「コンパクト×アクティブ」なルックスで、とくにファミリー層から注目されるスバル「XV」。
もともとはインプレッサの一種でしたが、現在はコンパクトSUVとして、スバルのラインナップを支える人気モデルです。
XVについては、そのアクティブな印象どおり「走行性能も高いのか?」気になる人も多いんじゃないかと。
というわけで今回は、スバルXVの「加速性能」に注目して、0-100km/h加速やスペックなどの観点から、解説していきたいと思います。
オーナーさんの口コミやライバル車との比較にも触れてみたので、ぜひ参考にしてください。
スバルXVの加速性能
スバルらしくどことなくスポーティな雰囲気が溢れる「XV」。
ところが加速性能という一点に関しては、ファミリーカーとして標準的なレベルです。そのため「外見の印象ほど速くない」と感じる方もいることでしょう。
というわけで具体的に性能を評価していきたいと思いますので、まずはこちらの諸元表をご覧ください。
項目 | 諸元 | ||
種類 | 水平対向4気筒DOHC | 水平対向4気筒DOHC | 水平対向4気筒DOHC+モーター |
排気量 | 1,559cc | 1,995cc | 1,995cc |
最高出力 | 115PS/6,200rpm | 154PS/6,000rpm | エンジン:145PS/6,000rpm モーター:13.6PS |
最大トルク | 15.1kgf・m/3,600rpm | 20.0kgf・m/4,000rpm | エンジン:19.2kgf・m/4,000rpm モーター:6.6kgf・m |
車両重量 | 1,410kg | 1,440kg | 1,550kg |
PWR | 12.26kg/PS | 9.35kg/PS | 10.69kg/PS |
TWR | 93.38kg/kgf・m | 72kg/kgf・m | 80.73kg/kgf・m |
0-100km/h | 9.5秒 | 8.9秒 | 11.6秒 |
※水平対向4気筒、DOHC、エンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。
水平対向4気筒エンジンの特徴!どんな音?搭載車を日本車/外車の車種からそれぞれ紹介!DOHCエンジンとは?仕組み/構造は?ツインカムとの違いとは?!補足させていただくと、「エンジン種類~車重」の項目は公式カタログから引用し、「PWR・TWR」は平均重量から算出しました。「0-100km/h加速」のタイムは、オーナーさんの口コミを元にしています。
0-100km/h加速タイムをチェック
加速性能をイメージするのに役立つのが、発進から100km/hに達するタイム、通称「0-100km/h加速タイム」です。
こんな急加速をする状況はまず考えられませんが、加速感をイメージするうえでは参考になりますよね。
XVの0-100km/h加速ですが、1.6Lガソリンは「9.5秒」、2.0Lガソリンは「8.9秒」、そして2.0Lハイブリッドは「11.6秒」ということで、ファミリーカーとしては標準的です。
他の車種のタイムが気になる方は、こちらにトヨタの人気モデルをまとめてみたのでご覧ください。
車種 | 0-100km/h加速タイム |
86 | 7.3秒 |
アルファード 3.5L | 7.5秒 |
カローラフィールダー | 9.0秒 |
プリウス | 9.5秒 |
ヴォクシー | 11秒 |
シエンタ(ガソリン) | 12秒 |
なお上記の表にある車種については以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
アルファード/ヴェルファイアの加速性能を解説!0-100km/h加速タイムはどのくらい?プリウスの加速性能を解説!0-100km/h加速タイムはどのくらい?シエンタの加速性能を解説!0-100km/h加速タイムはどのくらい?パワーユニットの性能をチェック
タイムを参照したところで、続きましてエンジン性能をチェックしてみましょう。
2種のボクサーエンジン
XVには1.6Lと2.0L、2種類のガソリンエンジンが搭載されています。もちろん、どちらもスバル伝統の「水平対向エンジン」、いわゆる「ボクサーエンジン」のことですね。
水平対向エンジン/ボクサーエンジンのメリット5つとデメリット5つ!音がいい?!独特なメカニズムによって、
- 低振動
- 軽量
- コンパクト
の3拍子を備えた、非常に優秀なユニットです。WRXをはじめ、一般にはハイパワーターボを載せたユニットとしても注目されています。
ただしXVの「FB16型」「FB20型」にはターボチャージャーの設定がないので、発揮できる出力・トルクはそこまでパワフルではありません。
諸元に目を通しても、「115PS、15.1kgf・m」「154PS、20.0kgf・m」という数値ですしね。
ハイブリッド モデル「e-BOXER」
2010年登場のXVですが、少し遅れて2013年に追加されたのが「e-BOXER」。正式にはハイブリッドとは名付けられていませんが、メカニズムはハイブリッドと同じようなものです。
2.0Lガソリンモデルと共通の「FB20型」を搭載し、さらにフロントに電動モーターを備えているので、環境性能を極限まで高めました。重量バランスを意識したスバルらしく、モーター用バッテリーの位置も最適化されています。
ただしモーターの発生する最大パワーは「13.6PS、6.6kgf・m」と、それほど強力ではありません。走行性能というよりも、環境性能を重視したハイブリッドモデルということですね。
