トヨタ ハイエースはキャブオーバーバンの市場では圧倒的な人気がある車で、商用はもとよりプライベートユースでも数多くのユーザーがいます。
そんなハイエースが好まれる理由のひとつに耐久性のよさがよく上がりますが、実際にハイエースは丈夫なのでしょうか?
今回はトヨタ ハイエースの耐久性についてご説明します。
ハイエースの耐久性は圧倒的で人気が高い
ハイエースという車はトヨタ車の中でも歴史が長く、キャブオーバーバンの市場ではトップの販売台数を誇る車です。
ハイエースは確かに耐久性に優れている車で、実際人気が半端ありません。
ハイエースは圧倒的な人気がある
キャブオーバーバンは国産ではトヨタ ハイエースか日産キャラバンしかないのですが、ハイエースのシェアはじつに6割と圧倒的なのです。
その人気のもとはハイエースの利便性とデザインのよさにもありますが、なにより質実剛健で頑丈な設計である点が好まれるからです。
ハイエースの人気は国内のみならず、アジアをはじめとした外国でも絶大なものがあり、ひとえに頑丈で壊れにくく、さらに燃費がよいからだと言います。海外での人気の詳細は以下の記事をご覧ください。
ハイエースが海外で人気の3つの理由!盗難被害が多すぎるほど人気だった?!ではハイエースの耐久性は実際どうなのでしょうか。
ハイエースの耐久性は実証済み
車の耐久性を図るひとつの指標として、アメリカのJ.D.パワー社が発表しているメーカーごとの不具合件数を集計した結果では、トヨタは常にトップ3に位置付けられるほど故障の少ないメーカーです。
トヨタの故障率の詳細は以下の記事をご覧ください。
トヨタは故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説!しかしハイエースという車がどうかと言われると、詳細な故障率のデータなどは公開されていないので詳細はわからないのが実情です。
ただ一般的に車の耐久性というのはメーカーの設計基準をもとに決まっているもので、ハイエースの場合は基本的には5年100,000km保証となっています。
この年数か距離を越えた車は簡単に言えば故障する箇所が増えてくるということですが、実際には車ごとに故障しやすい車、しにくい車があり、中でもトヨタ車は高い耐久性があることで有名です。
事実ハイエースに100,000km以上乗っている人はたくさんおられ、ハイエースが保証以上の耐久性を持っているのは間違いありません。
ハイエースの故障については以下の記事でも詳しく解説しています。詳細まで知りたい方はこちらもご参照ください。
ハイエースは故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説!海外では何十万キロでも走っている
さらにハイエースの耐久性を証明するのには、海外で走っているハイエースも参考になります。
日本でも人気のハイエースですが実は海外、とくにアジア圏で絶大な人気があり、日本で古くなったハイエースの中古車などは数多くが海外へ輸出されています。
中国メーカーなどではハイエースのデザインほぼそのままの車を作っているほどハイエースは人気が高いのです。
なぜかというと、それこそまさにハイエースの耐久性の高さが気に入られていて、大人数のせられる利便性とあわせて壊れにくい車のひとつとして認知されているからです。
日本では100,000km超えの車は古い車として手放す人が増えますが、海外にはそういったハイエースが出ていくので走行距離は100,000kmは軽く超えて200,000kmを超えているハイエースも少なくありません。
当然故障はするでしょうが、メンテナンスや修理をしっかりやればハイエースが走れなくなるということはなかなかないようです。
アジア圏で保証を遥かに超える走行距離のハイエースがたくさん走っていることこそ、ハイエースの耐久性の高さを証明することになるでしょう。
ハイエースの走行距離の限界については、以下の記事で考察しています。こちらもあわせてご参照ください。
ハイエースの走行距離の寿命が凄まじい!?限界はどこまでいくのか?ハイエースのオーナーの評価
ハイエースに実際に乗っている人はその耐久性の高さを見に染みて感じている方々です。
そんな方々がTwitterに体験談をアップしておられますので、その中から3件ほどご紹介します。
信じられない走行距離
この手のマシンはディーゼルターボがええと思います(^-^速くは無いですがゴリゴリ走りますしエンジン頑丈ですし!
