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ハイブリッド車の仕組み/構造を簡単にわかりやすく解説!言葉の意味が重要?!

現在世界的に高い環境性能を持つ自動車というのが何種類かあり、その中の一つに「ハイブリッド車」があります。

従来のエンジンのみの車に対して大幅に燃費を向上させることができるこの車種は、登場からわずか数年で世界的に広まりを見せ、現在ではほとんどの主要自動車メーカーがラインナップするようになっています。

今回はそんなハイブリッド車について詳しくご説明していきます。

ハイブリッド車とは?

プリウス フロント

ハイブリッド車は正式にはHEV(Hybrid Electric Vehicle)と呼ばれており、内燃機関のエンジンと電動モーターの2種類の動力源を搭載する車の総称になっています。

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現在世界に広がっているハイブリッド車の火付け役となったのが、1999年に日本のトヨタ自動車が発売した「プリウス」です。

プリウスはその登場時点で圧倒的な低燃費性能を持っており、その高い性能から世界のメーカーから注目されたことで一気に広まりました。

ですがハイブリッド車自体の歴史はかなり古く、何度も登場しては消えていった過去があります。まずはそんなハイブリッド車の歴史を簡単にご説明しましょう。

ハイブリッドの語源

そもそも「ハイブリッド」という名称は、「異種のものを組み合わせた」という意味を持っており、自動車の場合は異なる種類の動力源を組み合わせた車のことを指します。

ここでいう異なる種類というのは、ガソリンエンジンと電動モーターを始めとして、例えばガソリンエンジンとガスタービンエンジン、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンなどの組み合わせでも便宜上は「ハイブリッド」と呼んで差し支えありません。

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ですが自動車の歴史上ハイブリッド車といえば内燃機関のエンジンと電気モーターを組み合わせたものを指しており、ハイブリッド=モーターを利用したエンジン車、という認識で間違いはないでしょう。

ハイブリッド車の歴史と目的

自動車は19世紀の半ばから後半にかけていっきに普及が進んだ工業製品ですが、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンの登場とともに発展してきました。

ですが初期のエンジンというのは性能がまだ悪く、それを補填する目的で電気モーターを組み合わせた、いわゆるハイブリッド車が登場したのです。

1900年ごろのハイブリッド車

最初のハイブリッド車は1900年ごろに欧州で登場したもので、この頃はエンジンで発電を行いモーターで駆動する方式のハイブリッド車でした。(シリーズハイブリッド式)

MEMO

現在スポーツカーで有名なドイツのポルシェを創業したフェルディナント・ポルシェもこの方式のハイブリッド車を生み出しており、当時まだ出力が不足していたガソリンエンジンを補助する方式が求められていました。

その後もさまざまなメーカーがこの方式のハイブリッド車を製造しましたが、いずれも商業的には失敗しており、販売台数はごく少数に限られます。

またガソリンエンジンやディーゼルエンジンの性能が年々向上したために、モーターによる補助はそのうち不要となっていき、最初期のハイブリッド車開発は終わりを迎えます。

またこの頃は第一次世界大戦、第二次世界大戦などが起こっており、軍用にも同様のハイブリッド方式が採用されました。

自動車用には信頼性に欠けるために一定の採用しかありませんでしたが、軍艦の動力源としてはこの方式はメリットがあり、アメリカ軍の大型空母などに採用されています。

環境対策のハイブリッド車

その次に起こったハイブリッド車のブームは1950年〜1980年ごろにかけてで、その目的は深刻化する大気汚染対策やオイルショック対策などの環境対策に焦点を当てたものとなりました。

そのきっかけとなったのは第二次世界大戦後に深刻化した大都市圏でのスモッグなどによる大気汚染で、その多くの原因は一気に普及した自動車によるものでした。

その対策として各国政府や自動車メーカーが研究を始めたのが環境対策車としてのハイブリッド車で、エンジンの使用を極力抑えて電動走行をメインにするという考え方です。

まさに現代のハイブリッドカーに通じる考え方ではあるのですが、一方で開発はあまり進まず、市販化した車はあったものの商業的に成功したメーカーは表れませんでした。

また1973年に発生した中東のオイルショックをきっかけに化石燃料を節約しようという機運が高まり、その手段の一つとしてハイブリッド車の研究が加速したこともあります。

