日本でメルセデスベンツと言えば高級車という認識が一般的ですが、世界的にはベンツがどんな立ち位置にあるかってよくわかりませんよね。
今回はメルセデスベンツが高級車かどうかについてご説明します。
ベンツのイメージは紛れもなく高級車
メルセデスベンツは日本では高級車で、実際大半の日本車よりもベンツは高額です。しかしベンツというブランドにどんなイメージを持っているかは人それぞれ違います。
まずは一般の人がベンツにどんなイメージをもっているかを、Twitterの意見から探ってみましょう。
Twitterの意見:ベンツは高級車という人が多数
東京ってベンツとかアウディとかレクサスとかクラウンとか外車とか…
高級車そこら辺に多すぎなんだけどw
— takuya30prius (@kikutaku0514) 2017年7月8日
これは非常にわかりやすい意見で、高級車を挙げる際に真っ先にベンツが出てきています。
アウディやレクサスも挙がっていますが、やはり高級車となるとベンツのイメージが大きいようです。
東京にいると確かにベンツを数多く見かけますが、高級車だというのに台数が多いというのはやはり驚きますよね。
ベンツは高級車じゃなくて高性能車やぞ…先日眠過ぎてSA入ろうとしてた途中でまじで眠気が来た時にキープレーンアシスタントに助けてもらったから今生きてる。面目ない
— YURI (@yuri_27th) 2017年7月19日
これは面白い意見で、ベンツの高額な値段はそれに見合った性能が備わっているというわけです。
以下の記事でも触れていますが、ベンツは数多くの新技術を世界に先駆けて採用しているメーカーでもあります。
絶対的な最高の魅力!ベンツの7つの良さをわかりやすく解説!ベンツはこの方が助けられたような安全装備の採用に積極的なのです。ただ高級なだけでなく安全に乗れるというのは、ベンツの価値が高いことを示していますね。
今日、高級住宅街に住んでる人と話していたら、近所の車はベンツで統一されているらしい。「ベンツ=ご近所づきあい。それ以上の車種でも以下でもなくベンツで足並み揃えるのが習わし」だそう。地域のディーラーはおいしいだろうな。
— Chiho Ohsawa (@quirp320) 2017年7月11日
高級住宅街にお住みの方にはベンツがやはり大人気のようです。
そういった方々は社会的ステータスを重要視されますので、ベンツの持つ高級感、上質感から選ばれているのでしょう。
ベンツの実態とイメージの差
日本人が考えるメルセデスベンツはやはり高級車という意見が多いのですね。ただ実はメルセデスベンツという自動車会社の実態を見てみると、「総合自動車メーカー」というのがふさわしいのです。
高級車メーカーと聞いてイメージするのは、セダンタイプの高級な車だけを作っていてコンパクトな車など眼中にない感じがあります。
たしかにそういう高級車メーカーもあり、例えばイギリスのベントレーやロールスロイスなどはほぼ高級車しか作っていません。
しかしメルセデスベンツは高級車だけでなく、実に多様な車種をラインナップしている自動車メーカーなのです。
そのラインナップは高級セダンはもちろんのこと、コンパクトカー、ミニバン、SUV、トラック、バス、商用車、特殊車両まで、あらゆる車の種類を網羅していると言っても過言ではありません。
簡単にメルセデスベンツのラインナップを挙げてみます。
車の種類 | 車種名 |
コンパクトカー | Aクラス |
ファミリーカー | Bクラス、Vクラス |
セダン | Cクラス、Eクラス |
SUV | Gクラス |
スポーツカー | SLRマクラーレン |
高級セダン | Sクラス、マイバッハ |
商用車 | トランスポーター バス、トラック |
特殊車両 | ウニモグ、軍用車 |
メルセデスベンツのすごいところは、これらさまざまな車種すべてをメルセデスベンツブランドで販売していることです。
普通これだけ種類がある場合、例えば商用車などは別ブランドとして切り離して、メインのブランドのイメージを損なわないようにしたりします。
実際、日本最大の自動車メーカーであるトヨタもラインナップはかなり豊富ですが、あくまで乗用車に絞られているのです。
軽自動車や商用車、特殊車両などは、系列会社であるダイハツや日野などの別会社で作られています。
日本にはベンツは高級セダンがメインで輸入されていた関係でどうしても高級車ブランドとしてのイメージがありますが、欧州でのベンツのイメージはさまざまな車を製造販売する総合メーカーというのが一般的なのです。
ベンツに対するイメージについては以下の記事でも掘り下げて解説しています。あわせてご参考にしてみてください。
ベンツのイメージは悪い?!クラスごとにイメージを徹底調査!ベンツのドイツやその他海外での位置付け
日本人の持つベンツのイメージと、メーカーとしてのベンツの実態には結構な差がありますが、ベンツの本社のあるドイツやそのほかの海外ではどうなのでしょうか?
