはとにかく排気量を上げる必要がありました。

そうなると気筒数は大型の高級車になるほど増える傾向にあり、直6エンジンに始まって直8、V8、V10、V12と、エンジンはどんどん大きくなっていったのです。

また気筒数を増やすとエンジンシャフトが1回転する間にシリンダー内で爆発する回数が多いので、その分滑らかなエンジン回転が実現できます。

また気筒数を増加して適切な爆発順序に設定すると、シリンダーごとの振動をうまくキャンセルできるようになり、静かで振動の少ないエンジンにもなります。

MEMO

これを完全バランスエンジンといいますが、直6エンジンが最小気筒数の完全バランスで、それ以上の直8エンジンなども完全バランスとなります。

またV型ではV10までは完全バランスとなりませんが、直6エンジンを2基連結した形になるV12以上が完全バランスです。

こういった特徴があるので今でも高級車用のエンジンはV12が多く使われており、世界に名だたる高級車はほぼ全てがV12です。

V16エンジンの誕生

 

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そういったエンジンの大型化の流れを受けて登場したのがV16エンジンで、自動車に初めて搭載されたのは1930年頃と結構昔のことです。

V16エンジン自体は船舶や航空機用にすでに実用化されていましたが、自動車に搭載されたのは割と後になってからです。

初めてV16エンジンを搭載したのはアメリカのキャデラック シリーズ452Aで、この頃はアメリカが好況に湧いていた頃です。

その流れを受けて最高級車という位置づけでV12エンジンを超える性能、静粛性、低振動を求めて採用されたのがV16エンジンなのです。

ですがアメリカの好景気を打ち砕く世界大恐慌が1929年10月に発生し、アメリカでも高級車への需要が急速に現象下敷きでもあります。

まさにV16エンジン搭載車が開発完了した直後の大恐慌でしたので、その後V16エンジンはキャデラックに搭載された以外はほとんど採用例がなくなってしまいます。

キャデラックのV16エンジン自体は非常に優秀な性能を発揮しており、当時としては破格の185馬力を発揮し、静粛性も振動の少なさも最高のものを持っていました。

ですが当然販売面では台数は少なく、1940年の生産終了までに1,400台程度しか販売されていません。

その後のV16エンジン

 

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V16エンジンはその後レース用のエンジンとして一時期採用されたこともありましたが、エンジンの性能が向上するとともにその必要性は薄れていきました。

第二次世界大戦を超えてもういちど大衆車の生産が本格化したころにはV16エンジン搭載車は全くなくなり、V8エンジンやV12エンジンが取って代わっています。

その後数十年間はコンセプトカーという形でわずかに発表されるだけだったV16エンジンですが、突然1989年にスーパーカー用エンジンとして復活を遂げます。

後ほど詳しくご説明する「チゼータ・V16T」がそれですが、自動車のパワー競争が世界的に行われていた時代の究極のスーパーカーとして登場した車です。

この車ではとにかく最高速度と最高出力の追求のためにV16という気筒数が求められ、560馬力という圧倒的なパワーと328km/hという破格の最高速度を誇る車です。

ですがあまりに先悦化した車であったため、生産台数は全部で15台という超希少車となりました。現在も受注生産の体制は残されており新車として手に入れることが可能です。

また後ほどご説明する最新型のスーパーカーにもV16エンジン搭載の情報が流れており、V16という圧倒的なスペックはスーパーカーのような車種の魅力を最大限アップさせるものとなっています。

V16エンジンの構造

V16エンジンの基本構造は基本的にはV6、V8、V12エンジンと同一で、シリンダーをクランクシャフトの左右にV字型に配置する形です。

片側のバンクには8個のピストンが並んでおり、バンク角度はキャディラックは45°、チゼータV16Tは90°でした。

V型エンジンの構造や特徴については別の記事で詳しくご説明しているので省きますが、V16エンジン特有の構造というのはあまりありません。

せいぜい点火順序がV16エンジン特有な点であるぐらいで、「1-12-8-11-7-14-5-16-4-15-3-10-6-9-2-13」か「1-14-9-4-7-12-15-6-13-8-3-16-11-2-5-10」のどちらかになります。

