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W16エンジンの特徴!どんな音?搭載車を外車の車種からそれぞれ紹介!

自動車用のエンジンにはさまざまな大きさや排気量がありますが、その中で最もパワフルなエンジンをご存知でしょうか?

W型という珍しい形式に加えて16気筒ものシリンダーを持つこのエンジンは、世界最高のスペックを誇ります。

今回はそんなW16気筒エンジンについてご説明します。

W16エンジンとは

シロン エンジン

W型エンジンはV型エンジンの発展系の形式で、V型よりさらに気筒数を増やしつつ全長を短くすることをコンセプトとしたエンジンです。

今回ご紹介するW16気筒はV型エンジンが2基連結した構造をとっており、Vが2つでWというわけです。

このエンジンを開発したのはドイツ最大手メーカーのフォルクスワーゲンなのですが、搭載車種はブガッティという別メーカーの「ブガッティ ヴェイロン」および「ブガッティ シロン」のわずか2車種にしか採用されない、非常に珍しいエンジンでもあります。

今回はまずブガッティという自動車メーカーについてと、フォルクスワーゲンとの関わりをご説明します。

ブガッティブランドを受け継ぐフォルクスワーゲン

ブガッティというブランドは自動車業界としては古い部類のメーカーですが、何度か倒産と復活を果たしており、その都度経営者も変わっています。

創業当時のブガッティ

ブガッティはフランスで誕生した自動車メーカーで、その創業は1909年と非常に古いメーカーです。

創業者のエットーレ・ブガッティは若い頃から自動車エンジンの開発に関わり、創立したメーカーでも高級車とスポーツカーに焦点を絞った自動車づくりをしてきました。

ブガッティのスポーツカーは当時から革新的な技術を多く取り入れており、性能面でも非常に素晴らしいものがありました。

レースの世界でも優勝を重ねてブガッティの黄金時代を築きましたが、第二次世界大戦の影響で工場が破壊され、またエットーレ・ブガッティが1947年に亡くなったことで自動車会社としてのブガッティは一度なくなり、その後は他社に吸収されて部品生産などを行ったのです。

ブガッティの復活

 

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ブガッティのブランド名はその後長らく使われていませんでしたが、1987年にイタリアの実業家が商標権を獲得したことで一度目の復活を果たしました。

イタリアのスーパーカーの聖地であるモデナに「ブガッティ・アウトモビリ(Bugatti Automobili SpA)」という社名で設立され、1991年には同社初の量産車であるブガッティ EB110が登場しました。

この車は3.5L V12クアッドターボエンジンを搭載したスーパーカーとして誕生し、デザインの素晴らしさもあって大きな話題となったのです。

ですがこの会社も経営の悪化や実業家の事業失敗などによって負債がたまり、1995年に倒産してしまっています。

このときのブガッティの技術者は新たにパガーニというスーパーカーメーカーを設立し、ブガッティとは別の車を開発生産しています。

2度めの復活とフォルクスワーゲンブランド化

1995年に倒産したブガッティ アウトモビリですがブガッティという商標権はまだ有しており、それは1998年にフォルクスワーゲンに売却されたことでブガッティがフォルクスワーゲン傘下に設立されることとなりました。

この会社は「ブガッティ・オトモビル(Bugatti Automobiles SAS )」という社名で設立され、創業者のエットーレ・ブガッティが所有していたフランスの城を本社に充てています。

株式的には100%フォルクスワーゲンの子会社であり、経営にも設計生産にもフォルクスワーゲンのスタッフが関わっています。

そのため以前のブガッティとは直接関係があるわけではないのですが、ブガッティというブランド名が何より重要です。

フォルクスワーゲンは大衆車ブランドとしては高い評価を受けていますが、高級車や高性能車に関してはイメージが薄く、ブガッティはその点を強化するために設立された子会社です。

そして新生ブガッティで初めて発表された車が、W16気筒エンジンを搭載する「ブガッティ ヴェイロン」なのです。

W16気筒エンジンの構造

ヴェイロン エンジン

W16エンジンはフォルクスワーゲンによって開発されたのですが、完全にヴェイロン専用エンジンとして設計されており、その目的は世界最強のスペックを車に与えることでした。

W16エンジンの誕生

W16エンジンの開発に先駆けてフォルクスワーゲンが開発したエンジンに、狭角V型エンジンとそれを発展させたW12気筒エンジンがあります。

どちらも専用の記事でご説明していますので詳細は省略しますが、W16気筒エンジンはW12気筒エンジンの延長版として設計されたものです。

フォルクスワーゲンの狭角V型エンジンはバンク角が15°と非常に狭い設計が特徴で、上から見るとシリンダーが左右互い違いに配置されています。

そのため一見すると直列エンジンのようにも見えるのですが、それよりは全長が短く、直列エンジンとV型エンジンの中間のようなエンジンです。

そしてこの狭角V型エンジンを2基連結させたのがフォルクスワーゲンのW型エンジンで、見た目は90°バンクのV型エンジンのように見えます。

W12気筒エンジンはフォルクスワーゲンの最上級車を初め、グループであるアウディやベントレーにも採用されるエンジンで、大排気量からくるスペックは非常に高いものがあります。

