シエンタは使い勝手のいい絶妙なサイズ感と操作性によって、幅広い層に人気のモデルですよ。
コンパクトミニバンなのに、人も荷物も載せられるのがとても便利。
積載性などが評価される一方、走行性能については印象が薄いようですね。
実際のところ、どれくらい走れるモデルなのか気になりませんか?
今回はシエンタの雪道走行について、公式諸元などを参考にしながら解説していきたいと思います。
ライバル車やTwitterの口コミも参考にしてみたので、ぜひご覧ください。
シエンタの雪道走行性能
結論としては「無理をしなければ、日常程度の雪道なら走れるモデル」といえます。アイスバーンや深い積雪は苦手ですが、丁寧な運転を心がければ、ある程度の雪道なら対応できるでしょう。
具体的な解説については後に回すとして、まずは世間の評価を見ていきたいと思います。シエンタに対する感想をTwitterからいくつかピックアップしてみました。
たぶん活性の火で人を乗せてフェスに行くのが最後になるであろう俺のシルバーのシエンタ。色々な思い出が詰まってるわ。ありがとう🚙冬は怖かったけど良い車だったよ!!次はフィットにする予定だから7人乗りは卒業だわ
— てんちょ (@batake0525) 2018年8月23日
シエンタでよくいわれるのが「足回りが怖い」ということです。その他はかなり高評価を受ける車ですが、足の柔らかについては怖く感じる人が多いようですね。
結構降りましたな〜!
心配だったので、冬タイヤはいてるシエンタで仕事行きました。
明日はタントで行けるかな〜。
私の駐車場、水溜りが凍るだろうから、家の前に停めて雪下ろし。ビチョビチョになりました(笑)
平野部の雪はもう既に勘弁だよ〜💦 pic.twitter.com/NkfYCjuRVu— ぱね@育休中 (@hnk4) 2016年11月24日
とはいっても、実際のところ雪国でもけっこう走っているんですよね。たまにオールシーズンタイヤで臨む人もいますが、投稿者さんのように国産スタッドレスを履かせることをおすすめしますよ。
高性能なタイヤさえ履かせれば、あとはペダルワークに気を使えば、北海道の雪道でも走ることは可能です。私も過去に北海道旅行でレンタルしたことがありますが、雪道を1,000km走っても問題ありませんでした。
昨日スキーいくのにオートバックスでシエンタ借りたけど、スキー特化でキャリアとスタッドレスがデフォで、二列目モニターやらレーダーまでついてた。普通のレンタカー屋だとタイヤやキャリアはOPでどんどん値段上がるけど標準なのがいいし、値段も安いと思う。 pic.twitter.com/bLNlYrBpph
— miyasako (@ororonline) 2018年2月25日
このように、現行シエンタは業者さんでも貸し出しています。プロの方がスキー仕様のモデルを貸し出しているのですから、雪道でも信頼が持てますよね?
なおシエンタの口コミ・評判については以下の記事でさらに詳しくまとめているので、詳細まで知りたい方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
シエンタの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!シエンタの雪道走行性能の理由
雪道での走行性能を評価するには、いくつかのパートについて考えるとわかりやすいです。そこで今回は、公称性能を参考にして「走行性能」「コーナリング性能」「ブレーキ性能」の3項目について解説したいと思います。
まずは、シエンタの諸元をご覧ください。
項目 | 1.5L ガソリン | 1.5L ハイブリッド |
種類 | 直列4気筒DOHC | 直列4気筒DOHC+モーター |
排気量 | 1,496cc | 1,496cc |
最高出力 | 109PS/6,000rpm | エンジン:74PS/4,800rpm モーター:61PS |
最大トルク | 13.9kgf・m/4,400rpm | エンジン:11.3kgf・m/3,600-4,400rpm モーター:17.2kgf・m |
車重 | 1,320-1,380kg | 1,380kg |
全長×全幅×全高 | 4,260×1,695×1,675mm | 4,260×1,695×1,675mm |
最低地上高 | 145mm/130mm | 145mm |
駆動方式 | FF/4WD | FF |
※直列4気筒、DOHC、エンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。
直列4気筒エンジンの特徴!どんな音?搭載車を日本車/外車の車種からそれぞれ紹介!DOHCエンジンとは?仕組み/構造は?ツインカムとの違いとは?!雪道における走行性能
まずはじめにチェックすべきは、「雪が積もっても走れるかどうか?」ですよね。冬のドライブでは、摩擦が少ない状況でもスリップせずに走る能力が求められます。
また、怖いのはスリップだけではありません。轍(わだち)や氷塊といった冬特有の障害物も、走行の邪魔をする存在です。
様々な影響を受けつつも公道を安全に走る車には、以下3つの項目が優れている必要があります。
- 駆動方式
- 最低地上高の高さ
- トルクの大きさ
まず「駆動方式」ですが、雪道ではいうまでもなく4WDが有効です。ハイブリッドモデルはFFのみですが、ガソリンモデルは4WDがしっかり設定されています。本格的な機構ではありませんが、軽度の雪道なら対応できるでしょう。