シャシーの性能をチェック
最後にチェックしてみるのはシャシーの性能です。加速性能にはエンジンとアクチュエータとつなぐシャシーも重要。パワーユニットは特別強力ではありませんが、XVのシャシーはどうでしょうか。
次世代プラットフォームの採用
XVにはスバルが培ってきた技術力が注ぎ込まれ、次世代プラットフォームを核にもつモデルです。
その神髄はステアリング操作に対する「ボディの安定感」へのアプローチ。SUVとは思えない心地よさと振動・騒音の少なさが最大の特徴です。
さらにボディフレームの強度アップやフレームワークの最適化がなされているので、効率よく衝撃を吸収することができます。つまり、剛性が高いということですね。
そのためXVはパワフルさこそ感じられませんが、動きが軽快で「乗っていて楽しいモデル」なのです。
シンメトリカルAWD
スバルの代表的な技術に、「シンメトリカルAWD」というものがあります。
これは、重量バランスに優れた水平対向エンジンを核に、左右対称なパワートレーンを構成することで、「低重心性」「車重バランス」に優れた駆動力を発揮します。駆動方式は、悪路走破性にはもちろん、加速性能にも重要な役割を果たします。
4WDは路面に力を伝えやすい仕組みですから、同じエンジンスペックならFFやFRよりも加速で有利です。車全体が前へ押し出されるように発進するので、体感的にも優れていますよ。
もしXVを買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!XVの実際の加速感
数字だけではいまいちピンと来ないと思うので、TwitterやYouTubeも参考にしてみましょう。オーナーさんの投稿をいくつかピックアップしてみたので、実際の加速感をご覧ください。
Twitterで加速感をチェック
先週末、上越線 上牧駅前にて。
初めての遠距離。
高速での安定感が、心地よい。でも、今までの軽に比べて、当たり前だけど加速が凄くて、慣れてなくてちょっと怖い😅#SUBARU XV pic.twitter.com/Rc05nWc1t6— Tomoko Kumode (@kumochan1204) 2018年8月10日
こちらのオーナーさんは、「サンシャインオレンジ」カラーのXVに乗っているみたいですね。鮮やかな色味が目を惹く、秀逸なカラーリングです。
以前は軽自動車に乗っておられたようで、XVへ乗り換えて安定感と快適性、そして強烈な加速を体感したとのこと。とりわけ加速性能に優れるモデルではありませんが、軽自動車よりはずっとパワフルということですね。
代車で、現行のSUBARU XVをお借りしたのですが…
予想以上にこれは良いぞ…シャーシというか足回りの完成度がすごい。
内装の質感も頑張っている…
これで加速と伸びが良かったら危なかったw幹線道路で流れを普通にリードする余裕は有るけどねw
(お借りしたのは1.6L)
(300馬力に慣れた人より)— Arsyu (@Laizell_Royce) 2019年1月28日
こちらの投稿者さんは、XVを代車で乗った経験があるようです。「これで加速と伸びが良かったら」とおっしゃっているので、加速については物足りなく感じたのでしょう。
ただしそれ以外の部分に関しては満足のいく仕上がりだったみたいですよ。足回りの完成度や内装の質感など、総合的な評価はかなり高いモデルとのこと。
XV Advanceに試乗。
個人的に従来のXVは出だしのドン臭さがどうも気になっていたんだけど、やはりモーターが付いているだけあってそのあたりは解消出来ている。Sモードの時の加速感は中々良いですねー。
そして2個目のケーブルホルダーとセミハードケースも頂けた。 #スバルXV pic.twitter.com/m9BRq6QOPT— karikari-kun81818 (@blueguitar84) 2018年10月28日
こちらの方は「e-BOXER」に試乗した経験がある様子。「従来のXVは…」という言葉からもわかるように、先に登場したモデルも試したことあるようです。
比較してみたところ、e-BOXERの加速感は中々良いとコメントを残しています。実際の加速性能はガソリンモデルのほうが高いですが、フィーリングはe-BOXERも負けていませんよ。
You Tubeで加速感をチェック
こちらは2.0Lガソリンモデルの加速動画で、35秒ほどから0-100km/hのテスト走行が始まります。
計測の結果は「8.96秒」というタイム。コンパクトなSUVとしては、まずまずのタイムといえるでしょう。中間加速も悪くないですね。
そしてこちらはe-BOXERを搭載した「2.0i-S」モデルの加速動画です。海外で撮影されたもので外装・内装を一通り映したあと、1分過ぎからテスト走行が始まります。
動画後半で「11.61秒」というタイムが記されていますね。ターボ車のよう強力な発進ではありませんが、ハイブリッド特有のスルスルと加速していく感じが見てとれますね
なおターボ車については以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
ターボエンジンとは?仕組み/構造は?メリット2つとデメリット4つ!XVを他の車と比較
加速感についてご覧いただいたところで、続きましてライバルと呼ばれる国産車と、その実力を比較してみたいと思います。