僕のハイエース26万キロが近づいてきてますがまだまだイけそうです(笑)— Monster ohige 39 (@00ceZxt) 2016年6月12日
普通の車に乗っている人では信じられないことでしょうが、ハイエースなら260,000km超えていてもまだまだ走れるようです。
多分細かい修理やメンテナンスはしっかりやってこられたのだろうと想像しますが、それにしてもかなりの走行距離なのにマダマダいけると言わせる辺り信頼度が高い証拠ですね。
エンジンも耐久性が高いディーゼルエンジンなのもポイントですね。
レアケースではない? 高走行ハイエース
自分のハイエースは27万キロ走っててエンジンとオートマ逝かれそうなので交換するお金貯めてる最中ですが、ボディは全くガタ来てません(サビはありますが)ハイエース・ランクルの耐久性は異常です
— 煮干@車バイク好き (@niboshi1942) 2017年5月23日
さきほどのような長い走行距離のハイエースは決して珍しいケースではなく、本当にたくさんの体験談があがっています。
こちらの方も270,000kmを超えても車体はまだまだ大丈夫だとおっしゃってますね。
さすがにエンジンと駆動系は交換が必要なレベルだそうですが、普通エンジンは200,000kmも使えば寿命といわれているので遥かに高い耐久性があるのがわかります。(一般的な寿命の詳細は以下の記事をご参照ください。)
中古車は走行距離が何万キロまで安心して乗れる?答えはこれだ!ほかにも520,000km超えのハイエースがまだ走っているなどの情報もあり、ハイエースの耐久性は信じられないほど高いことが証明されています。
古いハイエースは再就職先が豊富
ハイエース買取業者は修理歴がある(よその買取業者が喜ばない)や10万キロ走った車(同じく/そしてハイエースは30万キロ走った車でも余裕で買い手がつくくらい頑丈)を買い集めて輸出してるのかー。オーナーは普通の中古車の店に売るより高く買ってくれるしWIN-WINなのか pic.twitter.com/YKC5T6QCLH
— カレー・ザ・トナカイザー (@SHINOBU_YANAGI) 2017年6月5日
日本市場で古くて誰も乗らないハイエースでも、海外に持っていけばすぐ買い手がつくほどハイエースが頑丈なよい車だということは世界の常識になっています。
日本で走行距離300,000kmの車といえばスクラップまったなしですが、ハイエースに限ってはそんなことはなく、海外でまだまだ活躍の場があります。
この写真は中国かどこかのようですが、見渡す限りハイエースだらけで、圧倒的人気さが写真から伝わってきます。
もしハイエースの購入を考えているなら、値引き交渉の正しいやり方を覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!ハイエースが耐久性に優れている理由
ハイエースが耐久性に優れている裏にはそれなりの理由があり、長い間一定の人気があるハイエースが成熟したということでもあります。
成熟した設計のボディ
ハイエースは一つ一つのモデルサイクルが非常に長く、1モデルで数十年使われる車です。
そのためボディの設計はとくに耐久性を考えて設計されており、保証距離以上の十分な耐久性が備わっています。
ハイエースは最新の車に比べると重量が重く設計の古い車ではありますが、それは裏を返せば構造が比較的単純であるということであり、耐久性が高くなります。
軽量であったり燃費がよい、衝突安全性が高いなどのメリットは少ないのですが、商用車としての実用性に特に焦点が当てられているのでとにかく丈夫です。
ハイエースの耐久性の高さは基本設計の頑丈さが大きな理由となっているのです。
エンジンは枯れた技術ゆえの耐久性
ハイエースには2機種のディーゼルエンジンと2機種のガソリンエンジンがラインナップされていますが、どのエンジンもトヨタとしては旧式のエンジンであり、それがゆえの耐久度を備えています。
旧式のエンジンで耐久性が高い
最新式のエンジンというのはパワーや燃費、環境性能が非常に高い反面、新たな技術を織り込むことでエンジンの頑丈さというのは多少低くなります。
そのエンジンを長く長く使い続ければ、そのあいだに改良を重ねることで少しずつ耐久性がよくなっていくのです。
ですので旧式のエンジンというものはエンジンの耐久性が高まっている状態であり、その実質性から長い間使われるのです。
さらに新しいエンジンは電子制御が必要な部品が年々増えていっており、これも耐久性が低くなる要因です。
電子部品は非常に細やかな制御ができる反面、ある一定の走行距離を超えるととたんに故障が増えます。
電子部品は振動に弱いのですが、エンジン振動が原因で故障する可能性が高いのです。
古いエンジンには電子制御の部品が最新型ほど多くなくアナログな部品も多数あるので、そういった点でもエンジンの故障率が少なく丈夫なエンジンとなるのです。(故障率の詳細は以下の記事をご参照ください。)
ハイエースは故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説!燃費や性能で劣る古いエンジンといえども、ハイエースのような耐久性が必要な車にはもってこいのエンジンであり、1台の車を長く使用することができます。
最近マイナーチェンジでエンジン変更
なお2017年11月22日にハイエースのマイナーチェンジが発表され、エンジンラインナップが一新されました。
ディーゼルエンジンが新型の2.8L 1GD-FTVディーゼルエンジンに統一され、2機種から1機種へとなりました。
このエンジンは最新のクリーンディーゼル技術を採用したエンジンで、尿素SCRという複雑な排気浄化機能を持つ環境に配慮したエンジンとなっています。
耐久性という面ではまだまだ実力は未知数ですが、質実剛健なトヨタのディーゼルですので大いに期待できるでしょう。
なおガソリンエンジンとディーゼルエンジンのエンジン自体については、以下の記事で解説しています。深いところまで知りたい方は以下の記事もご覧ください。
ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの違い3つ!比較すると熱効率や寿命が全然違う?!複雑な構造がなく単純な車
ハイエースに使われている技術は車体にしてもエンジンにしても比較的ベーシックな構造になっており、複雑な最新技術が採用されていないことで耐久性が上がっている面があります。
近年の車は年を追うごとに複雑になっていき、数年前の車と比べてもどんどん機能が増えていっています。
しかしそれは裏を返せば耐久性がそれほど高くない部分が増えるということでもあり、単純な構造を持つハイエースのほうが長く使える面もあります。
特に近年は車の電動化が進んでおり、ミニバンなどでもエンジンとモーターを併用するハイブリッドカーが増えてきました。
ハイブリッドカーは燃費は格段によくなり性能の高い車ではありますが、こと耐久性となると少々欠点があります。
ハイブリッドカーにかかせないバッテリーは年々容量が減っていきますし、ハイブリッドシステムも走行距離が増えると故障の多くなる複雑なシステムになってしまっているのです。
ハイエースは数多くのトヨタ車がハイブリッド化されるのを尻目に依然エンジンのみの車で、ハイブリッドカーの欠点に悩まされることがないのが耐久性の上で利点となっています。
一見時代遅れの構造やシステムを持つハイエースですが、それは逆に故障の少ない頑丈な構造を持つということであり、どんな状況の悪い場所でも圧倒的な耐久性を示すハイエースのメリットとなっているのです。
これからハイエースを買おうと思っている方は、以下の記事もぜひ一緒にご覧ください。購入の参考になりますよ。
ハイエースの試乗レビュー・感想!乗り心地はいかに?!ハイエースの辛口レビュー/評価!欠点/短所と魅力/長所をすべて暴露!