マツダという自動車メーカーは日本のメーカーの中でも独特な特徴をもっており、非常に面白い存在です。
今回はマツダ車の魅力や特徴、欠点などについてご説明していきましょう。
マツダ車の特徴:4つの魅力・良さ
マツダの生い立ちは自動車メーカーとしては独特で、マツダは創業時の社名は東洋コルク株式会社といい、主にコルクを生産する会社だったのです。
その後戦時中に機械部品の製造を手がけることになったことで自動車を作り始め、戦後は自動車をメインとする会社となりました。
当時から非常に独自性の強い技術を採用するメーカーとして有名であり、それは形を変えながらも今も変わっていません。
ではそんなマツダ車の魅力について見て行きましょう。
躍動感を感じるマツダデザイン
ここ最近マツダ車の魅力が以前に比べて格段に上がってきていますが、その原因は何と言っても車のデザインが良くなったためです。
現在のマツダ車のラインナップを見てみると、どの車もシャープで誰が見てもカッコいいと思えるデザインにそろっています。
特にフロントグリル周りのデザインはマツダ車共通のデザインに統一されており、車に詳しくない人でも一目見てマツダ車と分かるのです。
ブランド内でデザインの方向性をそろえることはブランドイメージ定着のための戦略であり、世界中のメーカーが取り組んでいる方針の一つです。
その中でもマツダのデザインは成功例の最たるもので、適度なシャープさと力強さを備えたデザインが世界中の人々に評価されています。
今国産車の中でどんな人にも「カッコイイ」と言わせるデザインコンセプトができているのはマツダだけで、ほかのメーカーはマツダほど統一感はありません。
このマツダデザインのすばらしさこそ、今のマツダ車の最大の魅力といっていいでしょう。以下の記事でも書いていますが、デミオやアテンザなどはとくに人気が高いです。
【画像】デミオはかっこいいのか?デザインについて徹底分析!【画像】アテンザはかっこいいのか?デザインについて徹底分析!世界屈指のクリーンディーゼル
現在のマツダ車のもう一つの魅力としては、世界最先端の技術を持つクリーンディーゼルエンジンの存在があります。
価値が復権したディーゼルエンジン
ディーゼルエンジンは長らく環境に悪影響を与えるものとして敬遠されがちなエンジンで、特に日本国内では某知事のせいもあってか、乗用車用ディーゼルエンジンは壊滅状態にありました。
しかし欧州ではディーゼルエンジンの乗用車は広く普及しているものであり、環境に配慮したクリーンディーゼルエンジンは販売台数の半分程度を占めるほど人気のあるものです。
また世界的にCO2の削減が重要視される中で、ガソリンエンジンよりCO2排出量の少ないディーゼルエンジンに脚光が当たり、世界中のメーカーがクリーンディーゼルの乗用車を相次いで発売しています。
マツダもその中の一社であり、特に日本国内へのクリーンディーゼル車の投入に熱心なメーカーです。
ディーゼルエンジンの利点
ディーゼルエンジンの利点はCO2排出量の少なさのほかにも、ガソリン車以上のトルクの太さと燃料代の安さがあります。
ディーゼルエンジンはガソリンエンジンとは燃焼の仕組みが違い、ガソリンエンジンよりも低回転、高トルクで使えるメリットがあります。
つまり車の走り出しや加速の際には非常にスムーズな走りを味わうことができ、日常使いで便利な車といえます。
またディーゼルエンジンに使われる軽油はガソリンよりも値段が安く、リッター10円程度の燃料代の節約になります。
もし50リッター給油した場合で考えれば、ガソリンよりも500円安く給油できるわけですね。
このディーゼルエンジンとガソリンエンジンの違いは、以下の記事でさらに詳しく解説しています。あわせてご参照ください。
ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの違い3つ!比較すると熱効率や寿命が全然違う?!クリーンディーゼルの登場
ディーゼルエンジンはそのメリットの代償として排気ガスの浄化が難しい点がありましたが、技術の進歩により黒煙も99%以上カットされたクリーンなディーゼルエンジンが現在の主流です。
