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LPGエンジンとは?仕組み/構造の特徴は?メリット・デメリットを解説!

自動車用のエンジンはガソリンエンジンとディーゼルエンジンがその大半を占めていますが、一部で使われるエンジンに「LPGエンジン」があります。

今回はLPGエンジンについてご説明します。

LPGエンジンとは

アクセラ LPG エンジン

LPGとは液化石油ガスのことで、「Liquefied Petroleum Gas」の頭文字を取っています。

LPガスといえば聞き覚えもあるかと思いますが、家庭用のコンロなどで使うガスのことです。

LPGエンジンはこのLPガスを燃料に動くエンジンなのですが、LPガスは燃料としてはガソリンと特性が似ており、ガソリンエンジンの基本構造ほぼそのままで使えるのが特徴です。

とはいえ完全に同じ構造というわけではなくLPガスを扱う燃料周りには独自の構造が必要ですが、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンほどには違いません。

ではまずLPGエンジンの構造上の特徴をご説明しましょう。

LPGエンジンの構造

LPGエンジンの本体構造はまったくガソリンエンジンと同一で問題なく、ガソリンエンジンのシリンダーやピストンなどの部品をそのまま使うことが出来ます。

ガソリンエンジンは点火のためにスパークプラグという火花点火装置を持っていますが、LPガスも火花点火で着火しますので全く同じ機構が使えます。

違う箇所は主に次の3つで、全て燃料系統の部品です。

LPGエンジンの主要部品搭載箇所
LPGインジェクターエンジン本体
燃料配管エンジン~燃料タンク間
燃料タンク車体

LPGエンジンのインジェクター

まずエンジン本体の変更点については、LPGをエンジン内部に噴射するインジェクターです。

燃料であるガソリンとLPGは燃焼形態こそ一緒なものの、燃料の状態は大きく違います。
ガソリンは給油する時には液体ですが、沸点である30℃から気化が始まって気体になります。

ですがLPGは常温では気体の物質で、液化させるために高圧がかかっています。

そのため液体燃料を噴射するガソリンエンジンのインジェクターとは違って、気化した状態のLPガスを噴射するインジェクターがLPGエンジンでは使われます。

電子制御化される前にはキャブレターと呼ばれる気化器で液体から気体にしていましたが、電子制御インジェクターになってからは気化したガスを直接噴射することもできるようになりました。

また近年では電子制御インジェクターで液体のまま噴射する液体噴射方式も使われており、前述の気体噴射方式よりも技術的に高度なものです。

ですが液体燃料がエンジン内で気化することで熱を奪うことに活用でき、エンジンの空気の充填率を高められるという効果があるので、高性能なLPGエンジンにはこちらが採用されます。

