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ハイエースは故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説!

トヨタ ハイエースは商用バンのベストセラー車で、商用のみならず乗用車としても一般ユーザーに人気があります。

長年の信頼のもとに人気を保ち続けているハイエースですが、故障率についてはどのぐらいの車なのでしょうか。

今回はハイエースの故障率についてご説明します。

ハイエースの故障率

ハイエース フロント

ハイエースは1967年から現在に至るまでモデルチェンジを繰り返している車で、現行型は2004年に登場してから14年間モデルライフが続いています。

その間細かなマイナーチェンジを繰り返して改良が重ねられており、かなり成熟したモデルとなっています。

商用車としての効率の高い荷室がハイエースの特徴ですが、それは乗用車としても非常に便利な特徴でありアウトドアやマリンスポーツを楽しむ人にも人気があります。

また個人個人のスタイルでカスタムも頻繁に行われており、もはや商用車の域を完全に越えているといってもよいでしょう。

愛好家も多いハイエースですので信頼性の高さは重要ですので、実際のデータをもとにハイエースの故障率を調べてみましょう。

トヨタ車の故障率を調べてみる

ハイエースの故障率はトヨタ自動車がデータを収集しているはずなのですが、メーカーの故障率データというのは社外秘の機密データとなっているので一般には公開されていません。

そのため私たちがハイエースの故障率を把握することはできないのですが、その他にも民間調査会社が独自に収集している故障率のデータが一般公開されています。

アメリカの調査会社であるJ.D.パワー社が調査している「自動車耐久品質調査」という調査があり、これは新車購入から3年~5年が経過した車の故障率を実際のオーナーに聞き取り調査したデータを収集し、メーカーごとにランキング形式でまとめて発表しています。

このデータで各国市場のメーカーごとの故障率を比較することができ、車種ごとではないのですがハイエースがどれぐらいのランクにあるのかがわかります。

2017年 日本自動車耐久品質調査
ランキングメーカースコア
1トヨタ59
2レクサス63
3ホンダ74
業界平均74
4メルセデス・
ベンツ
75
5スズキ79
6三菱80
6日産80
8ダイハツ82
8スバル82
10MINI88
11マツダ93
参考 2017年日本自動車耐久品質調査J.D.POWER

トヨタはこのランキングで堂々の1位を獲得しており、非常に信頼性の高いメーカーであることがわかります。

この調査では長年トップにトヨタがおり、国産メーカーのなかでは随一の故障率の低さのメーカーといってもよいでしょう。

ハイエースの故障率が直接わかるわけではありませんが、十分信頼性が高いと考えてもよいでしょう。

メーカーごとの故障率については、以下の記事で詳しく解説しています。こちらも参考にしてみてください。

プリウス エンブレムトヨタは故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説!LEXUS LS500のフロントグリル2レクサスは故障しない?逆に多い?故障率を徹底解明!ホンダのロゴホンダは故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説!

ハイエースは枯れた技術が満載

ハイエースは登場が2004年と比較的古いので、主要コンポーネントの基本設計は2000年辺りの技術となっています。

またエンジンやトランスミッションに関してもアップデートは行われているものの仕様は旧式のものであり、最新のハイブリッドシステムや多段式ATなどは採用されません。

その分現在最新の車に比べると複雑な電子システムの少ない車となっており、その分トラブルの起こりやすい構造は少なく、耐久性が高いと言えます。(耐久性の詳細は以下の記事をご参照ください。)

整備中のハイエースハイエースが耐久性に優れている3つの理由!丈夫で長持ちなのはなぜ?

また登場からすでに14年が経過していることで初期不良も経年劣化による不具合発生なども一通り出尽くしており、その改良とともに信頼性の高い車に仕上がってきているでしょう。

車の信頼性の高さは基本設計の確かさもたしかにあるのですが、モデルライフ中の改善、改良も重要でありモデルライフが長ければ長いほど信頼性はあがります。

そういう意味でハイエースはしっかりした信頼性を獲得している車種と言えるでしょう。

中古のハイエースの故障しやすさ

ハイエースは新車の状態では信頼性の高い車ですが、中古車となるとさまざまな状態の車がありますので見極めが結構大変な車種です。

基本的には中古車の寿命とされている年式10年以上か、走行距離100,000km以上ということを念頭において見極めればよく、当然ながら新しければ新しいほど故障は少なくなります。(走行距離の寿命については以下の記事をご参照ください。)

車のメーター中古車は走行距離が何万キロまで安心して乗れる?答えはこれだ!

ハイエースは全世代を考えるとかなりの台数が中古車市場に残っていますが、現行型にしても初期型は年式10年を上回っており、選択肢からはずすことになるでしょう。

現行型でも走行距離の多い車もありますが、状態の良いハイエースの中古車は価格があまり下落しない傾向にあり、価格と車の状態のバランスはなかなか見極めが難しいものです。

しかし基本的には信頼性の高い車ですので、年式が古かったり走行距離が多くても、基本的には消耗品の交換によってクオリティを維持することは可能です。

交換部品が豊富で中古部品も市場にたくさんあるハイエースであれば、維持費をおさえつつ車の消耗品を交換することができるでしょう。

あとは基本的に中古車の選び方の一般的なポイントを抑えておけば、大きな問題はありません。中古車の一般的な選び方が分からない方は、こちらの記事もご覧ください。

中古車選び初心者が絶対意識すべき中古車の選び方の5つのポイント・コツ!

