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ボクサーサウンドとは?特徴はうるさい?復活の可能性もあり?!

自動車のエンジン音にはさまざまなものがあり、エンジン型式や気筒数、排気量などによって千差万別です。

その中に「ボクサーサウンド」と呼ばれる一種独特なサウンドがあるのですが、ご存知でしょうか?

今回はそんなボクサーサウンドについて詳しく解説していきます。

ボクサーサウンドとは?特徴とは?

スバル エンジン

ボクサーサウンドとは、水平対向エンジンという特殊なエンジン特有のエンジンサウンドで、現在では日本のスバルとドイツのポルシェのみが開発生産しているエンジンです。

水平対向エンジンの詳しい仕組みや特徴については別の記事で詳しく解説していますが、ここでは簡単に水平対向エンジンの構造をご説明しましょう。

水平対向エンジンとは、エンジンのシリンダーが左右に横並びになっているエンジンのことで、クランクシャフトを挟んで左右にピストンが分散配置されます。

通常のエンジンはシリンダーが縦(直列エンジン)か斜め(V型エンジン)に並んでいるのが主流ですが、水平対向エンジンはそれとは違った形式のエンジンです。

ポイント

複数のピストンが左右の往復運動をしている様が、まるでボクサーがパンチを繰り出しているように見えるので、水平対向エンジンのことを別名ボクサーエンジンと呼んでいます。

ボクサーエンジンのエンジン音だからボクサーサウンドと呼ばれているのですが、実はボクサーサウンドには2種類あり、両方とも一般的にボクサーサウンドと呼ばれるものです。

まずはそのあたりの違いからご説明していきましょう。

スバルのボクサーサウンド

水平対向エンジンを搭載した車は昔は結構あったのですが、ここ30年ぐらいは日本のスバルとドイツのポルシェしか搭載しないエンジンとなりました。

そのためボクサーサウンドというと必然的にこの2メーカーの車のものとなるのですが、同じ水平対向エンジンでも音の特徴が全く違っているあたりが面白いところです。

日本でよく言われるボクサーサウンドとはスバル車が発する音のことが多く、特に少し前のスバル車特有のサウンドとして扱われます。

まずはYou tubeの動画でサウンドをお聞きください。


この車はスバル インプレッサですが、エンジンサウンドの特徴はドロドロという不安定な振動音と、ブルブルと細かく震えるような振動音の2つが混ざった音に聞こえます。

この音こそが日本で言われるボクサーサウンドの典型的なもので、スバルファンにとってはたまらなく聞こえるそうです。

またポルシェでも車種によってはこのようなエンジンサウンドのものもありますが、ポルシェの場合には大半は次にご説明するサウンドが一般的です。

水平対向エンジン本来のボクサーサウンド

次にご紹介する動画はポルシェのフラッグシップモデル「911」のエンジン音ですが、まずはご覧ください。


スバルのボクサーサウンドとの違いは聞いてみれば一目瞭然で、ポルシェは滑らかでスムーズな回転音が目立ちます。

変な振動音もなく、気持ちの良い吹け上がりが特徴です。

欧州などではこの音こそがボクサーサウンドと呼ばれており、日本での一般的なボクサーサウンドとは真逆のものといえるでしょう。

この車には水平対向6気筒エンジンが搭載されていて、スバルの水平対向4気筒エンジンよりもバランスがよいのは確かなのですが、実はこの音の違いはエンジン本体ではなく別の部分に違いがあるのです。

ボクサーサウンドの仕組み

ボクサーサウンドを生み出す水平対向エンジンは、数あるエンジンの中でも振動が少なく静かなことで知られているエンジン型式です。

エンジンのサウンドの大本となるのはエンジンが発する振動であり、一般的に振動の大きなエンジンほどサウンドもうるさく粗雑になります。

直列6気筒エンジンと直列4気筒、3気筒あたりを別の記事で比較しているのでそちらも参考にしていただければと思いますが、水平対向エンジンはその中でも振動が非常に少なく、本来はポルシェのようなエンジンサウンドが持ち味なのです。

