1分で車を60万円値引きする裏技

直列5気筒エンジンの特徴!どんな音?搭載車を日本車/外車の車種からそれぞれ紹介!

直列5気筒エンジンは自動車用エンジンとして使われるエンジンの1型式ですが、主流の直列4気筒エンジンとは違って結構珍しい型式です。

今回はそんな直列5気筒エンジンについてご説明しましょう。

直列5気筒エンジンとは

アウディ 直5エンジン

直列エンジンはエンジンのピストンが一直線に並んだ型式のエンジンで、おもにピストンを上下方向に動かすエンジンです。

乗用車やバイク用として使われる型式には、気筒数によって単気筒から直列2、3、4、6、8気筒ぐらいまでさまざまな型式があるのですが、直列5気筒エンジンはピストンが5個並んだエンジンです。

自動車用エンジンでもっとも普及している直列エンジンは直列4気筒エンジンで、その次が
直列3気筒、次点で直列5気筒といったところで、世界中を見渡してみても結構珍しい型式のエンジンと言えます。

まずは直5エンジンの構造などについてご説明しましょう。

直5エンジンの構造

直5エンジンは単純に考えれば直4エンジンより1気筒分大きいだけのエンジンです。

基本的な構造は直4エンジンと変わりませんが、直4エンジンより排気量を大きくすることができます。

自動車用ガソリンエンジンの1気筒あたりの排気量の限界は500cc~600ccといわれており、これを越えるとさまざまなロスが大きくなってきてしまいます。

ここから直4エンジンは2.0L~2.5Lぐらいが排気量の限界というのが計算できるのですが、直5エンジンはその上の2.5L~3.0Lまで対応できるエンジンとなります。

中型車向けとしてはV6エンジンと排気量のカバー範囲が重なり、ベースモデルを直4とすると上級モデルに直5を充てることができます。

また直4エンジンとピストンなどの基本構造を統一することも可能で、直4エンジンと直5エンジンの部品共用化は割と容易です。

直4とV6ではなかなか共用は難しいのですが、直5ならさほど大きな問題はなく、共用化によるコスト低減も可能でしょう。

エンジン全長が長くなるので搭載性の面では直4より不利ですが、少し前まで高級車向けとして一般的だった直6エンジンよりは短くなります。

のちほど搭載性については詳しくご説明しますが、直5エンジンは「直4より排気量がとれ、直6エンジンより載せやすい」エンジンといえるでしょう。

直5エンジンの独特な振動

エンジンの型式はほとんどが2の倍数の気筒数であり、直4、直6、V8などがあります。

なぜ偶数なのかというとちゃんとした理由があり、エンジン振動を各気筒をペアにすることである程度キャンセルすることができるからです。

直4エンジンは割と振動は多いのですが、各気筒がそれぞれペアにできますので、ひとつの気筒で発生した振動をペアの逆位相の振動で打ち消し会うことができます。

それでも2次振動と呼ばれる振動は打ち消せず、直4エンジンの振動の元になります。

もっとも振動が少ないのは直6エンジンで、個のエンジンはピストンの爆発タイミングと点火順序などが理想的な構造をしており、1次振動も2次振動もキャンセルできます。直6以上の直列エンジンは基本的に振動は少なくなります。

直5エンジンというのは直4と直6の間で両者の中間程度と思われるかもしれませんが、実は振動に関して直5エンジンでは独特です。

1次振動、2次振動ともにバランスは取れていて上下左右の振動は少ないのですが、別の振動要素が現れます。

直5エンジンでは端にある1番気筒か5番気筒がペアを作れず、振動についてはバランスの悪いエンジンといえます。

その結果、直5エンジンには偶力と呼ばれるエンジンをすりこぎのように回転させる振動が生まれてしまい、それが原因でエンジン音も独特なものとなります。

偶力はV型エンジンに付き物の振動形態なのですが、奇数気筒の直列エンジンにも発生するものです。(直4、直6にはない)

のちほど直5エンジンの音についてはご説明しますが、直4エンジンよりは振動が減るものの、直6ほど静かというわけではありません。

直列5気筒エンジンの音

直5エンジンを搭載した車はいまの日本車にはありませんので、私たちはあまり聞いたことがないものです。

しかし海外では何社か直5エンジンを採用しているメーカーがあり、アウディ、ボルボ、フォードなどでその音を聞くことができます。

今回はYouTubeの動画で何台もの直5エンジン搭載車のエンジン音をまとめたものがありましたので、参考にご紹介します。

直5エンジンの基本の音は結構静かで、滑らかな回転をしているスムーズな音がします。直4エンジンなどは結構ドドドドという振動音が強いので、それと比べれば圧倒的に静かな音です。

