「キャンピングカーに興味があるんだけど、種類がいっぱいありすぎてよくわからない…」
「最新のキャンピングカーってどんな設備がついてるの?」
車1台で複数の大人が寝泊まりできる、遊びに便利なキャンピングカー。
タイプがいろいろありますが、コスト・広さ・車体の大きさといったように、何を重要視するかによって選ぶ車が変わってきます。
そこで最新モデルのキャンピングカー・デリカD:5クルーズを紹介します。内装や設備について写真つきで解説しますので、キャンピングカー選びの参考にしてください。
なおこの車種については東京キャンピングカーショー2018で展示されていたのを取材しました。展示の様子は以下の記事でまとめているので、詳細が知りたい方はこちらもご参照ください。
東京キャンピングカーショー2018レポート!最新車種イベントで取材してきた!キャンピングカーの8つのタイプ
まず、キャンピングカーには以下の8つのタイプがあります。
- 「バンコン」
- 「キャブコン」
- 「軽キャンパー」
- 「フルコン」
- 「セミフルコン」
- 「バスコン」
- 「トラキャン」
- 「キャンピングトレーラー」
※種類の詳細は以下の記事をご参照ください。
キャンピングカーの全ての種類8つを解説!特徴から価格まで!この記事で紹介するケイワークス社のデリカD:5クルーズは、バンコンタイプです。
バンコンとは、ワンボックスタイプのバンやワゴン、ミニバンにキャンパー架装をした車のことです。
車体が比較的小さめのキャンピングカーなので、高さ制限のある駐車場にも入ることができ、街中でも乗りやすいというメリットがあります。
キャンピングカーをキャンプ専用ではなく、普段用の車としても使いたい場合はバンコンタイプがおすすめです。
また、小さいだけに就寝人数が少なめなので、少人数でキャンプに行きたい場合に適しています。
なおバンコンタイプのキャンピングカーは以下の記事でも紹介しているので、こちらもあわせてご参照いただき比較してみてください。
セレナのキャンピングカー内装や値段【バンコン】セレナP-SVフィアットデュカトのキャンピングカー内装や値段【バンコン】デスレフSunlight CLIFF540デリカD:5クルーズ(メーカー:ケイワークス)の内装写真
ケイワークス社のデリカD:5クルーズです。三菱・デリカD:5をベースにしたキャンピングカーで、主要スペックは以下のようになっています。
- 乗車定員:7人
- 就寝定員:4人
- 全長:4,730mm
- 全幅:1,795mm
- 全高:1,990mm
- ベース車:デリカD:5 Dパワーパッケージ
- 排気量:2,200cc
- 燃料:軽油
- 最高出力:148ps
- 駆動方式:4WDパートタイム
- ミッション:6AT
- 燃費:11km/l~12km/l(ふつうのデリカD:5と同じ)
乗車定員は7人ですが、就寝定員は4人だけです。7人でキャンプに行ってしまうと3人は車内で寝られなくなってしまうので、注意してください。
ベース車がデリカD:5なので、ポップアップルーフを閉じてしまえば見た目はふつうのミニバンです(※写真は開いた状態です)。(デリカD:5の詳細は以下の記事をご参照ください。)
デリカD:5がキャンプに最適な理由8つただ、ドアにでかでかとJAOS×D:5 CRUISEの文字が入っているので、街中では多少目立ちそう。この文字はないほうがいいかな。
それではさっそく内装を見てみましょう。
居住スペースの全体の様子です。幅1,160mm×長さ1,800mmの、大人2人用のベッドがついています。
乗車するときは腰をかがめて乗り込むんですが、ステップを踏んでベッドに膝立ちになりながら乗る感じなので、天井は低く感じません。
セミダブルサイズより少し狭い程度の幅で、大人2人で寝るにはせまそう。
ベッドはセカンドシートをたおしてフラットにしているだけで、上に板は敷いていません。そのため、シートの凹凸がそのまま伝わってきて、寝心地はイマイチ。
天井が低くないぶん車内空間は広く感じますが、実際に寝てみるとあまり快適ではないです。なにか敷いて平らにしてほしい。
ウルトラスウェードが使用されたベッドの表面のさわり心地は、ゲーセンの椅子のようなしっとりした感じ。悪くはないけど気持ちよくもない、そんな感触です。
なおキャンピングカーでの車中泊の方法や注意点については、以下の記事で詳しく解説しています。興味のある方はこちらもご参照ください。
キャンピングカーで車中泊はどうやる?宿泊場所についても解説!ベッドの横には100Vコンセントが2つ。家から持ってきた家電もこのコンセントに差せば使えます。
ポップアップルーフで天井が開いているので、寝転がってみると開放感があります。やはり天井が高いというのは体感上の広さに大きく影響しますね。
見た目よりずっと広く感じる車内空間です。車内で立てるのも嬉しいポイント。
乗車口には乗り込みやすいように取っ手がついています。
乗車口の遮光カーテン。
こちらはサードシート付近の窓の遮光カーテン。遮光カーテンは車内の6面(出入り口ドア・各窓・バックドア)についています。
寝るときも外から覗かれる心配がなく、安心して寝られますね。
ベッドの横の、ドリンクホルダーです。ドリンク2つ分ついています。
サードシート(右側)用のエアコン吹き出し口です。
サードシート(左側)用のエアコン吹き出し口です。
居住スペース天井の、エアコン操作パネル。ポップアップルーフの出入り口のすぐ下についています。
ベッドスペースにエアコンがついているのは、寝やすそうで良いですね。(エアコンの必要性については以下の記事で考察しています。)
キャンピングカーのエアコン・クーラーは必要か考察!夏はないと無理?!同じく天井には、荷物を掛けておくためのマルチユースフックが2つついています。
後ろから見た居住スペース全体の様子。ベッドに寝転がってテレビが見られます。
この写真で見ると、ベッドに凹凸があるのがよくわかりますよね。これが寝心地を悪くしている原因です。
ポップアップルーフを外から見た様子。定員いっぱいの4人で寝る場合は、ポップアップルーフの内部で2人寝ることになります。
