エルグランドは低重心で走行性能の高さを押し出した、日産の販売するフラッグシップミニバンです。
高級ミニバン市場の先駆け的な存在で、迫力のある外観と高級感のある車内が魅力的な車です
そんなエルグランドですがデザインはかっこいいと言えるのでしょうか。
ここではエルグランドのデザインについて解説していきます。
エルグランドのデザインの特徴
現行のエルグランドは日産お得意のVモーショングリルなどが採用されておらず、ひと目でエルグランドだと分かるような顔をしています。
そしてミニバンでありながらも背が低く、大柄な印象がありません。
ここではエルグランドのデザインの特徴について解説していきます。
低重心でスタイリッシュなボディ
エルグランドは3代目にモデルチェンジしたときにさまざまなものが従来のモデルから変わりました。
そのなかでも大きなものといえばもともと後輪駆動だった車体が、エンジン横置きの前輪駆動になったことです。(エンジンの置き方の詳細は以下の記事をご参照ください。)
エンジンの縦置きと横置きの違い6つ!メリット・デメリットを解説!これによってシャシーの裏を通すものが減り、メカニカルノイズが減ったことで静音性がよくなり高級車らしさを向上させています。
この前輪駆動化によってエルグランドは車内の広さはそのままで全高を大幅に下げることができ、ミニバンらしからぬスタイリッシュさを手に入れています。
サイドウィンドウの周りには高級セダンに見られるようなメッキの縁取りがなされており、Cピラーを通り越し後ろでつなげることでルーフが浮いているかのように見せるデザインで、低重心感を高めています。
さらにボディサイドに入ったプラスラインや張り出し感の強いボディスタイルで、デザイン力の高い高級車らしいスタイリッシュな車体に仕上がっています。
構造やスタイルがこれまでとは全く別物というくらいにかわってしまったエルグランドですが、ひと目でエルグランドだと分かるデザインはしっかりと継承されています。
横一直線のラインが特徴的なリアコンビネーションランプや二段に分かれているヘッドライトなど、エルグランドらしさは健在です。
落ち着きと迫力のあるフロントフェイス
フロントマスクは近年の日産車のような、無理やりなVモーショングリルではありません。
エルグランドらしい横ラインを基調としたグリルのラインや2段に分かれているヘッドライト、そして裾広がりなフロントフェイスが特徴的です。
そんなエルグランドらしさにプラスして、近年トヨタやレクサスなどに見られるような、フロントグリルをバンパーにまで到達させ、迫力を出す新しい手法がエルグランドにもなされています。
※トヨタの代表的な車種のC-HR、レクサスのデザインの詳細は以下の記事をご参照ください。
C-HR(ターボ/ハイブリッド)の試乗レビュー!乗り心地の感想・インプレッション!レクサスGSの試乗レビュー!乗り心地の感想・インプレッション!ミニバンの大きなフロントフェイスに合わせた大きなグリルになっていますが、横のラインを基調にデザインされているエルグランドのフロントフェイスにしっかりとマッチしており、わざとらしさがありません。
メッキで彩った大きなグリルで迫力をもたせていながらも、落ち着いたエルグランドらしいデザインでバランスが取れており、低重心なデザインとまとまったフロントフェイスが相まって非常にスマートです。
居心地の良いインテリア
エルグランドのインテリアは非常に高級感があります。
乗員をしっかり囲むようにデザインされているダッシュボードやドアトリム、そして座り心地を高めるために極限まで大きくしたシートは非常に居心地がよくできています。
7人乗りのセカンドシートはキャプテンシートになっており、背もたれに中折機構を採用することでシートをどれだけ倒しても疲れにくい最適な姿勢を取ることができます。
さらにクラス最大面積を誇る木目調のパネルや触り心地の良いソフトパッドが、しっかりと高級車らしさを演出しており、運転する人にも乗車する人にも居心地の良い空間を与えてくれます。
迫力が減ってしまった?
