登場からいい具合に年数が経ち、プリウスαにもフルモデルチェンジの兆しが見えてきましたね。
一部ではウィッシュなどと統合する可能性も示唆され、次のモデルはどういった仕様になるか気になるところ…。
そして「フルモデルチェンジ!」となれば、中古相場の値下がりが予想されるので、プリウスαを安く買う絶好のチャンスとなります。
そのため今回は、少し早いですがプリウスαの前期・後期の違いについて解説をしたいと思います。
中古で狙っている方は、今のうちに目を肥やしておいて、一歩リードしておきましょう。
プリウスαの前期と後期の共通点
プリウスαが登場したのは2011年のことです。ハイブリッドカーとしての地位を確固たるものにした「3代目プリウス」をベースに、実用性を高めることを目的として生まれました。(プリウスの詳細は以下の記事をご参照ください。)
プリウスの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!ステーションワゴン型に拡張されたボディによって「2列シート(5人乗り)」と「3列シート(7人乗り)」をラインナップし、低燃費で実用的な車として人気を博しています。
2014年にマイナーチェンジ
見出しのとおり、プリウスαは2014年にマイナーチェンジを迎えました。
そのため年式で呼び分けるなら、2011~2014年5月に販売されたモデルは「前期型」、以降に販売されたモデルは「後期型」となります。
2018年8月現在も販売されているので、現行モデルは後期型というわけですね。後期型では、このようなポイントが強化されています。
- 意匠の変更
- 質感の向上
- 先進装備の充実化
簡単にいうと、ハイブリッドカーとしての「キャラクターがより強調された」ということですね。
さっそくマイナーチェンジでの変更点が気になるところですが、先に前期・後期で共通するポイントを解説したいと思います。
年式は違くても基本構造は同じですから、まずはプリウスαのおさらいをしておきましょう。
共通点① パワーユニット
プリウスαは前期・後期ともに、1.8L水冷直列4気筒DOHCの「2ZR-FXE型」エンジンが採用されていてます。
このエンジンはプリウス(現行型・先代型)をはじめとする、「ノア/ヴォクシー/エスクァイア」「C-HR」「オーリス ハイブリッド」といった、ミドルクラス・ハイブリッドに多く採用されているものです。(C-HR、ヴォクシーの詳細は以下の記事をご参照ください。)
C-HRの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!ヴォクシーの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!加えて、「5JM型」モーターがエンジン下に搭載され、これら2機によってパワーユニットを形成。パワーユニットの諸元は以下をご覧ください。
項目 | 諸元 |
ユニット型式 | エンジン:2ZR-FXE型 モーター:5JM型 |
種類 | 1.8L 直列4気筒DOHC + 交流同期電動モーター |
排気量 | 1,797cc |
最高出力 | エンジン:99ps(73kW)/5,200rpm モーター:60kW (82PS) システム出力:100kW(136PS) |
最大トルク | エンジン:14.5kgf・m(142N・m)/4,000rpm モーター:207N・m (21.1kgf・m) |
燃費 | 26.2km/L |
※直列4気筒、DOHC、エンジンの詳細は以下の記事をご参照ください。
直列4気筒エンジンの特徴!どんな音?搭載車を日本車/外車の車種からそれぞれ紹介!DOHCエンジンとは?仕組み/構造は?ツインカムとの違いとは?!1.8Lエンジンとモーターを最適な効率で組み合わせるので、優れた走行性能を実現しました。システム出力は136PSに達し、走り出しからスムーズに加速していきます。
もちろん燃費性能と静粛性もトップクラス。「平成17年基準排出ガス75%低減レベル」の認定を取得するほどのCO2排出量なので、環境性能も高い水準です。
さらに通常走行モードに加えて、3種類のモード走行が選択可能。シーンに合わせて、気分を変えて走ることができます。
- エンジンを停止して走る「EVドライブモード」
- 燃費をより向上させる「エコドライブモード」
- パワフルな走行が愉しめる「パワーモード」
注目したいのは、やはり「EVドライブモード」ですね。スイッチを押すだけでモーター走行に切り替わるので、早朝や深夜のドライブや、排出ガスを抑えたい車庫入れなどで活躍します。
なおEVモードについては以下の記事で詳しく解説しているので、詳細まで知りたい方はこちらもご参照ください。
プリウスのEVモードとは?使い方から速度まで徹底解剖します!共通点② プラットフォーム
プリウスαは前期・後期のどちらにおいても、「新MCプラットフォーム」がベースに採用されています。
これはトヨタ自動車における、Cセグメント(ミディアムサイズ)専用のプラットフォームで、中クラスのFF車に使用されることが多いです。「MC」というのはミディアム・コンパクトの略称。
項目 | 詳細 |
サスペンション | 前:ストラット式 後:トーションビーム式(FF) ダブルウィッシュボーン式(4WD) |
ブレーキ | 前:ベンチレーテッドディスク 後:ディスク |
採用車種 | カローラシリーズ プリウス(3代目) ヴァンガード RAV4(4代目) ハリアー(3代目) MIRAI |
後継 | TNGA-Cプラットフォーム |
新MCプラットフォームがベースのプリウスαは、量産性や実用性が高いだけでなく、安全性の高いさも特徴といえるでしょう。
衝撃吸収ボディと高強度キャビンによって、「全方位コンパティビリティ」というボディ構造を形成。