ですがこれも石油供給の安定化と、エンジン技術自体の進化によって燃費性能が向上したことで、ハイブリッド車の開発は次第に下火になりました。

この頃のハイブリッド車は、コンセプトとしては現代のハイブリッド車の元祖ともいえるもので、その基礎研究の多くが受け継がれています。

一方で重要な部品である駆動用のバッテリーの性能がまだ悪く、搭載スペースと重量、コストがかさむ一方で性能がいまいちだったことで、航続距離やスペックの面で自動車用としては実用性に難があったのです。

ですが船舶用や鉄道関係など比較的大型の運送機械とは相性がよく、これらの分野では数多く採用されるようになりました。

二次電池の発展と現代のハイブリッド車

1980年ごろの自動車はまさにガソリンエンジンの性能向上に磨きがかかっていく時代となり、エンジンの性能と燃費が年々向上していきました。

そのためハイブリッドカーの開発は完全に下火となっていたのですが、その一方で電気の分野では大きなブレークスルーが起きます。

MEMO

そのブレークスルーは大きく2つあり、1つはリチウムイオン電池を始めとする高性能な二次電池の開発でした。

リチウムイオン電池は1981年に開発されましたが、従来の鉛蓄電池と比べると小型軽量で容量も大きく、主に家電や携帯電話などの分野でまたたく間に普及しました。

またそれ以外にもニッケル水素電池など別方式の二次電池も登場し、ハイブリッド車としても実用的な性能とコストメリットを持つ電池がようやく登場したのです。

もう一つはハイブリッド車のモーターに使われる磁石にあり、「ネオジム磁石」という非常に強力な磁力を持つ磁石が、ほぼ同時期の1982年に開発されました。

ポイント

磁石の磁力の強さはそのままモーターの性能に直結しますので、従来の磁石と同程度の性能をもたせてもネオジム磁石を採用するほうが、モーター自体が小型軽量にまとまります。

そのためモーターの持つ出力やトルクが大幅に向上し、性能面でもエンジンに負けないモーターが実用化されました。

これらの技術的なブレークスルーが生まれたことで、従来の環境性能に特化したハイブリッド車がようやく実用的なものとなり、20年の間に様々なメーカーが研究開発を進めました。

それが最初に量産車として実を結んだのがトヨタ プリウスであり、ハイブリッド車の登場から実に100年以上かかってようやく実用的なハイブリッド車になったのです。

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現代のハイブリッド車の役割

電気自動車

トヨタ プリウスの登場以降、現在まで20年近くハイブリッド車は増加してきましたが、初期と今ではハイブリッド車に対する役割というものは変わってきています。

というのも現在次世代の環境対応車として注目されているものは「電気自動車(EV)」で、エンジンを持たずに純粋にバッテリーとモーターで駆動する自動車です。

その技術の多くはハイブリッド車と共通なのですが、車1台1台がエンジンを持たずに済むのでハイブリッドカー以上に化石燃料の節約ができるとされています。

ポイント

この時代におけるハイブリッド車の役割は電気自動車が普及するまでのつなぎ、という形に変わってきており、各自動車メーカーはハイブリッド技術をベースとして電気自動車の開発を加速させています。

ですが現時点では実用的な航続距離を持つ電気自動車は、駆動用バッテリーの大型化でコストが高く、費用対効果の面ではハイブリッドカーに及びません。

ですが今後のバッテリー性能の向上とコストダウンが進むと考えると、将来的には間違いなく電気自動車が自動車の主流になるだろうとされています。

それまでまだ数十年は必要となるため、そこまでのつなぎ的な役割として、改めてハイブリッド車には注目が集まっています。

ハイブリッド車の燃費は年々向上しており、より低コストのハイブリッドシステムが開発されたり、PHEV(プラグインハイブリッド車)のような中間的役割の車も登場してきました。