まずはドイツや欧州の事情に詳しい方のツイートを見てみましょう。
Twitterの意見:欧州では「ベンツ≒トヨタ」
走ってる車がベンツやプジョーや
BMWやアウディーばっかりで、感動してる……高級車しかねぇ!!とくにベンツばっかり。
タクシーもベンツ!
でも、この光景、ドイツ人から見ると日本にトヨタが走ってる感覚だそう…
ベンツもドイツ車だったなぁ…
車がかっこ良くてほんと好き!— 大和(提督)@お受験低(定)浮上 (@sansanotuki) 2017年7月17日
この方はドイツに行かれた時の意見を書かれていますが、ドイツでは割とベンツは一般的のようです。
それこそ日本車が日本で走っているような当たり前の感覚で、高級というイメージはドイツ人にはないようです。
しかしこの方自身はベンツが高級車だと考えておられるので、そのギャップの違いに驚かれていますね。
実際、欧州ではミドルクラス以下のベンツは老人とタクシーの専用車。Sクラスを選ぶ金持ちはやはり中高年。ヤンエグはBMWかアウディを選ぶ。で、アウディは腐敗のイメージというのは、急速に富を蓄えたノーメンクラトゥーラが好んで買っているということだろう。あまり語られないがこれも世界的傾向
— ドラゴン山崎 (@dragon_yamazaki) 2011年11月21日
欧州でのベンツのイメージが分かりやすく書かれており、ベンツの中堅車はおとなしめの方が乗っているイメージですね。
日本でいえばトヨタ クラウンのような感じでしょうか。しかしSクラスともなるとさすがに高級車となり、お金持ちが乗っているイメージになります。
トヨタに対するレクサスの高級車のような関係性ですね。(トヨタとレクサスの関係性を詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。)
レクサスとトヨタ車の関係とは?違いをわかりやすく解説!ベンツは大衆車メーカーではないけど高級車メーカーというわけでもなく、やはり総合メーカーという認識が一般的のようです。
欧州やその他地域でのベンツの価格
ベンツは主に欧州やアメリカなどで生産されていますが、その販売価格については地域によってさまざまです。
本国であるドイツはもとより、欧州、アジア、日本でのベンツの販売価格から、それぞれの地域でどのぐらい高級に見られているかが分かります。
ここではベンツの中堅車種を例に挙げて、地域ごとの価格を比較してみましょう。
比較の前提条件
今回例に挙げるのは、Cクラスの中級グレードであるC200。あとはEクラスのE200です。
どちらも2.0Lターボエンジンを搭載しており、車格としてはトヨタ クラウンや日産スカイラインと同じです。
ターボエンジンとは?仕組み/構造は?メリット2つとデメリット4つ!比較は円換算で行いますので、他地域での主要通貨レートは次を使用します。
- ユーロ/円:130円/1ユーロ
- ポンド/円:144円/1ポンド
- 人民元/円:16.4円/1人民元
価格はそれぞれの地域のメルセデスベンツ公式ページの物を使います。なおイギリスのE200にはガソリンエンジンの設定がないので、イギリスのみディーゼル仕様です。
それでは実際に価格を比較してみましょう。ただここではベンツは二車種しか取り上げていないので、ほかの車種の価格も知りたい方は下記の記事もご参照ください。
ベンツは新車/中古でいくらで買えるか?全車種の価格を車検費用とともに解説!C200とE200の地域ごとの価格差
2017年現在、日本でのC200の新車価格は5,250,000円、E200が6,750,000円となっていますが、欧州各国と中国でのそれぞれの価格を比較してみましょう。
なお参考として、トヨタクラウンと日産スカイラインのベースグレードの価格も載せてあります。
ベンツC200の価格
国 | 現地価格 | 円換算 |
日本 | 5,250,000円 | |
ドイツ | 36,747.20ユーロ | 4,777,136円 |
フランス | 37,050ユーロ | 4,816,500円 |
イギリス | 28,160ポンド | 4,055,616円 |
