トヨタ アルファードは高級ミニバンの代名詞ともいえる1台で、大きな車ながら幅広い年齢層に受け入れられている大人気車でもあります。
車としてはかなり大型の部類に入りますが、アルファードの運転は大変なのでしょうか?
今回はアルファードの運転性についてご説明しましょう。
なおヴェルファイアはアルファードとほとんどデザインだけしか違いがないので、この記事はヴェルファイについても当てはまります。
ヴェルファイアの運転について知りたい方も参考にしてみてください。
アルファード/ヴェルファイアは運転は慣れれば簡単
アルファード/ヴェルファイアは車の全長が4.9m、全高1.9mほどのサイズの車で、日本車としては最大級の大きさをもっています。
全長でいえばトヨタ クラウンや日産 フーガなどの大型セダンに匹敵し、全高でいえばトヨタ ランドクルーザーやランドローバーなどのクロカンSUVと同じぐらいです。
ミニバンなので箱形の大柄な車体をしており、ミニバンに慣れていない人だとちょっと運転が難しいと思うかもしれませんが、少し慣れてしまえば気にならなくなります。
佐藤茂道(著者)
私もアルファードに乗っていますが、最初はこんな大きな車・・・と思っていましたが今はなんの不安もなく乗れていますよ。
アルファードにはいくつも運転のしやすい点があり、それを知っておけば大型ミニバンといえども不安は少なくなるので、一つずつ解説していきましょう。
見切りの良い前方視界
大きな車を運転するときに一番不安になるのが前方視界ですが、アルファード/ヴェルファイアは大型の車にしてはかなり見切りがよく運転しやすいのです。
クラウンやフーガなどのセダンタイプの車は前方にボンネットが飛び出ていて見切りが悪いのですが、アルファードはほとんどボンネットが飛び出ておらず運転席から車の前端までそんなに遠くありません。

また着座位置も高いので非常に前方視界が開けていて、ボンネットの前端がどのあたりなのかを把握しやすいのです。
アルファード/ヴェルファイアが大きな車なのは間違いありませんが、ある意味中型セダンなどよりも運転しやすい面もあるのです。
ちなみにアルファード/ヴェルファイアの大きいのでかなりの実用性があり、キャンプやバイクのトランポとしても役に立つくらいです。詳細は以下の記事で解説しています。


車幅をつかみやすいスクエアボディ
アルファード/ヴェルファイアの運転のしやすさはそのボディ形状にもあり、ほぼ長方形のスクエアボディなので前から後ろまでの車幅がかわりません。
そのため細い道などでも一度車の前側が通ってしまえばあとは真っ直ぐ進めるので、非常に安心して走行できるのです。
これがSUVやセダンなどだと、後輪のタイヤハウスなどがデザイン上出っ張っていたりして案外狭い道だとぶつけないか不安になってきます。
その点アルファードならバンパーがぶつからず通ってしまえばそのあとはなにも考えなくてもぶつかる心配がありません。
そしてバンパーと障害物の衝突も、後述するクリアランスソナーがあればなんの不安もなく、実際運転していても小型のセダンよりかなりすれちがいが楽です。
三角窓のあるAピラー
アルファード/ヴェルファイアのAピラーには大型の三角窓が設置されているので、前側左右、とくに左前の視界がしっかり確保されているのも良いポイントです。
ミニバンのような背の高い車は屋根を支える梁(ピラー)が立ち上がるデザインになります。(デザインの詳細は以下の記事をご参照ください。)

一番前のAピラーは結構左右の視界を塞いでしまい、左折時などは大きな死角が生まれる部分です。
セダンのような背の低い車種なら死角も減りますが、背の高い車は死角も増え、自転車やバイクがすっぽり隠れて大きな危険をはらみます。
アルファードは初代から最新の3代目に至るまで大型の三角窓を採用しており、これがあるとないとでは安心感がかなり違うのです。
たまにコンパクトカーなど別の車に乗ってみると、ここの視界が狭くてギョッとすることがほとんどです。
一見するとなんでもないポイントですが、こういう工夫で気づかないうちに運転が楽になっているのです。
実際に試乗してきた記事もございますので、こちらもあわせて参考にしてみてください。

安心感の増すクリアランスソナーとバックガイドモニター
アルファード/ヴェルファイアのような車は、前後の角やバック時に後ろとぶつけないかが気になるものですが、そこはセンサーとカメラをつけることで大幅に不安が解消します。
クリアランスソナーが装備可能
前後のバンパーの角にはクリアランスソナーと呼ばれる接近警報装置が装備でき、障害物が一定の距離に近づくと音で接近を知らせてくれます。
この装備は車庫入れの時だけ機能するわけではないので、幅寄せや狭い道でのすれ違いにも威力を発揮します。
バックガイドモニターが役に立つ
またバックの際に後方視界の確保に役立つのがバックガイドモニターです。
バック時に車の後ろに設置されたカメラの映像をナビに映すことで、ミニバンで大きな死角である後方視界がかなり確保でき、障害物や不意の飛び出しを即座に見つけることができます。
また同時にナビには駐車の目安となるガイドが表示され、ハンドルの舵角にあわせてガイドも動くので曲がりながらのバックでも車がどこに動いていくのかが一目瞭然です。
なおメーカーオプションではデジタルインナーミラーという、ルームミラーが液晶になるオプションがあります。
このオプションは後部座席に人が乗っていたり、大きな荷物を積んでいても、後ろの交通状況が確認できて安全です。
こちらの詳細は以下の記事で解説しているので、あわせてご参照ください。