ハイエースオーナーの評判

ハイエースの故障に関する評判は実際のオーナーさんがTwitterにたくさん投稿されており、今回は参考にここから何件かご紹介します。

500,000kmってホント?!

新車で購入したハイエースを12年乗り続けたこの方はついに走行距離500,000kmを達成されたそうで、これこそハイエースの信頼性の高さを証明しているといってもよいでしょう。

これまで起こった大きな故障はダイナモ(オルタネータ)だけのようで、消耗品をしっかり交換してメンテナンスも欠かせず行われたのがよかったようです。

どのハイエースでもここまでほぼ故障なしでいけるかはわかりませんが、メンテナンスのこまめさこそが長持ちさせるコツでしょう。

ちなみにハイエースの走行距離はかなり長い事例が数々報告されています。詳細は以下の記事で解説しているので、こちらもあわせてご参照ください。

ハイエースの加速ハイエースの走行距離の寿命が凄まじい!?限界はどこまでいくのか?

一気に故障が多発

この方のハイエースも12年経過されたそうですが、どうも急に故障箇所がたくさん現れてきたようですね。

症状を総合すると電気系統のトラブルが多いようで、経年劣化によるトラブルといえるでしょう。

ディーゼルのほうがトラブルは多い

これについてはのちほどご説明しますが、ハイエースにはガソリンエンジン車とディーゼルエンジン車があり、商用には経済性の高いディーゼルエンジンが好まれます。

しかし近年のディーゼルエンジンは排気ガス制御のために非常に複雑な構造のエンジンになっており、ガソリンエンジンよりトラブルが多いのもうなずけます。

それでもディーゼルエンジンには燃費のよさやトルクの太さなど商用車にはもってこいの特徴があるので好まれているのでしょうね。

個人所有で故障を気にする方はガソリンエンジンを選択するとよいでしょう。

MEMO

もしハイエースの購入を考えているなら、値引き交渉の正しいやり方を覚えておくといいですよ。

このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 裏技を知って後悔する人たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!

ハイエースの故障事例

整備中のハイエース

それでは前述のTwitterの情報を踏まえてハイエースの故障事例をご紹介しましょう。

ディーゼルエンジンのトラブル

ハイエースのエンジンで人気があるのはやはりディーゼルエンジンで、商用車で重要な経済性ではガソリンエンジンに勝る特徴があります。

しかしそんなディーゼルエンジンはガソリンエンジンよりトラブルが起こりやすい傾向にあり、その中でも200系と呼ばれる現行のハイエースで故障する可能性が高いのは次の2つの箇所です。

エンジンディーゼルエンジンとは?仕組み/構造を簡単にわかりやすく解説!

燃料インジェクターの故障

近年のディーゼルエンジンはクリーンディーゼルエンジンといい、昔の黒煙を吐いていたころのディーゼルエンジンとは比べ物にならないほど排気ガスがクリーンになりました。

パジェロ エンジンクリーンディーゼルエンジンとは?メリット2つとデメリット3つ!仕組み/構造の特徴まで解説!

もはや黒煙などディーゼルエンジンからは排出されず、日本のきびしい排気ガス規制をクリアする性能をもっています。

それを実現するためにはさまざまな最新技術や細やかな制御が必要なのですが、そのうちのひとつが高圧燃料噴射システム(コモンレールシステム)というものです。

これは2,000気圧に近い高圧で燃料を噴射するシステムで、ディーゼルエンジンの燃焼を制御し、また燃費の向上にも大きく貢献しています。

ベンツCクラス ディーゼルエンジンクリーンディーゼル車は燃費が悪い?低燃費車を比較してランキングで紹介!

この高圧の燃料をエンジンの燃焼室に噴射する部品をインジェクターといいますが、ハイエースはこのインジェクターが故障することが多いようです。

インジェクターには常に高圧の燃料が流れ込んでいるとともに、一秒間に何千回もの細かな燃料噴射を制御する精密部品でもあります。

これが経年劣化などによって故障してしまうのですが、そうなると燃料噴射が不安定になったり燃料が噴射されなかったりして、エンジンのアイドリングが不安定になったり、パワーダウンに繋がります。

修理にはインジェクターの部品交換が必要となるのですが、このインジェクターはエンジン部品の中ではかなりの高額部品となっており、1本あたり数万円の部品代がかかります。

ハイエースのディーゼルエンジンは4気筒なので1台あたり4本のインジェクターがありますが、1本故障したということはほかの3本も遅かれ早かれ故障する可能性が高いので、基本的には4本すべて交換します。

