近年のSUV人気により、各車こぞってSUVのバリエーションを増やしていますよね。
市場が激化するなか、2016年にトヨタから登場したのが「C-HR」です。
「近未来」を思わせるゴツゴツしたエクステリアで脚光を浴び、登場したときは街中がC-HRだらけになりました。
そんな感じで今回は、トヨタのコンパクトSUV「C-HR」について、加速性能はどのくらいなのか解説していきたいと思います。
「0-100km/h加速」「ライバル車との比較」…etc、あらゆる面から分析してみたので、ぜひ数字を頭に入れながら読み進めてみてください。
C-HRの加速性能
加速性能について、「0-100km/h加速」「公式諸元」などを見ていただこうかと思います。
0-100km/h加速からわかるC-HRの加速性能
さっそく加速性能を見ていきたいと思います。
冒頭から言っているように、0-100km/h加速のタイムを参考にして、加速性能をイメージしていきましょう。
一気に100km/hまで加速させることなんてまずありませんが、運動性能を知るには参考になる数値ですからね。
オーナーさんの実測によると、C-HRの加速タイムは「11秒」くらいとのことです。
加速タイムについてですが、一般的な乗用車は11~10秒程度といわれており、C-HRの加速はまさに「標準レベル」ということになりますね。
しかし、乗用車としては標準であっても、SUVとしては少し物足りなさはありますね…。なにせ「スポーツ・ユーティリティ・ビークル」ですからね…。
4代目プリウスと共通のエンジン
さて、なんとなく加速性能についてイメージできたところで、具体的な部分を見ていきたいと思います。まずはエンジン性能からいきましょう。
項目 | 諸元 | |
種類 | 直列4気筒DOHCICターボ | 直列4気筒DOHC+モーター |
排気量 | 1,196cc | 1,797cc |
最高出力 | 116PS/ 5,200~5,600rpm | エンジン: 98PS/5,200rpm モーター:72PS システム:122PS |
最大トルク | 18.9kgf・m/ 1,500~4,000rpm | エンジン: 14.5kgf・m/3,600rpm モーター: 16.6 |
※直列4気筒、DOHC、ターボ、エンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。
直列4気筒エンジンの特徴!どんな音?搭載車を日本車/外車の車種からそれぞれ紹介!DOHCエンジンとは?仕組み/構造は?ツインカムとの違いとは?!ターボエンジンとは?仕組み/構造は?メリット2つとデメリット4つ!C-HRには2タイプのラインナップがありますが、どちらもいたって普通な性能ですね。そもそも、このモデルには「加速性能」が追及されていません。
C-HRは「環境性能」「安全性能」を意識して開発されたコンパクトSUVなので、イメージとしては「プリウスのSUV版」のような感覚。
載っているエンジンも、採用されているプラットフォームも、4代目プリウスと同じですからね。
気になる燃費性能はクラストップの「30.2km/h」という数値です。プリウスに比べると劣りますが、これは空力や車重の影響でしょう。
C-HRの燃費は悪い?街乗りや高速の実燃費は?改善し向上させる方法まで解説!つまり、C-HRにとって加速性能は二の次なのです。他のコンパクトSUVよりも遅く感じますが、それもそのはず。そもそも、コンセプトの方向性が全く逆なのですから…。
「TNGA」プラットフォームの採用
プラットフォームについては先ほども触れましたが、C-HRは4代目プリウスと同様、「TNGA-C」プラットフォームを採用しています。(TNGAの詳細は以下の記事をご参照ください。)
トヨタのTNGAとは?読み方は?エンジンの種類から採用車種までわかりやすく解説!つまり、エンジンもボディも、基本パーツのほとんどがプリウスと一緒なのです。0-100km./h加速も似たようなタイムですしね。
ボディ構造については、軽量性が大きく影響します。C-HRは先進装備をバンバン積んでいるため、もちろん車重はたっぷりとしています…。
のちほどライバル車と比較するため、軽量性を示す指標「PWR」「TWR」を計算してみました。
項目 | 1.2L ターボ | 1.8L ハイブリッド |
重量 | 1,400-1,470kg | 1,440kg |
PWR | 12.4-12.7kg/PS | 11.8kg/PS |
TWR | 74.1-77.8kg/kgf・m | 86.7kg/kgf・m |
これは「パワーウェイトレシオ(PWR)」「トルクウェイトレシオ(TWR)」というもので、出力・トルクが負担する重量を示すもの。この数値が低いほど、加速性能の高さを表します。
もしC-HRを買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!C-HRの実際の加速感
数字やメカニズムを解説しただけでは、いまいちピンときませんよね?
