ハイブリッド車は日本で非常に人気の高い車種で、年々さまざまなメーカーから新しいハイブリッド車が登場しているほどです。
そんなハイブリッド車ではありますが、一方で購入した後に後悔する人もいるのです。
今回はそういったケースについてご説明します。
ハイブリッド車を買って後悔するケース
ハイブリッド車とは、従来のガソリン車やディーゼル車に電気モーターを組み合わせることで車の燃費を大きく向上させた車種です。
ハイブリッドカーとは?メリット6つとデメリット/問題点11つ特徴をわかりやすく解説!日本ではトヨタが世界初の量産型ハイブリッド車であるプリウスを発売してからハイブリッド車の人気が年々高まっており、それに伴って車のカタログ燃費が大幅に伸びてきています。
燃費もよく、また電気モーターを使うことで非常に静かな走行が実現できるハイブリッド車は年々種類を増やし、日本の車種別販売台数のトップランキングはほとんどがハイブリッド車で占められるほどです。
ですが今回の記事ではそんなハイブリッド車を購入した後に後悔するケースをご紹介しますが、なぜ後悔する場合があるのでしょうか?
というのも車を購入する前には様々なことを調べ、またデザインやスペックなどで何車種もの車を比較してから決めるものです。
そして満足できる車を選ぶのですが、一方で車の走りや質感、走行中の感覚などは購入後でなくてはわからない部分もあります。
それが良い感覚だったらよかったのですが、購入した後にその車の悪いところなどが見えてきて後悔する場合も少なくありません。
車種ごとに悪い点は様々違っているのですが、今回はハイブリッド車の全般的な特徴からくるケースをご紹介していきます。
実燃費が思ったより高くない
ハイブリッド車の最大の特徴といえばなんといっても燃費の良さであり、従来のガソリン車に比べると1.5倍〜2倍ぐらいはカタログ燃費が伸びています。
ですが実際に購入してみると意外に燃費が良くなかったということで後悔する人もいらっしゃるようです。
現在ハイブリッド車のカタログ燃費で最高性能を持っているのはトヨタ プリウスの40.8km/Lで、ガソリン車の燃費が良くても25.0km/Lくらいであることを考えるとハイブリッド車は実際に非常に燃費が良いといえます。
プリウスの燃費は悪い?街乗りや高速の実燃費は?改善し向上させる方法まで解説!それ以外のハイブリッド車もほとんどが30.0km/L〜37.0km/Lぐらいのスペックを持っており、この燃費の良さがハイブリッド車の人気を支えています。
ですが実際に購入して乗ってみると、実燃費が20km/L〜30km/L前後まで落ちてしまうことがあり、カタログ燃費との差に期待を裏切られたと感じる人もいるようです。
カタログ燃費とはある一定の走行モードでの燃費であり、車の実際の燃費はどんな車でもカタログ燃費からは大きく下がってしまうものなのですが、そういう事情をあまり知らない人はハイブリッド車のカタログ燃費に寄せる期待が大きすぎてそのギャップが後悔に繋がります。
またもう一つ実燃費を悪化させる要因は車の走らせ方にもあり、ハイブリッド車はとくに急加速や急減速、高速走行などを行うと実燃費は大きく悪化します。
ハイブリッド車の実燃費を良好に保つためには緩やかな加減速を行うことと、一定速度での走行を続けるエコ走行を行う必要があります。
こういった走り方をしなければいくらハイブリッド車といっても燃費は悪化しますので、ハイブリッド車に適した走り方を覚えることで燃費に対する不満は多少解消されるでしょう。
なおハイブリッド車の燃費については以下の記事でさらに詳しく解説しているので、詳細まで知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
ハイブリッド車は燃費が悪い?低燃費車を比較してランキング形式で紹介!車の加速が鈍い
ハイブリッド車の不満点のもうひとつには加速が鈍く車の走りが悪いと言う点で、これは購入した後にある程度の時間走らなければわからない点でもあります。
ハイブリッド車は車の走行性能よりも燃費性能に特化した車種が多く、その加速性能は控えめになっています。
前述でも触れた通り、燃費を悪化させないためには加速の高さは悪影響となるので、車の制御として加速は設計段階で抑え気味になっているのです。
ですが普通の車を運転してきた人からすると、これまでの走行感覚で走ると車の走りが鈍いと感じるのは確かであり、不満点となります。