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ハイブリッド車は登場時から電気自動車までのつなぎとはいわれてきましたが、その役割はまだまだ終わっていないようです。

MEMO

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ハイブリッド車の仕組み・構造

さて皆さんがハイブリッド車に持つイメージは「燃費が良い」という点だと思いますが、なぜハイブリッド車の燃費は良いのでしょうか。

ここではハイブリッド車の基本的な仕組みと、3種類あるハイブリッドシステムの構造をご説明します。

ハイブリッド車での燃費改善

現代のハイブリッド車の主目的は車全体としての燃費を向上させることにあり、そのためにはこれまで車が無駄にしてきたエネルギーを可能な限り利用するようなシステムとなっています。

自動車で使われるエネルギーは全てガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関が生み出しており、その大本は化石燃料を燃やした際に生まれるエネルギーです。

そのエネルギーはエンジンの回転を生み出して車を走らせたり、さまざまな電装品を動かすために発電に利用されたりするのですが、実は意外に無駄が多く燃料の持つエネルギーのうち3割〜4割程度しか利用されていません。

それ以外のエネルギーはエンジンを冷却する際の熱として失われたり、エンジンの吸排気などで失われたりします。

燃料の持つエネルギーを走行以外で消費してしまうということは燃料を無駄にしていると同じことであり、結果的に車の走行距離に対する燃料消費量が大きくなって燃費が悪化することになります。

そこでハイブリッド車はこの無駄になってしまっているエネルギーを電気エネルギーとして回収し、それを元に一部でもモーター走行を行うことで燃費を向上させるようになっています。

つまりハイブリッド車はエンジンによって生み出されたエネルギーを回収して無駄を減らし、車トータルとしての効率を向上させる技術です。何もないところから電気を生み出して燃費を良くしているわけではないのです。

ハイブリッド車の中心技術

ハイブリッド車で最も重要な技術といえるのは、車の減速時のエネルギーを電気エネルギーとして回収する「回生ブレーキシステム」です。

車のエネルギーを大きく無駄に消費しているものの1つに「ブレーキ」があり、実は走行中の車を減速させたり停止させたりする行為というのはエネルギーを大きく無駄にすることに繋がります。

一般的なブレーキは減速の際に摩擦材を擦れあわせ摩擦抵抗によって速度を落としますが、このとき摩擦面には大きな摩擦熱も発生しており、その熱は大気中に放熱されます。

ですがこの熱はもともと車を走行させるためのエネルギーが変換したものであり、その大本はエンジンが発生させた走行エネルギーなので、減速とは燃料のエネルギーを熱として大気中に放出するものともいえます。

ポイント

そこでハイブリッド車はこの無駄に消費される減速エネルギーを回収するシステムを持っており、それが回生ブレーキと呼ばれます。

車を減速させたい時にエンジン動力を切り離すと車は惰性で進み続ける状態となりますが、この状態というのは車体が惰性で車軸を回転させているような状況ともいえます。

この状況で車軸にモーターを接続すると、モーターは発電機として働いて回転エネルギーを電気に変換します。

そうすると走行エネルギーが消費されるので車は次第にスピードを落としますが、ブレーキと違うのは熱として捨てていたものを電気として回収できている点です。

この効果により燃料の無駄を電気として回収し、さらにそれを走行時にはモーターの動力として使うことで、効率的になることに加えてエンジンの作動時間を短くします。

そして結果的には車全体として燃費が向上することとなり、ハイブリッド車という環境対応車が完成するのです。

つまりハイブリッド車の燃費性能は、いかにこれまで無駄に捨てられていたエネルギーを効率よく活用できるかにかかっており、回生ブレーキや走行などでモーターの活用範囲が広ければ広いほど燃費が向上するのです。

ハイブリッドシステムの種類

ハイブリッド システム

ハイブリッド車の基本はエンジンで生まれるエネルギーを効率的に利用することにありますが、そのシステムの種類には大きく分けて3種類存在します。

どのシステムにもメリット、デメリットがあり、優劣は車の車種や使い方によっても大きく変わってきます。

スプリット(動力分割式)ハイブリッド

まず最も有名なトヨタ プリウスのハイブリッドシステムをご説明しますが、これはスプリット式と呼ばれておりエンジンの動力を分割する機構があることからスプリット式と呼ばれます。