というわけで、実際のオーナーさんの投稿をご覧いただきたいと思います。TwitterやYouTubeからいくつかピックアップしてみたので、紹介しましょう。
Twitterで加速感をチェック
C-HR Gはかかるんだけど加速しない
— こなこな (@konakonanjolno) 2018年7月9日
このツイートにあるように、C-HRの加速感でよく聞くのは「加速しない」という意見。踏み込みに対して加速がついてこない感覚があるのです。
軽自動車のように「踏んでも、ただ唸るだけ」ということはありませんが、せっかちな人はストレスが溜まりますよね。
C-HRは走りを意識した車ではないので仕方ないですが、こういった不満の声は多いです…。
C-HRについて
・「C-HR」なのに「C-HR」と呼ばれる
・「Sグレード」を「Sクラス」と言い会社まで変わってしまう
・VEZELの最もライバル
・リアはcivic似
・中間加速までは良いが100kmまでは力が足りない
・最近売れていないみたいだが街中では良く見る pic.twitter.com/jOOAgXXBwg
— C君 C-HR Style (@toyota__chr) 2018年2月28日
こちらの男性も、加速性能について物足りなさを感じているようです。
「中間加速までは良いが」とおっしゃるように、C-HRは出足は悪くありません。ハイブリッドモデルなので、発進直後は得意なんです。
しかし、そのパワーが通用するのは60km/h程度までなので、0-100km/h加速ではタイムがでません…。一定のラインを超えるとスピードが伸び悩むという感じですね。
とはいえ、出足の速さはピカイチなので、市街地では使いやすいと思います。高速道路の巡航などは苦手分野ですが、街乗りでの実用性は高いですよ。
週末レンタカーした
TOYOTA C-HR足回りは
1.8Lエンジン・バッテリー駆動のハイブリッドなので
車体が重いが安定感抜群。
加速性能はCVTなので厳しいが
静粛性・視野はCX-3より上。
何よりデザインが良い。
厨二病ぽくて( ^ω^ ) pic.twitter.com/0I9Mv7fXI1— ポン!N2口:感染中 (@nono0926) 2018年2月5日
加速性能に関しては今一つではありますが、「安定性」や「静粛性」など快適性能は高いです。この点も市街地での使用にはプラスポイントですね。
アクセルに対する応答はレスポンスは悪いですが、これを除けばストレスはありません。飛ばさない人にとっては、実用的でいい車です。
なおC-HRの口コミ・評判については以下の記事でさらに詳しくまとめているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
C-HRの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!You Tubeで加速感をチェック
こちらはメーター付近を撮影した動画です。2017年のハイブリッドモデルの加速ですね。
0-100km/hの加速を計測してみた結果、「9.9秒」ということです。一般的な乗用車としては十分な加速性能ではあります。
メーターだけでは味気ないので、試乗インプレッション動画をご覧ください。サーキット内の走行ですが、イメージが沸くと思います。
さて、見ていただくとわかりますが、「アクティブなSUV」というよりも「SUV風なファミリーカー」といった感じですよね?
こういったスタイリングなので、加速性能よりも、安定性や視認性に力が入っているんです。
なお以下の記事でも試乗インプレッションを書いておりますので、興味のある方はこちらもご参照ください。
C-HR(ターボ/ハイブリッド)の試乗レビュー!乗り心地の感想・インプレッション!C-HRの加速性能を他の車と比較
いろいろと語ってきましたが、ライバル車と比較したらどの程度なんでしょうか?