他にはエンジンが大きすぎるので通常のエンジンのようなマウント方法では難しく、V16エンジン独特の構造が必要な点が独特と言えるでしょう。

V16エンジンの音

V16エンジンは搭載車種が非常に貴重なので、そのエンジン音を聞いたことのある人はほんとに限られています。

ですが今はYoutubeの動画でそのサウンドを聞くことが出来ますので、キャディラックとチゼータV16Tのサウンドをお聞きください。

キャディラック シリーズ90のサウンド


シリーズ90はシリーズ452Aと同時期の高級車で、V16エンジン搭載車としては戦前最後の車となります。

車が現存していることだけでも貴重ですが、この車はなんとエンジンも快調に回っており、非常に良い状態で維持されてきたのがわかります。

アイドリング時のエンジンサウンドは静かの一言に尽きるかと思いますが、これでもボンネットを開けているので、閉めればもっと静かになるでしょう。

ガラガラといった音もほとんどなく、粛々と回っている印象です。

動画でシュルシュルと鳴っているのは空冷ファンの作動音で、エンジン自体の音はもっと静かです。

動画の後半では車内からの走行音が聞こえますが、本当にエンジンが動いているかと思うほど静かですね。

チゼータ V16Tのサウンド


もうひとつのV16エンジン搭載車であるチゼータV16Tは、なんと数台が日本に存在しています。

この動画の車もそのうちの一台ですが、エンジンスタートからのサウンドを聞くことができます。

車は非常にワイドで巨大な車という印象ですが、エンジンスタート時にはそれとは真逆の非常に静かなエンジン音です。

アクセルを踏むとスーパーカー特有のパワフルな音が聞こえてきますが、それもかなり滑らかな音となっており、このあたりがV16エンジンの素晴らしい点です。


ですが次の動画のように加速するとしっかりスーパーカーとしての野太い音を聞かせてくれており、サウンドの素晴らしい魅力を2つも併せ持っているのです。

V16エンジンのメリット・デメリット

メリット、デメリット

V16エンジンは高級車向けのメリットを追求した結果生まれたエンジンですが、当然その分デメリットも多くあります。

V16エンジンのメリット

V16エンジンのメリットはここまでご説明してきたように、V16エンジンの特徴である次の3つがそれにあたります。

  • 大排気量による高スペック
  • 高い静粛性
  • 低振動

静粛性や振動は前述したとおり最高クラスのものがありますが、何より排気量を大きく上げられるというところにメリットがあります。

自動車用のガソリンエンジンは1シリンダーあたりの効率が良いのは500cc程度となっており、気筒数によってある程度最大の排気量が決まります。

例えば直列4気筒なら2,000cc、V型6気筒なら3,000ccといった具合です。

V16エンジンの登場した1930年代は排気量アップこそがパワーアップの近道であり、いまほどエンジンパワーが出せていませんでしたので、16気筒で7,000cc~8,000ccのエンジンにメリットがあったわけです。

また1990年代のパワー競争の時期ではターボチャージャーなどのパワーアップ装置が普及して、大排気量化しなくても十分なパワーがえられていました。

ですがターボチャージャーを使うと加速がピーキーで滑らかな運転性を損なうこともあり、ターボのない自然吸気エンジンのほうが上質とされており、パワーと上質さ両方を兼ね備えた解として生まれたのがチゼータV16TのV16エンジンなのです。

これらのことがV16エンジンが今でも残っていることの理由と言えます。

V16エンジンのデメリット

さてパワフルというメリットはあるものの、基本的にV16エンジンはごく限られた車にしか搭載できないエンジンでもあります。

それは次のような問題点があるからです。

巨大で汎用性に欠ける

V16エンジンはあまりにも巨大で、エンジンを収めるために専用の車が必要となり、汎用性には大きく欠けます。

1990年頃からエンジンはコンパクト化の一歩をたどっており、それまで主流のエンジンの一つであった直列6気筒エンジンが長すぎるという理由からV6エンジンに置き換えられてきました。

衝突安全の要件やエンジン横置きに向かないなど、メリット以上にさまざまなデメリットがあったためなのですが、V16エンジンは長さで言えば直列8気筒エンジンと同じであり、さらに長いのです。