現行のエルグランドはライバル車であるトヨタのヴェルファイアに市場を完全に持っていかれてしまいました。(ヴェルファイアの詳細は以下の記事をご参照ください。)
ヴェルファイアの試乗レビュー・感想!乗り心地はいかに?!これはトヨタの販売力の圧倒的な強さもありますが、デザインの迫力が弱かったためとも言われています。
現行になったときエルグランドは全高を100mm下げました。これによって車体が小さくなったように見えますし、その他にもフロントマスクが比較的落ち着いたデザインであったりとユーザーが求める迫力のようなものが弱くなってしまいました。
そして車内も座り心地優先の非常に大きなシートが仇となり車内に圧迫感を出し、シートアレンジも少なかったりとミニバンとしての利用範囲が狭まっています。
こういった現状がエルグランドがヴェルファイアに完敗している原因の一端だと言われています。
なおヴェルファイアのデザインについては、以下の記事で詳しく解説しています。興味のある方はこちらもご参照ください。
【画像】ヴェルファイアはかっこいいのか?デザインについて徹底分析!エルグランドのかっこいい色
スタイリッシュで落ち着いたデザインのエルグランドにはどういったカラーが似合うでしょうか。
ここではおすすめのカラーをご紹介していきます。
ファントムブラック
やはり高級車らしい落ち着いた風格を持つエルグランドにはファントムブラックが似合います。
ブラックカラーのボディに随所に入るシルバーの加飾が高級感と重厚感を強調し、高級セダンさながらの力強さを見せてくれます。
ブリリアントホワイトパール
エルグランドのスマートさを演出するのがブリリアントホワイトパールです。
膨張色で大きく見えますし、ヘッドライトを二段に分けるように入り込むラインが、エルグランドの特徴をしっかり強調します。
高級車らしい重厚感がそこまで強調されないので、カジュアルにドライバーズカーとして乗るにはホワイトカラーが似合うかもしれません。
インペリアルアンバー
エルグランドの高級感とカジュアルさを両方持たせてくれるのがこのインペリアルアンバーです。
ガチガチの高級車というような雰囲気にならず、うまく肩の力を抜いたようなカラーになっています。
実物を見ることが大事
おすすめのかっこいいカラーをお伝えしてきましたが、やはり色は現物を見ずに決めると絶対に後悔します。
ベタ塗りの色、メタリックカラー、パールカラー、色の深み、色合いなどすべてが細かく違ってきますので、イメージだけで車はきめてはいけません。
もしエルグランドを買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!エルグランドの古いモデルと比較
ではここで歴代のエルグランドのデザインの変化を見ていきましょう。
商用バンのシャシーを高級ミニバンとして作り上げた初代から、常用に限りなく作り直した2代目とデザインはどう変わっていったのでしょうか。
初代E50型
エルグランドの歴史はここからはじまりました。
2段に分かれたヘッドライトや大型のグリルといったエルグランドらしいデザインはこの頃からすでに始まっています。
ベースのバンらしく車内は非常に広く、そして木目調パネルなどで高級感を出しており、さらにミニバンらしい使い勝手も持っているエルグランドはまさに高級なミニバンです。
なお車内が広いためエルグランドはキャンプにも最適な車です。詳細は以下の記事で解説しているので、興味のある方はこちらもご参照ください。
日産エルグランドがキャンプに最適な理由3つ2代目E51型
2代目のエルグランドは非常に売れた初代のほぼキープコンセプトで、乗用車としての乗り心地や操作性などを高めました。
高級感を高めた内装や、大きく迫力のましたフロントマスクが特徴的です。
このときに大型のミニバンという似たようなパッケージで、わかりやすい高級感とエルグランドのネガティブな部分を徹底的に潰して現れたのがアルファードでした。(アルファードのデザインの詳細は以下の記事をご参照ください。)
