コンパクトなボディに魅力的なデザインと力強い走破性が盛り込まれたジムニー。
高い走破性でアウトドアには最適ですし、クラシカルさとポップさが光る外観はおしゃれな雰囲気をもっています。
軽自動車らしい取り回しの良さも非常に便利です。そんなジムニーですが燃費は良いのでしょうか。
ここではジムニーの燃費について解説していきます。
ジムニーの燃費・実燃費
まずはジムニーのカタログ燃費と実燃費の差をチェックしていきます。
ジムニーはWLTCモード燃費が採用されており、実燃費はカタログ値のおおよそ7割程度と言われています。それでは数値を検証していきます。
ターボを採用したエンジンのカタログ燃費はオートエアコン(AT)で13.2km/L、マニュアルミッション(MT)で16.2km/Lです。では実燃費はどのような数値になるのでしょうか。
燃費の種類 | MT | AT |
カタログ燃費 | 16.2km/L | 13.2km/L |
街乗り燃費 | 11~14km/L | 9~11km/L |
高速燃費 | 14~16km/L | 12~15km/L |
ユーザーの燃費を見ていくとこの様になります。カタログ燃費達成率は7割を超えており比較的優秀な燃費達成率です。
最近の軽自動車と比べると数値は絶対的に低いですが、乗用としての燃費性能ではなく人里はなれたような悪路でも走れる走破性をもった車体なので、これだけの燃費性能であれば十分でしょう。
なお走破性については以下の記事で取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
ジムニーの走破性を徹底解剖!クロカン・オフロード性能はいかに?!ジムニーの燃費の口コミ
ジムニーの燃費についてユーザーはどう感じているのでしょうか。ここではツイッター上からジムニーの燃費に関する口コミをご紹介していきます。
通勤3日目。ちょっとずつ燃費上がってきました。片道、高速20分+国道40分というところです。夜勤なので、帰りに車で休憩したりしてるのでそれがなければもう少し上がるかな。 pic.twitter.com/oERAfqlXkC
— あき@ジムニー納車! (@aki_kumamon) 2019年1月30日
ATモデルで12.3km/Lという数値です。MTに比べれば低めの数値ですが、ATモデルでも丁寧に走ればそれなりに良い燃費が出ます。
新型ジムニーに
グッドリッチの215ぶっ込んだ日から
燃費が11キロまぁー分かっていたし燃費を気にするほどの車でもないし
エコな時代に逆らってる感は否めないがカッコイイので吉幾三w pic.twitter.com/Ed6ssYec6L— 244 (@244machu) 2018年12月5日
グッドリッチの太いタイヤを履かせたところ、11km/L程度の燃費になったそうです。見た目は最高にかっこよくなりますが燃費が落ちるのはちょっと悩ましいところですね。
ジムニー、街乗りで燃費はこんな感じ。
このクルマに燃費を求めてなかったですが、案外良いのね。
山陰ドライブでは、21km/Lだったし✌️
JB64W、5MTです。 pic.twitter.com/XjWRYDxQeb— ほそ たか (@onomichi119) 2018年11月7日
なんとMTモデルだと17.0km/Lという数値が出たそうです。走り方一つでここまで燃費が伸びるんですね。
なおジムニーの口コミ・評判については以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
ジムニーの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!ジムニーの歴代の燃費・実燃費
ユーザーはあまり燃費に関心はないようですが、歴代のジムニーの燃費はどうだったのでしょうか。
ここでは歴代の燃費を確認してみますが、ジムニーは一つのモデルが非常に長く特定できません。なので燃費の評判の上がっているここ最近のモデルの燃費を出していきます。
2代目ジムニーの燃費・実燃費
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2代目ジムニーは1981年の登場から1998年のモデルチェンジまでの間にさまざまな仕様変更を受けながら生産されてきました。そのため多くの仕様がありますがここでは最終の1995年の仕様の燃費をあげていきます。
10・15モードのカタログ数値で、MTモデルは15.8km/L、ATモデルは14.0km/Lという数値です。実燃費はMTモデルが8~12km/L、ATモデルが7~10km/Lという数値でした。
燃費の種類 | MT | AT |
カタログ燃費 | 15.8km/L | 14.0km/L |
街乗り燃費 | 9~12km/L | 7~10km/L |