次に見るのは「最低地上高」です。一般的には150mm以上が、雪道でも楽に走れる目安だといわれています。シエンタは145mmという高さなので、わずかに届きません。あくまで目安ではありますが、轍(わだち)などには少し気を付けたほうがいいでしょう。
雪道では「トルク性能」も大事。これは氷上というよりも、雪が深い状況で求められますね。シエンタのトルク性能は標準的なものなので、とくに心配はないでしょう。
ただしハイブリッドモデルの場合、スタック(雪にハマること)したときモーターが駆動しないケースがあるので、雪から抜け出すのに骨が折れるかもしれません。
まとめると、ハードな雪道ならは安心して走れるモデルといえますね。あまり本格的な悪路走れませんが、日常使用なら問題ないでしょう。念のため、「牽引ロープ」「スコップ」「スタックラダー」などを準備しておくといいです。
雪道におけるコーナリング性能
次に重要なのは、「安定しながら旋回できるか?」という点です。
本来なら、大雪の日はコーナーの多い道を避けるのがベストですが、そうも言ってられないのが現状。むしろウィンタースポーツや旅行といった目的で、冬だからこそ峠道を走ることも多いでしょう。
雪道で使うなら、コーナーでしっかり踏ん張れる車を選びたいところです。諸元から判断するなら、この2項目を見てください。
- 車重の軽さ
- 重心の低さ
コーナリングでも4WDが有利な気がしますが、実際にはそう大差ありません。
このように感じるのは、強くて重いボディを持つ四駆車のほうが、路面を強くグリップできるため。ようするに、車体がコーナリングフォース(遠心力)に負けないからなのです。コンパクトカーと大型SUVとでは、重量がぜんぜん違いますよね?
しかし、雪道のコーナーでは単純に「重ければ有利」とはいえません。摩擦が極端に少ないため、コーナリングフォースがグリップを超えやすいんです。簡単にいえば、重いほどスリップしやすいということ。
「重心の高さ」もポイントで、コーナーにおいては低いほど有利です。重心が高いと、コーナー旋回中に踏ん張りが効かず、横転しやすくなりますからね。背が高くて足が弱いスペース系の軽自動車は、峠のコーナーは要注意ですよ。
シエンタは乗用車として標準的なボディ重量なので、コーナーでの遠心力もそれほど大きくないです。加えて、現行モデルへ移行して重心が低くなったので、よりシャープな走りをするようになりました。
なおシエンタの走りについては以下の試乗記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
シエンタ(ガソリン/ハイブリッド)の試乗レビュー・感想!乗り心地はいかに?!雪道におけるブレーキ性能
最後にチェックすべきなのは、ブレーキ性能です。これは雪道において、いうまでもなく最重要ポイントといえるでしょう。
雪が降り始めると必然的に事故が増えますが、その要因のほとんどが「ブレーキ時のスリップ」です。交差点などの停車ポイントは圧雪になっていることが多く、衝突事故が起きやすい環境になっています。
車両に搭載されるブレーキシステムや、タイヤの性能も重要ではありますが、ブレーキ性能は諸元からもある程度読み取ることができます。
- 車重の軽さ
- 駆動方式
通常、車重と制動距離の間には大きな差がありません。
イメージとしては重い車のほうが止まりにくい気がしますよね?たしかに重い物を静止させるには、大きなエネルギーを必要とします。
しかし、大きな荷重が加わる分、タイヤのグリップ力も増えるんです。重い車はタイヤサイズが大きいですし、そもそもブレーキシステムが強力だったりしますしね。つまり、車重はブレーキの制動距離に対して、大きく影響していないということ。
これに関しては、国土交通省が実施した「ブレーキ性能試験」からも判断することができます。
参考 ブレーキ性能試験結果一覧自動車総合安全情報しかし、これはあくまでもドライ路面における話。雪が積もった道路では適用されません…。コーナリングの話と同じ理屈で、雪の上では推進力がグリップを超えやすいんです。
少し長い話になりましたが、ようするに「軽い車のほうが止まりやすい」ということ。車格が異なるケースでは一概にいえませんが、少なくとも、似たようなモデルなら「軽量性=ブレーキ性能」と考えて間違いないでしょう。
シエンタは標準的な重量なので、とくに心配はないです。急ブレーキさえ気を付ければ、冬でもしっかり止まれると思いますよ。
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シエンタの雪道走行性能を他の車と比較
ここで気になるのは、「ライバル車と比較するとどうなのか?」ということ。
というわけで、同クラスのモデルと雪道性能を具体的に比べてみましょう。今回、比較対象に選んだのはホンダ「フリード」、スズキ「ソリオ」、日産「ノート e-POWER」の3台です。
比較しやすいように価格も載せておきましたので、よかったら参考にしてみてください。ちなみにシエンタは、ガソリンモデルが177~216万円、ハイブリッドモデルが218~253万円に設定されています。
ホンダ フリード
まずはじめに比較するのは、シエンタにもっとも近いキャラクターをもつホンダ「フリード」です。
販売台数でいえばシエンタのほうが上ですが、188~274万円という価格帯、1.5Lクラス、ボディサイズなど共通点の多いモデルです。
雪道性能はどちらが優れているのでしょうか? 諸元を参考にして比較してたいと思います。
項目 | 諸元 |
種類 | 水冷直列4気筒DOHC16バルブ+モーター |
排気量 | 1,496cc |