【画像】アルファードはかっこいいのか?デザインについて徹底分析!エルグランドの2段に分かれたヘッドライトなどはヴェルファイアにも採用されていますね。トヨタの高級ミニバンは実はエルグランドのデザインテイストを多く使っていたのです。
エルグランドのデザインの世間的評判
デザイン面で見ると非常に工夫が見られ、うまく高級車としてまとめられているエルグランドですが、世間的にはどう見られているのでしょうか。
ここではツイッター上から意見をピックアップしてご紹介していきます。
日産エルグランド購入しました(≧∇≦)
買ったのは親父だけど、なかなかかっこいいと思う(^-^)ただ、黒じゃなくて白ってのが(。-ˇ.ˇ-。)ん~。って感じʬʬʬ
エンジンはV6 3.5 足回りはそんなに固くなく、エンジン音も静か🎵乗りやすいワゴン車って感じだね! pic.twitter.com/EdpdaxscsA— ✨SKR Skyline GT-R✨ (@SkrSkylinebnr34) 2017年6月12日
エルグランドはなかなかかっこいいワゴン車、という感じのようです。やはり重厚感のあるブラックカラーが良いのでしょうか。
エルグランドの新型はトヨタやホンダっぽくて、かっこ悪い。非常に残念だ。
— ゆいちろ (@yuu1ro) 2010年6月22日
エルグランドのデザインは他社メーカーのようになってきてかっこ悪いとのことです。エルグランドらしいアイデンティティが弱いということでしょうか。
アルヴェルのデザインに文句を言っている人に文句言ってる人に言いたいんだけど、ああいうミニバンの開発に中途半端に車好きが介入して、中途半端に全高を低くしてスポーティー風にした結果、まるで売れなくなっているのがエルグランドなのかもしれないけどオデッセイは昔から低かったのよ。
— ごじろくじ公式ツイッタラー (@veyron_sann) 2017年12月26日
そうですね。現行型が出る頃にはすでにヴェルファイアに市場をほぼ独占されていたので、真っ向勝負では勝てないとふんで、中途半端にスポーティにふった結果が今のエルグランドだと言えます。
スタイルや走りなどは非常に良くなっているのですが、それは市場にはそれほど求められていないのかもしれません。
エルグランドの口コミ・評判は以下の記事でも詳しくまとめているので、詳細まで知りたい方はこちらもご参照ください。
エルグランドの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!エルグランドのデザインを他の車と比較
ではここでエルグランドと同じようなサイズのライバルにあたる車と比較していきます。
同じLクラスミニバンのホンダのオデッセイ、メルセデスのVクラス、トヨタのヴェルファイアと比較していきます。
ホンダ オデッセイ
オデッセイはホンダのフラッグシップミニバンで、エルグランドと同じで低重心なスタイルが売りの大型ミニバンです。
ボディスタイルは背の高いステーションのようなスタイルで、プレスラインなどの造形もしっかり作られており、スポーティなスタイルのミニバンです。フロントフェイスもホンダらしい顔になっています。
インテリアは良くも悪くもホンダらしいデザインで、包まれ感のある運転席や木目調のパネルなどしっかり作り込まれています。
しかし目に見える高級感が少なく、あえてこの車に乗ろうという気持ちになれないのも現実です。
オデッセイはホンダらしい主張の弱いデザインで、インパクトがありません。かといって高級感や重厚感が全面に出るものでもないため、スタイリッシュさや高級感はエルグランドの圧勝です。
なおオデッセイのデザインについては、以下の記事でさらに詳しく解説しています。詳細が気になる方はこちらもご参照ください。
【画像】オデッセイはかっこいいのか?デザインについて徹底分析!メルセデス Vクラス
このクラス国産ミニバンは需要が一箇所に固まっており、ラインナップが非常に少なくなっています。そこで海外の高級ミニバン、メルセデスのVクラスと比較してみます。
メルセデスのVクラスはエルグランドより若干大きいサイズのミニバンです。
