「キャンピングカーに住む生活をしてみたいんだけど、キャンピングカー暮らしって本当に自由なの?」
「キャンピングカーを住所にすることってできる? 風呂とか寝泊まりはどこですればいいのか知りたい!」
キャンピングカーに住む生活、端から見ると自由気ままな暮らしに見えますよね。
法律的には、キャンピングカーに住むことは問題ないんでしょうか?
また、キャンピングカー生活の費用は1ヶ月にどれくらいかかるんでしょうか?
キャンピングカー生活のメリットとデメリット、さらに風呂や寝泊まりはどこでするのかについて、わかりやすく解説します。
キャンピングカー生活はできる! ただし家も必要
まずキャンピングカーでの生活は可能かどうかについて解説していきます。
車中泊していい場所は全国に3,748ヶ所ある
キャンピングカー生活での宿泊場所としては、おもに以下の場所が利用可能です。
- キャンプ場(全国1,513ヶ所)
- 道の駅(全国1,134ヶ所)
- 高速道路のSAやPA(全国846ヶ所)
- 湯YOUパーク(全国127ヶ所)
- RVパーク(全国101ヶ所)
- ハイウェイオアシス(全国27ヶ所)
湯YOUパークとは、旅館・ホテルの温泉にだけ入り、そこの駐車場で車中泊させてもらえるサービスのことです。
参考 YOUパークのご案内くるま旅自分のキャンピングカーに温水シャワーを装備していなくても、湯YOUパークを利用すれば風呂に入って寝泊まりができます。
RVパークとは外部電源が利用できる車中泊スペースのことです。キャンプ場と違ってバーベキューやたき火はできませんが、トイレや風呂を利用でき、ゴミも捨てて行けます。
ハイウェイオアシスとは、SAやPAのような休憩施設です。高速道路からしか入場できないSA・PAと違って、ハイウェイオアシスは一般道からも入場できます。
これらの施設を旅していけば、キャンピングカーに住むことは可能です。
キャンピングカーでの車中泊については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。こちらも参考にしてみてください。
キャンピングカーで車中泊はどうやる?宿泊場所についても解説!住民票(住所)はキャンピングカーでは登録できない
キャンピングカーでは、住民票登録はできません。住民票登録できるのは、「電気・ガス・水道を引いてある、居住できる建築物」のみです。
実際はキャンピングカーで毎日生活していても、「住所となる家」は別に用意する必要があります。
健康保険に関する通知や運転免許の更新通知といった、役所からの重要なお知らせは住民票の住所に届きます。キャンピングカーに届けてもらうことはできません。
いま住んでいる家を解約・売却してキャンピングカー生活を始めるなら、親戚の家でいいので住民票登録しておきましょう。
車庫証明には住民票登録している住所が必要
車庫証明にも住所と駐車場が必要です。
自宅から2km以内の駐車場を登録しなければいけないので、住民票に登録している住所がないとなると車庫証明申請できず、キャンピングカーを購入することができません。
住民税は1月1日時点で住民票登録されていた市区町村に徴収される
住民税は、1月1日時点で住民票に登録されていた市区町村に徴収されます。
たとえば6月にキャンピングカー生活を始めたとしたら、6月まで住んでいた家の市区町村から徴収されます(あまりないと思いますが、1月~6月の間に引っ越している場合はその前の市区町村です)。
では、1月1日時点ですでに家を解約・売却してキャンピングカー生活をしていた場合はどうなるんでしょうか?