しかしこの走行感覚は燃費を重視するハイブリッド車には必要不可欠なものであり、一部の車種を除けばハイブリッド車は多かれ少なかれ加速の弱さはあります。
これまでさまざまな改善をされていて現在のハイブリッド車は不満も減っては来ていますが、純粋なガソリン車と比べるとどうしても控えめとなります。
もちろんそれでもアクセルを強く踏み込めば加速は強くなりますが、そうすれば当然ながら燃費は大きく悪化します。
前述で燃費が悪いと感じている人はそういった走り方をしている場合が多いので、燃費を考えるなら加速のゆるさはある程度許容しなければならないでしょう。
なお加速については以下の記事でさらに詳しく解説しているので、詳細まで知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
ハイブリッド車の加速は速い?遅い?加速比較ランキングとともに解説!静かすぎてロードノイズが気になる
ハイブリッド車はモーターを併用した走行時にはエンジン音が無くなってとても静かになるのですが、そうなると気になってくるのがロードノイズです。こういった点も購入後でなければわからないので後悔する方もいらっしゃるでしょう。
ロードノイズとは車がタイヤで路面を走っているときの音だったり、車の車体から発する風切り音などの騒音のことを指します。
エンジンが動いている間はエンジンが発する騒音がとにかく大きく、それにかき消されてロードノイズは気にならないものです。
ですがハイブリッド車でエンジン音画静かになったことで別の音が聞こえるようになり、ロードノイズが特に気になります。
車としては確実に静かになっているものの、自動車の音としてこれまであまり馴染みのないノイズが聞こえてしまうことから不満点となります。
なおロードノイズ対策については以下の記事で取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
車のロードノイズ対策3つ!低減マットやタイヤを駆使しよう!トータルの費用を考えると高かった
ハイブリッド車は燃費もよく、また税金などにも減免措置などがあって車の年間の維持費が安くなるのがメリットです。
ハイブリッド車を購入する動機としては「燃料代が安くなるので、経済的」という人が多いのではないでしょうか。
ですが車の購入価格から各種維持費までを総合したトータルの費用を計算してみると、意外とガソリン車よりも費用が高くなっていることが多く、購入後にそこに気づいて後悔する人が多いようです。
ハイブリッド車はガソリン車よりも燃料にかかる費用や税金などが安くなるので、年間の維持費を計算してみると同クラスのハイブリッド車のほうが数万円程度は安くなります。
それは確かに満足感の高いものですが、一方でハイブリッド車はガソリン車よりも車両価格が数十万円近く高額となりますので、購入時に必要な費用はハイブリッド車のほうが高くなります。
ハイブリッド車の維持費の安さで車両価格の差をカバーしようとすると、走行距離で100,000km以上、年数でいえば10年近い時間が必要になります。
こうした事情はハイブリッド車全般にいえることですが、奨められるままに人気のハイブリッド車を購入してしまうと、結果的に費用が高くなってしまうことも少なくありません。
購入後に人からそういう事情を聞かされたりすれば、残念に感じてしまうのは仕方ないでしょう。
なおハイブリッド車の維持費については以下の記事で詳しく解説しているので、詳細まで知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
ハイブリッド車の維持費は安いかディーゼル/ガソリン/軽自動車と比較!お得か高いか決着!荷室が思ったより狭い
ハイブリッド車は普通のガソリン車に比べると荷室が狭くなっている車が多く、購入後にそういったことを見つけてしまうと後悔する場合があります。
ハイブリッド車はモーター走行のために大型の駆動用バッテリーが必要なのですが、部品としてはかなり大型のもので一般的には車の後部に搭載されます。
普通車の後部は荷室のスペースとしてある程度の容量が確保されているのですが、駆動用バッテリーの搭載のためには荷室を減らしてそのスペースにバッテリーを載せる必要があるのです。
荷室の広さは購入前にも確認はできるものの、実際には日常で荷物を出し入れするときに使い勝手がわかってくるものです。そのときに荷室の狭さに気づいてしまうとやはり不満は残ってしまいます。
