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ターボ係数とは?税金と排気量との関係は?正しい使い方まで解説!

ターボエンジンの車は自然吸気エンジンの車よりハイパワーで高性能な車です。

そんなターボ車について適用される「ターボ係数」というものがあるのですが、専門的な用語なのでご存じない方も多いと思います。

そこで今回はターボ係数がどういうものなのかをご説明していきます。

ターボ係数とは

エンジン

ターボ係数という言葉は日常的には使われないのですが、それもそのはずで主にモータースポーツの世界で使われる言葉だからです。

まず簡単にご説明すると、ターボ係数はターボエンジンと自然吸気エンジンの性能差を平等にするためのもので、レースのレギュレーション(ルール)で規定されます。

では最初にターボチャージャーの特性をご説明し、それがターボ係数にどう関わっているかご説明しましょう。

ターボチャージャーの特性

ターボチャージャーは過給機と呼ばれる装置の一種類で、エンジンに空気を圧縮して送り込むことでエンジン出力をアップさせることができます。

ターボチャージャーの構造

内燃機関のエンジンは、燃料が完全燃焼するための空気量があらかじめ決まっており、シリンダーに取り込める空気の量で燃やせる燃料の量も決まるのです。

エンジンの出力を手っ取り早く高出力化するためには多くの燃料を燃やして爆発エネルギーを高めることであり、ターボチャージャーはそのために空気を大量に送り込む装置なのです。

ターボは昔からエンジンのパワーアップのために使われており、自動車はもとより昔のレシプロ戦闘機や船舶などでも使われます。

ターボチャージャーは排気ガスのエネルギーをタービンで受けてコンプレッサーを回転させる仕組みで、コンプレッサーでエンジンに吸い込む空気の密度を上げることでエンジンのパワーが上昇するのです。

ではターボの装着でどのぐらいスペックが上がるのかを、実際の車のスペックで見てみましょう。

ターボチャージャーの効果

トヨタ エンジン

ターボチャージャーを装着したエンジンは、一般的に1.5倍上の排気量の自然吸気エンジンと同程度のスペックが出るとされています。

そこで今回はトヨタ クラウンを例にしてスペックの差を見てみたいと思います。

クラウンはトヨタを代表するセダンで、1車種で何種類ものエンジンラインナップがあります。今回は世代をまたぎますが、13代目と14代目のクラウンでみてみましょう。

13代目クラウン S20型14代目クラウン S21型
3.0L 自然吸気エンジン2.5L 自然吸気エンジン2.0L ターボエンジン
エンジン形式3GR-FSE4GR-FSE8AR-FTS
エンジンスペック2,994cc V型6気筒
DOHC
2,499cc V型6気筒
DOHC
1,998cc 直列4気筒
DOHC ICターボ
最高出力256ps(188kW)/
6,200rpm
203ps(149kW)/
6,400rpm
235ps(173kW)/
5,200~5,800rpm
最大トルク32.0kg・m(314N・m)/
3,600rpm
24.8kg・m(243N・m)/
4,800rpm
35.7kg・m(350N・m)/
1,650~4,400rpm

クラウンには世代はまたぐものの3.0Lの自然吸気エンジンと2.0Lターボエンジンがあるので、1.5倍の排気量でどのぐらいスペックに差があるのか比較しやすいです。

また14代目では2.5L自然吸気エンジンもあるので一緒に比較してみます。

3.0L自然吸気エンジンは排気量の大きさもあって最高出力は256馬力あり、セダンにしてはしっかりした出力を持ちます。

それに対して2.0Lターボエンジンは235馬力を発生させており、少し足りないものの3.0Lエンジンに匹敵する性能を持ちます。

また3.0Lエンジンは6,200rpmでの最高出力ですがターボエンジンはもう少し低い回転なので、同じ回転数で比べればほぼ同等のスペックでしょう。

また2.5L自然吸気エンジンと比較してみると圧倒的に2.0Lターボエンジンがスペックが上で、この排気量差ではターボの効果がしっかり現れているのがわかりますね。

クラウンは性能重視の車ではないのでターボエンジンといえども出力重視になっておらず、1.5倍の排気量差で同等の出力というわけにはいきません。ですがターボを最高出力重視にすれば、ほぼ匹敵するスペックとなるでしょう。

ターボ係数とはどのぐらい?

