北欧生まれの「ボルボ」は、安全性が抜群に高いめーけーとして非常に有名ですよね?
クリーンな印象も相まって、乗っているだオーナーさんがいい人に見えてしまう、そんなブランドです。
そしてボルボといえばもうひとつ、雪道性能についても信頼度が高いんですよね。
そこで今回はボルボの雪道性能について、メーカーとして「どれくらい優れているのか?」を徹底的に解説していきたいと思います。
Twitterの投稿や、車種ごとの性能、そして他メーカーとの比較なども調べ上げたので、ぜひ最後までご覧になってください。
ボルボの雪道走行性能
まずは、ボルボに対する世間のイメージを見ていきましょう。いくつか気になる投稿を見つけたので、参考までにご覧ください。
モリモト本店(千歳)駐車場にて。北海道はボルボが多い。 pic.twitter.com/3fFAddBs1T
— Toshioki Soga (@toshioki) 2018年11月9日
まずは雪の本場、北海道からのツイートです。千歳市というと、北海道では比較的大きな都市ですね。札幌にも近いことから車の通りも多く、アイスバーンが形成されやすいことが特徴。
そんな中、どうやらボルボに乗っているオーナーさんが比較的多いとのこと。これは、ボルボの雪に対する強さを物語っていますね。本州では、さほど見かけないボルボですが、実際に北海道ではけっこう多いんですよ。
ボルボで雪道走ってる時のあの安心感なんなんですかね 🤔 うちのもマットアンドスノーのタイヤで真冬の戸隠を余裕で走ってました 笑
— ちょこちき (@daikiyan911) 2018年10月20日
こちらはオーナーさんの投稿でしょうか。ボルボで雪道を走っていると、安心感を感じられるとのこと。戸隠村というと、長野北部の降雪地帯ですが、余裕で走れるだけの性能をもっているんですね。
車にとってもっとも重要なのは、走っていて「安心感を感じられるか?」ということ。
緊張感を持つことは大事ですが、同時に心に余裕がないと、それだけで事故の確率は高まります。リラックスして運転できるのですから、その点ボルボは素晴らしい車といえるでしょう。
ボルボなら大丈夫なんてことは絶対にない。スタッドレスなら雪道大丈夫みたいな過信と同じと思ってる。とにかく安全運転が大事。
— S (@nexpin_) 2018年10月28日
ただしこちらの投稿者さんのように、油断は禁物ですよ。通常の運転も油断大敵ですが、雪道ではなおのこと丁寧な運転を心がることが大切。
Twitterを見ると「過信はするな」といった内容の投稿が多く見受けられます。まさにそのとおりで、実際冬の峠道では、本格オフロード車が路肩に突っ込んでいる現場も珍しくないのです。
しかしながら、このようなツイートが多く出回るというのは、裏を返せば「雪道に強い車」として広く認知されているからこそ。ボルボの雪道性能が、世間に認められていることに他なりません。
ボルボの雪道走行性能の理由
それでは、具体的な解説に入りたいと思います。雪道といえば、やっぱり4WDが強いのですが、ボルボは非常に優れた機構を採用しているんですよね。
加えてボディの設計も一流です。というわけで、駆動方式とボディ設計の2つの観点から、雪道に強い理由について見ていきましょう。
ハルデックス社仕込みのAWD
ボルボのSUVシリーズの代表モデルである「XC40」や「XC90」には、アメリカ「ボルグワーナー社」のAWDシステムが採用されています。ランドローバーの「レンジローバー ヴェラール」やBMW「2シリーズ」にも搭載されていることで有名ですね。
このAWDシステムは、元々同じスウェーデンの「ハルデックス社」とボルボが共同開発していたものですが、ボルグワーグナー社によって買収されました。したがって、従来のように「ハルデックス・カップリング式」と呼ばれたりもします。
仕組みとしては、油面クラッチを用いた電子制御カップリングという構造を採用しており、通常走行ではFF駆動をベースに、95:5の前後配分で駆動します。状況に応じて、後輪へとリニアにトルクを分配するので、雪の上でも抜群の安定感を確保してくれます。
基本は95:5の前後配分ということで、雰囲気としてはAWDというよりスタンバイ式4WDに近いですね。しかし、常時全輪駆動で、なおかつ高性能なトルク制御システムを搭載しているので、他のスタインバイ式よりも優れているといえるでしょう。
国産車で考えると、ちょうどマツダの「i-ACTIVE AWD」と似ています。
雪道でも安心できるボディ設計
ボルボといえば、安全性の高さで有名ですよね? 今では当たり前に搭載される3点式シートベルトですが、初めて導入したのはボルボですし、古くから安全設計に重きを置くメーカーなのです。
そのこだわりはボディの衝突安全設計などにも表れています。ボルボのモデルは、総じて衝突への耐性が強く、剛性もなかなか高めです。事故に遭う可能性が高い雪道では、いざというとき助かりますね。(安全性の詳細は以下の記事をご参照ください。)
ボルボの安全性が最強と言われる3つの理由!安全機能がたくさんだった?!そしてこの安全設計は走行性能にも影響するのです。
安全性の高さゆえ、同クラスのモデルと比べるとボディが重めなんですよね。したがって、発進時にグリップがよく効くので、スタック(雪にハマること)する恐れがありません。