ハイブリッド車は多かれ少なかれどの車種も荷室の狭さという問題はあるので、燃費改善をするための必要なデメリットです。
なおハイブリッド車の代表的な車のプリウスの内装については以下の記事で取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
【画像/写真】新型プリウス(50系後期)の内装/インテリア!運転席周りや後部座席から荷室/トランクまで紹介!安い中古車を買ったら修理費用が高かった
ハイブリッド車は中古車でも数多くの車種があり、新車価格よりずいぶん安いハイブリッドの中古車も販売されています。
ですがあまり安いハイブリッド車を買ってしまうと、その後に修理費用がとても高くなる場合があり、その場合の後悔はとても大きいものになるでしょう。
ハイブリッド車の何の修理費用が高いのかというとハイブリッド車特有のハイブリッドシステムであり、走行距離が多い中古車や年式の古い中古車はこれらが故障しやすい傾向にあります。
ハイブリッドシステムは車の部品の中でもかなり複雑な電子部品なのでその部品費用はとても高額で、ハイブリッド車の販売価格を高くしている要因です。
まず古くなると故障する場合が多いのはハイブリッド用の駆動バッテリーで、これは長年の使用による容量の低下や電圧の低下などの経年劣化が起こります。
その劣化が進むと駆動用バッテリーとしての正常な働きができなくなり、交換が必要な時期が来ます。ですが修理には200,000円〜300,000円かかる車種もあり、車の部品修理としては非常に高額です。
ほかにもハイブリッドシステムの制御部分であるインバータという部品も経年劣化による故障が多い部品で、この部品も交換には150,000円程度かかります。
こういった修理が必要な状況は、新車はもちろんのこと状態の良い中古車ではほとんど起こらず、気にする必要はないことです。
ですが長年乗っている車や、経年劣化が進んだ状態で販売されているハイブリッド車は故障する確率が高まっているといえます。
そういう状況は中古車販売店も把握しているので中古車販売価格を安く設定していることも多く、事情を知らないまま値段だけを見てハイブリッド車の中古車を購入してしまうとあとから大変な場合があります。
上記の故障が起こりやすくなる1つの目安としては走行距離100,000km以上で、そこに近づいているような中古車は購入後に問題が起こる確率が高いといえるので、いくら安くても購入は控えるべきでしょう。
なおハイブリッド車の中古車購入については以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
ハイブリッド車を中古で買う際の注意点3つ!選び方の重要なポイントも解説!税金の減免が期待したほど多くない
ハイブリッド車の魅力の1つに車に関する税金が安いという点があり、購入時にメリットとしてアピールされることも多いです。
自動車には3種類の税金が設定されており、自動車税、自動車重量税、自動車取得税があります。これらの税金の内訳については別の記事でご説明しますが、たしかにハイブリッド車には税金の減免措置が強くかけられており、それによって車の買い替えを促進する効果があります。
ハイブリッド車の広告やCM、ホームページなどにも減税や免税の文字がたくさんあり、いかにも経済性が優れているように見えるでしょう。
ですが実際にはこれらの減免制度には期間が決められており、ずっと減免が続くわけではありません。
自動車取得税に関しては購入時だけの課税なのであまり関係ありませんが、自動車税や自動車重量税は1年や2年ごとの支払いとなるので減免は重要です。
ですが自動車税に関しては購入の翌年度のみ、自動車重量税は新車から5年間という期間が決められており、それを知らない人などはずっと減免ないと分かると残念に思うでしょう。
しっかり制度を把握しておけばそんなことはないのですが、実際に車のセールス上でも期間のことは説明が少ない場合も多いので、購入前に知らないという人は結構いるはずです。
なおハイブリッド車の税金については以下の記事でさらに詳しく解説しているので、詳細まで知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