いま住んでいる市区町村からの転出届を出しても、転出先で住民票登録しなければ、住民票の住所はもともと住んでいた市区町村に戻ってしまうシステムです。
つまり、家を解約・売却してすでに住んでいなくても、次の住所を登録していなければ、同じ家に住んでいるものとみなされて、住民税がかかります。
固定資産税はかからない
土地や家屋を所有している場合にかかる、固定資産税はキャンピングカーにはかかりません。
固定資産税に関してだけは、キャンピングカー生活のほうが持家に住んでいるよりも節税になります。
自動車税はふつうの車よりも少しだけ安い
キャンピングカーには毎年、自動車税がかかります。
ただし、キャンピングカーは8ナンバーの特殊車両という扱いになるので、税額がふつうの車よりも少しだけ安いんです。
自動車税額は下の表のようになっています。
総排気量 | 自動車税額 (キャンピングカー) | 自動車税額 (普通乗用車) |
6,001cc以上 | 88,800円 | 111,000円 |
4,501cc~6,000cc | 70,400円 | 88,000円 |
4,001cc~4,500cc | 61,200円 | 76,500円 |
3,501cc~4,000cc | 53,200円 | 66,500円 |
3,001cc~3,500cc | 46,400円 | 58,000円 |
2,501cc~3,000cc | 40,800円 | 51,000円 |
2,001cc~2,500cc | 36,000円 | 45,000円 |
1,501cc~2,000cc | 31,600円 | 39,500円 |
1,001cc~1,500cc | 27,600円 | 34,500円 |
1,000cc以下 | 23,600円 | 29,500円 |
自動車税の納税通知書もキャンピングカーに届けてもらうことはできず、車検証に記載されている住所に届くので、やはりここでも家が必要です。
お風呂は湯YOUパークやRVパーク、もしくは銭湯を利用するのが賢い
キャンピングカーには車種によっては温水シャワーをつけることができ、車内で風呂に入れます。
ただ、給水タンクに入れておける水の量は多くても60リットル~100リットル程度、ボイラータンク(熱湯)は20リットル程度です。
水と熱湯を混合したものがシャワーから出てくるんですが、一度シャワーを浴びると10リットル以上は消費するので、頻繁に補給する必要があります。
画像の棚のなかに入っているのが給水タンクと、つかった水を捨てる排水タンクです。これでそれぞれ19リットルずつです。
ボイラーでお湯を沸かすのには、冬だと2時間ぐらいエンジンをかけておく必要があり、シャワーを浴びたあとはタンクに水を入れっぱなしにしていると腐ってしまう可能性があるので、捨てなければいけません。
捨ててしまうと、今度は水を補給できる場所を探すことになります。公園の水道やガソリンスタンドで給油した際に入れてもらうのがメジャーですが、シャワーを浴びたいときに都合よく見つからない場合もあります。
さらに、キャンピングカーのシャワールームはこんなに狭く、本当に身体の汚れだけをサッと流す程度になり、家の風呂のようにリラックスできる環境ではありません。
これらの手間を考えると、キャンピングカー生活の風呂は、先ほど紹介した湯YOUパークやRVパークの風呂、もしくは銭湯を利用するのが賢いです。
キャンピングカーの風呂・シャワーについては、以下の記事でさらに詳しく解説しています。こちらも参考にしてみてください。
キャンピングカーは風呂・シャワー付き?水の補給の仕組みまで解説!洗濯はコインランドリーかクリーニング屋を利用する
キャンピングカーに洗濯機は積めないので、洗濯はコインランドリーでします。
コインランドリーで1回洗濯して乾燥機にかけると、だいたい500円~1,100円程度かかります。
キャブコンやバスコンといった大型のキャンピングカーの場合は、駐車場に入れない場合もあるので、車高や車幅に制限がないかどうか事前に調べてから行きましょう。(キャブコン、バスコンの例は以下の記事をご参照ください。)
カムロードのキャンピングカー内装や値段【キャブコン】ナッツクレアスティングエボリューション5.0XXリエッセ2のキャンピングカー内装や値段【バスコン】RV BIG FOOT ACSオアシスSHコインランドリーで洗えないような服の場合は、旅先のクリーニング屋を利用してもOKです。
もしキャンピングカーを買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!キャンピングカー生活の3つのメリット
さてキャンピングカーに住む生活には、どんなメリットがあるんでしょうか? 1つずつ解説していきます。
宿泊費をうんと安く抑えられる
ふつうは家からとおくはなれた場所に行くと旅館・ホテルに泊まることになるので、宿泊費が高くつきます。
しかし、キャンピングカーがあれば宿泊費はうんと安く、湯YOUパークやRVパークを利用しても1泊500円~4,000円のあいだです。
キャンプ場を利用する場合はもう少し高く、1泊3,000円~5,000円程度で車中泊できます。道の駅やSA・PA・ハイウェイオアシスであれば無料です。
好きなときに好きなところに住める