内部のベッドは幅1,160mm×長さ1,800mmなので、成人男性でも脚を伸ばして寝ることが可能です。
ただ、幅が車内のベッドと同じくセミダブルサイズより狭い程度で、大人が寝るなら1人が現実的でしょう。家族で車中泊する場合は、子どもを内部で寝かせてあげればよろこびそう。
なおデリカD:5クルーズでは標準でテレビはありませんが、見たい方は以下の記事で導入の仕方を解説しているので、こちらも参考にしてみてください。
キャンピングカーでテレビを見る方法!アンテナ取り付けはどうする?デリカD:5クルーズの価格と標準装備・オプション
デリカD:5クルーズの車両本体価格は、税込みで4,082,400円です。種類が多いので、下の表に価格をまとめました。見てください。
グレード | 駆動 | シフト | 価格 |
M | 2WD | INVECS-3 CVT | 2,959,200円 |
G-Power Package | 2WD | INVECS-3 6速CVT(スポーツモード機能付き) | 3,304,800円 |
M | 4WD | INVECS-3 CVT | 3,412,800円 |
G-Power Package | 4WD | INVECS-3 6速CVT(スポーツモード機能付き) | 3,726,000円 |
G-Premium | 4WD | 4,287,600円 | |
D-Power Package | 4WD | 4,082,400円 | |
D-Premium | 4WD | 4,611,600円 |
同じグレードでも2WDモデルよりも4WDモデルのほうが高く、同じ駆動方式でもスポーツモード機能がついているモデルのほうが高くなっています。
この記事で紹介しているのはD-Power Packageグレードですが、架装されている装備やつけられるオプションはどれも同じです。
バンコンのキャンピングカーの価格としてはそれほど高くないですね。
もっと安く購入したいなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!標準装備として以下のものが架装されています。
- スライド機能付きREVOセカンドシート
- サブバッテリーシステム 105Ah
- 脱着可能な対座テーブル
- 1,000Wインバーター(セルスター矩形波) 100Vコンセント付き
- 遮光カーテン6面
- 走行充電システム(CTEK)
- デジタル電圧計
インバーターとは電気の変換機のことで、炊飯器やノートパソコンといった家電を車内のコンセントにつないで使いたい場合に必要です。
インバーターには正弦波と矩形波の2種類があり、デリカD:5クルーズに標準装備されているのは矩形波です。
矩形波は電気の安定感が悪く、一部の家電や医療機器のような精密機械は電源が入らないこともあるので、持病がある場合はとくに注意しなければいけません。
また、オプションでは以下のものがつけられます。
- ポップアップルーフ ネオプレーン(左右メッシュ)(880,000円)
- ポップアップルーフ キャンバス(3Way 3方向 全開・全閉・メッシュ)(930,000円)
- ポップアップルーフ 防寒インナー(48,000円)
- 純正エクシードバイザー(23,960円)
- 純正フロアマット(61,800円)
- ケイワークスオリジナルフロアマット(35,000円)
- ケイワークス 防虫ネット(3面)(35,000円)
- キャンパー仕様(348,000円)
- ソーラーパネル154W(ノーマルルーフ)(200,000円)
- ソーラーパネル154W(ポップアップルーフ)(175,000円)
- FFヒーター エバスペッヒャー社(210,000円)
- 電圧計VACモニター(30,000円)
- LED照明1ヶ所(5,000円)
- 断熱ウィンドウフィルム(60,000円)
- 1,500Wインバーター UPグレード(40,000円)
- パワーソニック 100Ah UPグレード(10,000円)
車内空間を格段に広くしてくれるポップアップルーフは、標準装備ではなくオプションです。価格は900,000円前後とかなりの金額ですね。
ポップアップルーフがあるとないとでは車内の快適性がガラッと変わる上に、就寝人数も半分になってしまうので、つけられるならつけることをおすすめします。
348,000円はらってキャンパー仕様にすると、シャワー機能付きシンクがつきます。
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FFヒーター(エンジンOFF状態で使用できる暖房装置)は210,000円と高いですが、冬の車中泊では必須アイテムです。
総評:肝心のベッドの寝心地が悪い、残念なキャンピングカー
デリカD:5クルーズの内装はズバリいえば、「肝心のベッドの寝心地が悪い、残念なキャンピングカー」。
パワーボム(著者)
車中泊をするための車なのに、ベッドの寝心地はシートの凹凸をダイレクトに感じてしまう、お世辞にも良いとはいえないものでした。ウルトラスウェードを使用したという表面のさわり心地も、悪くはないけど決して気持ちよくはなく、おすすめはできません。
ポップアップルーフも標準装備ではなく、900,000円前後もかかるオプションになっていて、4人で寝られる3,000,000円台のキャンピングカーだと思って販売店に行くと、金額の違いに驚くことになります。
あえて良いところを挙げるとしたら、天井の高さでしょうか。ただ、それも「見た目せまそうだけど乗ってみたら意外と広かった」という程度。広さ目的でわざわざ選ぶ車種ではないですね。
ここまで書いてきましたが、ベッドの寝心地は好みの問題もあるので、気になっているならぜひ実車を見て寝てみてください。
この記事を読んだことで、デリカD:5クルーズを購入するかどうかの判断材料のひとつになれることを願っています。
なおバンコンタイプのキャンピングカーは以下の記事でも紹介しているので、こちらもあわせてご参照していただき比較してみてください。
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