ホンダ「NSX」は、日本初のスーパースポーツとして、北米を中心に世界中から愛されるモデルですよね。
惜しまれつつも2006年に一時廃盤となりましたが、2016年にハイブリッドシステムを搭載して復活。
北米を中心にして、今もなお販売されています。
そんなNSXですが、頂点のスポーツカーは「どれくらいの加速性能を秘めているのか?」気なりませんか?
今回は、意外と知られていないNSXの加速性能ついて、「0-100km/h加速タイム」「生の体験談」なども元に、詳しく解説していきたいと思います。
NSXの加速性能
NSXは日本を代表するスーパースポーツですが、実際のところ「加速性能はどの程度なのか?」というと、意外にもピンときませんよね。
ましてや、現行モデルはハイブリッドを搭載しており、なんとなくマイルドなイメージさえあります…。
気になる「実力」と「メカニズム」について、解説してまいりましょう。
0-100km/h加速からわかるNSXの性能
加速性能を手っ取り早くイメージするなら、発進から100km/h加速に達する時間、で通称「0-100加速タイム」が参考になります。
一気に100km/hまで加速する機会なんて、実際にはほとんどありませんが、性能の指標としては有効といえるでしょう。
気になるそのタイムですが、NSXの0-100km/hタイムは「3.0秒」といわれています。
パッとイメージしただけで、相当な速さであることがわかりますよね? なにせ、発進からわずか3秒足らずで100km/hに達するのですから…。それはもう、恐ろしい世界ですよ…。
エンジン性能をチェック
「やっぱりエンジンがすごいの?」
と、まずはそこが注目されるでしょう。ということで、公式ページからエンジン性能を抜粋して、一覧にしてみました。
項目 | 諸元 |
エンジン型式 | JNC型 |
種類 | 水冷V型6気筒DOHC24バルブ ツインターボ+モーター |
排気量 | 3,492cc |
最高出力 | エンジン:507PS/6,500~7,500rpm モーター:37PS(F)×2基、48PS(R) システム:581PS |
最大トルク | エンジン:56.1kgf・m/2,000~6,000rpm モーター:7.4kg・m(F)、15.1kgf・m(R) システム:65.9kgf・m |
※水冷、V6、DOHC、エンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。
水冷エンジンのメリット5つ!バイクだけでなく車にも搭載されてる?!V6エンジンの特徴!どんな音?搭載車を日本車/外車の車種からそれぞれ紹介!DOHCエンジンとは?仕組み/構造は?ツインカムとの違いとは?!ホンダといえば、「FF」で「軽量」で、なにより高回転型エンジンの「VTEC」というイメージですよね。
VTECエンジンとは?仕組み/構造は?搭載車はバイクにもあり?!現在、VETCはさらに進化し、ターボを搭載するに至りました。NAならではのフィーリングが好きな人もいるので賛否ありますが、性能に関しては抜群の数値を誇ります。
VTECターボエンジンとは?搭載車は?邪道と言われる理由は仕組みにあり!?NAエンジン(自然吸気エンジン)とは?メリット5つ!音が最強の魅力?!NSXのハイブリッドユニットは、ミッドシップレイアウトに搭載したV型6気筒VTECターボ「JNC型」エンジンを軸に、3基の電動モーター(フロント2基、リア1基)でサポ―トすることで形成されています。
「3.5L VTECエンジン」「ツインターボ」「3基のモーター」によるパワフルな加速を融合。俊敏で強烈な出足によって、どこまでもG感覚が途切れずに伸びていく、官能的な加速感を実現しました。
ツインターボエンジンとは?仕組みは?搭載車を日本車/外車の車種からそれぞれ紹介!このユニットにより繰り出される出力は最大581PS、トルクは65.9kgf・mに達します。これが異次元の加速力を生み出す源なのです。
複数素材のボディパネルにより軽量化
NSXはパワーユニットが高性能なだけでなく、ボディの隅々まで工夫が凝らされています。
まずボディパネルですが、以下のような複数の素材を、適材適所に組み合わせることで、「軽量化」と理想的な「前後重量配分」、そして「耐久性」を確保しています。
- カーボンファイバー(ルーフ、フロア)
- アルミパネル(ボンネット、ドア)
- シートモールディングコンパウント(前後フェンダー、トランク、ピラー)
- 対高温性プラスチック(サイドパネル)
簡単にいえば、ボディパネルには「カーボン」「プラスチック」「アルミ」のみを使用しています。これにより、「V8エンジン」「3モーター」にもかかわらず、車重を1,800程度に保っているのです。
出力・トルクが負担する重量を「パワーウェイトレシオ(以下、PWR)」「トルクウェイトレシオ(以下、TWR)」と呼びますね。ちなみに、NSXのPWR・TWRは以下の通りです。
- PWR:4.50kg/PS
- TWR:33.6kg/kgf・m
これは、加速性能にとって非常に重要な指標で、数値が小さいほど優れています。NSXはトップクラスの数値を確保しているのです。
もしNSXを買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!NSXの実際の加速感
TwitterやYouTubeからいくつかピックアップしてみたので、紹介したいと思います。
本来ならオーナーさんの投稿を参考にしたいところですが、NSXほどの高級車を持っている人はそういませんので、イベントなどで加速を体験した人の投稿をご覧いただきましょう。
TwitterでNSXに関する投稿をチェック
新型NSXに乗せてもらった!