そうなると200,000円近い修理費となってしまうのですが、ディーゼルエンジンで乗り続けるためには必須の修理です。

なおインジェクターの故障が起こるのはそんなに早い時期ではなく、走行距離100,000kmを越えたあとが要注意ですね。

吸気系へのカーボン堆積

もうひとつエンジンの不調の原因となるのが吸気系へのカーボンの堆積で、吸気部品の内部にカーボンがたまることで空気の流れが悪くなりエンジンの燃焼が不安定になります。

このカーボンがどこから来ているのかと言えば、昔のディーゼルエンジンで排出していた黒煙です。

実は最新のクリーンディーゼルエンジンでも黒煙は発生するのですが、エンジンの直後にDPFという黒煙のもとになるカーボンを回収、処理するフィルターがついており、これによって外に排出されるカーボンは99%以上なくなっています。

車の排気ディーゼルエンジン車で黒煙が出る原因と対策!車検の基準まで解説!

しかし排気ガスのカーボンがなぜ吸気系にたまるの?と車に詳しい方なら思われるでしょうが、実はクリーンディーゼルエンジンは「EGR(Exhaust Gas Recirculation)」というシステムにより、排気ガスの一部を吸気側に循環させており、これによって燃焼温度を下げてNOxを減らしたり、燃費向上に繋がったりと、いろいろとメリットがあるのです。

ですがエンジンを出た直後の排気ガスが循環してくるので、黒煙のもとのカーボンは吸気管のあちこちに付着することとなり、これが走行距離が増えるごとにどんどん堆積していくのです。

しかしながらメーカーはこの現象を把握して設計に織り込んでおり、少々堆積した程度では致命的なトラブルにならないように設計されています。

ですがいつまでも堆積して大丈夫なはずはなく、走行距離100,000kmを越えたあたりから堆積が多すぎることによるトラブルが起こってきます。

これに対処するにはエンジンの分解をしてカーボン除去を行う必要があり、ディーラーや専門技術をもった自動車修理工場などで実施できます。

費用はさまざまですが数万円程度で施工してくれる場合がほとんどですので、走行距離が増えたハイエースでいちど実施すればかなりの期間でも同様のトラブルは起こらないでしょう。

なおこのカーボン堆積はエンジンオイルの質によってもその頻度が変わってくるもので、メーカー推奨のオイルはそういった点に配慮された配合のものです。

それと違うエンジンオイルを入れていた場合はメーカーの想定以上にカーボンが堆積する場合がありますので、ディーゼルエンジンに限ってはメーカー推奨オイルが非常に重要なのです。

オイル交換(クリーン)ディーゼルのエンジンオイル交換ガイド!頻度や費用など全て解説!

クリーンディーゼルエンジンは最高の環境性能を実現するために非常に難易度の高い技術を組み合わして完成していますので、ちょっとした変化が大きく影響する場合があります。

オルタネーターの故障

オルタネーター

前述のツイートにあったダイナモの故障ですが、ダイナモとは別名オルタネータという部品で、エンジンの動力で駆動する補機のひとつです。

ツイートでもかなりの走行距離を走って故障したのがオルタネータだけということで、ハイエースの部品の中では比較的故障しやすいといえます。

それでも基本的には走行距離80,000km~100,000kmまでは故障しない部品であり、それ以上は交換が必要な定期交換部品なので故障するのはある意味当然といえます。

オルタネータはエンジンの動力をベルトを介して伝達して駆動しており、常に高速回転をしている部品です。

そのため回転部に使われているベアリングが経年劣化によってへたってくることで、回転が不安定になり異音や異常振動が起こります。

またハイエースのモデルによっては燃費対策のために内部にワンウェイクラッチをもつオルタネータもあるので、クラッチの故障という場合もあります。

いずれにしても修理はオルタネータ自体の交換が必要となり、費用的には高くても20,000円〜30,000円程度でしょう。

オルタネータは走行距離が増えればどうしても故障する部品ですので、故障する前に予防的に交換しておくのもよい手です。

ひとたびオルタネータが動かなくなると、発電ができなくなって車が自走できなくなるので、余計な手間がかかるぐらいなら早めに交換するということです。

ハイエースは故障に関して気にする必要はなし

ハイエースは商用車としてみても乗用車としてみても非常に信頼性の高い車であり、故障に関してはそんなに気にすることは少ない車です。

基本的なメンテナンスさえしっかり行っていれば、ハイエースは実用性の高い車として役に立ってくれるでしょう。実際にキャンプやバイクのトランポとしても役に立ちます。(詳細は以下の記事をご参照ください。)

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しかしハイエースは現行型でも登場から14年が経過しており、また走行距離の多い激しい使い方をされるのも珍しくない車です。

中古車市場にはそういった状態のハイエースは数多くあり、そういった個体ではやはりトラブルの発生の可能性は高くなります。

また旧型のハイエースも数多く残っていますので、こちらも同様でしょう。もし中古車でハイエースを購入する場合はとにかく見極めが大事なのです。

これからハイエースを買おうと思っている方は、以下の記事もぜひあわせてご覧ください。購入の参考になりますよ。

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