ではなぜスバルのボクサーサウンドのような音が出るかというと、排気管の取り回しにその理由があります。

排気干渉によるエンジンサウンド

スバル マフラー

エンジンには排気管と呼ばれる部品が必ずついており、エンジン内で燃焼したあとの排気ガスを車の外に導く部品です。

排気管はエンジンのすぐ直後は各シリンダーからの排気が集合し、そのあと車後部のマフラーに行くまでの間で1本にまとまっていきます。(V型エンジンだと2本のこともあり)
4気筒エンジンならエンジンから4本の排気管が出て、その後に4-1や4-2-1のように集合して最終的には一本となります。

ポイント

しかしこの排気管の集合する形が良くないと「排気干渉」と呼ばれる現象が起こって、スバルのボクサーサウンドのようなドコドコ、ドロドロといった振動音に変わるのです。

排気干渉は一言で言えば排気ガスの流れがスムーズでないときに起こる排気ガスのぶつかりあいで、排気管の集合部で起きる現象です。

エンジンは回転しながら各気筒を順番に爆発させていくので、排気ガスは各気筒から決まった間隔で排出されます。

それが集合部にいくまでに同じ長さの排気管で繋がっていればスムーズな排気ガスの流れができるのですが、長さの違う排気管で繋がっているとタイミングが狂い、ある気筒の排気ガスが別の気筒の排気ガスの流れを妨げてしまうこととなります。

MEMO

この現象は単に流れが悪くなるということにとどまらず、流れが妨げられた排気ガスは排気管の中の圧力を変化させて、逆流して一部がシリンダーに戻ってしまうこともあり、出力や振動、音を悪化させる原因となるのです。

しかし排気干渉はデメリットだけではなく、うまく設計に取り入れればその圧力の脈動を使って逆に排気ガスのシリンダーからの流れを促進し、エンジン性能を引き出すこともできます。

どちらにしても排気干渉という現象は、エンジン音にスバルのボクサーサウンドのような振動音が混ざる要因であり、スバル車は排気管の長さが不等長だったためにあのような音が出ているのです。

スバル車はなぜ不等長が多い?

スバル エキゾースト

ではスバル車に不等長エキマニ(エキゾーストマニホールド:エンジン直後の排気管の集合部分)が多く、ポルシェにはないかというと、同じような水平対向エンジンを搭載する車のレイアウトが違うからです。

MEMO

スバル車は水平対向エンジンをフロントに搭載して前輪か後輪を駆動しており、レイアウトとしてはFFやFR、もしくはそれをベースとしたAWDレイアウトを取ります。

一方ポルシェで水平対向エンジンを搭載しているのは911を始めとするスポーツカーだけですが、そのレイアウトはタイヤより後ろにエンジンを乗せるRRレイアウトで、水平対向エンジンは車の一番後ろに収まっています。

水平対向エンジンは左右に長いエンジンで、排気管はエンジンの下側から取り出すのが一般的です。

ポルシェのようなRRレイアウトでは、エンジンの下部にはあまり大きな部品が存在しておらず、またフロントのエンジンルームのようにさまざまな他のデバイスもないので、比較的スペースに余裕があります。

そのためエキマニの取り回しは理想的なものが描け、等長エキマニを実現しやすい構造といえます。

エンジンからタイヤにつながるドライブシャフトが前にあるというのも邪魔をしない点でしょう。

ポイント

ですがスバルのようにフロントにエンジンを搭載すると、エンジンの下部にはサスペンションメンバーやフロントサスペンション、ステアリング系部品、ドライブシャフト関係、およびタイヤを収めるタイヤハウスがすぐ横にあって、水平対向エンジンを収めるだけでもかなり大変な環境です。

そこにおいてエキマニを等長化するようなスペースを確保するというのは難易度が高く、周りの部品との兼ね合いでエキマニが不等長化することが避けられなかったのです。

もともと水平対向エンジンはフロントに搭載するのに不向きなエンジンであると知られており、スバル以外のほとんどのメーカーがRRレイアウトを取ることが多かったです。

しかしスバルはAWD化しやすいことの特徴を活かしたり、なによりスバルのアイデンティティとしてフロントレイアウトにこだわっており、不等長エキマニはあるいみ仕方なかったと言えるでしょう。