いっぽう、ボディの重さは発進時のグリップを強くするものの、ブレーキング時の制動距離が長くなるデメリットも含みます。そのため、ボディ重量の優位性は、一様にはいえない部分もあるのです。
ただ、ブレーキングにおいては国産スタッドレスを履いていればある程度対処できますし、急ブレーキやスピード超過に気を付ければ重大な事故には遭わないでしょう。
また、ボルボのアダプティブクルーズコントロールはカメラ、赤外線、ミリ波レーダーの3つを使用するので、他社のそれよりも強力なシステムです。吹雪の中でも使用することが可能なので、万が一の備えも十分。この辺は、さすが「北欧の車」といったところでしょう。
もしボルボ車を買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!ボルボの車種ごとの雪道走行性能
続きまして、ボルボのおすすめモデルについて具体的に見ていきたいと思います。ボルボは雪道に強いモデルばかりですが、今回はとくに人気なモデルを選んでみました。
XC90
項目 | T5 | T8 |
種類 | 水冷直列4気筒DOHC16バルブ ICターボ | 水冷直列4気筒DOHC16バルブ ICターボSチャージャー |
排気量 | 1,968cc | 1,968cc |
最高出力 | 254PS/5,500rpm | 318PS/6,000rpm |
最大トルク | 35.7kgf・m/1,500-4,800rpm | 40.8kgf・m/2,200-5,400rpm |
車重 | 2,060kg | 2,360kg |
全長×全幅×全高 | 4,950×1,930×1,775mm | 4,950×1,960×1,760mm |
最低地上高 | 225mm | 225mm |
駆動方式 | フルタイム4WD | フルタイム4WD |
※水冷、直列4気筒、DOHC、エンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。
水冷エンジンのメリット5つ!バイクだけでなく車にも搭載されてる?!直列4気筒エンジンの特徴!どんな音?搭載車を日本車/外車の車種からそれぞれ紹介!DOHCエンジンとは?仕組み/構造は?ツインカムとの違いとは?!ボルボのフルサイズSUVが「XC90」です。ラインナップはすべてハルデックス・カップリング式を用いた4WDで、ターボモデルのT5、スーパーチャージャー付きモデルのT8が強力。
ターボエンジンとは?仕組み/構造は?メリット2つとデメリット4つ!スーパーチャージャーとは?仕組み/構造は?音が最高のメリット?!まず見ていただきたいのがトルク性能ですね。排気量は2.0Lということですが、強力な過給システムのおかげで最大35.7kgf・m、40.8kgf・mというパワーを発揮します。それも低速域から使えるので、深い雪道でも心強いんですよ。
加えて、最低地上高は225mmという高さを誇るので、豪雪地帯でもガンガン走れるスペックを有しています。その分、重量は2t超えてしまいますが、前述の通り安全機能も充実しており、かつコーナリングやブレーキングを丁寧に行えば、問題はないでしょう。
したがって、ボルボでの屈指のモデルといえますね。
V40
項目 | ガソリン | ハイブリッド |
種類 | 水冷直列4気筒16バルブ ICターボ(ディーゼル) | 水冷直列4気筒DOHC16バルブ ICターボ |
排気量 | 1,968cc | 1,968cc |
最高出力 | 190PS/4,250rpm | 245PS/5,500rpm |
最大トルク | 40.8kgf・m/1,750-2,500rpm | 35.7kgf・m/1,500-4,800rpm |
車重 | 1,540kg | 1,580kg |
全長×全幅×全高 | 4,370×1,800×1,440mm | 4,370×1,800×1,470mm |
最低地上高 | 145mm | 145mm |
駆動方式 | FF | フルタイム4WD |
※ディーゼルエンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。
ディーゼルエンジンとは?仕組み/構造を簡単にわかりやすく解説!続いて紹介するのはこちら、ステーションワゴン型のモデル「V40」です。ボルボの中でもにとくに人気が高く、それゆえ雪道性能も気になるところ。
ラインナップはFFと4WDの種類をラインナップしています。国産車よりも重く、そしてボディが強いため、国産FF車よりは雪道性能は高いといえるでしょう。
北欧仕様だけあり、トルク性能は非常に高く、似たような2.0Lワゴンと比較すると圧倒的な差があります。とくにディーゼルモデルなら40.8kgf・mという力強さで、かつ燃費も優れているため、かなり重宝すると思いますよ。
(クリーン)ディーゼルエンジンのトルクが大きい理由!トルクの大きい車種ランキングとともに解説!クリーンディーゼル車は燃費が悪い?低燃費車を比較してランキングで紹介!最低地上高は145mmということで、轍(わだち)や氷塊に若干注意が必要ではありますが、普段使いには十分すぎるスペックですよ。
S60
項目 | D4 | T6 |
