「トヨタのランドクルーザーって、乗り心地はどんな感じ? 走行性能とか車内の広さは?」
「ランドクルーザーを買おうか迷ってるんだけど、実際に乗ったひとの意見が聞きたい!」
車を購入するかどうか決めるときに、すでにその車に乗っているひとの意見を参考にしたいですよね。
そこで、トヨタ・ランドクルーザーの試乗をしてきました。
実際に乗ってみた感想から、ランドクルーザーの乗り心地や走行性能について、写真つきでわかりやすく解説します。
ランドクルーザーの外装・エクステリア
まず、外装から見ていきましょう。グレードはAX “Gセレクション”です。
全体的に角ばっていて、ゴツい印象を受けますね。かっこいい系かかわいい系かでいうと、完全にかっこいい系。男性が好みそうなデザインですが、女性が乗りこなしていたらそれはそれでかっこいいでしょう。
給油口は車体の右側についています。
ボディーカラーは9色から選択可能で、写真に写っているのはベージュマイカメタリックです。ゴツい印象のデザインに、よく似合っているカラーだと思います。
リア部分も角ばっていますね。バックドアが大きくて、荷物の出し入れがしやすそう。
バックドアについている、トヨタのエンブレムです。
エンブレムの下には、ランドクルーザーのロゴマーク。
フロントにもトヨタのエンブレムがついています。トヨタ車は車種によってフロントのエンブレムが違ったりしますが、やはり基本のこのマークがいちばんかっこいいですね。
ランドクルーザーの乗り心地
それでは、ランドクルーザーAX “Gセレクション”の車内空間について解説していきます。
運転席は広々としていて快適
まずは運転席にすわってみましょう。
右足から足元のステップを踏んで乗り込むんですが、車高がかなり高く、身長177cmの私でも乗り降りは大変です。背の低い女性だと、乗りにくく感じてしまう可能性が高いですね。
乗ってしまえば車内は広く、頭から天井までのスペースにはこれだけの余裕があって、上下からの圧迫感を感じません。
センターコンソール(運転席と助手席を隔てる部分)の位置が低いので、左側に圧迫感がないですね。右腕からドアまでの距離にも余裕があり、前後左右ともに広々としています。
ヒザやつま先に何かがぶつかるようなこともなく、快適な運転席です。
セカンドシートは大人3人でも充分すわれるほど広い
つづいて、セカンドシートにすわってみましょう。
セカンドシートも運転席とおなじように、右足から足元のステップを踏んで乗り込みます。車高が高いぶん、やはり乗り降りはしにくいですね。
セカンドシートもとても広く、運転席を私にちょうどいい位置にした状態でも、ヒザが前のシートにぶつかりません。
ランドクルーザーには8人乗り仕様と5人乗り仕様があり、定員いっぱい乗る場合はどちらにしてもセカンドシートに3人乗ることになりますが、幅的に大人3人でも充分すわれそうな広さです。
頭から天井までのスペースにもかなりの余裕があり、上下からの圧迫感も感じないですね。
セカンドシートにはこのようにリクライニング機能もついています。
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サードシートは大人が長時間すわるにはキツい
次はサードシートにすわってみましょう。
サードシートに乗るには、このようにセカンドシートをいったん折りたたむ必要があります。
サードシートはセカンドシートに比べるとせまいです。定員いっぱい乗る場合は3人すわることになりますが、余裕を持ってすわるなら大人2人までですね。
ヒザは前の席に当たらないものの、足元はお世辞にも広いとはいえません。大人だと身体を縮ませた体勢ですわることになるので、長時間乗っていたらエコノミー症候群になりそう。
8人で乗るなら、身長の高いひとは運転席・助手席・セカンドシートのどれかにすわるように、席順を工夫する必要があるでしょう。
車体の大きさ
ランドクルーザーの車体の大きさは、以下のようになっています。
- 全長4,950mm
- 全幅1,980mm
- 全高1,870mm(グレードによっては1,880mm)
- 乗車定員8人(5人乗り仕様もあり)
なんといっても車体が巨大。前に長いので、急カーブやS字クランクでこするんじゃないかと怖い怖い。
試乗で怖いと思ったのはハイエース以来でした。これはせまい住宅街で乗れといわれたら、泣いてしまうレベルですね。幅も大きくて、急カーブやS字クランクでは内側と外側両方にこするリスクがあります。
ただ、車高が高くて運転席の位置が高いため、道路を上から見下ろすような視点になっていて前方視界は良好。これによって運転しにくさが多少軽減されています。
乗車定員は8人ですが、サードシートがややせまいため、大人8人ではキツいでしょう。快適に乗るなら大人7人までですね。
運転が大変。ランドクルーザーに乗った感想