加速が凄すぎ!! pic.twitter.com/lK9UrVyjTU— OKa-G (@Dolinfo) 2017年7月7日
こちらの投稿者様は、NSXに横乗りしたことがあるようです。羨ましいですね。
やはり、乗ってみての第一印象は「加速が速い!」ということ。なにせ、わずか3秒で100km/hへ達するので、体験したことない感覚に駆られるでしょう。
朝出勤の時に高速で新型NSXがいた!真っ赤ですごい加速で追いつけない!って思ったら速度緩めて走行車線に入ってくれて舐めるように眺められた(。・ω・。)運転してたおにーさんわろてた、いい朝だった。
— きゅうしゅう (@kyuusyuu_y) 2018年8月11日
通勤時にNSXが通りかかったことがあるようです。赤いNSXが隣に並んだら、つい舐めるよに見つめてしまいますよね。
おそらくオーナーさんとしては、それほど踏んでるつもりはないのでしょう。しかし、基本スペックが乗用車とは別次元なので、わずかなアクセルワークでも猛烈な加速をします。
音も出ますから、高速で走ってたら注目されることな違いなし。
ホンダサンクスデーで新型NSXに同乗。
もてぎのオーバルコース、スタートして2ターンを立ち上がった辺りで207km/h、最高速が出る3ターン手前では250km/hを超えるらしい。
内蔵と能ミソが置いていかれるようなすんごい加速だった。
そんな僕を横目にほくそ笑むY本N貴選手。 pic.twitter.com/vU1MuWaTKY— SHIGE (@shigenoski) 2016年12月5日
ホンダのサーキットイベントにて、NSXに横乗りしたことがあるご様子。サーキットならNSXのパワーを解き放つことができるので、公道では味わえないレベルの加速を体感できたんですかね。
その速度は250km/h。こんなスピード、なかなか経験できません。
加速時の感覚を「内臓と脳みそが置いていかれるような」と表現していますが、シートに押し付けられるような加速Gによって、本当に体が置いて行かれるような錯覚を覚えるのでしょう…。
YouTubeで加速動画をチェック
こちらはメーターパネルを撮影した動画になります。フル加速は動画の18秒くらいから入るので、ご覧ください。
こちらの計測では「3.4秒」という結果になっていますが、状況によって数値は変動しますからね。必ずしも3.0秒が出るとは限りません。
とはいえ、メーターの動きが異常ですよね?加速力の凄まじさは伝わるんじゃないかと思います。
とくに、3,000rpmを超えてからは、あっという間に100km/hに達していますね…。
メーターの動画だけでは味気ないので、外から加速を撮影した動画をご覧いただきましょう。
サーキットでの走行動画ですが、外から間近で見ると、迫力がものすごいです。生で見たら、一体どれほどなんでしょうか…。
スピードもすごいですが、サウンドも惹かれますね。まさしく2,000万円クラスのスーパーカーのそれです。
エンジンサウンドについては以下の記事で詳しく解説しているので、興味のある方はこちらもご参照ください。
VTECエンジン音サウンドの特徴!切り替わり音が最高すぎる?!ターボエンジン音の特徴!「プシュー」「キーン」音の正体とは?NSXの加速性能を他の車と比較すると
それでは、加速性能に定評のあるモデルと比較してみて、NSXの加速をイメージしていただきたい思います。
今回はレクサス「LC500」、日産「GT-R」、ポルシェ「911 ターボS」の3車種を比較対象にしてみましょう。
レクサス LC500
レクサスブランドから2016年に登場したラグジュアリー2ドアクーペが「LC」。
外見は「エレガント&クール」な印象ですが、中身はパワフルな5.0Lエンジンを積んだ、筋肉質なモデルです。
エンジンスペックの諸元はこちらをご覧ください。
項目 | 諸元 |
種類 | V型8気筒DOHC |
排気量 | 4,968cc |
最高出力 | 477PS/7,100rpm |
最大トルク | 55.1kg・m/4,800rpm |
車両重量 | 1,940~1,960kg |
PWR | 4.07~4.11kg/PS |
TWR | 35.21~35.57kg/kgf・m |
0-100km/h加速タイム | 4.4秒 |