ハイブリッド車の税金は優遇免除されて安い?普通車と比較していくらか解説【2019年版】もしハイブリッド車を買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!ハイブリッド車を買ってはいけない人
ではここまでの内容を総合して、ハイブリッド車の購入を控えたほうがいい人の傾向と、実際の車についてをまとめましょう。
ハイブリッド車に不向きな人
まず何よりも、車へ求める性能が走行性能の場合にはハイブリッド車は適しているとはいえず、せっかくのハイブリッド車のメリットである燃費性能を活かせません。
燃費が悪化しても構わないと言うなら別ですが、維持費などを考えるならハイブリッド車に適した走り方を徹底する必要があるのです。
またもう一つは車にかかる費用を抑えようと考えている人たちで、基本的にはハイブリッド車は燃費がいくら良くてもガソリン車との購入価格の差を埋めるのは簡単なことではありません。
燃料代が安くなるのは確かなので一見経済的にも見えますが、きちんと考えるなら購入時点から手放すまでのトータルコストを考えなければならないのです。
ハイブリッド車はとても人気のある車種ではあるのですが、メリットだけがある車種ではなくデメリットもしっかりありますので、購入前からしっかり把握して選んだほうが良いでしょう。
ハイブリッド車以外のおすすめ車種
上記のような方はハイブリッド車、特に燃費性能に特化したストロングハイブリッドなどは不向きであり、別の車種をおすすめします。
特に不向きといえるのはトヨタ プリウスやホンダ インサイトなどの燃費に特化したハイブリッド車で、これらは燃費はたしかに良いのですが車両価格も比較的高く、経済性という観点では不向きです。
また走行性能もおとなしめなので、走りには不満が残ることも多いでしょう。ハイブリッド車でもマイルドハイブリッドシステムであれば価格が抑えられていてよいのですが、中途半端感は否めません。
マイルドハイブリッド(MHEV)とは?仕組み/構造は?搭載車の燃費は悪いのか解説!そんな方にオススメするのは「ダウンサイジングターボエンジン」を搭載した車で、欧州発のこの車種は走行性能の高さとある程度の燃費の良さがその特徴です。
ターボチャージャーによる加速の良さはハイブリッド車には望めないもので、きびきびと走る感じは独特のものがあります。
絶対的な燃費はハイブリッド車よりも劣りますが、それでも一昔前の車種よりは結構な燃費向上代がある上に価格面も抑えられていて購入しやすいです。
国産車でダウンサイジングターボエンジンの代表的な車種としては、セダンではトヨタ クラウンやレクサスの各車など、またステーションワゴンではスバル レヴォーグなどがあげられます。
クラウンの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!レヴォーグの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!またコンパクトカーのカテゴリーでもスズキ スイフトなどがその代表で、その走りの良さには称賛の声が多いのです。
燃料代での経済性はハイブリッド車には届きませんが、走行性能はかなり満足できるのではないでしょうか。
ハイブリッド車を買うべき人
ではハイブリッド車をおすすめできる人はどんな人かといえば、とにかく環境への影響を考慮している人といえるでしょう。
ハイブリッド車の最大のメリットである燃費の良さは燃料の消費量を抑えるという点では大きな意味があり、貴重な化石燃料の節約とCO2排出量の削減という点ではハイブリッド車のメリットが活かせます。
CO2の排出量は車を未来につなげるために重要視されている点で、世界中の国が排出ガス規制で規制するほどです。
その点でハイブリッド車は以前効果が高いと言われており、普通のガソリン車やハイブリッド車への規制が高くなる状況にあっても将来的にも優遇措置が期待されています。
決して個人の経済的なメリットにはなりませんが、将来のことを考えた方にはハイブリッド車はおすすめできます。
なおハイブリッド車については以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
ハイブリッド車の故障率は高い?修理費用も高額?故障事例から故障リスクまで徹底解説!中古ハイブリッド車のおすすめ3選!人気車種からコスパ最強お買い得の車種まで紹介!