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小ベンツとはどのクラスのこと?価格・値段まで詳しく解説!

メルセデスベンツにラインナップされている車は大型の車が多いのですが、日本で「小ベンツ」と呼ばれる車があるのをご存知ですか?

今回は日本で大人気になった小ベンツについてご説明します。

小ベンツはどんな車?

「小ベンツ」と聞いてイメージするのは軽自動車やコンパクトカーぐらい小さいベンツでしょうが、実は小ベンツとは「メルセデスベンツ 190」という1車種のことを指します。

190と聞いてもあまり馴染みがないかもしれませんが、それもそのはずこの車は1982年に発売されたかなり古い車なのです。

MEMO

ただ一部ではA〜Cクラスの価格が安いベンツのことを、「本当のベンツじゃない」と馬鹿にする意味で使っている人もいます。

「高級車に無理やり乗っている」のを馬鹿にする意味で使われたりもします。

ではなぜこの車が小ベンツと呼ばれているかをご説明しましょう。

メルセデスベンツ 190ってどんな車

メルセデスベンツ190は190Eの名前でも知られているベンツの中型セダンで、現在のラインナップに照らし合わせるとCクラスの位置づけの車です。

しかし現行Cクラスよりもかなり小型の車体サイズになっており、コンパクトカーなどの日本の5ナンバーサイズに収まる大きさのため、「小ベンツ」という愛称がつきました。

欧州では1982年に発売されましたが日本に正規輸入されたのは1985年で、その後後継のCクラスが登場する1993年まで販売されました。

小ベンツのスペック

190シリーズには主に2種類あり、ガソリンエンジン仕様の190E とディーゼルエンジン仕様の190Dがあり、それぞれの主要諸元は次の通りです。

項目190E190D
ボディタイプ4ドアセダン
乗車定員5名
駆動方式FR
エンジン・2.0L直列4気筒DOHC
・2.3L直列4気筒DOHC
・2.5L直列4気筒DOHC
・2.6L直列6気筒SOHC
・2.5L直列5気筒SOHC
ディーゼル
・2.5L直列5気筒SOHC
ディーゼルターボ
最高出力・2.0L:115PS/5,100rpm
・2.3L:135PS/5,100rpm
・2.5L:200PS/6,750rpm
・2.6L:165PS/5,800rpm
・2.5L ディーゼル:
90PS/4,600rpm
・2.5Lディーゼルターボ:
125PS/4,600rpm
最大トルク・2.0L:16.8kgm/4,000rpm
・2.3L:20.6kgm/3,500rpm
・2.5L:24.5kgm/5,000rpm
・2.6L:23.0kgm/4,600rpm
・2.5L ディーゼル:
15.7kgm/2,800rpm
・2.5Lディーゼルターボ:
23.5kgm/2,400rpm
変速機4AT
全長4,450mm
全幅1,690mm
全高1,375mm1,320kg~1,350kg
車両重量1,230kg~1,300kg1,420~1,440kg

※直列4、5、6、ディーゼルターボ、エンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。

BMW 直4エンジン直列4気筒エンジンの特徴!どんな音?搭載車を日本車/外車の車種からそれぞれ紹介!アウディ 直5エンジン直列5気筒エンジンの特徴!どんな音?搭載車を日本車/外車の車種からそれぞれ紹介!ベンツの直6エンジン直列6気筒エンジンの特徴!どんな音?搭載車を日本車/外車の車種からそれぞれ紹介!マツダ ディーゼルエンジンディーゼルターボとは?速いのがメリットで寿命がデメリット?搭載車種も紹介

性能的には30年以上前の車だけあって現在のベンツとは比較にならないほど非力ですが、当時は車重が軽いこともあって十分なパワーを持っていました。

なにより5ナンバーサイズに収まるサイズのベンツはこれが初めてだったので、それまでベンツに手が届かなかった層の人たちがこぞって買い求めました。

当時がバブル景気真っ只中であったことも手伝って、ステータスの象徴であるベンツですので190シリーズは大人気モデルになったのです。

価格は当時の値段で4,000,000円~6,000,000円の間でしたが、当時トヨタ クラウンが1,500,000円~4,000,000円であったことを考えれば、小ベンツといえど高額でした。

