ポルシェといえば言わずと知れたドイツの高級スポーツカーですが、中古車としてもかなりの台数が売られています。
そんな中古車市場でたまに見かける安いポルシェ、高級車なのに安いとは大丈夫なのでしょうか?
今回はポルシェの中古車の安さについてご説明しましょう。
※そもそもポルシェとはどんな車なのかということから知りたい方は、まずは以下の記事からご参照ください。
ポルシェはどこの国の車?国産車との違いはこの4つだ!ポルシェの中古車の安さ
ポルシェは他の輸入車と同じく1970年ごろから輸入が本格化し、かなりの台数が日本市場に入ってきました。
そうなれば当然中古車市場に流れる台数も多くなり、ポルシェの中古車自体はわりと見かけることが多いです。
輸入外車は一般的に中古車市場ではかなり安くなることで知られており、事実ベンツやBMW、アウディなどは新車価格から考えるとかなりの安さになるケースが多いです。(詳細は以下の記事をご参照ください。)
ベンツの中古車はなぜ安い?安価な理由はこの3つだ!アウディの中古車はなぜ安い?安価な理由はこの3つだ!しかしまっとうなポルシェの中古車は実は驚くほど安いわけではなく、値崩れしにくいことで有名だったりするのです。
まずはポルシェがなぜ値崩れしにくいのか、と、ポルシェの中古車がどのぐらいの価格で取引されているかをみてみましょう。
ポルシェの圧倒的なリセールバリュー
車の価格の値崩れをみる指標としてリセールバリューというものがあります。
これは新車購入3年後の車の買取価格を調べたもので、新車価格に対してどのぐらい買取価格としての価値が残っているかを割合で示します。
例えばリセールバリュー50%というと、新車価格4,000,000円の車が買取時に2,000,000円となることで、車の価値が3年で半減したと見なされます。
リセールバリューはメーカーや車種、中古車市場での人気などでさまざま変わりますが、一般的には国産車で60%程度、輸入車で50%程度となっています。
その中にあってポルシェはリセールバリューが高いことで有名で、人気車種の911などでは70%に達することもあるなど、車の価値があまり落ちないのです。
ポルシェはラインナップが少ないこともありコアな人気があるメーカーですので、他の車種も高いリセールバリューを保ち、中古車市場でも値崩れをあまり起こさないのが特徴です。
なお車売却の価格がどうやって決まるかは以下の記事で解説しているので、こちらも参考にしてみてください。
何で決まる?車(中古車)の買取査定額の相場を左右する8つの要素!ではポルシェの実際の中古車価格をみてみましょう。
ポルシェの中古車価格
ではいくつか例としてポルシェの何車種かの中古車価格をみてみましょう。
比較してみるのは次の3車種で、どれもポルシェの中核をなすモデルです。
車種名 | タイプ | 新車価格 |
911 カレラ | スポーツカー | 12,440,000円 |
カイエン | SUV | 8,940,000円 |
パナメ―ラ | スポーツサルーン | 11,620,000円 |
911 カレラの中古車価格
911カレラはポルシェの歴史あるスポーツカーで、最新モデルは2011年にモデルチェンジされました。
グレードにはターボモデルやオープンカータイプ、ハイスペック仕様までバリエーションが多岐にわたるのですが、今回はベースグレードでの中古車価格を調べてみましょう。(ターボの詳細は以下の記事をご参照ください。)
ターボエンジンとは?仕組み/構造は?メリット2つとデメリット4つ!現在この車の中古車価格は7,200,000円〜14,780,000円で取引されており、最低価格は6年落ちの2011年式です。
最高額は新車価格よりも高くなっていますが、年式が2016年式と新しいことと、オプション装備が多数装着されているためです。
この車のリセールバリューは60%〜70%となっていますが、リセールバリューは買取価格なので中古車販売価格とイコールではありません。
しかし同じく3年落ちの2014年式はおおよそ10,000,000円で取引されており、オプション装備のことを考えても70%ぐらいのリセールバリューは十分現実的なラインといえるでしょう。
参考 ポルシェ 911カレラ 中古車一覧価格.comカイエンの中古車価格
カイエンは2010年登場のモデルが現在の最新ラインナップであり、ポルシェのSUVのなかでは大型の部類に入ります。
こちらもベースグレードの価格をみてみましょう。
カイエンの中古車相場は2,000,000円〜9,680,000円となっており、カイエンが2014年にマイナーチェンジをしたことでそれ以前のモデルは値崩れしています。
カイエンのリセールバリューは65%程度ですが、こちらも2014年式の中古車は6,000,000円程度で推移しており、ほぼリセールバリューの通りになっています。
参考 ポルシェ カイエン 中古車一覧価格.comパナメ―ラの中古車価格
パナメーラはポルシェが鳴り物入りで発売した高級サルーンで、それまでのポルシェにはない車種でした。
しっかりと人気を獲得し、それまでポルシェに興味のなかった層にもユーザーを広げました。
パナメーラは2017年にフルモデルチェンジしたこともあり現行車は中古車市場にほとんどありません。数少ない中古車もほとんど新車価格と変わらない価格です。
ですので多少値崩れはしているのですが、前のモデルの中古車価格をまとめてみます。
ベースグレードは4,450,000円〜8,580,000円で推移しており、最低価格は2012年式、最高価格は2015年式となっています。
パナメーラのリセールバリューは911やカイエンよりは低いのですが、それでも60%ぐらいはあります。
2014年式の中古車は7,000,000円程度で推移していますので、リセールバリューより多少価格は上になっています。
参考 ポルシェ パナメーラ 中古車一覧価格.comなおここまで価格について説明してきましたが、実際に必要な年収については以下の記事で解説しています。詳細が気になる方はこちらもご参照ください。
ポルシェのオーナーになるには年収はどれだけ必要か計算してみた!ポルシェの中古車は普通は安くない
これまでの情報をまとめてみるとわかるように、ポルシェの中古車は実際の中古車市場でもあまり値崩れせずに高値を維持しています。
年式の古いものやモデルチェンジ後の車はそれなりに値段が下がりますが、911などの人気車種ではあまり顕著ではありません。
カイエンやエントリーモデルのスポーツカーであるケイマンなど、ポルシェの低価格車であれば値崩れは大きくなります。
そのためポルシェの中古車が安いといった場合には、なにかネガティブな原因があると考えたほうがよいのです。
なお正しいやり方で値引き交渉をすればポルシェでも普通より少し安い価格で購入できます。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!