高速燃費 | 12~14km/L | 10~11km/L |
3代目ジムニーの燃費・実燃費
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この型のジムニーは幌ボディをなくしたり5ナンバー専用になったりと、今までの貨物車的な用途から乗用仕様に大きく舵を切ったモデルです。
カタログ数値は先代から若干伸びており、MTモデルで16.4km/L、ATモデルで14.8km/Lという数値です。実燃費はMTモデルで10~13km/L、ATモデルで8~10km/Lといった数値でした。
燃費の種類 | MT | AT |
カタログ燃費 | 16.4km/L | 14.8km/L |
街乗り燃費 | 10~13km/L | 8~10km/L |
高速燃費 | 13~16km/L | 10~13km/L |
悪路を走るための軽自動車というコンセプトを、初代から一貫して貫き続けているジムニー。
燃費性能の進化は目を見張る物はありませんが、その分走破性は今でも進化を続けておりジムニーブランドへの信頼性の高さがみえます。
なお歴代のジムニーについては以下の記事でさらに詳しく解説しているので、詳細まで知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
絶対読んでください!ジムニーの中古車を購入時の11の注意点!ジムニーの燃費の理由
ジムニーの燃費はカタログ達成率も7割としっかりと数値を出していますが、正直燃費が良い方の車ではありません。ここではジムニーの燃費の理由を解説します。
走破性優先のパワートレイン
ジムニーは乗用車と違い、どんなシーンでも走り抜けることのできる走破性が重要です。そのため燃費改善の複雑な機構以上に、安心できる機構が必要です。
そのためアイドリングによる燃料消費を抑えるアイドリングストップはありませんし、CVTのようなコンピューター制御の多いミッションなどは使われていません。
これらがトラブルを起こし止まってしまっても一般道なら助けは呼びやすいでしょうが、ジムニーが使われるような山間部では命取りです。
さらに後輪駆動ベースの4WDや1tもの車体を動かすために、十分なパワーのあるターボエンジンが採用されるなど、燃費性能はほぼ考慮されていません。
ターボエンジン車は燃費が悪い?燃費向上は走り方次第で可能?!トラブルによる足止めがそのまま命取りになってしまう環境にあるジムニーは、燃費よりも信頼性の高さを優先しているため、燃費改善の優先順位は次点です。
頑丈な車体
ジムニーのボディにはラダーフレームという強固なフレームが使われています。
乗用車の多くはモノコック方式といってカニやエビなどのように殻で強度を出す方式を採用しています。その方が車体も軽くなりますし、振動なども少なく乗用車向きの乗り心地になります。
しかし過酷な環境下ではボディの変形などで走行が困難になるなど、悪路走行には向いていません。
ラダーフレームはその点非常に頑丈なフレーム構造で、路面状況によって変形などといった心配もありません。さらに事故などでキャビンが損傷を受けたとしても、フレームが無事なら走って帰ってくることが可能です。
そのかわり重量の増加や衝突による衝撃などは大きいですが、何が何でも走り切ることが目的のジムニーには、こちらの構造が重要なのです。
なおジムニーの構造については以下の記事でさらに詳しく解説しているので、詳細まで知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
ジムニーの耐久性が高い4つの理由!強度が半端ない?!ジムニーの燃費改善・向上方法
ジムニーの燃費の良し悪しの理由を解説してきましたが、今度は燃費良く走るための方法を解説していきます。
アクセルワークを丁寧に行う
ジムニーはターボエンジンやFR構造など燃料の消費がとても多いパワートレインです。そこで少しでも燃料の消費を減らすために、アクセルワークを丁寧にすることが必要です。
まず走り出しは速度とエンジンの回転が同期しないので、無駄に燃料を消費してしまいます。
ですのでクリープ走行で少しずつ前に出ましょう。発進したあとは3,000回転程度を目安に適切にアクセルを開けて目的の速度まで加速します。
加速時に必要以上にゆっくりと加速するとポンピングロスという内部抵抗で無駄が出ますし、渋滞の原因になるなど周囲にもよくありません。
エンジンブレーキを使おう
アクセルを離して減速するエンジンブレーキは、燃料供給がカットされるため実質燃費は無限大です。低燃費を心がけるならその部分をうまく活用することが重要です。
ほとんどの車は1,500回転以上でアクセルが離された状態であればエンジンブレーキがかかっています。できるだけこの状態を長く続けるために、回転が低い場合はギアを一つ落とすなど適時調整し、活用しましょう。