最高出力 | エンジン:110PS/6,000rpm モーター:29.5PS |
最大トルク | エンジン:13.7kgf・m/5,000rpm モーター:16.3kgf・m |
車重 | 1,400-1,480kg |
全長×全幅×全高 | 4,295×1,695×1,710mm |
最低地上高 | 135mm/150mm |
駆動方式 | FF/4WD |
※水冷エンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。
水冷エンジンのメリット5つ!バイクだけでなく車にも搭載されてる?!両車とも人気のハイブリッドモデルと比較してみましょう。
諸元を見比べてみると、シエンタのほうがトルク性能がやや高く、そして軽量であることがわかりますね。車重に関しては最大で100kgの差があるため、ブレーキ性能にけっこう影響してくるでしょう。ここまでを見ると、シエンタのほうが雪道で有利に思えます。
しかし、もっとも大切な駆動機構において、フリードがシエンタを上回っているんですよ。フリードの4WDはそれほど高性能ではありませんが、シエンタの前輪駆動と比較したら、ずいぶんとマシですからね。よって、ハイブリッドモデルにおいて比較すると、フリードのほうが雪道に強いといえます。
なおフリードについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
フリードは雪道に弱い?雪道走行の性能について分析してみました!フリードの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!スズキ ソリオ
コンパクトカーに定評のあるスズキからは、「ソリオ」がファミリー向けモデルの代表格といえます。小柄ではありますが、シエンタとはイメージも近いですし、走行性能についてぜひ比較してみたいところです。
ちなみに販売価格は145~217万円に設定されており、このクラスでは廉価なモデルですね。さっそく諸元から性能を読み取ってみましょう。
項目 | 諸元 |
種類 | 水冷直列4気筒DOHC16バルブ+モーター |
排気量 | 1,242cc |
最高出力 | エンジン:91PS/6,000rpm モーター:13.6PS |
最大トルク | エンジン:12.0kgf・m/4,400rpm モーター:3.1kgf・m |
車重 | 930-970kg |
全長×全幅×全高 | 3,710×1,625×1,745mm |
最低地上高 | 140mm |
駆動方式 | FF/4WD |
シエンタと比較すると一回り小柄ですが、その分ソリオは、ボディの軽量性で優位に立ちます。ただし、シエンタのほうが重心が背が低く、加えて最低地上高は高いので、ボディ構造としてはシエンタに分があります。
ただし、ハイブリッド同士で比較するなら、4WDを持たないシエンタはソリオに一歩及びません。
日産 ノート e-POWER
最後に比較するのは、e-POWERでお馴染みの日産「ノート」です。シエンタよりもスポーティな印象のあるノートですが、車格が近いためライバル車のひとつといえます。
価格帯はシエンタよりも低い142~267万円に設定されていますね。雪道性能についてはどうでしょうか?
項目 | 諸元 |
種類 | 水冷直列3気筒DOHC+モーター |
排気量 | 1,198cc |
最高出力 | エンジン:79PS/5,400rpm モーター:29.5PS |
最大トルク | エンジン:10.5kgf・m/3,600-5,200rpm モーター:16.3kgf・m |
車重 | 1,190-1,310kg |
全長×全幅×全高 | 4,100×1,695×1,520mm |
最低地上高 | 130mm/135mm |
駆動方式 | FF/4WD |
※直列3気筒エンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。
直列3気筒エンジンの特徴!どんな音?搭載車を日本車/外車の車種からそれぞれ紹介!ノートはシエンタより小柄なボディですが、エンジン性能は同等のスペックです。100~200kgほど軽量な分、ノートのほうが純粋な走行性能は高いでしょう。
車高が高いのでシエンタのほうが運転は楽ですが、ブレーキの効きは軽量なノートに分がありますね。しかし、ノートのハイブリッドシリーズにも4WDの設定があるので、FFのシエンタよりも幸美強いといえます。
なおノートについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
日産ノート(e-power)の口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!日産ノート(e-power)の燃費は悪い?街乗りや高速の実燃費は?改善し向上させる方法まで解説!シエンタは雪道もそれなりに走れる車
というわけで、シエンタの雪道走行についての解説は以上になります。
ハードな積雪でなければ、それなりに走れるモデルですが、ハイブリッドはFFのみなので、せめて乗るならガソリンモデルを選びましょう。加えて、高性能なスタッドレスを履くのであれば、雪道で乗って大丈夫でしょう。
なおシエンタについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
シエンタの燃費は悪い?街乗りや高速の実燃費は?改善し向上させる方法まで解説!シエンタの月、年間の維持費を計算!高いのか安いのか比較して解説!