V16エンジンの全長は1mを越え、縦置きにするにしても非常に長い車でなければ収まりません。

そうなると車が大型化するか、室内が狭くなるかの2択しかなく、どちらにしても使い勝手の悪い車となってしまいます。

今ではより小型で十分ハイパワーのエンジンが他にもありますので、V16エンジンまで必要ないのです。

コストが莫大で重量も大きい

V16エンジンは完全な専用設計のエンジンですが、発売しても台数はそこまで見込めないのでエンジン一基あたりのコストは莫大なものとなります。

自動車のコストは台数が多ければ多いほどスケールメリットによって下がるものですが、そうでないものは1台生産するのに大きなコストが必要です。

とはいえこういったエンジンが乗る車は超高級車ばかりなので車両価格に反映はできるのですが、メーカーとしてはほとんど売れない車の部品を抱えておくのにもコストがかかるので、その面ではうれしくないのです。

また構造が複雑で部品点数が多いので重量もかさみ、車の性能についても影響はありますが、生産設備なども専用のものが必要です。

何にしてもV16エンジンの車を生産するのにもコストが多すぎるため、現在生産することが殆どないのです。

燃費等の環境性能は悪い

排気量の巨大なV16エンジンですので、当然ながら燃費などは最悪の部類になります。

車の燃費は排気量に比例しており、シリンダー数が多く大量に燃料を燃焼させる必要があるからです。V16エンジンという巨大さを見てもそれは容易に想像できることでしょう。

残念ながらV16エンジンを搭載した車の燃費の情報はありませんが、近年おなじ16気筒でももっとコンパクトなW16気筒エンジンを積んだ「ブガッティ ヴェイロン」がありますので、こちらの燃費を参考に見てみましょう。

MEMO

ヴェイロンは高速走行では6.4km/L、街乗り走行3.4km/Lというデーターがあり、普通の車と比べてみると非常に悪いのがわかります。

ヴェイロンは最高馬力1,000馬力のハイパワー車なので、V16エンジンではもう少し燃費は良いのかもしれませんが、時代的に見れば同じぐらいでしょう。

とはいえこういった車に乗るのなら燃費などあまり気にする経済力ではありませんので、オーナーにしてみればデメリットではないかもしれません。

V16エンジンの評価

V16エンジン搭載車は非常に貴重なため、実際に乗ったことのある人はほとんどいません。
Twitterにも投稿がいくつかありますので、今回は何件かご紹介します。

アメリカンの究極

キャディラックのV16エンジン車は自走可能なものも存在はしますが、大半は博物館ものです。

この方は博物館で実物を見て、ホイールに刻まれたV16の文字に気がついたようですね。

当時はなんといってもエンジンの性能が車の魅力を決めており、中でも最高の性能を誇るV16エンジンでしたからこうやってアピールするのは当然と言えます。

ホイール一つとっても専用のものが使われているあたりがすごいですよね。

V16レーシングカー

V16エンジンはレースの世界でも活躍したエンジンで、当時最高のパワーを持つエンジンでした。

1930年~1940年当時のレーシングカーは、まだ丸い形のものが多く、いまのように流線型にはなっていません。

ですが出力は600馬力と圧倒的であり、かなりのじゃじゃ馬だったのではないでしょうか。

V16エンジン搭載車

V16エンジンを搭載した車を発売したメーカーはこれまでわずか2社で、そのうちキャディラックは1940年で生産を終えています。

最後の一社は前述したチゼータですが、実は別のメーカーで現在最新型のV16エンジン搭載車が開発中で、市販も計画されています。

今回はスーパーカーの歴史に名をのこす2車種をご紹介しましょう。

チゼータ V16T

 

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チゼータという自動車メーカーはイタリアで設立されましたが、チゼータ V16Tただ一車種を作るために設立された特別なメーカーです。

ですがチゼータ V16Tの開発には、同じイタリアのスーパーカーメーカーであるランボルギーニが深く関わっています。

デザイナーはランボルギーニのさまざまな車のデザインを手がけたマルチェッロ・ガンディーニで、チゼータV16Tのデザインはランボルギーニ ディアブロで採用されなかったデザインをベースとしています。

またエンジン開発にもランボルギーニのスタッフが関わっており、技術のベースは確かなのです。

スペックチゼータ V16T
エンジン6L V16 DOHC
最高出力568PS/8,000rpm
最大トルク75.00kgf·m/6,000rpm
全長4,443mm
全幅2,060mm
全高1,242mm
車両重量1,612kg