先ほど解説したように、車中泊できる場所は全国に3,748ヶ所もあるので、行きたいときに行きたいところへ行って、普通乗用車や電車・バスではできないような自由な旅ができます。
たとえば「夏は涼しい地域に住み、冬になったら暖かい地域に住む」といったように、つねに自分の過ごしやすい環境で生きていくことができます。
チェックインやチェックアウトの時間を気にする必要もなく、寝たい時間に寝て、起きたい時間に起きて出発できるのも、キャンピングカー暮らしの魅力です。
災害に遭った場合でも被害に遭っていない地域に移動して生活できる
大地震や火事・洪水といった災害が起きて、万が一住む家がなくなってしまっても、キャンピングカー暮らしであれば被害に遭っていない地域に移動して生活できます。
もちろん地元をはなれたくなければ、そのまま同じ地域で生活することも可能です。避難所生活とは違って、完全に自分だけのプライベート空間が保てます。
電気も車のバッテリーから取れるので、まわりの被害状況に関係なく、いつもどおりの生活が送れるんです。
「寝てる間にものを盗られるんじゃないか」という心配もなく、このようなエアコン付きのベッドで優雅に寝られます。
他にも挙げようと無限にあげることができるくらいメリットは多いです。以下の記事でも解説しているので、こちらもあわせてご参照ください。
キャンピングカーの楽しみ方8つ!色々な使い方を紹介します!キャンピングカー生活の6つのデメリット
逆に、キャンピングカーに住む生活には、どんなデメリットがあるんでしょうか? 1つずつ解説していきます。
車体が大きすぎて駐車場に入れない
キャブコンやフルコン、キャンピングトレーラーといった大型のキャンピングカーの場合、車体が大きすぎて駐車場に入れない場合があります。(それぞれの車種の例は以下の記事をご参照ください。)
フォード エコノラインのキャンピングカー内装や値段【キャブコン】ウィネベーゴアスペクトキャンピングトレーラー内装や値段【トリガノ アンタレススタイル470Vエディションプレミアム】車内で生活していく以上は、コンビニやスーパー、銀行を利用する機会が多いですが、高さや幅に制限のない駐車場がついているところを探すのは、非常に大変です。
ましてや初めて行った地域では土地勘がないので、駐車場の有無以前にコンビニ自体がなかなか見つからなかったりします。
車内にトイレがついていないキャンピングカーの場合は、トイレに行きたくてもなかなか行けず、「仕方なく路上駐車して戻ってきたら駐車違反の紙が貼ってあった」なんていう悲惨なこともあり得ます。
大型のキャンピングカーは、これほど巨大です。このキャンピングカーの詳細は以下の記事をご参照ください。
コースターのキャンピングカー内装や値段【フルコン】ナッツRVボーダーバンクスエボリューション タイプT夏の車内は耐えられないほど暑い
キャンピングカー生活の敵は、なんといっても暑さです。夏の車内は、耐えられないほど暑くなります。
窓を開けたぐらいでは焼け石に水ですし、なにより車中泊の最中に窓を開けていたら、防犯上危険です。
救いとして、キャンピングカーの車種によっては、家庭用エアコンがつけられます。
ただ、消費電力がはげしく、長時間つけっぱなしにしているとバッテリーが切れてしまうので、家のように常用することはできません。余裕を持つなら5時間程度の連続使用が限界です。
家庭用エアコンがつけられない車種は論外で、夏のあいだは暑さにただ耐えつづけることしかできず、とても生活できる環境ではありません。
エアコンについてはこちらの記事でも解説しています。こちらも目を通してみてください。
キャンピングカーのエアコン・クーラーは必要か考察!夏はないと無理?!トイレの汚物を捨てに行かないといけない
家のトイレは流すだけで済みますが、キャンピングカーのトイレは汚物タンクというところに汚物がたまっていくので、公衆トイレに持ち運んで自分で捨てに行く必要があります。
毎回公衆トイレを探すのもめんどうですし、自分の出したものとはいえ、あまり気分がいいものではありません。
キャンピングカーのトイレにはポータブル式・カセット式・マリン式の3種類があります。
ポータブル式とカセット式は汚物タンクを持ち運ぶタイプで、マリン式はホースをつないで浄化槽に直接捨てるタイプですが、キャンピングカーについているのは前者2つが一般的です。
キャンピングカーのトイレの仕組みは以下の記事で詳しく解説しています。興味がある方はこちらも目を通してみてください。
キャンピングカーのトイレの処理・掃除の仕組み!トイレ付きがいいのか解説!トイレ以外の生活排水もまめに捨てないといけない
トイレだけでなく、シャワーを浴びた場合や料理をした場合に出る生活排水は、自分で捨てないといけません。
排水タンクに入れておけるのは20リットル~100リットル程度と限られているので、1日~2日に1回ペースで、まめに処理する必要があります。
キャンピングカー自体がめずらしいので目立つ
キャンピングカーを街中で見かける機会はあまりなく、めずらしいので、どこに行っても目立ちます。
このような軽キャンパーであれば、見た目はふつうの軽自動車なので、車内が見えないかぎり大半のひとは素通りします。(このキャンパーの詳細は以下の記事をご参照ください。)