衝突安全性が極限まで高められているので、車格が異なる車との衝突においても、双方のダメージを軽減できるようになっています。
また、衝突安全性能が守るのはドライバーだけではありません。フロント部が衝撃を緩和させるフレーム構造になっているので、「歩行者」「公共物」なども、衝突や二次被害から可能な限り保護します。
もちろん事故に遭わないことが一番ですが、万が一に備える必要はありますよね…。プリウスαのボディなら、思わぬ交通事故に遭っても、被害を最小限に留めることが可能なのです。
もしプリウスαを買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。 たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!プリウスαの前期と後期の違い
プリウスαは、販売から3年ちょっとでマイナーチェンジを迎え、より先進性を高めた「新世代ハイブリッド」としてのキャラクターイメージを固めました。
それでは、前期型と後期型で異なるポイントについて、詳しく触れていきたいと思います。
違い① エクステリアの意匠
マイナーチェンジで変化がでる点といえば、フロントマスクの形状ですね。まずは、フロントの意匠について解説しましょう。
- ヘッドランプの形状
- ラジエーターグリルの形状
- ウィンカー周りの形状
- アンダーグリル周りのカラーリング
- スポイラーのカラーリング
ヘッドランプは曲線的なデザインに変更され、アンダーグリル・ウィンカー周りは黒く塗り分けられているので、ずいぶんと顔つきが変わりました。
前期型はマイルドで正統派なイメージですが、後期型は黒色の占める面積が増え、エッジの効いたデザインとなっています。プリウスというよりも、現行モデルのヴィッツのような顔つきに近いものがありますね。
【画像】プリウスはかっこいいのか?デザインについて徹底分析!ヴィッツの口コミ/評判!価格から外装や走行性能まで全てチェック!エクステリアの変更はリアにも及んでいます。
- テールランプのカラーリング
- バンパー下のカラーリング
前期型はテールランプがクリアレンズを採用していますが、後期型はレンズ内に赤いリフレクターを埋め込まれています。さらに、後期型はバンパー下も黒く塗り分けられたデザインに変更。
フロントマスクと同様に、後ろ姿もエッジの効いたデザインとなっています。
違い② インテリアの質感
インテリアについても、マイナーチェンジでいくつか変更点があります。まずは操作パネルから解説しましょう。
- ハンドルの形状
- メーターの視認性向上
- エアコン送風口の形状
- インテリアパネルのカラーリング
機能の拡張にともなって、ステアリングホイールにボタンが追加され、メーターも表示できる情報が増しています。これはマイナーチェンジでよくある変更ですよね。
デザイン的な部分では、エアコン送風口のスリット形状が変更され、センタークラスターに幾何学模様を用いたピアノブラック色に塗装されています。これにより格調高い内装へクラスアップしました。
さらに後期型はシートにも変更が加えられています。
- シートの素材に合成皮革とファブリックを採用
- アームレストの素材に合成皮革を採用
上品なインテリアといえば、革シートが思いつきますよね? 後期型はシートやアームレストに合成皮革が多用され、前期型よりもゴージャスな仕上がりになっています。
シートの変更点は素材だけではありません。新たに「電動ランバーサポート機能」が追加されているので、体格に合ったドライビングポジションが可能に。乗り心地は後期型が上手でしょう。
違い③ 先進安全技術の導入
このマイナーチェンジでは「先進性の強調」がテーマの一つだったので、さまざまな先進安全技術が導入されまし。
- レーンディパーチャーアラート(LDA)
- オートマチックハイビーム(AHB)
- Bi-Beam LEDヘッドランプ
車線逸脱を検知・警告する機能「レーンディパーチャーアラート(LDA)」、夜間走行時にハイビームを自動で放射する「オートマチックハイビーム(AHB)」などが標準装備されるようになりました。
さらに、後期型では世界初の技術「Bi-Beam(バイ-ビーム) LEDヘッドランプ」も採用。これは1灯の光源で「Lo↔Hi」を切り替えることで、省電力に貢献する技術です。
加えて前期型で設定されていた
- クルーズコントロール
- プリクラッシュブレーキアシスト
- プリクラッシュセーフシステム
などを1セットとしてオプション設定することで、後期型はより安全性に配慮されたラインナップになっています。
違い④ カラーリングの豊富さ
後期型では、前期型よりも多い「全9色」のボディカラーが設定されています。
前期型は
- 黒系
- 白系
- グレー系
- 赤系
- シアン系
が基本色です。8種類のバリエーションがあるとはいえ、色の系統が多いとはいえませんでした。
後期型では
- 金色系
- 茶系
- 紺系
- オレンジ系
などが増え、選択の幅が増えました。個性が強調されているので、車選びの楽しくなりますよね。
前期と後期をどっち買えばいいか?
というわけで、前期型と後期型との違いについて解説してきました。
マイナーチェンジでは「機能の拡張」や「質感の向上」が行われているので、価格は後期型の方が数万円値上げしました。
とはいえ、相応の仕上がりにはなっているので、その金額差は感じさせないでしょう。
庄司憲正(著者)
個人的には、前期型はのっぺりした印象があるので、キリッとしたスタイルの後期型の方がかっこいいと思います。上品さも兼ね備えているので、購入するなら後期型の方がおすすめですよ。
なおプリウスαについては以下の記事でも取り上げているので、詳細まで知りたい方はこちらもご参照ください。
プリウスαは雪道に弱い?雪道走行の性能について徹底分析しました!プリウスαは故障が多い?壊れやすいのか故障率をもとに解説!