トヨタの世界戦略として展開されているのが、みなさんご存知「レクサスブランド」です。

ジャパンプレミアムとして、今や世界的に認められているブランドなので、憧れている方も多いことでしょう!

そんな憧れからか、一部ではトヨタ車にレクサスのエンブレムを付けるのが流行していますね。

これは、相応の知識がないと「本物なのか?偽物なのか?」を見抜くことができません。

とくにアリストはエンブレムを付け替えられることが多い車種といわれています。

目撃情報も頻繁に寄せられているくらいなんですよ!

今回は「レクサスエンブレムのアリスト」に焦点をあてて、解説していきたいと思います。

気になっていた方は、ぜひ読んでくださいね!

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レクサスのエンブレムのアリストは偽物?

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たまに見かけるレクサス仕様のアリストですが、レクサスから正規販売されているモデルなのでしょうか? 順を追って解説してきましょう。

ほとんどは偽物!

ご想像のとおり、そのほとんどが偽物!アリストにレクサスのエンブレムを付け替えただけの、いわゆる「エンブレムチューン」です。

米国レクサスに、アリストと瓜二つの「レクサスGS」がでていましたが、それはアメリカでのみ扱われていたモデルです。

レクサスが日本で展開される以前のモデルなので、日本で乗っている人はそう多くないでしょう。

アリストとレクサスGSはベースが同じ

このレクサスGSはアリストが原型となっています。つまり、アリストをベースにして「米国レクサスから仕様変更して販売した車」なのです。

日本でもレクサスが始まるまで、GSは2代にわたり販売されましたが、どちらもアリストに酷似した外見をしています。

そのため、エンブレムとネームプレートを変えたら、ほとんど見分けがつかないんですね。知らない人が見たら、本物のレクサスと勘違いしてしまうことでしょう。

逆輸入のGSは本物

こちらが米国レクサスの2代目GSです。これが本物で、わざわざ逆輸入して乗っている人もいますね。

これは反対に、知識がない人が見たら「アリストにレクサスエンブレムを貼ってる」と思われることもあります。

アリストとレクサスGSの違い

レクサスGSはアリストの米国仕様車ということで、まったく同じモデルではありません。

基本的な構造やデザインは共通するものの、細かい点に目を向けていくと、けっこう違う点が多いのです。

アリストとレクサスGSの違い、そして「見分け方」について解説してきましょう!

アリストのコンセプト

「そもそも、アリストとはどういった車なのか?」

ここを抑えておくと、内容が頭に入りやすくなります。

90年代を代表するトヨタの高級セダン

初代アリストはトヨタの高級セダンの基幹モデルとして、1991年に登場しました。

同時期に登場したクラウンの上位モデル「クラウン マジェスタ」とは姉妹車の関係にあり、共通した基本構造が採用されています。

1997年になるとクラウンマジェスタと決別し、新型プラットフォームが使われる2代目モデルが登場。アリストのネームとしては、この2代目が最終型のモデルです。

現在でも走っているのは2代目がほとんどで、アリストといったらこのモデルを連想する人が多いじゃないでしょうか?

2005年になると、レクサスが日本でもブランドを展開し始め、これを機にアリストは、レクサスGSに吸収されるような形となります。事実上、GSがアリストの後継車となりました。

驚異のエンジンスペック

アリストという車を語るうえで欠かせないのが、「2JZ-GTE型」エンジンの存在。驚異的なエンジンスペックを誇り、アリストで検索すると「アリスト 速い」「アリスト 加速」と候補に挙がるほどです。

「2JZ-GTE型」といえば、トヨタの誇る名車「スープラ」が積んでいたエンジンですね!トヨタの傑作エンジンとも称され、ツインターボから生まれる強大なパワーが最大の魅力!

ボディは高級感あるセダンですが、心臓に化け物を宿していたため、圧倒的な加速力を披露しました。その凄まじさは「直線番長」という異名が名づけられるほどです。

しかし、当時はこのように遊び心ある車作りもできましたが、今の時代には合っていないこともあり、アリストの名は消滅。ついに3代目を拝むことはできませんでした…。

ヤンチャなキャラクターゆえの逸話?

アリストは、そのヤンチャなキャラクターから、次々と男心を鷲掴みにしていき、あっという間に人気車種になりました。

ただ困ったことに、ヤンチャさがウリだったためか速度違反や、無謀運転による事故が相次いでしまうのです。

そのため、警察や保険会社に目をつけられやすい車種となり、悪いイメージのある車に…。任意保険の料率設定もスポーツカー並みだったといいます。

さらに、「イモビライザー」というセキュリティ機能が装備されていなかったことも問題になりました。ようするに盗難しやすい車種だったのです。

人気があって、盗難しやすいのですから、それはもう続々と盗難事件が起きました。警視庁の統計によると、2004年の車両盗難被害車1位がアリストだったようです…。

レクサスGSのコンセプト

一方、レクサスGSとはどういった車なのでしょうか?

