新型が出るたびに必ず話題の的となるクラウン。
今回も飛び抜けたデザインや車とつながるコネクテッドカーなどさまざまな話題を提供してくれています。
すっかり日本のスタンダード高級セダンとして定着しているクラウンですが、そのデザインはカッコ良いのでしょうか。
ここではクラウンのデザインについて解説していきます。
クラウンのデザインの特徴
クラウンは今回もユーザーの若返りを目指してデザインをモデルチェンジしました。
たしかに昔のクラウンらしい落ち着いた雰囲気は減っていますが、どこが若返りのデザインになったのでしょうか。
ここでは現行クラウンのデザインの特徴について解説していきます。
しっかり作られたスタイリッシュな国産ボディ
実はクラウンはボディスタイルに関してはとても不利なスタイルをしています。
クラウンは日本のスタンダード高級セダンとして確固たる地位にいるため、日本の道路で走りやすい最大の幅だと言われる1,800mmという全幅の自主規制をかけています。
そのためボディは横幅が狭く、縦は長いというアンバランスなスタイルになってしまっています。
ライバルの車たちは、ほとんどが道路の大きな海外の規格に合わせてデザインされており、サイズは自由でとても有利なスタイルをしています。
そんななかでもクラウンは健闘していますが、どうしても全幅の関係からフェンダーラインの強調やボディバランスの悪さからスポーティ感は減ってしまいます。
しかしそれでもクラウンはスポーティさと高級感をしっかり持たせています。
ボンネットはFRらしいロングノーズな形をもたせており、その上で車両の空間を広く持たせるために、リアガラスがトランクルームに入ってしまうくらいのギリギリまで広げた車内空間になっています。
これによりトランクがあまり主張しないデザインになり、ロングノーズ・ショートデッキのスポーツハッチバックのようなスタイルのセダンになっています。
そして後ろには、ブラック・アウトされたバンパー下部から左右2本出しのマフラーでスポーティさを見せており、ベンツのようなデザインのリアコンビネーションランプから伸びる、深めのプレスラインが洗練された高級感を演出しています。
現行のクラウンは高級なスポーティセダンのようなスタイルになっています。
なお現行のクラウンについては試乗記事もございますので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
新型クラウン(ハイブリッド/ターボ)の試乗レビュー!乗り心地の感想・インプレッション!進化したやりすぎ顔
一つ前のクラウンはショッキングピンクのカラーやおふざけのようなフロントデザインなど、良くも悪くもぶっ飛んだデザインでした。
従来のクラウンユーザーはきっと困ったことでしょう。今回もご多分に漏れずやりすぎなフロントフェイスになっています。(従来のクラウンの詳細は以下の記事をご参照ください。)
クラウンアスリートの試乗レビュー!乗り心地の感想・インプレッション!ただ以前のクラウンのような取って付けたような顔と違い、ボディのスタイルと相まったまとまったフロントフェイスになっています。
くっきりボンネットに入ったプレスラインは、左右に広がりを見せており、フロントフェンダーの張り出し感を演出しています。
実はそのプレスラインは歴代のクラウンが継承するデザインで、そのまま大型グリルにつながっています。
大きく型どられたグリルを中心に、バンパーは左右に張り出し感のある迫力のデザインにつながり、それらにつながるようにヘッドライトが配置されています。
ただアンダーグリルのラインが不思議な動きをしているため、なかなかかっこいい顔とは言いにくいフロントですが、それでもとても迫力のあるトヨタらしいフロントフェイスに仕上がっています。
微妙になったインテリア
スポーティさとスマートさを持っているクラウンですが、インテリアは今回とても残念なものとなりました。
包まれ感のある車内やソフトパッドの柔らかな雰囲気、そして色を使い分けることで高級感やスマートさを出そうとしています。
それに近年さまざまなメーカーに見られるナビやメーターなどの視線移動の少ないセーフティな配置がしっかりなされており、しっかり作り込まれています。
しかし残念なことにスポーティさを全面に打ち出したフェイクカーボンのインテリアはクラウンらしくなく、これではマークXとどう違うのだろう、と思ってしまいます。