今回比較してみるのは、同クラスの国産車であるマツダ「CX-3」、日産「エクストレイル」、ホンダ「ヴェゼル」3台です。0-100km/h加速のタイムや、TWRなどに注目しながらご覧ください。
マツダ CX-3
項目 | 諸元 |
種類 | 水冷直列DOHCディーゼルターボ |
排気量 | 1,756cc |
最高出力 | 116PS/4,000rpm |
最大トルク | 27.5kgf・m/1,600-2,600rpm |
車両重量 | 1,370kg |
PWR | 11.81kg/PS |
TWR | 49.82kg/kgf・m |
0-100km/h | 9.2秒 |
マツダ屈指のコンパクトSUVである「CX-3」は、絶妙なサイズ感と高い質感が人気の一台です。なかでも、トルク性能の高いディーゼルモデル「XD」と加速性能を比較してみましょう。
まず、0-100km/h加速ですが、「9.2秒」ということでXVとはいい勝負ですね。タイムとしては、ほんのわずかにXVのほうが速いことになりますが、この程度なら同等の加速性能と見ていいでしょう。
スペックについて目を向けてみると、出力は154PSということでXVが、トルクは27.5kgf・mということでCX-3が優れています。ゆえに加速性能は、低速域ならCX-3、中~高速域ならXVが有利とうことになるかと思います。
なおCX-3については以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
マツダCX-3の加速性能を解説!0-100km/h加速タイムはどのくらい?CX-3の口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!日産 エクストレイル
項目 | 諸元 |
種類 | 水冷直列4気筒DOHC16バルブ+モーター |
排気量 | 1,997cc |
最高出力 | エンジン:147PS/6,000rpm モーター:41PS |
最大トルク | エンジン:21.1kgf・m/4,400rpm モーター:16.3kgf・m |
車両重量 | 1,640kg |
PWR | 11.15kg/PS |
TWR | 78.09kg/kgf・m |
0-100km/h | 8.3秒 |
続いて比較するのは、日産の人気SUVである「エクストレイル」。キャラクターやサイズ感など、XVと共通する部分の多いモデルでもあります。
エクストレイルの0-100km/h加速は「8.3秒」というタイムで、XVやCX-3よりも1秒ほど速いタイムです。
大きな差ではありませんが、単純に比較するとエクストレイルのほうが速いことになりますね。
ハイブリッド車とガソリン車では性能比較が難しいですが、パワーユニットのトータル出力・トルクは、エクストレイルのほうが上手とみて間違いないでしょう。車重が200kg近く重いものの、これを考慮しても、エクストレイルにアドバンテージがあります。
なおエクストレイルについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
エクストレイルの加速性能を解説!0-100km/h加速タイムはどのくらい?エクストレイルの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!ホンダ ヴェゼル
項目 | 諸元 |
種類 | 水冷直列4気筒DOHC16バルブ+モーター |
排気量 | 1,496cc |
最高出力 | エンジン:132PS/6,600rpm モーター:29.5PS |
最大トルク | エンジン:15.9kgf・m/4,600rpm モーター:16.3kgf・m |
車両重量 | 1,270kg |
PWR | 9.62kg/PS |
TWR | 79.87kg/kgf・m |
0-100km/h | 7.4秒 |
最後に比較するのは、ホンダの人気コンパクトSUV「ヴェゼル」。ハイブリッドSUVとして、ジャンルを牽引するトップモデルですよね。
ヴェゼルの0-100km/h加速は「7.4秒」ということで、タイムはXVよりも2秒近く速いんですよ。1.5Lモデルとして、これはかなり優れた性能といえます。
ポイントは低速から「素早く発揮されるトルク」と「優れた軽量性」。ユニットのパワーはエクストレイルに迫る性能でありながら、車重はXVよりも200kg軽いですからね。コンパクトSUVとしては、トップクラスの加速性能と見て間違いありません。
なおヴェゼルについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
ヴェゼルの加速性能を解説!0-100km/h加速タイムはどのくらい?ヴェゼルの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!スバルXVはトータル性能で選ぶモデル
XVについて様々語ってきましたが、まとめると「スポーティ志向よりも、コンフォート志向の方に向いたモデル」といえるでしょう。
けっして性能は低くくありませんが、「スバルのSUV」のイメージからすれば、加速が物足りなく感じるかも。
安定感・操縦感など、快適性を優先したうえで、プラスで加速性能を求める方にはおすすめできるモデルかと思います。
なおXVについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。
スバルXVがキャンプに最適な理由6つスバルXVは雪道に弱い?雪道走行の性能について徹底分析しました!