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このシステムはトヨタのハイブリッドシステム「THS」の中核となっており、初代プリウスから最新車種に至るまで基本は変わりません。

このシステムでは1基のエンジンに対して発電用(MG1)と駆動用(MG2)2種類のモーターが組み合わされており、エンジンと各モーターの間には「遊星歯車装置(プラネタリーギア)」が組み込まれます。

遊星歯車装置は組み合わされているギアを制御することにより、車軸の正転、逆転を自在にコントロールすることが可能で、またエンジンとモーターの動力のつながりを柔軟に変更することができます。

このシステムによりスプリット式は回生ブレーキ、駆動モーター、エンジン動力の3つを非常に細かく制御することができるのがメリットで、さまざまな走行条件に合わせて最適な効率走行を行うことができます。

エンジンやモーター、遊星歯車装置の部品構造自体も比較的シンプルで信頼性が高く、トヨタが長年に渡って改良を続けているのがわかります。

一方で走行中にエンジンとモーターを完全に切り離せない領域があり、効率が低下するデメリットや、高速走行域での燃費悪化につながる点も持っています。

加えてスプリット式のハイブリッドシステムの特許のほとんどをトヨタ自動車が所有しており、トヨタ以外のメーカーは実質的に同じようなシステムを利用できないので採用しているメーカーは少ないです。

パラレル(並列式)ハイブリッド

トヨタ以外の多くのメーカーが採用しているハイブリッドシステムがパラレル式で、1基のエンジンと1基のモーターで構成されるのが基本です。

パラレル式の多くはエンジンとトランスミッションの間にモーターを挟むような構成を取っており、回生ブレーキによる発電とモーターによる駆動の両方を1つのモーターでまかなっています。

パラレル式にはいくつかタイプがあり、モーターとエンジンが直結している方式と、モーターにクラッチが設置されてエンジンと分割できる方式があります。

直結式はエンジンをメインで使用する方式で、モーターのみでの走行はできません。常にエンジンを稼働させているためハイブリッド車としての燃費性能はそこまで高くないものの、システムが簡単でコストが安い特徴があります。

ホンダの初期のハイブリッド車や、現在欧州車を中心に採用の広がっているマイルドハイブリッドもこのタイプが多いです。

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分割式はエンジンとトランスミッションの間に入ったモーターの前後で動力を切り替えられるようにクラッチが入っており、この方式ならモーターのみでの走行が可能です。

エンジンをモーターから完全に切り離せるので余計な抵抗がモーターにかからず、モーター自体のスペックも高い場合が多いのでEV走行性能が高いのが特徴です。

一方複雑なクラッチ装置があるのでコストは高くなり、また制御も難しいデメリットもあります。

パラレル式はスプリット式ほど構造が一元化しておらず、各自動車メーカーがさまざまな構造のシステムを開発しています。トヨタの特許の外で開発できるとあって、世界中でもっとも普及しているのがこのタイプです。

一方でスプリット式のようにモーターが2つ無いので、モーター走行しながら回生ブレーキを使うなどの使い分けができず、燃費性能はパラレル式のほうが多少悪化します。

シリーズ(直列式)ハイブリッド

シリーズ式ハイブリッドはモーターが駆動軸と直結しているタイプのハイブリッドカーで、エンジンは完全にモーターと切り離されています。エンジンはバッテリーの充電専用となっており、車の走行には一切関与しません。

シリーズ式はもっとも最初期に登場したハイブリッド車にも使われた方式ですが、その考え方自体は現在でも十分通用するものであり、非常に電気自動車に近い性能を持つハイブリッド車が実現できます。

シリーズ式でも発電用と駆動用の2種類のモーターを持ちますが、発電用モーターはエンジンだけと直結しています。

そこで発電された電気をもう一つの駆動用モーターに送り、車の走行は全てモーターで行う方式です。

ポイント

エンジンというのはどちらかというと一定の回転で高い効率を発揮するものであり、自動車のように低速から高速まで回転数を変えて走行するような用途にはあまり向いていません。