またエンジンの騒音が大きいことも問題でしたが、エンジン自体の振動対策が進んだほかに、車自体の遮音性が上がったことで、昔とは比べ物にならない静かなエンジンになっています。
マツダ車のクリーンディーゼルエンジンは年々厳しくなる排気ガスの規制に対して、技術でクリアできている数少ないエンジンです。
欧州の自動車メーカーがディーゼルエンジンの排気ガスを偽装する中で、マツダのエンジンは全く問題ない技術の高さを証明した形になります。
欧州のディーゼルエンジン問題の影響で今後は採用が減ることも考えられますが、それでもマツダのディーゼルエンジンには今でも大きな魅力があるのです。
なおマツダのクリーンディーゼルについては、以下の記事でさらに詳しく解説しています。エンジンに興味のある方は、あわせてご覧ください。
スカイアクティブD(クリーンディーゼル)とは?欠点2つ!不具合や故障が多く耐久性に難あり?!ライトウェイトスポーツの殿堂
マツダと聞いて外すことのできない車の一つに、ライトウェイトスポーツカーのロードスターがあります。
ロードスターはギネスにも載ったほどの人気
マツダロードスターは初代が1989年に登場した歴史の長い車で、現在4代目となります。
初代から最新型までそのコンセプトは一貫しており、軽量2シーターオープンカーというスタイルがロードスターという車の命です。
軽量でコンパクトなスポーツカーはそれだけでも希少な存在ですが、ロードスターはシャープなだけでなく丸みを帯びたデザインのおかげで、男性と女性どちらにも大人気のモデルとなりました。(デザインの詳細は以下の記事をご参照ください。)
【画像】ロードスターはかっこいいのか?デザインについて徹底分析!それは記録として残ることとなり、2000年に「世界で最も多く生産された2人乗り小型オープンスポーツカー」としてギネスにも載ったほどです。
ロードスターの走りの魅力は凄まじい
ロードスターのエンジンは1.6リッター~2.0Lリッター程度の小型エンジンを積んでいますが、とにかく軽い車体重量のおかげで全く過不足ない走行性能を持っています。
サスペンションなども、高速域よりはむしろワインディングロードで快適に走れるようにセッティングされており、スピードを出さなくても楽しく走れるのが魅力です。
さらに最新型は前述したマツダデザインを採用したシャープな1台となり、車のカッコよさも増しました。
ロードスターは日本はもちろんのこと欧州でもかなり人気があり、コアなファンも大勢いるほどです。
世界中を見てみてもロードスターほど完成度の高いライトウェイトスポーツはなかなかなく、マツダがもつ魅力を体現した1台といえるでしょう。
ロードスターの魅力については、詳細は以下の記事で解説しています。
ロードスターが楽しい車である7つの理由!運転が最高に面白い?!復活が期待されるロータリーエンジン
現在は残念ながらラインナップされていませんが、マツダ独自の技術として復活が熱望されているものにロータリーエンジンがあります。
ロータリーエンジンはもともとドイツで開発されたエンジンで、普通のガソリンエンジンとは動作が全く違う独特なエンジンです。
開発したドイツではなかなか商用に結び付かなかったのですが、世界で唯一マツダだけが乗用車用エンジンとして量産する技術を持ち、2012年まではスポーツカー用エンジンとしてマツダを代表するエンジンとして知られていました。
ロータリーエンジンはおむすび型のローターが燃焼室の中を回転することで、圧縮、爆発の工程を行うエンジンであり、普通のエンジンのようにピストンの上下運動を回転運動にかえるようなことはせずとも、直接回転運動を得られる特徴があります。(技術的な詳細は以下の記事をご参照ください。)
ロータリーエンジンとは?仕組みのメリット5つとデメリット6つを解説!そのためエンジン自体が非常にコンパクト、かつスムーズに回転するメリットがあり、マツダは長らく改良を重ねてきました。
しかしデメリットとして排気ガスをクリーンにすることが難しく、年々厳しくなる排ガス規制に対応できずに現在はラインナップから外れてしまっています。
しかしマツダはロータリーエンジンの開発は続けており、ここ数年をめどに新型のロータリーエンジン搭載車を発表することが確実視されています。