しかし音の合間に不規則なブルンブルンという音が聞こえますが、これが偶力で発生した音の特徴的なものです。

同じような音はV6エンジンや直3エンジンでも聞くことができ、偶力の発生する型式にはついて回ります。

結果的に直5エンジンは直4エンジン以上の静かさはあるものの、音の特性はV6エンジンとにたものがあるというわけですね。

直列5気筒エンジンのメリット・デメリット

直5エンジンのメリット、デメリットはいくつかあげることができますが、ほとんどがV6エンジンとの比較になります。

直5エンジンの立ち位置は直4の上位機種であり、気筒数は少ないものの、V6エンジンと同じ立ち位置なのです。

同じ直列の直6エンジンとは同様なメリット、デメリットを持っていますが、排気量は少ないものの気筒一個分のエンジン全長が短縮できるという違いがあります。

直5エンジンのメリット

まずはV6エンジンと比較した際のメリットをご説明しましょう。

直5はコストが低い

直5エンジンとV6エンジンを比べた場合、排気量のカバー範囲はよく似ているのですが、エンジン本体のコストで言えば直5エンジンにメリットがあります。

直5エンジンもV6エンジンも中型車向けは2.5L~3.0Lあたりで使われることの多いエンジンですが、直5エンジンはエンジン型式としてはシンプルかつ最小限のレイアウトが可能ですので、比較的部品点数が少なくコストメリットがあります。

それに対しV6エンジンはVバンクを持ち、エンジンの同弁系が左右に別れていますので部品点数の多いエンジンです。

またそもそも気筒数がひとつ少ない点においても直5エンジンにコストメリットがあり、シンプルな構造の直列エンジンならではのよさといえるでしょう。

ただし排気量がもっと上になると直5エンジンでは対応しきれなくなりますので、あくまで3.0L程度の排気量まででのメリットでもあります。

排気レイアウトの取り回しのよさ

直列エンジンは構造がシンプルなためエンジンの左右方向にあまり部品がなく、このことが排気管と触媒のレイアウトにメリットがあります。

V6エンジンは左右のバンクそれぞれから排気を出し、それをエンジン後部か車体下の排気管で纏めるという手間がどうしてもかかります。

また触媒はできるだけエンジンの近くに起きたい部品なので、性能優先でVバンクそれぞれに触媒が1つづつ必要であり、これはコスト高の原因ともなります。

しかし直5エンジンは直列エンジンのよいところを受け継いでいるので、エンジンの左右どちらか片側から纏めて排気管を取り出すことができ、その直後に触媒をおけば触媒は1個で済みます。

触媒の役割は、年々厳しくなる車の排気ガス規制によってどんどん重要になっていっているので、V6エンジンより触媒の能力を発揮しやすい直5エンジンのほうが規制をクリアしやすいとも言えます。

直5エンジンをラインナップに持っていれば、中型車の排気ガス規制に対してはV6エンジンより有利に立ち回れるでしょう。

整備性のよさ

V型エンジンのVバンクはエンジンをコンパクトにすることには成功しているものの、エンジンの整備性に対しては決してよい影響を与えません。

その点直5エンジンであればVバンクのような邪魔物が少なく、エンジンの整備性は良好と言えます。

Vバンクがあるとエンジンを上から見たときにシリンダーブロック本体が視認できないようになっており、上からのエンジンメンテナンスはなかなか苦労するものです。

工具も手もなかなか入らず、特殊な工具を使わないと作業できないこともよくあります。

その点直5エンジンであれば邪魔な大物部品がエンジンの横側に少ないこともあり、比較的メンテナンスは楽で、整備士にとっては直5エンジンのほうがありがたいでしょう。

直5エンジンのデメリット

次は直5エンジンのデメリットをご説明しますが、前述した振動や音に関しては直6エンジンほどではないにせよ十分な静かさを持つエンジンでもありますので、ここでは記載しません。

搭載性の悪さ

直5エンジンの全長は5気筒分の全長が必要ですのでV6エンジンに対して1.5倍程度長くなってしまい、車への搭載性という面ではデメリットを抱えています。

直5エンジンはもともと搭載性を考慮して産み出されたエンジンといってもよく、あまりに全長の長い直6エンジンより搭載性をもたせ、なおかつ直4エンジンよりワングレード上の排気量を任せられるエンジンとして生まれました。

そのためホンダなども昔のセダンに直5エンジンを搭載したことがあり、直6を載せにくい車種にも採用しやすいメリットはあったのです。

しかしV6エンジンの普及とともに直6エンジンが衰退したように、直5エンジンの全長の長さも大きなデメリットとなり採用は減りました。

エンジン全長は車の衝突安全性を確保する上で重要であり、とくにエンジンを縦置きするFRレイアウトでは直5エンジンでも少々長すぎます。

直4かV6であれば車のスタイルをキープしつつ衝突安全性も確保できるので、中型車向けにはV6エンジンが普及したのです。

またエンジンを横置きするFFレイアウトでも全長の長さは設計上のネックとなり、車の幅をあまり広げられない状況ではやはりV6にメリットがあります。

しかしそういったデメリットがあっても直5エンジンのV6に対するコスト面のメリットは魅力的なものであり、車体側の設計を合わせ込んで直5エンジンを搭載することには意味があります。

直5エンジンはV6エンジンより少々使い勝手が悪いということなので、世界的にはどうしても主流になり得ないのです。

バランサーシャフトが必要

これはV6エンジンも同様のデメリットを持っているのですが、直5エンジンでどうしても発生する偶力振動をキャンセルするためのバランサーシャフトという部品が必要になります。