これらの運転法は、道路状況をしっかり把握し、周りの車の流れを妨害したりあおり運転にならないように周りへの配慮が非常に大事です。車の特性をしっかり掴み低燃費な運転をしましょう。
もしジムニーを買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!ジムニーの燃費を他の車と比較
ジムニーは燃費性能は高くないとのことですが、ライバルの車たちはどうでしょうか。ここでは三菱のパジェロミニ、スズキのハスラー、ダイハツのキャストと比較していきます。
ダイハツ キャスト
乗用車のようなSUVとして登場したダイハツのキャストアクティバ。
1台で3種類のスタイルを使い分けているキャストですが、アクティバは乗用車のスタイルでありながらSUVのような車高の高さや走行性能をしている車です。
カタログ燃費はNAで30.0km/L、ターボモデルで27.0km/Lという数値です。では実燃費を見てみます。
燃費の種類 | NA | ターボ |
カタログ燃費 | 30.0km/L | 27.0km/L |
街乗り燃費 | 17~20km/L | 16~18km/L |
高速燃費 | 21~23km/L | 19~21km/L |
燃費性能は圧倒的にキャストの方が良いという結果です。ファッションSUVと本格SUVとで求める性能が違うのでこればかりはしょうがありません。
本格的な走破性が必要な人はジムニー一択ですが、それ以外の人はキャストの方が良いでしょう。
スズキ ハスラー
まるで漫画の世界から飛び出してきたかのようなポップなスタイリングが特徴的なハスラー。同じスズキのSUV軽自動車ですが、比較されることが多い2台です。
カタログ燃費はNAモデルが32.0kmL、ターボモデルが27.8km/Lとなっています。では実燃費を見ていきます。
燃費の種類 | NA | ターボ |
カタログ燃費 | 32.0km/L | 27.8km/L |
街乗り燃費 | 19~21km/L | 17~19km/L |
高速燃費 | 22~24km/L | 20~22km/L |
やはり燃費性能はハスラーのほうが上です。同じSUVカテゴリーですが、乗用車ベースと本格的なクロカン走行を目的に作られた車の違いが、燃費という形で出ています。
なおハスラーについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
ハスラーの燃費は悪い?街乗りや高速の実燃費は?改善し向上させる方法まで解説!ハスラーの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!三菱 パジェロミニ
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販売当時、ジムニーを乗用車仕様一本に絞らねばならぬほどにまで追い詰めたパジェロミニ。今では中古市場ででしか出会うことはできませんが、根強い人気がある車です。
カタログ燃費は4WDのターボ仕様のMTモデルで15.4km/L、ATモデルで14.4km/Lです。さて実燃費はどうでしょうか。
燃費の種類 | MT | AT |
カタログ燃費 | 15.4km/L | 14.4km/L |
街乗り燃費 | 9~12km/L | 8~11km/L |
高速燃費 | 12~14km/L | 11~14km/L |
燃費の数値を見ていくとMTモデルはジムニーのほうが優れており、ATモデルはジムニーとそれほど変わらないという結果でした。
パジェロミニは最終型が1998年で先代ジムニーと同じようなときに開発された車なので規格が古く安全性なども低いです。外観が気に入ったなどの理由がない限りパジェロミニを選ぶ理由はないでしょう。
なおパジェロミニについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
パジェロミニの走破性を徹底解剖!オフロード・クロカン性能はいかに?!買う前にちょっと待って!パジェロミニの中古車を購入時の6つの注意点!ジムニーは普通の軽自動車とは違う
ジムニーは普通の軽自動車と違い、悪路を走るために特化された車です。そのため普通の軽自動車を買うような感覚で購入すると乗り心地や燃費の面で落胆してしまう可能性があります。
過酷な環境でも耐えられる信頼性のある走破性がジムニーの持ち味なので、そういったウィークポイントを理解したうえで、魅力を感じる人にこそ乗ってもらいたい車です。
なおジムニーについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
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