W12気筒というベースが既ににあったのでフォルクスワーゲンは比較的短時間でW16気筒エンジンを実現できたのです。

W16気筒エンジンのスペック

W16気筒エンジンはヴェイロンのために生まれたと言ってもよいエンジンで、スーパーカーとして最高の性能を発揮するためのものです。

スペックは次のとおりですが、どの数字を取ってみてもそれまでの車を凌駕するものを持っており、世界最高のエンジンでもあります。

スペックブガッティ ヴェイロン16:4
エンジン8.0L W16気筒DOHC クワッドターボ
最高出力736kW(1,001PS)/6,000rpm
最大トルク1250N・m(127.5kgf・m)/2,200-5,500rpm
最高速度407km/h(標準モデル)
415km/h(Super Sport)

ヴェイロンのW16気筒エンジンは8.0Lという大排気量のエンジンにターボチャージャーが4基搭載されており、4気筒あたり1つのターボが担当しています。

その最高出力は当時市販車最高の1001馬力、トルクは127kgf・mというレースカー以上のスペックがあります。

そのスペックによってヴェイロンは市販車としては初めて最高速度400km/hを越えており、あとで追加された1,200馬力のスーパースポーツでは415km/hとさらに向上しています。

その走行性能を発揮するためにヴェイロンはフルタイム4WDシステムを搭載したMRレイアウトを取っており、乗車店員2名の非常に贅沢な車です。

また他のスペックも記録のオンパレードであり、次のようなものが上げられます。

  • 0-100km/h加速2.5秒、200km/h到達7.5秒、300km/h到達16.7秒
  • 最高速度407km/hを出すには直線距離で11.5kmの長さが必要(フォルクスワーゲンがテストコースを所有)
  • トップスピード時の燃費は0.8km/Lで、100Lタンクが12分で空になる
  • エンジンオイル量:23L、冷却水量:50Lが必要

まさにすべてが規格外のエンジンではありますが、フォルクスワーゲンの設計によって信頼性も高いエンジンに仕上がっており、イタリア車のスーパーカーにありがちなトラブルとは無縁なこともさすがドイツメーカーといえるでしょう。

W16エンジンの音

ブガッティ ヴェイロンが世界的にも珍しい車なのでその音を聞いたことのある人は少ないのですが、動画ではいくつも投稿されていますので参考に聞いていただこうと思います。


この動画では0km/hからのフル加速を行っていますが、アイドリングからかなり力強い音が出ており、スーパーカー特有のワクワクするようなアイドリング音です。

そしてそこからフル加速したときの一気にパワーが開放されるようなサウンドは最高の一言で、これほど気持ち良い加速をする車はほかにはありません。

サウンドの面でもスーパーカーとしての魅力を最大限聞かせてくれるW16エンジンは、やはり世界最高です。

W16エンジンのメリット・デメリット

メリット、デメリット

W16エンジンのメリットについては前述したように圧倒的なハイスペックを実現できるという点であり、ヴェイロンが世界最高の車になるにはこのエンジンあってこそです。

エンジンの多気筒化にはエンジンの静粛性向上という面もあるのですが、ヴェイロンの場合は逆にサウンドをしっかり聞かせるチューニングのため、静かという感じではありません。

反対にデメリットについては次のようにいくらでも上げられるのですが、どれも使い勝手を重視した量産車としてみた場合のデメリットであり、ヴェイロンという車種ではあまりデメリットとなりえないものばかりです。

  • 燃費の悪さ
  • エンジン重量増によるスペックへの影響
  • 量産コストの高さ
  • 車への搭載性の悪化

W16エンジンは実質ブガッティ専用エンジンとなっていますので、これらのデメリットは特に問題とならないのです。

W16エンジンの評価・乗り心地

ヴェイロンはあまりにも高額な車で乗ったことのある人はほんのひとにぎりですが、その最高のスペックは多くの人を惹き付けるパワーがあります。

Twitterからいくつかご紹介しましょう。

世界最高最強のエンジン

エンジンをご存知の方からすると16気筒、それもW型というレイアウトだけでもすごい!と思うのですが、そこにターボチャージャーが4つも搭載されるとなると素直に最高のエンジンと認めてしまいます。

自動車用のエンジンとしてチューニング等でスペック的にもっと高いエンジンはありますが、それがメーカー純正エンジンとして生まれたというのは歴史的なことでもあります。

このエンジンのことを聞くと、私を始めとする車好きはたまらなくなってしまうのです。

今後はW16エンジンはなくなる?