エンジンの振動で問題となる点がある場合、その振動と逆位相の振動を産み出してエンジン全体でキャンセルさせる、バランサーシャフト(サイレントシャフト)というものが採用されます。

中型車向けで振動の気になる車種にとくに採用されるのですが、直5エンジン搭載車では必要な部品です。

しかしバランサーシャフトは振動を低減させる以外に働きを持たない部品でもあり、コスト的には純増となってしまいます。

またシャフトの回転にエンジン出力の一部を使うことからパワーや燃費にも影響があり、摩擦によるロスも増えてしまいます。

車の走行性能にとっては余計な部品であるバランサーシャフトがどうしても必要、という点は直5エンジンの悩ましいデメリットです。

直列5気筒エンジンの評価・乗り心地

直5エンジン搭載車は日本では本当に珍しくなかなか体験できないのですが、Twitterには直5エンジン車に実際に乗ったことのある人の評価が投稿されています。その中から2件ほど紹介しましょう。

直5エンジンの音はV10ライク

この方はアウディTTRSという直5エンジン搭載のスポーツカーに乗られたようですが、エンジン音がV10エンジンと似ていて非常に興奮されたようですね。

V10エンジンは直5エンジンを2基繋げてV型にしたエンジンであり、基本的な音はよく似ています。

しかしV10エンジンは高回転エンジンなので、より甲高い音が特徴です。それでも普通車の直5エンジンでその一片が味わえるというのは楽しいものです。

ボルボの直5は上質な乗り味

この方はボルボV40の直5エンジン搭載車に乗っておられたようですが、こちらはステーションワゴンということで大人しい味付けのエンジンになっているようですね。

しかしボルボという車のゆとり感を考えれば、そういった乗り味もよいですよね。何より直5エンジンの滑らかな乗り味はボルボにぴったりです。

直列5気筒エンジン搭載車

国産車で直5エンジンを搭載していた車はホンダ インスパイアやトヨタ ランドクルーザーなど過去に何車種かありましたが、いずれも20年以上前の車種ですので、これから乗ろうと考えるには少々古すぎます。

そのため直5エンジン搭載車を探すのであれば輸入車しかよい選択肢はありませんので、今回は直5エンジン搭載の輸入車を何車種かご紹介しましょう。

ボルボ V70

ボルボは長い間直5エンジンをメインユニットの1機種に加えていたメーカーで、その中の一車種がV70です。

V70はボルボ伝統の直線基調のステーションワゴンで、ボルボといえばこの車種と誰でも思い浮かべる車でもあります。

現在はV70は廃止されてV90という車種に統合され、直5エンジンはなくなってしまいました。

そのため手に入れられるのは中古車だけですが、V70自体の生産終了は2017年だったものの直5エンジン搭載モデルは2011年モデル以前ですので、少々車としては古くなってきています。

ボルボの直5エンジンのスペックは次の通りです。

ボルボV70 2010年モデル
エンジンB5254 2.55L 水冷直列5気筒
DOHC20バルブ ICターボ
最高出力170kW(231PS)/4,800rpm
最大トルク340 ・m(34.7kgf・m)/
1,750rpm~4,800rpm

スペック的には同クラスのV6 NAエンジンと遜色ない性能を有しており、ターボ化による低速トルクの太さから運転しやすい車に仕上がっているといえるでしょう。

現行であるV90は直4ターボエンジンでパワーやトルクは遜色ない物にになっていますが、前述のツイートにもありましたがボルボにはゆとりのある走りを期待しているオーナーは多くいます。

直4エンジンのサウンドではなかなか満足感は得られませんので、直5エンジンの滑らかなサウンドはV70という車種にはぴったりのものでしょう。

アウディ TT RS、RS3

日本では直5エンジンというとボルボが有名なのですが、実は直5エンジンを現在も積極的に採用しているメーカーはアウディです。

アウディの中での直5エンジンに位置付けはハイパフォーマンス車向けのハイパワーエンジンで、通常のモデルには搭載されません。

その代表車種がTT RSやRS3といったモデルで、どちらもベース車に比べるとかなりホットな車に仕上がっています。

各モデルのスペックを以下に記載します。

TT RSRS3
エンジン2.5L 直列5気筒DOHC
インタークーラー付
ターボチャージャー
2.5L 直列5気筒DOHC
インタークーラー付
ターボチャージャー
最高出力294kW(400PS)/
5,850rpm~7,000rpm
270kW(367PS)/
5,500rpm~6,800rpm
最大トルク480 ・m(48.9kgf・m)/
1,700rpm~5,850rpm
465 ・m(47.4kgf・m)/
1,625rpm~5,550rpm

前述したボルボも同じ排気量の直5エンジンでしたが、アウディのエンジンは同じターボ仕様であるにも関わらずかなりの高出力と高トルクを実現しています。

RSの名前を持つアウディにはラリーカーから受け継いだ魂が入っているといっても過言ではなく、それがスペックにしっかり現れています。

決して一般的な車ではなく扱いやすい車でもありませんが、直5エンジンの圧倒的なパワーを味わうのであればアウディをおいてほかにはないでしょう。