今回、コンパクトSUVとして比較したのは、マツダ「CX-3」、ホンダ「ヴェゼル」、日産「ジューク」の3モデルです。
マツダ CX-3
「CX-5」のダウンサイジングモデルとして販売されているのが「CX-3」ですね。
サイズとしてはC-HRより小ぶりですが、排気量や価格を考えるとこのラインが競合でしょう。
加速性能についてはどうでしょうか?まずは、CX-3の諸元をご覧ください。
項目 | 諸元 |
種類 | 水冷直列4気筒DOHC16バルブ ディーゼルターボ |
排気量 | 1,756cc |
最高出力 | 116PS/4,000rpm |
最大トルク | 27.5kg・m/1,600-2,600rpm |
車両重量 | 1,300-1,340kg |
PWR | 11.2-11.6kg/PS |
TWR | 47.3-48.7kg/kgf・m |
0-100km/h | 10秒 |
※ディーゼルターボの詳細は以下の記事をご参照ください。
ディーゼルターボとは?速いのがメリットで寿命がデメリット?搭載車種も紹介ディーゼルターボということで、低速域からトルクを発揮できることが特徴です。「27kgf・m」とC-HRのそれを大きく上回ります。
しかし、0-100km/h加速で見るとタイムは同じくらい。これはトルクバンドに要因があるんです。
CX-3は低速域に強いですが、ある程度エンジンが回るとトルクが枯れてしまいます。ゆえに、中間加速でC-HRが追い上げてくるということ。加速性能としては互角といったところでしょうか。
CX-3については以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもご参照ください。
マツダCX-3の加速性能を解説!0-100km/h加速タイムはどのくらい?CX-3の口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!ホンダ ヴェゼル
C-HRの最大のライバルといえば、ホンダ「ヴェゼル」の名が挙がるかと思います。
コンパクトSUVの牽引役として人気の高いモデルですから、ヴェゼルと比較すればどんな感じかわかるでしょう。
諸元はこちらを参考にしてください。
項目 | 諸元 |
種類 | 水冷直列4気筒DOHC16バルブ+モーター |
排気量 | 1,496cc |
最高出力 | エンジン:132PS/6,600rpm システム:152PS |
最大トルク | エンジン:15.9kg・m/4,600rpm モーター:16.3kg・m |
車両重量 | 1,270-1,390kg |
PWR | 8.36-9.14kg/PS |
TWR | 77.9-85.3kg/kgf・m |
0-100km/h | 9秒 |
同じハイブリッドモデルですが、出力はヴェゼルのほうが上ですね。そして車重も軽いため、PWR・TWRはC-HRよりも優れた数値です。
そのため、0-100km/h加速は1秒も速いタイムを計測しています。この差なら、発進加速はヴェゼルが上手だと判断することができるでしょう。
さらに、エンジン出力の高さとその回転領域から、中間加速もヴェゼルに分があることが読み取れます。したがって、加速性能に関してはC-HRよりも完全に上位の存在です。
ヴェゼルについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもご参照ください。
ヴェゼルの加速性能を解説!0-100km/h加速タイムはどのくらい?ヴェゼルの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!日産 ジューク
最後に比較するのは、日産のコンパクトSUV「ジューク」です。NISMOモデルも展開するなど、スポーティなキャラクターも売り出しています。
今回は「1.6L ターボモデル」と比較してみましょう。こちらが諸元です。
項目 | 諸元 |
種類 | 直列4気筒DOHCターボ |
排気量 | 1,618cc |
最高出力 | 190PS/5,600rpm |
最大トルク | 24.5kgf・m/1,600-5,200rpm |
車両重量 | 1,390kg |
PWR | 7.32kg/PS |
TWR | 56.7kg/kgf・m |
0-100km/h | 8.6秒 |
排気量は若干小さいですが、ターボモデルゆえに出力・トルクともにジュークのほうが強力です。
加えて車重も軽いため、PWR・TWRにおいてもC-HRを上回ります。
0-100km/h加速のタイムは8.6秒と、ヴェゼルをも超える数値。ターボによって中~高回転域でも出力を発揮できるので、全領域において加速性能は上手といえますね。
ジュークについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもご参照ください。
【画像】ジュークはかっこいいのか?デザインについて徹底分析!C-HRはファミリー向けのコンパクトSUV
C-HRの加速性能についての解説は以上です。
まとめると、C-HRは「加速性能」よりも、ファミリー向けに「安定性」や「乗り心地」を追求したモデルだということ。
それゆえに、ライバル車と比較すると加速感は見劣りしますが、出足の速さは問題ありません。
安定感がある分、市街地での使用には適しているといえますね。
C-HRについては以下の記事でも取り上げているので、もっと詳しく知りたい方はこちらもご参照ください。
【画像/写真】C-HRの内装/インテリア!運転席周りや後部座席から荷室/トランクまで紹介!C-HRの辛口レビュー/評価!欠点/短所と魅力/長所をすべて暴露!