※V型8気筒エンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。
V8エンジンの特徴!どんな音?搭載車を日本車/外車の車種からそれぞれ紹介!排気量は5.0Lですが、出力・トルクはNSXの方が優れていますね。
とくに車重がNSXの方が200kg近くも軽いので、PWR・TWRのどちらもNSXが圧倒的にリードしています。
0-100mk/h加速は「4.4秒」ということで、加速性能については、全体的にNSXが上手といえるでしょう。
日産 GT-R
日産の象徴ともいえるハイスペックスポーツカーである「GT-R」は、日本を代表する加速力を誇るモデルです。
NSXのライバルとして、たびたび雑誌でも比較されていますね。
エンジンスペックの諸元はこちらをご覧ください。
項目 | 諸元 |
種類 | V型6気筒DOHCツインターボ |
総排気量 | 3,799cc |
最高出力 | 570PS/6,800rpm |
最大トルク | 65.0kg・m/3,300~5,800rpm |
車両重量 | 1,740~1,760kg |
PWR | 3.05~3.09kg/PS |
TWR | 26.77~27.08kg/kgf・m |
0-100km/h加速タイム | 2.9秒 |
排気量には大きな差はなく、パワートレインも同程度です。
どちらも電子制御式の4WDということで、加速性能については互角の実力を持っていると考えられます。
ただしTWRが上回っていることから、単純な発進加速は、GT-Rに軍配が上がるでしょう。0-100km/h加速を見てみても、GT-Rがやや上をいっていますしね。
GT-Rの加速性能については以下の記事でさらに詳しく解説しています。詳細まで知りたい方はこちらもご参照ください。
日産GT-Rの加速性能を解説!0-100km/h加速タイムはどのくらい?ポルシェ 911 ターボS
スポーツカー好きなら一度は憧れるブランド「ポルシェ」より、代表的スポーツモデル「911 ターボS」とも比較してみたいと思います。
まずは、エンジンスペックの諸元をご覧ください。
項目 | 諸元 |
種類 | 水平対向6気筒24バルブツインターボ |
排気量 | 3,996cc |
最高出力 | 580PS/6,750rpm |
最大トルク | 71.4kg・m/2,100~4,250rpm |
重量 | 1,610~1,700kg |
PWR | 2.78~2.93kg/PS |
TWR | 22.55~23.81kg/kgf・m |
0-100km/h加速タイム | 2.8秒 |
※水平対向6気筒エンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。
水平対向6気筒エンジンの特徴!どんな音?搭載車を日本車/外車の車種からそれぞれ紹介!排気量・トルク911の方が優れていますが、出力については同程度です。
ハイブリッドゆえにNSXは低速域に強いですが、911は低めからトルクを発揮できるので、動力性能ついてもいい勝負。
しかし、911の方が100kgも軽いので、PWR・TWRにおいて優位です。そのため0-100km/h加速は911に分があります。
排気量も大きいことから、発進加速・中間加速など、走行性能において全体的に911の方が優れているといえます。
ポルシェに興味がある方は、こちらでもポルシェについて解説しているのであわせてご参照ください。
ポルシェの中古車はなぜ安い?安価な理由はこの3つだ!NSXはスーパースポーツに恥じない加速性能
というわけで、NSXの加速性能について解説してきました。
国産トップクラスの加速力を誇るNSXですが、その実力はもはや世界水準。スーパースポーツの名に恥じない加速性能を有しているといえるでしょう。
以上、NSXの加速性能についてでした。
なお加速性能については以下の記事でほかの車種も取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせてご参照ください。
フェアレディZの加速性能を解説!0-100km/h加速タイムはどのくらい?ランエボは速いのか?加速性能から0-100km/h加速タイムまで解説!