ボクサーサウンドの評価・口コミ

ボクサーサウンドについては自動車好きのなかでも評価は別れており、Twitterにはさまざまな意見が見られます。

今回はその中からいくつかご紹介しましょう。

スバルに独特のボクサーサウンドが無いのは残念

スバル車を愛するスバリストの人からすると、あのドコドコと鳴っているボクサーサウンドは魅力の一つであり、決して邪魔なものではありません。

ですが近年スバル車も設計改良によってそのサウンドがなくなっていっており、寂しい思いをされている方も少なくないようです。

このあたりの背景についてはのちほどご説明します。

愛していてもうるさい時はうるさい

この方もスバルのボクサーサウンドを愛してやまない方のようですが、アイドリング中などはかなり気になるうるささのようですね。

このあたりは個人の感じ方次第なところがあってうるさくない、という人もおられるのですが、スバル車以外に乗っているとあの音は気になるものであるのは間違いないですね。

ドコドコのボクサーサウンドは下品

スバルのボクサーサウンドが好きという人がいる一方で、ポルシェやバイクの水平対向エンジンの澄んだ音に比べると下品である、という人も決して少なくありません。

とくに欧州ではボクサーサウンドといえば澄んだ音という認識が一般的なので、欧州車が好きな人とこのあたりの話をする時には「ボクサーサウンド」の認識が一致していないこともありますので注意です。

ボクサーサウンドの歴史と今後

日本でいうところのボクサーサウンドはスバルとともにあったと言ってもよく、それはスバルの自動車開発誌の初期から続いています。

スバルのボクサーサウンドの歴史

スバルが最初に水平対向エンジン搭載車を開発したのは1966年にさかのぼり、その頃から一貫してフロントエンジン一筋です。

スバル初の水平対向エンジン搭載車であるスバル 1000は等長エキマニにこだわった設計をしており、エンジン音は澄んだ音で大きなインパクトを与えた車でした。

小型車にしてはコストのかかる設計でしたが、なにより水平対向エンジンの魅力を最大限求めた設計だったのです。

しかしその後エンジンのフロントに搭載する部品が増加してきたこともあって、エンジンは仕方なく不等長エキマニを採用するようになり、この頃からスバルのボクサーサウンドは不等長エキマニのサウンドが特徴となりました。

その後スバルはさまざまな車を開発して直列エンジン車もラインナップしていた時期がありましたが、現在はすべてのラインナップが水平対向エンジンで統一化されており、名実ともに水平対向エンジンのメーカーとなっています。

ですがスバルの水平対向エンジンも年々改良が行われており、ボクサーサウンドの源であった不等長エキマニも改良が進み、2000年ごろから等長エキマニ化がなされました。

そのためスバルの水平対向エンジンサウンドも次第に澄んだ音へと変わってきており、かつてのドコドコ音は鳴りを潜めています。

不等長エキマニと等長エキマニの違いについては次の動画をご覧いただくとよく分かるでしょう。


この動画の等長エキマニはカスタムパーツのひとつですが、サウンドの違いは如実に現れています。

ポルシェのボクサーサウンドの歴史

一方ポルシェの水平対向エンジン搭載車の代表格である「911」は、1964年に初代が登場しましたが、当時から水平対向エンジンをRRレイアウトで搭載するコンセプトで現在まで続いています。

当時のポルシェは空冷エンジンにこだわっていて空冷エンジン特有の乾いたエンジン音を持ち、それは1998年の3代目911まで続きました。

その後環境性能の対応で4代目から水冷エンジンに変更され、エンジン音自体は大きく静かになり、排気干渉のない澄んだ音となっています。

MEMO

またポルシェには911のほかに水平対向エンジンを搭載したスポーツカーがあり、ボクスターやケイマンの名称で2000年ごろから登場しました。

911より小型のスポーツカーですが911と同じくRRレイアウトを取っており、ポルシェのボクサーサウンドの特徴は受け継いでいます。

しかし幾分小型ということもあり、水平対向4気筒エンジンになったことでスバルの等長エキマニのサウンドに近くなったようです。

なおポルシェにはほかにもカイエン、マハン、パナメーラなどの車種もあるのですが、こちらには直列エンジンやV型エンジンが搭載されているのでボクサーサウンドとは無縁です。

スバルのボクサーサウンドを取り戻せ?