しかしそれ以外のベンツとなるともっと高額でしたので、ベンツの中ではもっとも安かったわけです。しかも5ナンバーサイズで税金面でも有利だったので、コストパフォーマンスもよかったのです。

小ベンツの特徴

190シリーズはそれまでのベンツのデザインを踏襲しており、車体形状やヘッドライトの形状などは直線基調のデザインになっています。

現在のベンツのデザインは曲面が増えてきていますが、190シリーズはこの時代のベンツのもつ質実剛健さをよく表しています。(現在のデザインの詳細は以下の記事をご参照ください。)

ベンツ車【画像】ベンツのかっこいい車種ベスト10!デザインが最高なものを紹介!

内装も樹脂部品の割合が多くなっているとはいえ、そこはベンツの内装の上質感は持ち合わせており、木目パネルなどとあわせて国産車では味わえない豪華さを持っています。

また190シリーズはツーリングカーレースのベース車両にもなったため、スポーティな印象も併せ持っており、市販車でもレーシングカーに近いエアロパーツや専用エンジンを積んだスポーツモデルも発売されました。

それまで高級セダンでおとなしい印象しかなかったベンツですが、スポーティなイメージが付いたことで若者層にまで人気がでたのです。

コンパクトでありながらしっかりベンツとしての上質さを持っており、なおかつスポーティなイメージもあわせ持つ190シリーズですので、日本で大人気になったのもうなずけますよね。

小ベンツのイメージ・評判

販売終了から30年近く経った今でも小ベンツに愛着を持っている方は沢山いて、Twitterなどにも小ベンツについて多数の投稿が上がっています。

そんな中からいくつかご紹介しましょう。

小ベンツといえどちゃんとベンツ

30年経った今でもしっかり走っている190があるようで、こちらの方の駐車場のとなりには190Eが止まっているそうです。

今の感覚で見ても190Eにはベンツとしての質感がしっかり残っているのがわかり、小ベンツが決して安いだけの車ではなかったことをうかがわせます。

またドアの閉まる音についても書かれていますが、ドアのクロ―ズ音の質感は実は高級車には大事な要素なのです。

高級車になればなるほどドアの音は重厚でしっかりした開閉音になり、逆に安い車は安っぽい軽い音になるものです。

190Eはそのあたりもしっかり作り込まれたベンツとしての質感を持ったコンパクトカーだったのですね。

なおベンツが高級車かどうかは以下の記事で詳しく考察しています。興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。

ベンツGクラスベンツは高級車じゃない?大衆車?ドイツでの価格は意外すぎた?!

ベンツなのに壊れやすい?

メルセデスベンツとかドイツ車とか聞くと、質実剛健で故障の少ないイメージがありますが、当時は決してそうではなく故障も多かったのです。

最近になってようやくドイツ車の故障率の低さは日本車と同レベルまでになってきましたが、当時は故障の少なさについては日本車のほうが勝っていました。

ドイツと気候が違って高温多湿の日本にあっては、ゴム部品の劣化やサビの発生などによって、ベンツといえども故障が多かったのです。

しかも故障すると部品交換には多額の費用がかかり、故障が多発する輸入車は維持も大変でした。

ベンツに乗るのはとても夢のあることでしたが、苦労した方も結構多かったのでしょうね。

なおベンツの故障については以下の記事でも詳しく解説しています。詳細まで知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。

漆黒に光り輝くベンツ壊れやすい?ベンツは故障が多いのか故障率の実態とは?!