ヴェイロンおよび後継のシロンに搭載されたW16エンジンですが、どうもこの先の開発については微妙なようです。

同記事で触れられているのは欧州の排気ガス規制の問題で、ヴェイロンのような大排気量ガソリンエンジンは規制の方向に進んでいるようです。

ただ欧州はハイブリッドなどの電動化を推し進めていますので、W16ハイブリッドなどが登場すればさらにすごいスペックになりそうですが。

W16エンジン搭載車

W16エンジンが搭載された車はこれまでブガッティ ヴェイロンとシロンだけです。

ブガッティでは4人乗りのラグジュアリーモデルも計画されていましたが、登場する様子が無いところを見ると中止になったのでしょう。

ここではこの2車種についてもう少し詳しくご紹介します。

ブガッティ ヴェイロン

ブガッティ ヴェイロン

新生ブガッティの旗印となるべく誕生したヴェイロンは2001年の発表時から世界的な注目を浴びました。

それはエンジンスペックもそうですが、その特徴的なスタイリングとインテリアの豪華さもあり、ただ速いだけのスーパーカーではないことをありありとみせつけたからです。

2001年の段階で量産体制が整っていたものの度重なるトラブルで開発が難航し、結局発売されたのは2005年です。

MEMO

わずか300台の限定生産と1台2億円という価格にもかかわらず、2011年には300台が完売しました。

その後タルガトップモデルのグランスポーツが追加され、150台が新たに作られていますが、それでも全世界で450代までという貴重さです。

ヴェイロンのスペックの高さは前述したとおりですが、走行性能を追求したスーパーカーはインテリアが簡素なことが多い中、ヴェイロンは最高級のラグジュアリーカー並のインテリアを備えており、幅広い層から支持を得ています。

高級さと未来感がうまく融合したコックピットはブガッティの得意とするところであり、他のどのスーパーカーとも違うヴェイロンだけのデザインです。

またヴェイロンは特別仕様車も多数作られており、エクステリアのカラーからインテリアまで多数のモデルが作られました。

さらに2010年には16:4スーパースポーツというハイスペックモデルが追加され、排気量は変わらないものの、最高出力1,200馬力、最大トルク153kgf・mまでスペックが引き上げられ、最高速度は当時世界最速の431km/hまで伸びています。

それほどの性能にもかかわらず300km/hあたりまでは非常に安定した挙動の走りとなっており、300km/hを越えても加速を続ける様は見ていてワクワクするものです。

ヴェイロンは2015年で完売が発表されて絶版となりましたが、10年以上に渡ってこれほど注目され続けた車もなかなかないでしょう。

ブガッティ シロン

ブガッティ シロン

ヴェイロンの完売からわずか1年後の2016年には、後継モデルとなるブガッティ シロンが登場、発売しました。

そのコンセプトは完全にヴェイロンを受け継いでおり、W16クアッドターボエンジンを中心として世界最高、最速を目指すスーパーカーです。

エクステリアデザインはヴェイロンより未来的なフォルムとなりましたが、インテリアは最上級なブガッティならではの特徴的なダイヤルが並ぶデザインです。

スペックブガッティ シロン
エンジン8.0L W16気筒DOHC クワッドターボ
最高出力1,103kW(1,500PS)/6700rpm
最大トルク1,600N·m(163.2kgf・m)/2,000rpm-6,000rpm
最高速度420km/h(リミッター作動)

エンジンの排気量こそヴェイロンと変わらないものの、その最高出力は一気に500馬力アップして1,500馬力の大台に乗っています。

トルクも163kgf・mと、もはや数字が大きすぎて圧倒される他ありません。

それほどのスペックアップにもかかわらず最高速度は420km/hとなっていますが、実はこの上限はタイヤが耐えられる上限で決まっているとのことで、車のスペック的には480km/hも狙えるそうです。

ヴェイロンでも400km/hを超えるために専用開発のタイヤが必要でしたが、シロンではついに現在のタイヤの限界まで到達しきってしまったわけです。

そのためシロンは標準状態では420km/hでリミッターがかかるようになっており、オーナーの操作で解除はできるようですが、そこから先は保証しないよ、ということでしょう。

何から何まで規格外のブガッティ シロンですが、今後420km/hを越えられるタイヤが登場すれば最高速度は引き上げられるでしょう。

またさらなるハイパフォーマンスモデルの登場も囁かれており、これ以上どこを強化するのかわかりませんが、今後が非常に興味深い車です。

W16エンジンの今後

W16気筒エンジンは前述のTwitterにもあったように、シロンでひとまず開発は終了ということになりそうです。

シロンのようなスーパーカーにも環境対策の並は確実に押し寄せてきており、エンジンのみの車というものが次第に少なくなるからでしょう。

とはいえ車好きとしては、世界最高のエンジンであるW16気筒がなくなるのは非常に寂しいので、ハイブリッド化などを果たしてぜひ未来につなげてもらいたいものです。