チゼータV16Tの最大の特徴はもちろんエンジンですが、もう一つ搭載方法でも珍しいことをしており、全長の長いV16エンジンを横置きレイアウトでMR形式を取っていることです。

普通長いエンジンを載せるためには縦置きが一般的なのですが、チゼータV16Tは車軸である後輪にトラクションをかけるためあえて横置きとしており、そのために車の全幅が2mを超えるワイドな車になりました。

全長も大きな車に仕上がっており非常に堂々としたスーパーカーですが、車両重量はオールアルミニウム製ボディと軽量チューブラーフレームにより比較的軽く仕上がっており、1.6tと近年の大型セダンとそうかわりません。

日本で人気の大型ミニバンが2t近くあることを考えると、V16エンジンという超大型エンジンを載せている割には非常に軽いと言えるでしょう。

最高出力は自然吸気エンジンとして当時としては破格の568馬力を誇り、最高時速328km/hというスペックを持ちます。

今でこそ500馬力600馬力はあたりまえのスーパーカーですが、1990年当時において市販車としては圧倒的なハイスペックの車です。

なお前述したようにチゼータV16Tはわずか15台しか生産されませんでしたが、8,800万円という価格の高さと経営難が合わさってチゼータは一度倒産しています。

ですが現在はアメリカでチゼータ・オートモービル・USAという別会社を立ち上げて受注生産体制を取っており、公道走行できるかどうかは微妙ですがお金さえあれば新車が手に入るかもしれません。

デヴェル シックスティーン

デヴェル シックスティーン

チゼータでおしまいかと思われたV16エンジンですが、ここ数年新たなメーカーがV16エンジン搭載のスーパーカーを開発しており、その圧倒的なスペックの高さから話題をさらっています。

そのメーカーこそ中東ドバイに本拠地を持つデヴェル社で、デヴェル シックスティーン(16)というスーパーカーを手がけています。

まだ市販には至っていませんが、あと数年で発売するとしています。

以下のスペックは先行で発表されたモデルについてですが、これまでの自動車ではありえない数字が並んでいます。

スペックデヴェル シックスティーン
エンジン12.3L V型16気筒クアッドターボ
最高出力5,007 hp
最大トルク519.4 kgm
全長5,304mm
全幅2,410mm
全高1,272mm
車両重量 2,300kg

デヴェル シックスティーンのエンジンは、なんと12,300ccという超大型のエンジンにターボチャージャーが4基搭載してあり、そのエンジンが発生するパワーは5,000馬力に達すると発表されています。

実際にエンジン開発段階で上記のスペックが出ることが動画で発表されており、決して不可能な数字ではないようです。

最高時速は500km/hを超えると発表されており、登場した暁には間違いなく世界最高速の市販車となる予定です。

ですがどうやら5,000馬力のモデルは公道走行は不可能なサーキットモデルなようで、市販バージョンは3,000馬力まで落としたV16エンジンか、2,000馬力のV8エンジンが搭載されるようです。

もはや数字がインフレーションを起こして2,000馬力が小さいように感じてしまいますが、言うまでもなくこれでもありえないほどの圧倒的なパワーです。

デヴェル シックスティーンはこのスペックからスーパーカーを超える「ハイパーカー」と呼ばれており、市販車でこれほどの性能を持つ車は過去ありません。

価格は2億円前後と言われており、開発が順調ならあと1年ほどで登場するでしょう。

V16エンジンの今後

V16エンジンは誕生こそ高級車向けのエンジンでしたが、現在はパワーと最高速度を追い求めるスーパーカーによって信じられないほどの性能の車が生み出されています。

ですが自動車用エンジンとしてはやはり大型過ぎてニッチな存在ですので、デヴェル シックスティーンが登場した後もなかなか別の車種は現れないでしょう。

ただV16エンジンという物自体は世界中で使われており、列車用や船舶、大型トラック、ダンプなどの建築機械、または非常用電源の発動機などで幅広く利用されています。

先日の北海道の大地震でも、パソコンのデータセンターの非常用電源として活躍したそうで、1台で大きな電気を生み出せるV16エンジンだからこそ大きなデータセンターを守ることができたのでしょう。