そこでシリーズ・ハイブリッドではエンジンは効率の良い回転数付近で発電を行って燃費を節約し、走行は回転数の変動に対応しやすいモーターが受け持つという分担方式となります。

この組み合わせによってシリーズ式は比較的容易に高い効率のハイブリッドシステムを構築できます。

その反面自動車への搭載に大きなスペースを持つことや、モーターのみで走行する関係上大きなバッテリーが必要である、などのデメリットを持ちます。

ですがその走行感覚が電気自動車と同じくモーターのトルクフルな感覚になりエンジン車とは大きく魅力が違うため、ハイブリッド車の持つイメージとかけ離れた力強い走りが最大の特徴といえるでしょう。

MEMO

またシリーズ式は別名「レンジエクステンダーEV」とも呼ばれており、電気自動車が苦手とする「レンジ(航続距離)」をエンジンで「エクステンド(延長)」できることが語源です。

ガソリンエンジンがあるので完全なゼロ・エミッション車ではありませんが、電気自動車のように充電が切れてしまう不安からは解消され、ガソリンスタンドさえあれば航続距離を伸ばせるEVというのが魅力です。

以前はシリーズ式は乗用車ではほとんど見かけませんでしたが、日本では日産 ノートe-powerの大ヒットを受けてにわかに注目を受けているシステムとなります。

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もっとも古くに考案されたシステムが現在でも有効で、なおかつ最新車に採用されるというのは、このシリーズ式というアイディアの確かさを表しているでしょう。

ハイブリッドシステムの構成部品

ハイブリッド モーター

ハイブリッドシステムにはその方式以外にも特徴的なものがあり、システムを構成するモーター以外の電動部品です。

ハイブリッドシステムの中核は電動モーターにありますが、そのモーターの方式によって関連部品も大きく違っており、交流モーター式か直流モーター式かで別れます。

交流モーター式ハイブリッドシステム

交流モーター式はトヨタ プリウスを始めとした高性能のハイブリッド車が採用している方式で、高いシステム電圧からくるモーター走行性能の高さと、燃費性能の高さがメリットです。

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交流モーター式のハイブリッドシステムには、3相交流電源を扱うためにインバーターという部品が必要です。

駆動用バッテリーは直流電源のため、インバーターは直流を交流に変換する役割を果たしており、同時にモーターの回転制御も行います。

また回生ブレーキ時は交流モーターで発電した電気を直流に変換し、バッテリーへ送るという役割もあります。

このインバーターの存在が交流モーター式の特徴であるとともに、コスト高の原因となる点でもあります。

ですが交流モーター式は発電効率や細かな出力制御などの点で優れており、燃費性能に関しては後述する直流モーター式より高くなります。

この方式は「ストロングハイブリッド」とも呼ばれており、性能の高いハイブリッド車ということです。

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直流モーター式ハイブリッドシステム

直流モーター式のハイブリッドシステムは、比較的安価でハイブリッドシステムが簡便なものです。

ポイント

この方式は「マイルドハイブリッド」とも呼ばれており、燃費性能に関してはストロングハイブリッドよりも低下します。

ですがコストメリットを武器にさまざまな車種に展開しやすいという特徴があり、特に欧州車を中心としてこの方式は広がりを見せています。

特に直流式でインバーターが不要という点がコストメリットを生んでおり、またインバーターの搭載スペースが不要というのも車種展開しやすい理由です。

直流モーター式はエンジンアシストを基本とするパラレル式ハイブリッドが一般的で、エンジン走行を中心としたシステムになります。

ある程度の低燃費性能とハイブリッド化によるコスト増のバランスがよく採用は一気に増えましたが、一方で将来的にはもっと燃費性能の高いシステムも必要とされています。

MEMO

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ハイブリッド車の補機

ハイブリッド車はエンジンやモーター、トランスミッションなどがハイブリッドシステム専用になっていますが、その他にいくつかの補機類もハイブリッド車専用となっている場合があります。