ボディスタイルはミニバンらしい箱型ですが、しっかりとプレスラインをいれることで車らしいホイールアーチやメルセデスらしいキャラクターラインが刻み込まれており、スタイリッシュに見えるようになっています。
フロントマスクもベンツらしい横格子の入った大型のグリルとヘッドライト内に斜めに入ったアイラインがベンツのミニバンであるということを象徴しており、いやらしさの少ない上品なマスクになっています。
インテリアは包まれ感のある運転席やシートはもちろんのこと、上質な木からパネルを切り出したかのような大型できれいな木目調パネルを使用しており非常に落ち着いたインテリアをしています。
スタイリッシュさや魅せ方はどちらも非常にうまく演出されています。非常に難しいですがVクラスのほうがデザインでの魅せ方がうまいため、有利でしょう。
ただ国産車ならではの車内でのリラックスした空間などを考えると、5部5部の勝負でしょう。
なおベンツのデザインについては以下の記事でも詳しく解説しています。詳細が知りたい方はこちらもご参照ください。
【画像】ベンツのかっこいい車種ベスト10!デザインが最高なものを紹介!トヨタ ヴェルファイア
このクラスでは圧倒的なセールスを誇るのがこのトヨタのヴェルファイアです。
マイルドヤンキーな方々のために、やりすぎなまでの派手派手なメッキの使い方やこれでもかというくらいのグリル穴、そして高級車らしいシーケンシャルウィンカーや3眼ヘッドライトなど、わかりやすい迫力と高級感で、訴求しています。
さらに車体の全高も非常に大きいため見た目の迫力も非常に強くみえます。
そのうえ車内はミニバンらしく使い勝手の良い広い空間と、高級感のあるインテリアをもっていますので、もはや最強のミニバンと言って良いでしょう。
デザイン的に見るとエルグランドのほうがうまくまとまっており高級なイメージがありますが、世間的にはこれぐらいわかりやすいデザインのほうがウケるという典型的な例ではないでしょうか。
なおヴェルファイアのデザインについては、以下の記事で詳しく解説しています。興味のある方はこちらもご参照ください。
【画像】ヴェルファイアはかっこいいのか?デザインについて徹底分析!エルグランドのかっこいいカスタム車
スポーティな高級ミニバンとなったエルグランドですが、カスタムするとかっこいいのでしょうか。
ここではエルグランドのカスタムをインスタグラム上からピックアップしご紹介していきます。
全身ブラックに決めたボディに限界までインチアップしたシルバーメッキのホイールがやんちゃさを見せつけてくれるE51型エルグランドです。
フロントバンパーがもはや雪をどかすラッセル車にしか見えないくらい迫力があります。一般道を走れるのでしょうか。
インパル仕様のエアロをニスモらしいカラーに塗り分けたスポーティなスタイルのE52型のエルグランドです。
ヘッドライトも若干加工されており、個性を爆発させています。
スポーティなホイールの隙間から見えるオレンジのキャリパーが走行性能の高さを演出しており、非常にかっこよくカスタムされています。
本来スポーティなはずのニスモのエアロが、ピアノブラックのような艶のあるボディに埋め込まれており、非常に重厚感のあるカスタムに仕上がっています。
それでもローダウンしたスタイルは非常に引き締まっており、インチアップされているブラックのホイールが迫力を増しています。とても高級感のあるカスタムです。
エルグランドはスタイリッシュミニバン
エルグランドは残念ながらミニバンらしい使い勝手という面では弱いですが、まるで3列目のあるセダンのようにスタイリッシュなボディと乗る人を満足させる高級感や乗り心地をもっています。
乗用車のようなワイド&ローなスタイルで、高級感と迫力をうまくまとめたスタイリシュなミニバンです。
エルグランドについては以下の記事でも取り上げています。もっと詳しく知りたい方はこちらもご参照ください。
エルグランドの燃費は悪い?街乗りや高速の実燃費は?改善し向上させる方法まで解説!エルグランドは故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説!