それでは、ランドクルーザーZX に試乗した感想を解説していきます。(※先ほど解説したのはAX “Gセレクション”ですが、試乗するのはZXです。)
加速はどのモードにしても遅い
加速は遅いです。ノーマルモード→スポーツモード→スポーツ+モード→コンフォートモードの順番で試しましたが、どのモードにしても加速の遅さには大差ありません。
運転していて、車体がすごく重い感じがしますね。
スポーツモードもしくはスポーツ+モードにしてアクセルを踏むと、「ウオォォォン!!」とすごいエンジン音がして、それなのに全然加速していかないから、なんだか車にすごい無理をさせてるような気持ちになります。スピードを求める車ではないですね。
ステアリングは重くて回すのが大変
ステアリングも重く、カーブでは巨大な車体をぐるっと大きく回す感覚。決して小回りが利くような車ではありません。ハンドルを回すのに片手で気軽に回すのではなく、両腕を使って力を込めて回す必要があります。
車体が重くて大きいからこんなに運転が大変なんでしょうね。ここまで気を使って回す必要があるハンドルもめずらしい。
ZXグレードのハンドルは木目調になっていて、さわり心地だけはものすごく良いです。
もしランドクルーザーを購入するなら、木目調ハンドルが標準装備されているZXグレードかAX “Gセレクション”グレードを強くおすすめします。
内装に高級感がある
ZXグレードに限った話ですが、内装に高級感がありますね。いま解説した木目調ハンドルもそうですし、プレミアムナッパを使った本革シートはすわり心地が良い。
何より乗った瞬間に漂ってくる革の匂いは、車内の高級感に大きく貢献していると思います。
ドアトリムのインナーハンドルが大きいのも、車体の大きさと合っていて良いです。
メーターがアナログなのが嬉しい
ランドクルーザーのメーターは、針でスピードを表示するアナログメーターです。個人的にデジタルメーターはかっこいいと思えないので、ここは嬉しいポイント。
白いメーター照明もきれいで、夜のドライブに映えました。
悪路走行時はかなり揺れる
でこぼこ道を走行したときの振動や突き上げは、意外と大きいです。「SUVだから悪路走行はお手の物で、さぞかし静かなんだろう」と勝手なイメージを持ってたんですが、実際に乗ってみるとそうでもありません。
悪路を走るためにいろんなモードがついているものの、どれも「悪路をしっかり走る」ことができるだけであって、「静かに快適に走る」わけではないような印象。
悪路を好んで走るようなユーザーにとっては、振動や突き上げも醍醐味のひとつなんでしょうか?
個人的には意外というか、期待外れでした。エンジン音は先ほど解説したようにすごい音がするので、静粛性に関してはあまり優秀ではない車ですね。
実燃費は3.2km/l
15分程度の試乗でしたが、実燃費は3.2km/lでした。今回試乗したランドクルーザーの燃費は、メーカー発表で6.7km/lなので、実際は47%程度しか走れていないことになります。
かなり悪い数値ですね。燃費重視で車をえらぶとしたら、ランドクルーザーはえらばないほうがいいでしょう。エアコンをいちばん弱い風量でつけていたので、夏や冬でもっと強い風量でつければ、さらに悪くなります。
ドライブモードはノーマルモード・スポーツモード・スポーツ+モード・コンフォートモードをほぼ均等に使用しました。
一時停止や信号待ちもあり、20km/h~40km/h程度で走行した実燃費です。一般道路に近い条件での数値なので、参考にしてください。
ランドクルーザーの価格は高い
さて、ランドクルーザーは価格に見合った車なんでしょうか? それぞれのグレードの価格は下の表のようになっています。
グレード | 価格 |
ZX | 6,847,200円 |
AX ”Gセレクション” | 5,870,880円 |
AX | 5,151,600円 |
GX | 4,739,040円 |
4つのグレードが用意されていて、すべてガソリンエンジン車。私が試乗したのはZXグレードです。6,847,200円という価格ですが、高いと思います。
車体が大きいことはメリットでもデメリットでもあるでしょう。しかし、走行性能が車体の大きさと重さについていけていません。
試乗コースでも運転していてかなり大変だったので、たとえば交通量の多い街中を走る場合、再発進で出遅れたりしてヒヤッとする場面が多そう。
両腕を使って全力で運転するような感覚で、気軽なドライブとは対照的な車です。燃費も悪いですし、日常的に使う車としてはおすすめできないですね。
大人数で移動したいという目的であれば、ヴェルファイアやヴォクシーのほうが価格・走行性能ともにお得です。
ここまで書いてきましたが、よほど運転に自信がない限りは購入は控えたほうがいいと思います。
これはあくまで私が試乗した感想なので、おなじ感想を持つかどうか、購入前に試乗してみてくださ
いね。