これまでの車は補機類の作動にもエンジンを動かして作った動力を活用していたので、それらの効率を挙げることでもハイブリッドカーは燃費が向上するのです。

ヒートポンプ暖房

これは主にプリウスに搭載されて有名になった技術ですが、車の暖房装置にヒートポンプ式のヒーターを採用して燃費の向上を図ったものです。

従来のエンジン車は暖房で温める際にはエンジンの熱を冷却水で拾って、それを元に車室内を温めていました。

ですがハイブリッド車の場合はエンジンが動かない領域が非常に多くなるので、エンジンの熱量だけではヒーターに必要な熱量がまかなえず、初期のハイブリッドカーはバッテリーの電力を使って温める電動ヒーターが採用されていました。

しかし電気を使って温めるということは燃費を悪化させることにもなるので、効率的なシステムではありません。

そこでプリウスには家庭用エアコンでも使われているヒートポンプ式の暖房装置を採用し、電熱ヒーターは不要とすることで燃費を向上させています。

ヒートポンプ式は内部を循環する冷媒の圧縮を行うポンプの作動だけで済むのでエネルギー効率がよく、ハイブリッド車の燃費には大きく寄与します。コスト面では多少デメリットとなりますが、何より燃費が重要な車種には有効な機能です。

高電圧式の補機類

これはエアコンやポンプなどの補機類と呼ばれる機器をハイブリッドシステムの高い電圧で作動させることで、電圧を上下させるときに発生する熱の無駄を減らして、結果的に燃費を向上させることを目的としています。

これまで補機類は12Vのバッテリーで動く機器が一般的に使われていましたが、ハイブリッド車のハイブリッドシステムはこれよりもっと高い数百Vを扱うシステムです。

初期のハイブリッドカーには従来の補機が搭載されていたので、高い電圧のバッテリーから12Vまで電圧をわざわざ落とす形で補機を活用していました。

ポイント

ですがこれでは変換時に発生する熱が無駄なエネルギーとして消費されてしまうため、これを改善した補機が年々登場しています。

その最たるものはエアコンコンプレッサーで、プリウスなどはハイブリッドシステムの高い電圧そのままで作動する専用のエアコンコンプレッサーが採用されています。

また他のメーカーでも高い電圧化で作動できる補機類の種類はどんどん増えており、今後ハイブリッド車への採用が増えていく見込みです。

これらの補機による燃費への効果はそこまで大きくはありませんが、塵も積もれば山となるではありませんが効率の高まる機器は積極的にハイブリッド車に採用されており、新たな車の魅力の一つにもなっています。

ハイブリッド車とほかのエンジンの違い

ハイブリッド車が本格的に登場するまで、自動車の動力源のほとんどはガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関でした。

前述でも少し触れましたが、最後にハイブリッド車と従来のエンジン車との違いをご説明します。

ポイント

ハイブリッド車はこれまでのエンジンに電動モーターを組み合わせた動力源を持っている車で、現在ハイブリッド車といえばガソリンエンジンとモーターの組み合わせがほとんどです。

ハイブリッド車に使われるエンジンは基本的に普通のガソリン車と同じもので、ハイブリッド車のモーターが搭載されるのはほとんどがトランスミッション部分です。

ハイブリッド車専用のエンジンを持つ車もありますが、これらはガソリン車では走行性能に振られていた性能を燃費と効率に変えたもので、基本的なエンジンの構造はかわりません。

また自動車にはディーゼルエンジン車もありますが、ハイブリッド車にディーゼルエンジンを組み合わせることは稀です。

これはディーゼルエンジンがガソリンエンジンよりコストが高いためで、ハイブリッドシステムでコストが高くなりがちなハイブリッド車には組み合わせにくいのです。

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ですが自動車ではなく、船舶やトラックなどの分野ではディーゼルハイブリッドも存在しています。

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ハイブリッド車はこのように既存のエンジンを活用できることから普及が進んだ車種でもあり、電気自動車が普及するまでの間に現実的な環境対応車として現在も発展し続けています。