では次にターボ係数をご説明しますが、ターボ係数は前述したとおり自然吸気エンジンとターボエンジンの性能差をフェアにする、モータースポーツのレギュレーションのひとつです。

具体的にはターボエンジンの排気量を規制して自然吸気エンジンと同程度の出力とすることを目指しており、ターボ係数=1.7倍としているレギュレーションがほとんどです。

モータースポーツのレギュレーションにはさまざまな規制がありますが、最も基本的なものはエンジンの排気量上限であり、ターボエンジンは自然吸気エンジンの1/1.7の排気量までしか採用できないというものです。

レギュレーションで排気量制限が3,000ccとなっている場合は、ターボ係数1.7倍で自然吸気エンジンとターボエンジンの排気量上限は次のようになります。

自然吸気エンジンターボエンジン
排気量制限:3,000cc2,999ccまで1,764ccまで

なおターボ係数はあくまで排気量での制限を行うものなので、実際にターボエンジンと自然吸気エンジンの出力が同じになるかどうかは別問題です。

レース用エンジンはターボも特製で出力の上昇幅が広く、もっと高い排気量のエンジンと同程度の出力を出せる場合もあります。

ですがレギュレーションには出力制限が入っている場合も多いので、実際にはそこまでスペック差は出ないものです。

ターボ係数の使い方

ターボ係数は日常生活では使うことのないもので、さまざまなカテゴリーのレースに参戦する場合に気にするものです。

よくターボ係数が自動車税などの税金に影響するという人がいますが、税金には一切関係ありません。

いくら1.5Lターボエンジンで2.5Lクラスの性能を出したとしても、税金の上では1.5Lエンジンとして扱われます。

ですので排気量のランクを下げるためにターボエンジンを採用する場合もありますね。ではターボ係数の実際の使い方をご説明しましょう。

身近ではないターボ係数

モータースポーツにはプロカテゴリーはもちろんのことアマチュアでも参戦できるカテゴリーもあり、私たちがターボ係数というものを気にかけるのはその時ぐらいでしょう。

自分の車で参戦できるプライベートなレースもあり、この場合でもターボ係数でカテゴリーが変わる場合があります。

ですがその場合でもあまり難しく考える必要はなく、カテゴリーを確認するときぐらいですね。

MEMO

なおすべてのモータースポーツでターボ係数は一定ではなく、レースのレギュレーションによってバラバラです。

例えばF1の世界では1980年代まで自然吸気エンジンとターボエンジンが両方使えましたが、自然吸気エンジンの排気量が3.0Lから3.5Lだったのに対しターボエンジンは1.5Lと、ターボ係数的に言えば2倍以上の時代がありました。

ですがレースの成績を見ると圧倒的にターボエンジンのほうが勝利数を上げており、一般的に言われるターボ係数1.7以上の性能だってターボエンジンは発揮できるのです。

ターボ係数を考慮した設計


意外な使い方としてはかつてスカイラインGT-Rに搭載された「RB26」直6ターボエンジンの例があり、2,600ccという中途半端な排気量はターボ係数を考慮して決められたものです。

2,600ccにターボ係数をかけると4,420となり、4.5L上限のレースカテゴリーに適用できるエンジンとなります。

スカイラインGT-Rはレースへの参戦をあらかじめ考慮して設計されているので2,600ccとなったのですが、そのせいで税金のランクが1段階上になってしまい、市販車としてはあまりうれしい排気量ではありませんでした。

ターボ係数というものはターボ車と自然吸気エンジンの関係性を見る上ではわかりやすいものなのですが、実際に活用する場面はほとんどない数字でもあるのです。