米国レクサスで販売されていたGSについても触れながら、簡単に解説していきましょう。

米国版アリスト

トヨタの世界戦略として展開されていた高級ブランド「レクサス」の、上級セダンモデルとして1993年に登場しました。

当時、まだ日本ではレクサスが展開されていなかったため、「米国レクサス」という方がわかりやすいかもしれませんね。

日本で先に販売されていたアリストを、米国仕様に改良したモデルです。そのため、シャシーやボディパーツなど、基本的な構造はほとんど同じです。

レクサスが日本に登場して間もなく、アメリカでは4代目GS、日本では初代GS(アリストの後継)として販売され始めました。以降は国内外問わず、レクサスGSで統一されています。

グランドツーリングがコンセプト

レクサスGSのコンセプトは「楽しく走れるラグジュアリなセダン」というものです。走行性能を考えつつ、乗り心地や環境性能にも配慮して、「上質さ」が追求されています。

特徴的なのはNA(自然吸気)エンジンのみの設定で、ラインナップは3~4Lの大排気量という点です。

この2車種の違い

同モデルとして認知されている2車種ですが、実は異なる点がけっこうあります。

見た目にはわかりにくいですが、アリストとレクサスGSの相違点について解説しましょう。

コンセプトがまるで違う

アリストとレクサスGSのコンセプトについては、上の項目で見てもらった通りです。ピンときた人もいると思いますが、コンセプトがまるで違いますよね?

アリストはスープラのエンジンを積んだ「スポーティセダン」、レクサスGSは名前の由来にもなっている「グランドツーリングセダン」と、対極的なほど。

決定的なのが、載せているエンジンです。なんと、まったくの別物が設定されているんですよ!これでは「同じ車」とはいえませんね。

「まったく別の車!」

「レクサスGS(日本仕様)は、アリストの後継なんかじゃない!」

と、このような意見をする人もいるくらいです。

加速性能

それぞれのエンジンについてですが、2代目モデルを対象にして比較してみましょう。エンジンスペックの詳細は、こちらをご覧ください。

2代目 トヨタ アリスト 2代目 レクサスGS
エンジン 2JZ-GTE型
(直6 ツインターボ)
2JZ-GE型(直6 NA)
3UZ-FE型(V8 NA)
1UZ-FE型(V8 NA)
2JZ-GE型(直6 NA)
排気量 2,997cc 4,292cc
3,968cc
2,997cc
最高出力 280ps/5,600rpm
230ps/6,000rpm
280ps/5,600rpm
260ps/5,400rpm
230ps/6,000rpm
最大トルク 46.0kg・m/3,600rpm
31.0kg・m/4,000rpm
43.8kg・m/3,400rpm
36.0kg・m/4,600rpm
31.0kg・m/4,000rpm
燃費 8.8~9.4km/L 9.8~11.6km/L

アリストは「直6 3Lターボ」と「直6 3L NA」の2種類、レクサスGSは「V8 4.3L NA」「V8 4.0L NA」「直6 3.0L NA」の3種類がラインナップとなっています。

ベースモデルは「2JZ-GE型」ということで共通ですが、上位モデルはまったく違いますね。アリストはツインターボですが、GSは自然吸気です。コンセプトによる車の味付けの違いなのでしょう。

アリストの方が性能で勝ってますが、数字で見ると、さほど大きな差には感じられません。ところが、いざ加速させてみると、直6ツインターボの暴力的な加速を体感するはずです。

加速力については、実際にメーカーから発表されている数値があります。こちらの「0-100km/h加速」のメーカー公称値をご覧ください。

  • レクサスGS 430:6.3秒
  • レクサスGS 350:6.2秒
  • アリスト V300:5.9秒

ベース車両は同じですが、ここまで加速力が違います。わかりやすく言うなら、「インプレッサ」と「インプレッサ WRX STI」くらい違いますよ。

静止状態からの発進加速だけでなく、そこからの中間加速、高速域でのスピード、走行性能の全てにおいてアリストが上です。

細かい違い

海外仕様車ですから、細かい規格も異なります。代表的なところでいえば、ハンドルの位置ですね。レクサスGSは左ハンドルが標準です。

他にも細かい点を挙げると、レクサスGSはこんなポイントが仕様変更されています。

  • メーターがマイル表示
  • インテリアパネルの温度計が華氏表示
  • ラベルが英語表記
  • ドアやインテリアパネル周りのボタンが多い
  • ウィンカーの位置が微妙に違う
  • バックミラーの仕様が違う

マイルや英語といった表示なのは当然として、快適に巡航することを考えられているレクサスGSは、インテリアやシート、ハンドル周りに、操作ボタンが多く配されています。

見分け方

外見的な部分は、ウィンカーくらいしか違いがありません。そのため、本物のレクサスGSをパッと見抜くには、ハンドルの位置を確かめるのが一番です。

レクサスエンブレムのアリストを見かけた際、左ハンドルだったなら、その車は本物のレクサスGSです。逆輸入で入手した、米国レクサス時代のGSで間違いありませんよ。

ほとんどがアリストのエンブレムチューンなので、疑いから入りますが、たまに本物のレクサスGSも走っています。今となってはレアなモデルなので、貴重な体験ですよ!

以上、レクサスエンブレムのアリストについてでした!

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この記事を書いた人

庄司憲正
庄司憲正
工学部機械系学科出身、専攻は内燃機関。大学時代のサークルは自動車部、アルバイトはガソリンスタンド。卒業後は石油タンカーで機関士として働いていた経験があり、エンジンまみれの生活を送る。インプレッサWRX(GDB-C)→フェアレディZ(Z33前期)と乗り、現在はレガシィB4(BE5-D)が愛車。