さてスバルの車も近年は等長エキマニ化で水平対向エンジン特有の静かな音を手に入れたわけですが、これまでドコドコ音のボクサーサウンドが大好きだった人たちは少々寂しい思いをしているのも確かです。

前述のツイートでもありましたが、こういった意見を持つ人は少なくありません。

そのためスバルのカスタムパーツの中には、なんとあえてエキマニを不等長化するパーツが登場しており、最新のスバル車にもドコドコ鳴るボクサーサウンドを出させることができるようになっています。

性能面では向上するものではないようですが、エンジン音は車の魅力の一つであり、取り付ける人はそれなりに多いようです。

ボクサーサウンドの搭載車

日本にはスバルがあるのでボクサーサウンドの車は手に入れやすい環境にあり、新車、中古車とも豊富です。

またポルシェもかなりの数が輸入されているので、日本はボクサーサウンドのエンジンを手に入れやすい環境と言えるでしょう。

今回はその中から何台かご紹介しましょう。

スバル インプレッサWRX

スバル WRX STI

スバルのスポーツカーの中でもっとも有名と言ってよいのがこのインプレッサで、ラリーに勝つことを目標に開発されたインプレッサは素晴らしい性能を発揮しました。

MEMO

その市販バージョンがWRXで、初代WRXの水平対向エンジンはボクサーサウンドの代表格です。

インプレッサの主要エンジンだったEJ20エンジンは現在まで改良を続けながら進化している水平対向エンジンで、2.0L 4気筒エンジンながら300馬力を超えるえエンジンになりました。

初代インプレッサでは280馬力までですが、当時としては破格の出力といえるでしょう。

排気管は不等長エキマニとなっているのでドコドコ音のボクサーサウンドであり、今でも初代インプレッサは中古車市場でも人気です。

スバル レヴォーグ

スバル レヴォーグ

レヴォーグは2014年に登場した比較的新しい世代のスバル車で、レガシィツーリングワゴンの後継者として登場したワゴンタイプの車です。

MEMO

この車にはEJ20エンジンの後継エンジンであるFB16型とFA20型エンジンが搭載されており、どちらのエンジンも等長エキマニ化が果たされていてエンジン音は初代インプレッサとは大きく変わっています。

静かなボクサーサウンドはファミリーカーとしての魅力を上げるものであり、レヴォーグのような車種には必要だったと言えるでしょう。

ドコドコ音はスポーツカーにはよかったのですが、ファミリーカーとして考えると同乗者には不人気なことも多かったのです。

ですがエンジン性能としてはさすがスバルとも言うものがあり、ステーションワゴンながらFA20エンジンは300馬力を超えるパワフルなエンジンに仕上がっています。

ポルシェ ケイマン/ボクスター

ポルシェ ボクスター

ポルシェの水平対向エンジンはやはり911が有名ですが、911はポルシェのフラッグシップモデルだけあって高価であり、購入しやすい車としてはケイマンとボクスターがよいでしょう。

ケイマンとボクスターはもともと別の車種として登場し、ケイマンは2005年、ボクスターに至っては1996年が初登場です。

ですが現在は同一のプラットフォームで作り分けがされており、同一車種となりました。

ケイマンは2ドアのハードトップクーペ、ボクスターはオープンカーのスポーツカーです。

MEMO

かつてはどちらにも水平対向6気筒自然吸気エンジンが搭載されていましたが、最新型は水平対向4気筒ターボエンジンとなり、そのエンジンサウンド911とは違うものととなりました。

ですがパフォーマンスは十分で、ターボエンジンならではの力強いサウンドが新たな魅力です。

ケイマン/ボクスターは輸入車としては求めやすい価格帯にあり、新車で6,000,000円~7,000,000円、中古で旧モデルなら3,000,000円前後と、乗り出しやすいポルシェといえるでしょう。