インジェクター本体もガソリンより高い圧力のLPGに耐えられるように頑丈になっており、部品コストとしては少々高めとなります。

燃料タンクと燃料配管

LPGエンジンの車の最大の変更点といえば、LPGを貯蔵しておくタンクと、そのタンクからエンジンまでの間を繋ぐ燃料配管です。

MEMO

LPGは前述した通り高い圧力でガスを液化した燃料ですが、そのLPGを車の中に安全に保管するためには高圧に耐えられる構造を持った燃料タンクが必要となります。

家庭用のプロパンガスのボンベを見ても非常に重たく大きな容器ですが、容量が大きな自動車用では更に大型で重たく頑丈なタンクが必要となります。

LPG車はタクシーに多用されており、トランクルームをあけたときに大きな金属のタンクが見えたりするのですが、それこそがLPGのタンクです。

圧力がほぼかからないガソリン車の偏平な燃料タンクと違って、圧力に耐えるための円筒形で場所を取るタンクで、車両側の構造変更はかなり大掛かりなものとなります。

セダンタイプの車などでは後部座席の後ろに設置されることがほとんどです。

また高圧の燃料をエンジンまで送る配管類も同様に頑丈なものが必要で、さらにはガス漏れの検知機能もなければなりません。

LPGはわずかでも漏れが発生すると一気にガスとして噴出しますので、特に配管の接続部にはその危険性が高まります。

ガソリンなども漏れは危険なのですが、可燃性の気体が噴出するLPG車の危険度はその比ではありません。

またLPGを車に使用すると事故の際などに漏れることも想定しなければならず、ガス漏れの検知機能と漏れが発生した時にタンクの安全弁を閉める機能もあります。

また衝撃がかかった時にも自動的にタンクの安全弁が閉まるようになっており、ガソリン車以上に安全対策が充実しているといえます。

LPGエンジン車の普及率

私達が車を購入する際、ガソリンエンジンかディーゼルエンジンで悩むことはあってもLPGエンジンのことは全く話題にあがりません。

それもそのはずで、日本ではLPGエンジン車はあまり普及しておらず、自家用としてはほぼなくなりました。

LPGエンジン車が最も普及しているのはやはりタクシーで、9割以上のタクシーがLPGエンジン車です。

これにはLPGエンジン車の燃費がガソリン車より高いということがあり、燃料単価もガソリンより安いため、長距離、長時間走行があたりまえのタクシーには経済性の面でもってこいだからです。

ほかにもトラックやバスなど商用車を中心にLPGエンジン車は使われていますが、国内のLPG車の9割以上が商用です。

乗用車として購入することも可能ですが、メーカーがLPGエンジン車として生産している車種が限定されているので、わざわざLPG車を買おうという人は限られています。

ですが世界的にはLPG車は年々普及が進んでおり、ここ10年で3倍近く増加しています。
とくに中東に近い欧州やロシア、インドなどではLPGが手に入りやすいこともあり、普及は進んでいます。

LPGエンジンのメリット・デメリット

メリット、デメリット

LPGエンジンには結構メリットも大きいのですが、一方で日本で普及が進まないのにはLPG特有のデメリットがあるためです。

LPGエンジンのメリット

LPGエンジンはガソリンエンジンに比べると環境性能でのメリットが大きく、またコスト面のめりっともあります。

排気ガスがキレイ

LPガスは燃焼時に発生する有害物質やCO2がガソリンや軽油に比べて少なく、クリーンなエンジンです。

LPガスという燃料自体が有害物質を出しにくい特性を持っており、まずCO2の排出量がガソリンより10%、軽油より7%近く少ないのがメリットです。

またガソリンや軽油より気化しやすく、不完全燃焼の原因が極力無くなっていますので、ディーゼルエンジンで問題となりやすいPM(粒状黒煙)の発生が計測下限値以下という素晴らしい特徴も持ちます。

他にも燃焼温度が低いためNOx(窒素酸化物)の生成も少なく、同じ構造のガソリンエンジンをLPGエンジンにするだけで環境性能は高くなるのです。

燃料単価が安い

LPガスは燃料としての単価がガソリンや軽油よりも安く、経済性は高い燃料です。

2018年10月現在、レギュラーガソリンが150円/L、軽油が125円/Lぐらいですが、LPGは90円/L程度の燃料単価であり、おおよそガソリンの7割程度の燃料代となっています。

このことによりLPGエンジン車は高い経済性を発揮するエンジンとなり、タクシーなどの商用車に向いているため採用率が多いのです。

タクシーの燃料消費量は一般車の何倍にもなりますから、LPG車でなければ非常に厳しいのです。

航続距離が長い

LPG車のLPGタンクは一般に容量が多く、現在のLPG車は一回の満タン給油で1,000km弱の航続距離を持ちます。

LPG車の満タン給油では80リッター程度の燃料が入りますが、LPG車は一般的に燃費がリッター10km/L程度となりますので、800km以上の航続距離を持ちます。高速道路の走行などでは航続距離も伸び、1,000km近い後続性を発揮します。

燃料単価が安いので満タン給油もやりやすく、長距離走行には便利です。また高速道路のサービスエリアなどにはLPGスタンドが併設されているところも少なくなく、高速道路での燃料補給には不安はほとんどありません。

LPGエンジンのデメリット

LPGエンジンはガソリンエンジンよりメリットも多いのですが、一方でデメリットが結構多く、一般人が乗る車としては少々使いにくい面もあります。

エンジン出力、トルクが若干低い

LPGエンジン車はガソリンエンジンに比べるとスペック上で少し低い面があり、最高出力、最大トルクとも劣ります。

これは燃料の違いによるもので同じ構造のガソリンエンジンと比べた場合には仕方ない面でありますが、プライベートユースにおいてはスペックの低さはデメリットとなりますのでガソリンエンジン車のほうが魅力が高いです。