シートの造形やデュアルディスプレイで見やすいナビなど、高級感をしっかり作り込んである分逆に残念です。
しっかり日本人のことを考えた作りになっている車なので、細部までしっかり詰めてほしいところです。
なおクラウンの内装の詳細は以下の記事をご参照ください。
【画像/写真】新型クラウンの内装/インテリア!運転席周りや後部座席から荷室/トランクまで紹介!若返り、といえるのだろうか
トヨタはクラウンユーザーの若返りを図るとのことからこういったさまざまな冒険に出ています。
確かにこれは話題性もありますし、落ち着きすぎた古臭さを払拭する良いチャレンジだとは思います。
ただ、過度な変化は従来のユーザーが置いてきぼりになるのでできれば避けていただきたいところです。
14代目のクラウンではそれまでの落ち着いたデザインを大きく払拭し突拍子もないデザインになりました。
15代目にあたる現行のクラウンはそのクラウンのデザインを進化させたようなデザインで、多少は洗練されてきておりまともになってきていますが、これでは従来のユーザーはどう感じるでしょうか。
正直なところ若返りというよりは突拍子もないデザインで、話題性を上げるだけのデザインはクラウンにはよろしくありません。
とはいえど販売台数の推移を見ていると、こういった保守的な考えは必要ないのかもしれません。
クラウンのかっこいい色
14代目クラウンにはショッキングピンクの限定カラーなどもありましたが、15代目のクラウンにはどういったカラーが似合うのでしょうか。
ここではクラウンにおすすめなカラーをご紹介していきます。
ホワイトパールクリスタルシャイン
クラウンの暴走気味のデザインを清淡に見せてくれるのがホワイトパールクリスタルサンシャインです。
落ち着いたスマートな雰囲気をだし、どことなく大人な車に見せてくれます。
ブラックアウトとの色の使い分けもきれいに写りますので、高級な雰囲気を出すにはこの色がおすすめです。
プレシャスブラックパール
縦長なクラウンのスタイルを重厚なリムジンのように見せてくれるのがこのプレシャスブラックパールです。
塗装にパールの層が入り込むことでベタ塗りではなかなか感じられないプレスラインのデザインが映えるため、高級感が見られます。
さらに随所に入ったメッキがブラックカラーによって全面に出てくるので重厚感が増し、とてもかっこいいですね。
プレシャスシルバー
クラウンのフォーマルさとスポーティさの両方を一挙にもたらせてくれるのがプレシャスシルバーです。
今回のクラウンは今まで以上にボディにはっきりとしたプレスラインを入れ込んでおり、まるでベンツやアウディのような重厚な迫力を見せています。
そのためこのシルバーも非常にスタイリッシュに映りブラック・アウトされたパーツなどと相まってスポーティにかつ重厚感のあるデザインに映ります。
実物を見ることが大事
おすすめのかっこいいカラーをお伝えしてきましたが、やはり色は現物を見ずに決めると絶対に後悔します。
ベタ塗りの色、メタリックカラー、パールカラー、色の深み、色合いなどすべてが細かく違ってきますので、イメージだけで車はきめてはいけません。
もしクラウンを買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!クラウンの古いモデルと比較
クラウンは落ち着いたデザインと高級感があった、というお話をしましたが過去のモデルと比べるとどう違っているのでしょうか。
ここでは歴代のクラウンからいくつかのモデルをピックアップしてご紹介していきます。
初代クラウン
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非常にクラシカルなデザインの初代クラウンです。
現在ではなかなか見られない丸めのヘッドライトが特徴的です。クラシカルMINIのような見た目ですね。(MINIの詳細は以下の記事をご参照ください。)
ミニクーパーはどこの国の車?イギリスなのかドイツなのか詳しく解説!3代目クラウン
ボンネットに飛び出したような丸目4灯のヘッドライトが特徴的な3代目クラウンです。
コンセプトは日本の美ということでより低く、縦長なボディになったそうです。