防備に頼り過ぎには注意
この2つの装備があるとないとでは安心感がかなり違い、バックガイドモニターは夜間でもよく見えるので駅など混雑したところでも危険を即座に見つけられます。
佐藤茂道(著者)
私自身この装備をかなりアテにしているので、ひとたび違う車に乗るとバックの際になにげにナビの画面を見てしまい、なにも映らないナビを前にしてようやく気づいたりしています。
非常に便利な機能ですが、すべての死角をカバーできているわけではないので目視での確認も必ず行うようにしましょう。
クリアランスソナーでは角の障害物には反応しても細い電柱が前にあったりしたら反応しません。
またカメラもかなりの広角を見れるとはいえ、画面端は見えづらく、ちょっと目を離すと不意の飛び出しがあったりします。
センサーやカメラの死角をあらかじめ把握しておけば非常に頼りになる装備なので、アルファード/ヴェルファイアを購入する際には必ず装着することをおすすめします。
立体駐車場もほとんど気にならない
アルファード/ヴェルファイアは車高が高めで大きく見えますが、しっかり2m以下に納めてあるので大型の立体駐車場なら不安なく乗り入れできます。
ショッピングセンターやホームセンターなどの立体駐車場は大体2m以下ならOKとなっているところが多く、アルファードでぶつかりそうに見えても結構大丈夫なところが多いです。
高さ制限の厳しい機械式立体駐車場だとそもそもミニバンではアウトですが、それ以外はほとんどの場所で不安なことはありません。
大きな車なのは確かですが、案外使い勝手は普通の車と変わらないんですよ。
高速道路が楽になるクルーズコントロール
アルファード/ヴェルファイアには高速道路の長距離運転を楽にしてくれる装備として、クルーズコントロールがあります。
クルーズコントロールの効果
クルーズコントロールは50km/h以上で走行時に前方車との車間距離を一定に保ちつつ、速度を自動コントロールするシステムで、これを使用している時にはアクセルペダルを踏む必要がありません。
たかだかアクセルペダル一つと思われるかもしれませんが、使ってみると以外と負担が減って運転が楽になるのを感じられます。
クルーズコントロールでは走行する速度も選べるので、速度の速い車線、遅い車線どちらでも対応できますし、自分の不安のない速度で走行できます。
またクルーズコントロール実行中にブレーキペダルを踏めば即座に解除され急ブレーキも可能なので、とっさの際の危険回避もできるのです。
さらに最新のシステムでは車線追従機能や横滑り防止機能などで走行ラインもある程度制御してくれるので、長距離の運転でも負担が減って楽なドライブが可能となります。
クルーズコントロールの注意点
ただ注意点としては、クルーズコントロールで前方車と距離を開けているといっても不意の減速やカーブなどでの急な状況変化には対応できない部分もあり、ブレーキペダルには常に足を置いておくのが安全です。
また緩やかなカーブでもつい前の車を追っかけてくれるものだと思いがちですが、ある程度のハンドル操作は必要なので忘れず操作しましょう。
普段アクセルなど何気に使っているものでも案外気を使っているもので、クルーズコントロールを使ってはじめてそのことが実感できます。
必須な装備ではありませんが、付ければ新鮮な体験ができるのは請け負いですよ。
以外と使えるインテリジェントAFS
アルファード/ヴェルファイアなど近年のトヨタ車にはインテリジェントAFSと呼ばれるヘッドライト偏向装置がついており、夜間の山道などで視界の確保にかなり役に立ちます。
インテリジェントAFSはヘッドライトの中に左右に可動するライトが組み込まれており、車の向きに応じて自動的にライトの角度を変えてくれます。
例えば右曲がりのカーブを走行するとライトのロービームが自動的に右を向き、進行方向の先をいち早く照らしてくれます。
なんか地味な装備のようにも聞こえますが実際に使ってみると結構安心感が違うもので、真っ直ぐしか照らせない車と比較すると見える範囲が大幅に上がっているのがわかります。
またハンドルの舵角に応じて角度が変わるので、自分の視線とも同じ動きをして見たい先をいち早く照らしてくれるので無意識に使っていても運転が楽だなと感じます。
佐藤茂道(著者)
この装備はすべてのグレードにあるわけではありませんが、多少価格が上がってもつける価値のあるものです。
とくにこの間霧の立ち込める山道を走っていて改めて実感しました。
なおインテリジェントAFSは初代、2代目のアルファードには装備されていますが、3代目アルファードはLEDヘッドライトとなったため設定がありません。
しかし同様な働きをするLEDコーナリングランプというものが装備されており、ヘッドライトとは別のLEDライトで進行方向を照らしてくれるようになっています。
もしアルファードの購入を考えているなら、値引き交渉の正しいやり方を覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。
アルファード/ヴェルファイアのユーザーの口コミ・評判
アルファード/ヴェルファイアの運転性についてTwitterにいろいろな投稿があがっていますので、その中からいくつかご紹介しましょう。
運転しないとアルファードの良さはわかりません
今日はアルファード借りて倉庫間を行ったり来たりした
ミニバン運転するのは十年ぶりぐらいかな?
運転が楽すぎて感動した。
フェアレディZがいかに運転しづらいか再確認する。— Haripon (@laputamadmax) 2017年8月29日
アルファードって見た目は大きくて大変に見えますが、実際運転してみると案外楽なんですよね。
セダンやクーペなど背の低い車から乗り換えると特にです。
ミニバンが大人気なのは荷物が多く積めるだけではなく、こういう点もありそうですね。
一度乗ったら次もミニバンがほしくなってしまうのでしょう。
AFSは使うとヤミツキ
アルファードにAFSついてて、非常に山道走る際便利なので、次の車には欲しいのですよ
— トシコ氏 (@ToshikoP) 2014年1月26日
インテリジェントAFSは便利さを実感すると手放せないシステムですね。
この方も山道で便利さを実感されたようで、悪い状況であればあるほどこういったシステムの有り無しが運転性を決めるのです。
アルファードのAFSはその動きが実際に目で見えるのも面白くて、車が道を案内してくれるような気にもなっちゃいます。
最新型アルファードのLEDコーナリングランプは可動するわけではありませんが、同じぐらい便利な機能です。
車自身が運転しているような感覚
アルファードで来た。とても快適だった…。クルーズコントロールとか初めて使った。なんか車を運転していると言うより車を走らせているって感じ。車が勝手に走っててそれに条件を与えてやる感覚。ちょっと犬っぽい。 pic.twitter.com/BChQyVgetp
— ひじから (@hijikara) 2017年7月14日
この方のクルーズコントロールの感想は非常に的を得ていて、車自身が運転しているのをドライバーが監視している感じがしてきます。
クルーズコントロールは本当に便利で自動運転車の先駆けのようでもあるのですが、あくまでドライバーが主体のシステムですので気を抜きすぎてはいけません。
この方は犬のようだと言われていましたが、どちらかと言うと馬に近いかもしれませんね。手綱はドライバーがしっかり握っておくのです。
さすがアルファードは高級車でもあるためか、一見運転しにくそうなミニバンでも高評価が多いですね。
アルファードの口コミ・評判については以下の記事でもまとめているので、もっと詳しく知りたい方はこちらもご参照ください。