またLPGエンジン車は需要の少なさから基本構造が古いエンジンが多く、これもスペック面で劣る理由でもあります。

LPGエンジンがガソリンエンジンの最新技術を折り込めばもっとスペックは上がりますが、LPGエンジンの開発にそこまでコストがかけられない事情もあり、難しい面があります。

燃料消費量はそこまで良くない

LPGは燃料単価こそ安いのですが、燃料消費量自体は割と多いのはデメリットです。

これもエンジンの基本設計の古さも関係はしていますが、現在のLPGエンジン車はリッター10km程度の燃料消費量が一般的であり、最新のガソリンエンジンに比べると見劣りします。

ガソリンエンジン単体でもリッター20kmを超えている近年の状況では、その差は開くばかりです。

そのため燃料代が安いことと合わせるとLPG車の燃費はガソリンエンジン車の20%~30%ほどの改善代となるので、燃料代の差ほどのメリットはありません。

LPGスタンドの数が少ない

LPGを給油できる場所は全国にありますが、その数はガソリンスタンドよりも少なく給油の手間がかかるのがデメリットです。

ガソリンスタンドは全国に数万箇所あり、車に燃料を補給する場合にスタンドを探し回る必要はありません。

ですが自動車用のLPGスタンド、通称「オートガス」のスタンドは全国に2000箇所ぐらいしかなく、燃料補給できる場所は限られます。

県内に数十箇所ぐらいはあるので全く補給できないというようなことはありませんが、あらかじめ最も近いスタンドを見つけておかなければなりません。

前述したとおり高速道路には設置されていますが、大きなサービスエリアにしか無いことも多く、とくに地方では少ないです。

LPGタンクの定期点検が大変

LPG車は自動車であると同時に高圧ガスを扱う「高圧ガス保安法」で決められている通り、LPGタンクの6年毎定期点検が必要となります。

この点検は車検とはまた別に行う点検で、主にタンクの耐圧試験を実施する必要があります。

試験はLPGエンジン車を扱っているメンテナンス工場などで実施できますが、あらかじめそういった場所を見つけて置かなければなりません。

また費用面でも30,000円~40,000円ほどかかる結構高額な点検で、LPG車を長期に渡って乗るには少々費用面でデメリットがあります。

とはいえ6年毎ですのでそこまで負担の大きなものではないですが、もし期限が切れているとタンクに燃料補給してもらえませんのであらかじめ点検の日取りなどを決めて置かなければなりません。

LPGエンジン車に事故が多かった

これはかつてのLPGエンジン車に多くていまでは信頼性の向上で問題は少なくなっていますが、LPG車のガス漏れによる事故の不安です。

ガソリン車よりも揮発性の高い燃料を扱うLPG車は、その昔結構事故が多発しており、ガス漏れによる爆発事故なども起きています。

その悪いイメージは今でも少なからず残っており、LPG車はガソリン車より扱いが難しいという点で普及が妨げられている面もあります。

ですが前述したように現在のLPGエンジンは安全装置の設定などによって信頼性は高まっており、事故はほとんど無くなっています。

LPGエンジンの評価・口コミ

LPGエンジン車は一般で乗っている人が少ないことからあまり評価や口コミは聞こえてきませんが、Twitterなどには少ないながらもそういった投稿がありますので、いくつかご紹介します。