エブリィJOINターボのキャンピングカー内装や値段【軽キャンパー】オートワンTurerunderしかし、これぐらいの大きさになってくると、だれが見てもキャンピングカーだとわかるので、どこに行っても視線が集まるんです。(この車の詳細は以下の記事をご参照ください。)
新型ハイラックス専用キャンパー内装や値段【トラキャン】MYSミスティックNew J-cabin HN最初は注目を浴びて気持ちいいかもしれませんが、やはりつねに見られているというのはだんだんストレスに感じるようになり、最終的にはイライラしてしまう原因になります。
寝心地があまりよくないのでつかれが取れにくい
キャンピングカーにはベッドがついていますが、家のベッドとくらべると寝心地はあまりよくなく、睡眠を取ってもつかれが取れにくいです。
長さがみじかくて脚が伸ばしきれなかったり、天井が低くて圧迫感があったりします。狭いベッドで毎晩寝ていると、エコノミー症候群で身体が痛くなってしまうかもしれません。
翌朝になって移動しようと思っても、つかれが取れきれていなければ運転するのも危険です。
キャンピングカー生活の費用は1ヶ月あたり245,108円程度
では、キャンピングカーに住む生活は、1ヶ月にどれぐらいの費用がかかるんでしょうか? かかる費用の内容と金額を下の表にまとめましたので、見てください。
費用項目 | 1ヶ月にかかる金額 |
ガソリン代 | 63,784円 (年間走行距離20,000km、 ハイエースベースのバンコンと 仮定して計算) |
風呂代 | 67,500円 (RVパークを毎日利用すると 仮定して計算) |
高速道路代 | 15,000円 (1日500円と仮定して計算) |
食費 | 90,000円 (1日3,000円と仮定して計算) |
電気代 | 0円 |
自賠責保険料 | 1,258円 (24ヶ月契約で30,210円) |
任意保険料 | 10,000円 |
自動車税 | 3,400円 (年間40,800円を12ヶ月に割って計算) |
車検費用 | 4,166円 (2年で100,000円を24ヶ月に割って計算) |
合計 | 245,108円 |
キャンピングカーに住むならやはり走行距離が多くなり、一般的な車の年間走行距離である10,000kmの2倍で計算すると、月々63,784円のガソリン代がかかります。
ハイエースベースのバンコンで計算したので、ディーゼルエンジン搭載車ならもう少し安くなるかもしれません。(エンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。)
ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの違い3つ!比較すると熱効率や寿命が全然違う?!風呂代が地味に高く、RVパークを利用すると1日あたり2,250円ほどかかり、1ヶ月でかかる金額は67,500円です。
食費は1日3,000円で計算していますが、せっかくキャンピングカー生活でいろんな地方を旅するわけですから、地元の美味しいものを食べたければこれぐらいはかかってきます。
そのほか保険料や税金を足していくと、キャンピングカー生活には月々245,108円がかかる計算になりました。
こうして金額を見ると、ふつうに家で生活したほうがはるかに安い生活費で済むことがわかります。
キャンピングカーに住む生活が向いているひとと向いていないひと
キャンピングカーに住む生活は、以下のようなひとに向いています。
- いろんな地方を旅してまわりたい
- 他人と違う生活がしたい
- 暑さに強い
- 汚物処理をイヤだと思わない
地方の観光地を見て回ったり、地元の美味しいものを食べることに魅力を感じるなら、キャンピングカーほど心強いパートナーはいません。
夏の車内の耐え難い暑さや、毎回やらなければいけない汚物処理をなんとも思わなければ、その先に待っているのは他人とまったく違う自由な旅生活です。
逆に、向いていないのは以下のようなひとです。
- 生活費を節約したい
- 快適で便利な生活を望んでいる
- 暑さに弱い
- 家事ができない
キャンピングカーの生活費は、家で生活するよりもずっとかかります。節約して貯金したいひとには、キャンピングカー暮らしは向いていません。
ベッドは狭く、エアコンも1日中つけていることができないので、とくに暑さに弱いひとは体調を崩してしまう可能性があり、家での生活のほうが間違いなく快適です。
また、汚物処理や給水タンクの補給は、家のトイレ掃除や食器洗いよりもずっとめんどうです。
今までの生活で家事をまったくやってこなかったひとは、キャンピングカー生活を始めても1日で嫌気がさします。
これらを考慮した上で、「それでもキャンピングカー生活がしてみたい!」という強い意志があるなら、ぜひ購入検討してみてくださいね。
ここまで書いてきましたが、めんどうな部分を醍醐味だと思って楽しめるかどうかが重要です。この記事を読んだことで、「キャンピングカー生活はできるのか」という疑問が解消されることを願っています。
これからキャンピングカーを買おうと思っている方は、以下の記事もぜひあわせてご覧ください。購入の参考になりますよ。
キャンピングカーの運転は難しい?注意点とコツも解説!キャンピングカーの全ての種類8つを解説!特徴から価格まで!