中国 | 353,800元 | 5,802,320円 |
ベンツE200の価格
国 | 現地価格 | 円換算 |
日本 | 6,750,000円 | |
ドイツ | 43,018.50ユーロ | 5,592,405円 |
フランス | 45,500ユーロ | 5,915,000円 |
イギリス | 34,350ポンド | 4,946,400円 |
中国 | 436,800元 | 7,163,520円 |
ちなみに日本でベンツを買う際は正しい値引き交渉のやり方を知っていれば、上記の表の金額より安く購入できます。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!参考:日本車セダンの価格
車種名 | 価格 |
トヨタ クラウンアスリート | 3,963,600円 |
日産 スカイライン | 4,136,400円 |
※クラウンが高級車かどうかは以下の記事で詳しく解説しています。興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
クラウンは高級車じゃない?大衆車?世間のイメージを元に解説!中国では富裕層向け、その他地域では大衆車寄り
これを見てみると、C200もE200も欧州各国での値段は日本の値段に対して1割~2割は安いことが分かります。
価格差は車格が高いE200のほうがあり、高級車になればなるほど日本での値段は割高になります。特にイギリスでは為替レートのせいもありますが、かなりの金額差がありますね。
同じアジアの中国ともなると、逆に日本での価格よりも割高となっており、中国の富裕層向けということがよくわかります。
欧州のC200と同クラスの日本車であるトヨタクラウンや日産スカイラインと比べてみると、多少ベンツのほうが高いですが日本で感じる価格差ほどではありません。
佐藤茂道(著者)
欧州ではCクラスなどはタクシーによく使われている車種ですので、高級車というよりは大衆車寄りのイメージなのです。
さすがにEクラスあたりから高級セダンとなっていきますが、日本で感じるほどのCクラスとEクラスの格の違いはありません。
ちなみにベンツは中古車になると価格はグッと下がり、庶民でも買えるような価格になります。なぜかは以下の記事で詳しく解説しているので、興味のある方はこちらもご参照ください。
ベンツの中古車はなぜ安い?安価な理由はこの3つだ!ベンツは当然のごとく高級車と言える
高級車の定義がいくらからなのかは諸説ありますが、日本車で高級車とされているクラウン、スカイラインなどを価格面で上回っていることから、ベンツは十分に高級車といえるでしょう。
しかも車のデザインや内装の高級感などは日本車ではまだまだ追いつけないレベルであり、高額でありながらそれに見合ったクオリティは十分に持っています。
たしかに欧州での販売価格よりは日本の方が高くなっていますが、中堅クラスで500,000円程度の価格差であり、冷静に比較してみれば驚くほど高いということはありません。
日本車の値段が高くなっていることもありますが、それは日本車のクオリティが欧州車に近づいている証でもあるでしょう。
なお関税の影響があると考える方もおられると思いますが、実は日本は輸入車に対する関税を1979年に撤廃しています。それ以後のベンツには関税の影響はないのです。
それよりも1970年代から始まった高度経済成長とそれに続くバブル景気で、ベンツの高級車というイメージが固まってきたことが大きいでしょう。
当時は高額な車を買うこと成功者のステータスというイメージが強く、また輸入車がいまほど一般的ではなかったので輸入車値段は高止まりしていました。
その頃のベンツは欧州価格の1.5倍~2倍だった時もあり、高級車としてもかなりの高額車でした。
現在でもそのバブル景気の時のイメージが色濃く残っているので、価格がそんなに変わらなくなった現在でもベンツは高級車として別格の扱いを受けていると考えられます。
少しでもベンツを買おうという気持ちがある方は、以下の記事も参考になりますよ。ぜひ一緒にご覧くださいね。