小ベンツの勘違い

Twitterには、最近のベンツAクラスやCクラスを小ベンツと呼んでいることがありますが、これは厳密には勘違いです。

小ベンツという愛称はあくまで190シリーズにつけられたものです。

しかしAクラスなどはぱっと見でも小型なので、イメージとしては「小ベンツ」とついつい呼びたくなってしまうのはしかたありませんよね。

現代の感覚でいえばAクラスも十分小型のベンツなのですから。

小ベンツの買い方のポイント

小ベンツこと190シリーズを購入することは現在でも可能ですが、当然新車ではなく中古車で探すことになります。

しかし現在では中古車市場にほとんど出てきませんので、状態の良い190などは運が良くなければ見つからないでしょう。

中古車の190を購入するには

発売終了から30年近く経ちますので中古車市場でも台数がかなり少なくなっていますが、それでもなお700,000円~1,300,000円ぐらいの値段で取引されています。

MEMO

なお正しいやり方で値引き交渉をすれば、もう少し安い価格で購入できます。

このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 裏技を知って後悔する人たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!

新車価格が4,000,000円程度だったのを考えると、30年経ってまだ1,000,000円以上付く車があるのは驚きです。

未だに190には人気があり、190E専門の中古車店まであるぐらいです。

そちらには状態のよい車が並んでいますが、当然価格もそれなりに高く1,500,000円程度はします。

古い車をしっかり整備するのは大変なので、そのぐらいの価格は妥当でしょう。

190Eを購入する値段自体はそこまで高くはないにしても、購入後の維持は大変です。

前述した通りそもそもトラブルの少なくない車ですし、30年以上経過した今となっては交換部品を見つけるのも一苦労です。

もし190が故障したら、できるだけ古いベンツの修理にたけている中古車店に預け、パーツが見つかるのを待つしかないでしょう。

しかし、もし運よく見つかっても費用は高くつき、小さなエンジン部品の交換などでも部品代と交換費用で100,000円程度は覚悟しておいた方がよいでしょう。

購入する時にはできるだけ走行距離の少ない方が良いことは良いですが、どの車も走行距離100,000kmは超えていることが多く、少ない車が見つかることのほうが珍しいです。(走行距離の寿命の詳細は以下の記事をご参照ください。)

車のメーター中古車は走行距離が何万キロまで安心して乗れる?答えはこれだ!

それよりも多少走行距離が多くても、きちんとメンテナンスされている車のほうがまだ良く、そういった車はぱっと見でもキレイにしてあるので、よく観察してから買いましょう。

なお古いベンツの購入に関しては以下の記事でも取り上げているので、もっと詳しく知りたい方はこちらもご参照ください。

ベンツ ミーティング古いベンツに乗るのはどうなのか?修理とかで大変すぎる?!

現代の小ベンツはいかが?

コンパクトなベンツが欲しい時に190シリーズは今となっては珍しい1台ですので欲しくなることもありますが、古さと維持の大変さから誰でも買えるものではありません。

そこで現代の小ベンツというべきメルセデスベンツAクラスも選択肢に加えると良いでしょう。

Aクラスは現在のベンツのラインナップの中ではコンパクトハッチバックの位置づけであり、ベンツのエントリーモデルになっています。

Cクラスなどより小型で値段も安く、新車価格で3,000,000円からとベンツにしてはコストパフォーマンスの高いモデルです。(ベンツの価格の詳細は以下の記事をご参照ください。)

ベンツ AMG GTベンツは新車/中古でいくらで買えるか?全車種の価格を車検費用とともに解説!

中古車市場でも2,000,000円台からかなりの台数が出ていますので、輸入車とは思えない買い易さです。

燃費もよくスポーティでカッコイイですし、コンパクトながらベンツの上質感はしっかり持ち合わせています。

注意点としては、実はこの車は幅が1.7m以上あることで3ナンバーサイズであり、190の売りであった5ナンバーサイズには収まっていません。

そのため税金の面ではワンランク上になってしまい10,000円程度は差がありますが、エコカー減税などで減額されますので、実質ほとんど変わりません。

故障率も現代水準で少ないので、維持もしやすい1台です。

なおベンツについては以下の記事でも取り上げているので、もっと詳しく知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。

ベンツのクラシックカーベンツの中古車はなぜ安い?安価な理由はこの3つだ!ベンツのGクラス購入には年収制限が?ベンツオーナーになるには年収はどれだけ必要?