世界でもマツダしか実用化できない魅力的なエンジンであり、マツダファンが待ち望んだ1台がもうすぐ姿を現すのです。
このロータリーエンジンの話は、以下の記事で詳しく解説しています。興味のある方は、こちらの記事もぜひご覧ください。
ロードスターにロータリーが搭載されない理由!載せ替えは費用をかければ可能?!これからマツダ車を買おうと思っている方は、正しい値引き交渉のやり方を覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!マツダ車の特徴:2つの短所・欠点
マツダ車にはマツダ独自の技術やコンセプトを織り込んだ特徴的な車が多い一方で、いくつか欠点もあります。
次はそんなマツダ車の欠点についてご説明しましょう。
買取価格が安いマツダ地獄
まず初めに言っておかなくてはなりませんが、この欠点については現在次第に解決されつつあるものです。
しかしマツダには昔からこの短所があることはよく言われているので、マツダ車の傾向と現状についてご説明したいと思います。
マツダ地獄とは
「マツダ地獄」とはすごい言葉ですが、これはマツダ車から新車に乗り換える際に、買い取り価格があまりに安くて次もマツダ車を選ばざるをえなくなる、というループを抱えることを言います。
昔からマツダ車は安いといわれていたのですが、その内情はマツダが新車販売時に値引きを大幅にすることで実際の価格が安かったのが原因です。
新車で買うときに値引きが大きいのはうれしいことですが、しかし逆にその車を買い取りに出した時には買い取り額が他社車よりもかなり低くなってしまうのです。
そのためマツダ車から乗り換えをしようとしたときにマツダ以外で下取りに出すと、あまりの買い取り額の低さに驚愕してしまいます。
さらにマツダでその車を下取りした場合には他社より買い取り額を高くつけるので、費用的に有利に運ぼうとすると、どうしても次もマツダで、というのが第一候補となってしまいます。
マツダ地獄は改善されつつある
これがマツダ車から逃れられない、いわゆるマツダ地獄なのです。以下の記事でも触れていますが、このマツダ地獄はブランドイメージにさえなりかけています。
マツダ車のイメージは悪い?!ブランドイメージを徹底調査!ただマツダ自身もこの状況を改善させようと2012年ごろから改革をはじめています。
新車販売時の値引き額を減らすとともに、値引きが少なくなった分は車自体の魅力を大きく出すことでリカバリーしました。
前述したようにマツダ車のデザインは現在大きく改善され、世界的な評価が上がるとともに販売台数も改善しています。
マツダ地獄をなくそうとしたマツダの改革はしっかりと実を結んでいるのです。
電動車関連の弱さ
マツダは環境対策車としてディーゼル車を全面に押し出しており、その戦略は一定の成果を上げています。
しかしその反面、次世代の環境対策車の柱である電気自動車やハイブリッド車についてはあまり得意ではなく、電動車関連の技術は出遅れ感があります。
現在マツダがラインナップしているハイブリッドカーはアクセラハイブリッド一車種のみで、燃費はリッター30.8km/Lと優秀なのですが、そこから車種展開されていません。
アクセラの燃費は悪い?街乗りや高速の実燃費は?改善し向上させる方法まで解説!マツダは電動車よりも内燃機関の改善に開発資源を集中させることで、ガソリンエンジンのみならず、前述したクリーンディーゼルで世界トップの技術力を獲得するに至りました。(内燃機関の詳細は以下の記事をご参照ください。)
内燃機関の種類と仕組み/構造!外燃機関との違い4つと類似点4つ!将来性あり?!しかし世界の流れとしてはどんどん電動車の割合が増える方向にいくのは間違いなく、すでに欧州や中国などでは電気自動車をモータリゼーションの中心に据えることを発表しています。
将来的には電動車は必ず必要な技術であり、マツダが出遅れているのは少々心配です。
以下の記事でも解説していますが、マツダは最近トヨタの傘下に入り電気自動車の共同開発を発表しました。世界のメーカーに一歩遅れながらも、電気自動車を頑張って開発してもらいたいものです。
トヨタの傘下ブランド・会社の一覧!マツダやダイハツもそうなの?