ポルシェの中古が安い理由
ポルシェの中古車は一般的に余り安くならないことをご説明しましたが、それでも中古車市場には激安といえるほどのポルシェも存在しており、そういった車には次のような安くなっている理由が考えられます。
SUV系車種の値崩れ
ポルシェはスポーツカー、SUV、高級サルーンの主に3種類の車種を販売していますが、そのなかで比較的値崩れが大きいのがSUV系の車種です。
リセールバリューはSUV系でも高く3年経過程度では大きく値崩れしません。しかしその後の年式の古さや走行距離が多くなるとSUV系の車種は値崩れが大きくなる傾向にあります。
前述したカイエンがその一例ですが、低年式の車になると新車価格の30%程度となり2,000,000円台の車が出てきます。
ポルシェの場合SUVは売れ筋車種ではありますが乗り換え需要も多く、中古車の台数が多くなります。
台数が多くなれば中古車価格は当然下がりますので、SUV系の車種に限っては安いポルシェもあるのです。
年式、走行距離の多さ
これはポルシェに限らずですが、年式が古かったり、走行距離が多かったりすれば中古車価格は下がります。
ポルシェの場合、多少年式が古くても影響は少ないのですが、それでも5年〜7年以上経過していれば中古車価格は半額程度まで下がります。
また走行距離についてはもう少し影響が大きく50,000km走行車ぐらいから値崩れは大きくなるでしょう。
輸入車は走行距離が延びると故障のリスクが国産車より高くなるので中古車価格がガクッと下がる理由になっており、ポルシェといえども例外ではありません。
ポルシェは輸入車としては故障率の少ないメーカーとして有名ですが、それでも国産車の信頼性には及びませんので走行距離の多さは中古車価格に大きく影響します。(故障率の詳細は以下の記事をご参照ください。)
ポルシェは故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説!もし安いポルシェを見つけたときには、年式や走行距離に注目し、特に走行距離の多い車には故障のリスクが発生することを忘れないようにしましょう。
事故車や水没車の可能性
もう一つ中古車価格が安い場合の理由として、事故車や水没車など問題の多い車である可能性があります。
ポルシェに限らず中古車が大幅に安い場合というのは、事故車や水没車で価格を下げないと売れないような車だから、ということは少なくありません。
こういった車だと新車価格の30%以下ということも少なくなく、値段だけ見るとお買い得車に見えてしまいます。
しかしこういった車を買ってしまうと、買う前には問題がないように見えても、あとから不具合や故障が出てくる確率が高いのです。
特に事故車の場合には車がまっすぐ進まなかったり、異音や振動があったりと不安が常に付きまとうこともあります。(事故車のデメリットの詳細は以下の記事をご参照ください。)
そんなに悪い?!中古車の事故車を買うことの4つのデメリット!大体の場合、事故車や水没車は事前にわかるようになっているのですが、中には何の通知もなしに普通の車として売られている場合もあり、価格が大幅に安い車には注意しなければなりません。
ポルシェのように値崩れしにくい車の場合はなおさらです。
安い中古車のポルシェは買いなのか
中古車価格が下がらないポルシェにおいて、安いポルシェはたしかに魅力的な1台に見えてしまいます。
しかしここまででご説明したようにポルシェの中古車が安い場合にはそれなりの理由があり、デメリットにつながることが多くあります。
購入時にはたしかに安くても、その後の故障や修理などで費用がかかってしまっては元も子もありません。
もちろんすべての安いポルシェがそうなるわけではありませんが、リスクは確実に高いということが言えます。
安いポルシェを購入することはあまりおすすめできることではありませんが、リスクを承知の上であればポルシェに乗ることができる一つの道ではあるでしょう。
これからポルシェを買おうと思っている方は、以下の記事もぜひあわせてご覧ください。購入の参考になりますよ。
ポルシェにはどんなメンテナンスが必要?費用はこんなにかかります!ポルシェの魅力とは?5つの良さをわかりやすく解説!