種類 | 水冷直列4気筒DOHC16バルブ ICターボ(ディーゼル) | 水冷直列4気筒DOHC16バルブ ICターボSチャージャー |
排気量 | 1,968cc | 1,968cc |
最高出力 | 190PS/4,250rpm | 306PS/5,700rpm |
最大トルク | 40.8kgf・m/1,750-2,500rpm | 40.8kgf・m/2,100-4,500rpm |
車重 | 1,620kg | 1,730kg |
全長×全幅×全高 | 4,635×1,845×1,480mm | 4,635×1,865×1,480mm |
最低地上高 | 135mm | 135mm |
駆動方式 | FF | フルタイム4WD |
最後に紹介するのは、セダンモデルの「S60」です。こちらもFFと4WDの設定があり、ディーゼル、ターボ、スーパーチャージャー付ターボと、非常にパワフルなラインナップがそろっています。
このモデルも当然トルク性能が高く、国産セダンとは比にならないほどのパワーを発揮しますね。車重は他の上級セダンと同等の重量で、最低地上高も大差はありません。
したがって、駆動方式とトルク性能を考えると、同クラスではトップクラスの雪道性能を発揮することでしょう。スタイルも洗練されてかっこいいので、おすすめの一台ですね。
ボルボと他のメーカーの雪道走行性能を比較
ボルボが雪道に強いのはわかりましたが、他社と比較すると実際どうなんでしょうか?
そこで今回は、同じ大衆ブランドのフォルクスワーゲン、国産メーカーとして雪道に定評のあるマツダ、スバルの3社と比較してみたいと思います。
フォルクスワーゲン
グループとしてはフォルクスワーゲンのほうが大きいですが、自動車ブランド的には似たような雰囲気を持っています。ボルボと雪道性能を比較してみましょう。
フォルクスワーゲンは、4WDシステムに「4MOTION」という機構を採用しています。第5世代にあたる現行モデルの4MOTIONは、ボルボと同じくハルデックス・カップリングを用いた4WD機構です。そのため、駆動方式て優劣をつけるのが難しいのです。
どちらも、現行モデルはFFがベースとなっていることが多く、特段大きな差はありません。強いていうなら、ボルボのほうが安全装備が充実していることでしょうか?走行性能そのものは、ほとんど同じくらいの性能といえます。
ただしラインナップで見ると、ボルボのほうが4WDモデルが充実していますね。そういった意味ではボルボが雪道で選びやすいのかも。
マツダ
さきほど少し触れましたが、マツダは「i-ACTIVE AWD」という4WDシステムを採用しています。
ボルボの4WDシステムとは仕組みが似ており、同じFFベースであることから、性能に大きな差はありません。
強いて言うなら、ボディが重いボルボは、マツダよりも発進時にグリップが効くため、スリップに強いということでしょうか?反対に、軽量性で勝るマツダはコーナリング性能やブレーキング性能にアドバンテージがあると考えられます。
なおマツダ車については以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
ロードスターは雪道に弱い?雪道走行の性能について徹底分析しました!マツダCX-5は雪道に弱い?雪道走行の性能について徹底分析しました!スバル
最後に比較するのは、雪道最強メーカーともうたわれるスバルです。これはぜひ比べてみたいところですね。
まず、スバルの4WD方式ですが、シンメトリカルAWDというバランスに優れたシステムを使用しています。水平対向エンジンを縦置きに配し、左右対称にレイアウトされてるので、4輪に均等に荷重をかけることが可能です。つまりグリップが安定しているということですね。
また、スバルで多く採用されるAWDシステム「ACT-4」は、トルク配分を60:40、つまり常時すべてのタイヤを駆動させる仕組みです。バランスの良さも加わって、抜群の安定感を誇ります。
レヴォーグ(2.0L)やWRX S4などスポーツ走行も意識したモデルは、さらに上位の4WDシステムを搭載しているので、総合的にみるとボルボよりも優れているとみて間違いないでしょう。したがって、メーカーとしてスバルのほうが雪道では上手です。
なおスバルについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
スバルが雪道に強い理由3つ!雪道走行性能が最強の車種はこれだ!ボルボは雪道走行性能の良い車種が目白押し
というわけで、ボルボの雪道性能についての解説は以上になります。
北欧のメーカーだけあって、かなり優秀なモデルが目白押しなんですよ。スバルのような特化したメーカーを除けば、ボルボより雪に強いメーカーはそれほど多くはないでしょう。
個人的には、豪雪地帯でならXC90などのSUVシリーズ、ファミリーカーとして普段使いするならV40などのワゴン、優雅にクルージングを楽しむならS40などセダンモデルを選ぶと、雪道でも快適に過ごせると思いますよ。
なおボルボについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
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