LPG車はあまり周知されていない

LPG車はディーラーなどでも購入することは可能なのですが、一般には宣伝もされていませんし、どんな車種があるのか知らない人がほとんどです。

ですがマツダ アクセラのような新しい車にもLPGエンジンの設定があり、意外と身近な車種にあったりするのです。

LPG車に興味がある場合はディーラーなどでまず聞いてみることからです。

LPG車はメンテナンスが楽

LPGエンジンもガソリンエンジンと同じくエンジンオイルを使っていますが、ガソリンに比べて燃焼時の汚れが少ないことでオイルの汚れ方は少ないそうです。

いくら汚れが少なくても規定距離で交換しなければなりませんが、色を見るだけでも環境性能が高いことがわかります。

LPG車はやはりパワー不足

LPG車は免許教習所の教習車として使われているところがありますが、教習中の人が乗っても感じるほどパワーが少ないようです。

教習車ということでスペックが抑え気味になっている可能性はありますが、体感できるほどは性能面で差があります。

LPGエンジン搭載車

LPGエンジン車はタクシーとしての利用が多いことから、一般にはセダンタイプの車種で販売されていることがほとんどです。

個人で購入できるのもこういったタクシー用の車種か、もしくはトラック系列の商用車です。

今回はセダン系車種を中心にいくつかLPGエンジン車をご紹介します。

トヨタ クラウンコンフォート

トヨタ クラウンコンフォート

クラウンコンフォートはタクシーとして一番多く見る車種であり、クラウンとはいっても小型の車体と直線基調のボディを持つ四角い車です。

その基本設計はかなり古く、1995年の基本設計を受け継ぎつつ、エンジンがアップデートされてきました。

そのため車種としては設計は古いのですが、昔の車種が新車として購入できる珍しい車種でもあります。

スペック的にはかなり大人しい車となっていますが、経済性の面ではまだメリットが大きいと言えます。

ですがクラウンコンフォートは2018年2月で生産を終了しており、いまでは中古車のみの販売です。

LPG車としては販売台数が多いので中古車も豊富で、1,000,000円前後で手に入る状態の良いクルマも少なくありません。

なおこの後継車としてトヨタはタクシー専用車を発売しており、都内などでは結構な台数を見かけるようになりました。

こちらはLPGエンジンにハイブリッドシステムを組み合わせたLPGハイブリッド車となっており、より環境性能に特化した車となっています。

日産 セドリックY31

 

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トヨタとタクシー用車種として人気を二分していたのがセドリックY31で、こちらも1990年代の車種をタクシー用として近年まで生産していた車種になります。

Y31型セドリックは1987年に登場しましたが、タクシー用として2014年まで生産が続けられた車です。

こちらもタクシー用ですが一般への販売もされており、クラウンよりスタイリッシュな外観から一般ユースでも結構見かけます。

セドリックのLPGエンジンも年々改良が続けられたことでスペックや燃費などは向上し、やはり経済性では高い魅力を持つ車です。

こちらも体入れるには中古車がメインとなりますが、価格はクラウンコンフォートと大差はありません。

なお日産もY31の後継車種として、ミニバンのNV200をタクシー仕様にしたLPG車を設定しており、こちらも都内で見かけるようになりました。

マツダ アクセラLPG

セダンタイプの車でLPG車として販売している車種は少なくなりましたが、その中で最新車種と言えるのはマツダ アクセラのLPG車です。

2014年に登場した新型のアクセラLPGは主に自動車教習所の教習車としての需要が多く、特に人気のある車種です。

ですがマツダ ディーラーで個人でも購入することが可能で、2,500,000円ほどの新車価格となります。

アクセラは新しい車種なのでスペックの比較がしやすく、同程度の排気量のアクセラのガソリン車と比べてみることにしましょう。

スペックアクセラ LPGアクセラ ガソリン
エンジン型式1,600cc 直列4気筒 DOHC LPGシステムP5-VPS型 1,496cc 直列4気筒 直噴DOHC
最高出力73kW (100PS)/6,000rpm82kW (111PS)/6,000rpm
最大トルク137N・m (14.0kgf・m)/3,500rpm144N・m (14.7kgf・m)/3,500rpm
燃費11.4km/L19.4 km/L

スペック的には同程度の排気量で1割程度パワーダウンおよびトルクダウンしており、確かにLPG化でスペックがダウンするのがわかります。

燃費についても最新型のガソリンエンジンと比べると大きく差があり、燃料代の差による経済性の差は年々縮まっています。

ですが航続距離としてはやはりLPG車にメリットがあり、経済性でもまだLPGの低価格は有利な面です。

LPGエンジンの今後

LPGエンジン自体は今後もタクシーを中心に需要は多く、少しずつスペックや燃費を高めながら存続していきます。

トヨタではLPGハイブリッドなどの新エンジンも登場しており、問題である燃費についても大きく改善していくでしょう。

ですが一般ユースとしてはLPGエンジン車はまだまだニッチな存在ですし、LPGスタンドが減少傾向にあるのも個人で乗る上ではデメリットが増えてきています。

ガソリンエンジンやディーゼルエンジンの性能が年々向上する中にあっては、LPGエンジン車を個人で購入する意義は薄れつつあります。