あまり高級というイメージが湧きにくいですが、非常に個性的なデザインです。
8代目クラウン
いつかはクラウン、というキャッチコピーが耳に残る8代目クラウンです。
3ナンバー専用のボディがランナップされるなど、クラウン市場一番売れたと言われるモデルです。
角ばったボディが存在感を放ち、落ち着いたデザインと相まって非常に高級感のあるモデルです。
12代目
ゼロクラウンという愛称で慕われたクラウンで、これまで使われてきたプラットフォームや伝統の直列6気筒エンジンなどを一新し新しいクラウンとして登場しました。(エンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。)
直列6気筒エンジンの特徴!どんな音?搭載車を日本車/外車の車種からそれぞれ紹介!流麗なボディは非常にスポーティで、このときもこれまでのクラウンユーザーの若返りを図ったモデルです。
落ち着いたデザインでありながらスポーティなスタイルで非常にかっこよく見えます。
14代目クラウン
クラウンREBORNというキャッチコピーで登場した先代クラウンです。
これまでこだわってきた伝統の6気筒エンジンへのこだわりをやめ、直列4気筒2.5Lハイブリッドモデルも搭載し、大胆なデザイン転換を伴った新しいクラウンでした。
ただフロントデザインは突拍子もないデザインで、改善の余地ありです。
なお14代目クラウンについては以下の記事でさらに詳しく解説しているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
クラウンアスリートの試乗レビュー!乗り心地の感想・インプレッション!クラウンマジェスタの試乗レビュー!乗り心地の感想・インプレッション!クラウンロイヤルの試乗レビュー!乗り心地の感想・インプレッション!クラウンのデザインの世間的評判
さまざまな見方のあるクラウンのデザインですが、世間的にはどう見られているのでしょうか。
ここではツイッター上からクラウンに対する意見をピックアップしご紹介していきます。
嫁様のお義父様の新車。かっこえぇのう…新型クラウン。 pic.twitter.com/MngL7qlfcE
— かえるの浅漬け (@haregumo) 2019年1月3日
クラウンのデザインは実物を見るととてもかっこいいそうです。黒塗りのクラウンなんて高級感がより一層あってほんとにかっこいいですね。
新型クラウンかっこ悪いな
クラウンの上品さみたいなのが無い— なおと (@g_g_a_20xxx) 2018年6月9日
逆にかっこ悪いと感じる人もいます。クラウンの持っている上品さが失われたと感じているようですね。
いや、そこが成功ポイントだと思います。
振り返るとガラッと違うのに、しっかりクラウンである事を主張してる。
継続ブランドとして大切な事じゃないかなと。
それでいて鈍重そうなイメージは、完全に払拭してますからね。
脂肪を感じたデザインが、筋肉質に変わったイメージ。— 柳島蒼機 (@wilderkerberos) 2018年8月22日
クラウンのデザインはたしかにしっかりとクラウンであることを主張しています。
スタイリッシュなデザインにはなりましたが、先程の意見にもありますが、上品さが失われてしまったのが残念です。
なおクラウンの世間的評判については以下の記事でも詳しく解説しています。
クラウンは高級車じゃない?大衆車?世間のイメージを元に解説!クラウンのデザインを他の車と比較
国内専売モデルのクラウンはデザイン的に不利な部分があるというお話をしましたが、他車のデザインと比較するとどうでしょうか。
ここではメルセデスのCクラス、ホンダのレジェンド、日産のフーガと比較していきます。
メルセデス Cクラス
メルセデスのメインストリームであるCクラスはクラウンより若干短いボディです。
現行のクラウンと同様にグリルを強調したロングノーズショートデッキなスタイルにメルセデスらしいキャラクターラインが彫り込まれているスタイリッシュなボディです。
フロントマスクもベンツらしい横格子の大型グリルとヘッドライトに入るキリッとしたアイラインが重厚感と迫力をもたらしています。
インテリアにも非常に高級感があります。全体的な造形も美しくとても完成度が高く、さらにはセンターパネルにはフェイクではない本物の本木目のパネルを大きくあつらっており、非常に満足感があります。