アルファードの運転のコツ
アルファード/ヴェルファイアは少し慣れてしまえば運転はそんなに難しくありませんが、いくつかポイントを押さえることでより楽に乗ることができます。
サイドミラーで車幅を測る
前述しましたがアルファード/ヴェルファイアにはサイドミラーより出っ張っているところは上にも下にもありませんので、狭いところを運転するときの目安はサイドミラーです。
ミラーさえ避けられそうならなんの不安もなく運転できますし、ギリギリミラーが当たりそうなら畳んでしまえばOKです。
また何度かミラーで車幅の感覚をつかんでしまえば、狭い道など怖いことはありません。
アルファードのミラーは大きくて目印としてはぴったりですし、最悪ぶつけてしまってもミラーなので被害は少ないです。
車庫入れにはクリアランスソナーを信じる
車庫入れの時のコツとしては、バンパーの角にあるクリアランスソナーを信用して幅寄せしていけば、失敗が少なくなります。
クリアランスソナーは障害物が近づく度に音が変わり、またインジケーターに色で接近具合が表示されます。
障害物が近づくとけたたましい音をたてますが、実際に見てみるとまだ余裕があったりするので結構ギリギリまで攻めることができるのです。
最初はソナーの音の段階と実際の幅を見ながらなれるのが大事ですが、車がすごい警告していてもこんなものかと感じると思います。
一度慣れてしまえばクリアランスソナーはとっても便利な装備なので、最大限活用して不安を取り除きましょう。
大きな段差はスピード緩めてゆっくりと
アルファード/ヴェルファイアは平地ではとても乗り心地の良い車なのですが、大きな段差があると突き上げが結構きついので、その場合はスピードを緩めると効果的です。
平地で乗り心地の柔らかい車はどうしても突き上げに弱く、アルファードは重量が重いこともあって急な変化が苦手です。
巡航スピードでそのまま大きな段差にかかると、一気にお腹を押し上げられるような衝撃が来てかなりビックリします。
段差の前にしっかりスピードを落としておけば段差で衝撃的に突き上げられることはないので、田舎道や山道などでは道路状況をよく見て適切に運転しましょう。
これからアルファード/ヴェルファイアを買おうと思っている方は、以下の記事もぜひ一緒にご覧ください。購入の参考になりますよ。