クラウンと比較するとどちらもそれなりに完成度が高く、スタイリッシュなデザインですが、Cクラスの方がデザインでも上品。木目パネルなど使っている素材もしっかりしており、高級車としての風格を考えるとCクラスのほうがウワテです。
なおベンツのデザインについては以下の記事でも詳しく解説しています。詳細が知りたい方はこちらもご参照ください。
【画像】ベンツのかっこいい車種ベスト10!デザインが最高なものを紹介!ホンダ レジェンド
レジェンドはホンダが復活させたフラッグシップセダンで、大排気量エンジンとモーターを伴ったとてもパワフルな走りが好評のモデルです。(エンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。)
VTECエンジンとは?仕組み/構造は?搭載車はバイクにもあり?!デザインを見ていくとクラウンと同じような全長でありながらも100mmも広い全幅をもつなど、スタイルとしてはとてもいいものを持っています。
張り出し感のあるフェンダー周りや力強いプレスラインはとても印象的です。
車内インテリアも木目調のパネルを随所にあしらった包まれ感のあるデザインで、ホンダの車らしからぬ高級感があります。
ただ残念なことに車内空間を優先したスタイルや、フロントマスクやリアビューのデザイン詰めが甘く、あまりかっこいいとは言えない外観です。
クラウンと比べるとトヨタのがいかに高級感を出すのが上手いかが、際立つ結果になります。
日産 フーガ
日産のフーガは、それまでフラッグシップだったセドリックやグロリアの後継モデルとして誕生し、日産の上位ブランドのインフィニティでQ70として海外で販売されています。
FRらしいロングノーズなボディとボンネットやフェンダー周りなどに有機的な曲線でスタイルの良さが演出されており、今にも走り出しそうな迫力のあるボディスタイルを持っています。
そして随所にあしらったシルバーメッキが高級感を演出しています。
インテリアにも高級感のあるソフトパットやセミアニリンレザーのシート、そして大きな本木目をパネルに使用しており本物の質感を体感できます。
日産らしい有機的なスタイルとトヨタの機械的なスタイルは対照的ですし、フーガのほうが車両の規格の古さがインテリアなどに目立つといったポイントがあります。
しかしスタイルの良さや高級感、デザインで見るとフーガのほうが優れていると言えるでしょう。
なおフーガのデザインについては以下の記事でも詳しく解説しています。詳細が知りたい方はこちらもご参照ください。
【画像】フーガはかっこいいのか?デザインについて徹底分析!クラウンのかっこいいカスタム車
大きく若返りを目指すクラウンですが、カスタムするとかっこいいのでしょうか。
ここではインスタグラムからクラウンのカスタム画像をピックアップしご紹介していきます。
大きなワイドフェンダーをつけ、パープルとガンメタのツートンカラーにリペイントされたストリート仕様のクラウンです。
異常に太いタイヤをはかせ、ハの字のキャンバー角をつけむりやり車体に収めています。
一瞬見た瞬間はおとなしく見えますが、実はすごい改造がされているクラウンです。
ローダウンインチアップという王道カスタムのなされたクラウンです。
リップスポイラーやBBSホイール、色分けされたドアミラーなどスポーティに仕上がっています。
クラウンのマークが無くなっているのが気になります。
非常に主張の強いフロントバンパーが特徴的なカスタムのクラウンです。
大きく開いたバンパーグリルやタイヤがペラペラになるまでインチアップされたホイールがとても迫力があります。
クラウンは日本ならではの高級車
クラウンは日本人が日本の道路で乗る最適な高級車として仕上げられています。
ひと目でクラウンと分かるフロントフェイスとわかりやすい迫力、そして運転のしやすさはクラウンにしかない特徴です。
クラウンは日本人の好みとともに進化してきており、日本ならではの高級車と言えるでしょう。
クラウンについては以下の記事でも取り上げているので、こちらもご参照ください。
新型クラウン(ハイブリッド/ターボ)の試乗レビュー!乗り心地の感想・インプレッション!【画像/写真】新型クラウンの内装/インテリア!運転席周りや後部座席から荷室/トランクまで紹介!